Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
幼若小脳の苔状線維終末に出現するグリコゲン顆粒の電子顕微鏡的観察
小西 昭
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1966 年 27 巻 1-5 号 p. 451-464

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抄録
小脳の糸球体に存在する苔状線維終末 (以下 終末 と略す) の生後変化を, ハツカネズミとネコを用い, ホルマリン灌流固定を行なって電子顕微鏡で追求した.
1. 終末は生後5日頃に認められ4週中にほぼ成熟域に達する.
2. 幼若終末には電子密度の高い200-400Åの顆粒が存在する. この顆粒を含む終末と顆粒の量は動物の発育に伴なって漸増し, 生後10日から13日に最大となり, 15日以降漸減して3週後にほとんど消失する.
3. この顆粒はいわゆるグリコゲン顆粒に酷似するが, 従来の同定基準に一致した電子染色性を示さない. この差異は固定法の相違によるものと見られ, 種々検索の結果本顆粒をグリコゲンと同定した.
4. なお, 幼若終末内でのグリコゲンの存在と消長の意義について言及した.
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© 国際組織細胞学会
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