Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
両生類の胃十二指腸内分泌細胞の組織学的所見
M. GABE
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 35 巻 1 号 p. 51-81

詳細
抄録
両生類16種の胃十二指腸粘膜に, 光線顕微鏡で4種の内分泌細胞が見出された. 2種は胃に, 2種は十二指腸にあった.
腸クロマフィン様細胞は銀好性であるが, 銀親和性でない. その分泌物は組織化学的にフェノールとインドールの反応が陰性である. 塩酸加水分解処理で塩基好性が現れない. この型の細胞は主として胃底腺の頸部粘液細胞のあいだに分散する.
ガストリン細胞は幽門腺の外分泌細胞間にあり, 幽門腺のない動物では粘膜上皮細胞間にある. 分泌物は銀好性であるが, 銀親和性ではない. フェノールとインドール反応陰性で塩酸加水分解後に塩基好性 (メタクロマジー) を示す. 鉛ヘマトキシリンに染まるが, リンタングステン酸ヘマトキシリンに染まらない.
腸クロム親和細胞は十二指腸の上部にのみ分布し, よく知られた形態学的および組織化学的特徴を示すが, 分泌物の銀親和性は他の脊椎動物におけるより不明瞭である.
十二指腸には非クロム親和性内分泌細胞が, その形態学的特徴によって区別される. その分泌物は銀好性であるが銀親和性でなく, 塩酸加水分解後にメタクロマジー性塩基好性を示し, 鉛ヘマトキシリンとリンタングステン酸ヘマトキシリンで染まるが, フェノールとインドールの反応が陰性である.
これら内分泌細胞の組織学的特徴は, 他の脊椎動物の同型の細胞とほぼ一致する.
著者関連情報
© 国際組織細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top