Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
マウス松果体の周辺におけるリンパ組織-組織学的ならびに計量組織学的研究
阿部 和厚松島 少二加地 隆伊藤 隆
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1971 年 33 巻 4 号 p. 263-271

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抄録
新生仔期から生後300日齢までの雌雄229例のdd-マウスを用いて, 頭蓋内とくに松果体の周辺におけるリンパ組織の分布と発育を, 組織学的ならびに計量組織学的に検索した.
リンパ組織は主として密在する小リンパ球の小節状集積からなる. リンパ組織には形質細胞もしばしばみとめられ, かつ加齢とともに増加する傾向がある. リンパ組織の出現部位は松果体周辺の静脈と密接な関連がみられ, とくに松果体茎の後側で中脳からの静脈が合流する部位に最も多い.
リンパ組織は生後10日までは見られないが, 15日で11%の例に小集積として始めて出現し, その後急速に発達し, 60日以後では90%以上の例に出現する.
リンパ組織の小節状集積は一般に径50~150μを算するものが最も多いが, さらに大きなものも加齢とともに増加する. またその総量も加齢とともに増加する.
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© 国際組織細胞学会
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