抄録
Bielschowsky 鍍銀法の Cauna 変法 (1959) と併用して, 組織化学的方法により, コリンエステラーゼ (ChE) (Koelle と Friedenwald 1949), モノアミンオキシダーゼ (MAO) (Glenner 等1957) の活性を, 人の陰核, 亀頭ならびに乳頭に於て検出した.
陰核と亀頭には, 3種の知覚性終末器官が共通に検出された. 即ち, 1. 通常小さく, ばらばらの自由神経終末に類似した終末型式で, ChE活性の弱いもの, 2. 中型で Meissner 触覚小体に類似したもので, 中等度のChE活性を示すもの, および, 3. 普通大きく, 時に巨大型を呈する終末器官で, 糸球体状を成し, ChE活性の最も強いもの, である. 乳頭および乳輪には何れの染色法によっても, 知覚終末器官を見出すことは非常に稀であったが, 時に, Meissner 型のものが見出された.
MAOの活性は, 凡ての型の終末器官に見出され, 大型のもの, 即ち, 糸球体状のものにやや強いと思われたが, 大体に於て同程度の活性を示し, その活性は非常に弱かった.
知覚終末器官内における知覚細胞は大きく, 肥満状を呈し, 核は紡錘型である. ChEの活性は認められず, ヘマトキシリン-エオジン, トルイヂン青, メチレン青, 或は中性紅によって染出されたが, 鍍銀法により, 更に, 知覚終末器官内で無髄の知覚神経線維の終末が, これらの細胞に終る像が促えられた.
従って, 知覚終末器官内に於けるChE活性は知覚細胞を取囲む物質に存在すると思われる.