〔目的〕産後女性の肥満予防のための効果的な取り組みについて検討するため,青森県市町村における産後の体重管理に関する保健指導の実施状況を明らかにすることを目的とした。
〔方法〕青森県内40市町村の保健センター又は母子保健主管課を対象に,自記式質問紙調査を行った。調査内容は,母子保健事業における産後の体重管理に関する指導の有無と指導方法,目標体重の設定方法,指導期間,指導場面・指導形態,生活習慣病予防を目的とした40歳未満対象の健康診査の有無,体重管理に関する保健指導の実施状況とした。
〔結果〕青森県内40市町村のうち,28市町村から回答を得た (回答率70.0%)。産後の体重管理に関する保健指導を実施しているのは,28か所中13か所 (46.4%) であった。生活習慣病予防を目的とした40歳未満を対象とした健康診査を実施しているのは,28か所中24か所 (85.7%) であった。
〔結論〕青森県市町村における産後の体重管理に関する保健指導を実施している市町村は全体の半分以下であった。産後も母親の職業の有無に関わらず,年に一回の健診受診が継続できる体制と,必要時に専門職による対面での保健指導や情報提供を受けることのできる機会の確保が若年層の肥満,生活習慣病予防につながると考えられた。