日本エイズ学会誌
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長期服薬中の代謝異常とその対策-医師に必要な視点と患者の経験
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2004 年 6 巻 4 号 p. 377-378

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抄録

Highly active antiretroviral therapy (HAART) により、HIV感染者の生命予後は劇的に改善した。しかしHAARTを長期間行うことによる、あるいはHIV感染後の生存期間が延長されるにしたがって、種々の代謝障害が大きな問題となってきている。高脂血症や糖尿病で治療を受けているHIV感染者数は、当院でも増加傾向にある。また心筋梗塞や脳梗塞などを合併する例もみられてきている。
HAARTおよびに伴うHIV感染症に伴う代謝異常としては、
1.高脂血症
2.糖尿病 (インスリン抵抗性)
3.リポジストロフィー (脂肪集積・脂肪萎縮)
4.乳酸アシドーシス
5.末梢神経炎
6.骨軟化症、骨粗しょう症
などが代表的なものであるが、特に1-3は相互に複雑に関係している。ここでは症例を何例かとりあげて、長期服薬中の代謝異常とその対策について考えてみたい。

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