抄録
保温比と保温性との関係を明確にした。保温比 (β) および底面での熱伝達率 (αDI)・フィルムでの熱貫流率 (αT) の比,とハウス内気温 (ti)・底面温度(td)・外気温 (ta) との簡単な理論式によって保温比が大になるほど内気温が高くなることを明示した。
ti=βtd+αT/αDIta/β+αT/αDI
連棟ハウスの屋根の天空を見る形態係数 (ψFS) は保温比 (β) に等しいことを示した。したがつて連棟ハウスからの理論的熱放射 (QFS=FσTf4ψFS) は, 水平屋根からのそれ (QFS=σTf4D, D=底面積) に等しく, これに比して単棟ハウスの熱放射 (QFS1=FσTf4ψFS1, F=フィルム面積, ψFS1=(1+β)/2) は (1+β)/2β倍となり, 熱放射からも保温比が大なほど有利なことを示した。