2025 年 7 巻 1 号 p. 22-30
〔目的〕 乳幼児との関わり経験により共感性が育成され,親性準備性の発達に関与することは報告されているが,子どもを対象とし,乳児との関わり経験により親性準備性や向社会的行動が高まるかについて明らかになっているとは言い難い。本研究では,小・中学生の乳児との関わりに着目し,乳児との関わり経験の深さと,親性準備性,向社会的行動の関連を明らかにすることを目的とした。
〔方法〕 小・中学生を対象に,学年,性別,同居したことがある家族,乳児への好感情,乳児との関わり経験の深さ,ボランティアへの参加回数,向社会的行動尺度,親性準備性尺度を用いた自記式質問紙調査を実施した。t検定または一元配置分散分析,重回帰分析により,属性と各尺度得点との関連を検討した。
〔結果〕 265名中249名より回答があり (回収率94.0%),記入漏れのない232名を解析対象 (有効回答率87.5%)とした。両尺度得点において,学年別,性別,同居したことがある家族で有意差はなく,乳児との関わりが深い方が有意に高得点だった。乳児が好きであることは親性準備性,複数回のボランティアへの参加は向社会的行動に関連があった。
〔結論〕 乳児との関わり経験の深さは,親性準備性,向社会的行動と関連する可能性が示唆された。ボランティア活動や職業体験,赤ちゃんふれあい体験学習等で乳児と関わる機会が得られれば,親性準備性と向社会的行動を高めることが期待できると考える。