農業気象
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下層ジェット気流による九州北部におけるイネウンカ類の移動予知
清野 豁塩月 善晴大矢 慎吾平井 剛夫
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1987 年 43 巻 3 号 p. 203-208

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抄録
イネウンカ類はアジア各国の稲作の重要な害虫である。イネウンカ類の九州北部への長距離移動を予知するため, イネウンカ類が高度1,000-2,000mに現われる下層ジェット気流に運ばれるという仮説をたて, その移動モデルを開発した。毎年の飛来時期(6-7月)の毎日の気象条件を, 1980-1985年については21時の850mb面天気図を, 1986年については09時と21時の850rnb面天気図を用いて解析し, 飛来が予想される日を決定した。一方, 地上のネットトラップで得られたイネウンカ類の採集虫数から, 実際の飛来波を決定した。両者はおおむねよく一致した。21時の850mb面天気図に加え, 09時の850mb面天気図を用いることにより予測精度は向上することがわかった。最後に, 本方法による予測手順が示された。
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© 日本農業気象学会
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