農業気象
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赤外線放射温度計による枠試験水稲田の表面温度測定例
奥山 富子
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1975 年 30 巻 4 号 p. 191-194

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抄録

水稲群落の蒸散・光合成・物質生産に密接な関連をもつ群落表面温度 (表層葉群の平均温度) の実態, ならびに外部要因との関連を明らかにすることを目的にし, 赤外線放射温度計を用いた実験的研究を行なった。得られた結果はつぎのように要約される。
(1) 群落表面温度は気温より2~3℃低いが, 十分な広さをもつ水田地帯においてはこの差はさらに小さくなるものと考えられる。
(2) 表面温度は葉温測定値に非常に近く, その差は1℃以下の測定誤差の範囲内にある (Fig. 2)。
(3) 表面温度Tsは気温Taとの相関が高く, 本実験条件下での両者の関係はつぎのようにあらわされる。
Ts=1.01Ta-2.74
(4) 群落条件下の温度差 (Ta-Ts) に及ぼす日射・風速の影響は, 個葉の場合のように明確にあらわすことはできない (Fig.5)。

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© 日本農業気象学会
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