The Annals of physiological anthropology
Print ISSN : 0287-8429
肥満女性の体内深部脂肪に及ぼす有酸素運動の効果
増田 隆今井 克己村岡 康博小宮 秀一
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 12 巻 1 号 p. 25-30

詳細
抄録
本研究は,38歳から57歳までの肥満中年女性11名を対象に,92日間の有酸素運動による体内深部脂肪量の変化を検討した。結果は,次のように要約できる。1)体内深部脂肪量と皮下脂肪量の治療前値は,それぞれ8.5±2.1kgと18.8±3.5kgで,総体脂肪量に占める割合は,体内深部脂肪量31.2%,皮下脂肪量68.9%であった。2)皮下脂肪量は,体重とr=O.900(p<0.001),総体脂肪量とr=0.839(p<0.01)の相関を示し,体内深部脂肪量は,体脂肪卒とr=O.707(p<0.05),WHRとr=0.703(p<O.05),および体内深部脂肪/皮下脂肪比とr=0,842(p<O.01)の相関を示した。3)92日間の有酸素運動によって体内深部脂肪量は平均-1.8kg(-21.2%),皮下脂肪量は平均-3.0kg(-16.0%)いずれも有意(p<0.001)に減少した。4)体内深部脂肪量の減少は,総体脂肪量の減少とr=0.856(p<0.001),体脂肪卒の減少とr=0.937(p<0.001),および体内深部脂肪/皮下脂肪比の減少とr=O.920(p<0.001)の高い相関を示し,年齢との関はr=O.615(p<0.05)であった。5)体内深部脂肪量の変化は,WHRや体内深部脂肪/皮下脂肪比の減少とは有意な相関を示さなかった。
著者関連情報
© 日本生理人類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top