〔目的〕 本研究の目的は,小・中学生の運動習慣の有無による身長,体重,体脂肪率,骨密度の違いを明らかにすること,さらに親子の運動習慣との関係性を明らかにすることである。
〔方法〕 研究対象は青森県の3つの自治体における小学校5年生から中学3年生までの生徒,およびその保護者であった。2022年および2023年に,健診の対象となる子どもたちとその保護者に対し,生活習慣と食生活に関する調査の依頼を行った。親子双方の回答が得られなかったものを除外し,解析対象者は子どもと保護者それぞれ155組であった。子どもは体組成測定,骨密度測定,質問紙調査を行った。親子とも自記式調査票にて年齢,性別,身長,運動習慣の有無とその時間を聴取した。
〔結果〕 子どもの身長,体重は全国平均および青森県平均より高く,体脂肪率は標準であった。男女全てにおいて運動習慣の有無による身長,体重,体脂肪率,骨密度の違いはなかった。また,親子の運動習慣に関係性はなかった。
〔結論〕 運動習慣の有無による小中学生の身長,体重,体脂肪率,骨密度に差は認められなかった。また,親子の運動習慣には関連性は認められなかった。これは対象の年齢が思春期にあたることで,思春期前のように親子で運動するのではなく,部活動などで同世代の仲間と運動をするようになった可能性がある。