抄録
密度の鉛直分布をEOF解析し,その第1-3モードの振幅と,lOOOdbar面準拠の海面力学高度および
位置との間の経験式を求めることにより,黒潮周辺海域の密度の鉛直分布を海面力学高度から推定する方
法を提案した.3種の多重回帰モデル(位置の関数:1-3次式)と,力学高度のみ考慮する回帰モデル
を比較した結果,多重回帰モデルの方が密度推定には有効であることが示されたが,3種の多重回帰モデ
ル間の差は僅かであった.推定誤差(rms値)は,8月に最大(0.3 kg/m^3),2月に最小(0.15 kg/m^3)と
なり,また,上層200mでは,その値・変動ともに大きく,それ以深では両者とも小さいことが示された.
黒潮を横断する1本の測線上で観測された密度分布と,推定された密度分布の両者より求めた地衡流速間
の差(rms値)は0.04 m/sであった.今回の結果より,密度の鉛直分布の海面高度からの推定の可能性が
示された.