農業気象
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モルトン法による東北タイの蒸発散
大場 和彦Paitoon PONSANA
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1987 年 42 巻 4 号 p. 329-336

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抄録

タイ国東北部地区における耕地蒸発散による水損失量を明らかにするため, 主要な作物の蒸散量と気孔抵抗をポロメータで実測するとともに, 耕地面でのポテンシャル蒸発散量(PET)および実蒸発散量(AET)を一般気象観測データが利用できる Morton (1983) モデルを用いて求めた。
PETAETによって表わされた気候の乾燥度(DI)は純放射量と相対湿度を変数としたより簡易な経験式で推定できた。DIは雨期(9月)の終りの0.1から直線的に増加し, 最乾期(2月)においては0.7~0.9の値になった。また主要な作物の葉面蒸散量と気孔抵抗値は乾期において土壌水分条件に強く影響を受けていることが認められた。更にDIPETを用いて, 東北タイ地区におけるかんがい要求度(IR)の時期別および地域的分布を明らかにした。

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