The Annals of physiological anthropology
Print ISSN : 0287-8429
正弦波運動における呼吸交換率(R)の応答
福岡 義之鍋倉 賢治曽根 涼子権 五=藤井 宣晴池上 晴夫
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1991 年 10 巻 2 号 p. 91-100

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抄録
男子大学生6名を対象にして,運動強度が60%VO2maxから30wattsの範囲を反復するサイン波運動を,周期が1分~16分の場合で行った。そしてRの応答についてサインモデルを用いてその妥当性を検討するとともに,Rの変動パターンに影響する因子について理論的考察を行い,以下の所見と緒論を得た。1)VO2およびVCO2の振幅は1分周期のとき最小であり,周期の延長に伴って指数関数的に増大した。これに対してRの振幅は1分周期の場合に最小で,4分周期のとき最大となり,周期がさらに長くなると再び減少する特徴を示した。2)4分周期の場合にRの振幅が最大になった。これは,VO2とVCO2の位相の差が他の周期よりも大きく,かつVO2とVCO2の振幅の比率が比較的小さかったため,この両因子が相乗的に作用し,Rの振幅を増大する結果となったと考えられる。3)1分周期の場合にRの振幅が最も小さかった原因として,VO2とVCO2の振幅が極端に小さかったことが挙げられ,VO2とVCO2の位相の差や振幅此の影響は軽度であったと考えられる。4)負荷に対するガス交換パラメーターの位相遅れはVO2で最も小さく,次いでVCO2であり,Rの位相遅れは,それらより著しく大きかった。5)VO2およびVCO2はサイン波状に変化するのに対して,Rの変動パターンは,VO2とVCO2の差と振幅の比率とによって影響され,一般的にはサイン波とはならない。しかしながら,VO2とVCO2の位相の差が比較的小さく,かつ両パラメーターの振幅の比率が1に近い場合には,Rの変動をサインモデルによって近似させても差し支えない。以上のことから,サイン負荷に対するRの応答特性は,位相的にも波形的にもVO2や寸VCO2のそれと異なると結論できる。
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© 日本生理人類学会
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