1991 年 46 巻 4 号 p. 191-195
1) インゲンマメ下胚軸さし穂にイオン交換水で連続的にミスト処理するとさし穂からの不定根の発根が著しく抑制されることから, 長期間の雨によって作物の発根が阻害され悪影響のあることが示唆された。
2) 連続ミスト処理による不定根発根の抑制は, 0, 2, 4, 6, 12日間とミスト処理期間が長くなるほど顕著である。
3) 連続ミスト処理による不定根発根の抑制効果は, さし穂のエージを5, 12, 19日苗と変えても, 明期の光強度を0, 3, 8klukと変えても同じように著しかった。
4) ミスト処理を実験期間の前半に行った区と後半に行った区との比較, および下胚軸での根原基の形成を切片を作成して観察した結果から, ミスト処理は根の原基の分化よりも根の伸長抑制に効果が大きいことが示唆された。