月平均気温より蒸発散位を求め, これと月降水量とより毎月の水の収支を計算すると, 水分不足の起つた月とその量を知ることができ, これは干ばつに対する指標として重要である。
水分不足が起るのは6月より9月に至る4ケ月で, 他の8ケ月には起らない。また8月は最も水分不足を起しやすく, 7月はこれに次ぎ, 6月に水分不足が起つたのは, 66ケ年中ただ1ケ年だけである。
水分不足の起つた時には多く干害が起つており, 災害誌に記載されるような干害の際には多くは水分不足が起つている。しかし干害と水分不足の起つた時期や両者の程度が完全に一致しないのは, 作物が水分を要求する量がその生育時期によつて異り, また水の収支計算を月を単位として行つたためである。