Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
白血球を包含せる肝細胞
尾曽越 文亮池田 輝正
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1953 年 5 巻 3 号 p. 375-378

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抄録
成熟正常家兎に他の数匹の成熟家兎から採つた骨髄細胞成分の生理的食塩水懸濁液を耳静脈内に注入した既報の実験 (Osogoe, 1943; Osogoe and Omura, 1950) で, たまたま白血球を包含せる小数の肝細胞を見出した. そのような肝細胞は骨髄の細胞成分注入後72時間目に調べた6例中2例に小数見出されたもので, 白血球は核に近接した液胞中に存在し, 通常1個の肝細胞は1個の白血球を包含していたが, 稀には2個のリンパ球を包含せるものも認められた (Figs. 1-2). 有糸核分裂像を示す肝細胞中にも稀に白血球が包含されていた (Fig. 1). 白血球を包含せる肝細胞は退行変性の徴候を示さないが, 肝細胞中の白血球は変性するか或は消化されるようで. 白血球に由来すると思われる球形の核崩壊物が少数の肝細胞の液胞内に認められた (Fig. 3). その他, 肝細胞中の偽好酸球には特殊顆粒が著しく減少したり, 核が膨潤して分節が明瞭でなかつたり, 大なり小なり退行変性の徴候が認められた.
このような所見から肝細胞の貪喰能を云々するのは早計であるが, 他の上皮細胞, 例えば尿細管上皮細胞が喰作用を有するところからみれば, 肝細胞が稀に貪喰能を発揮しても差支えないように思われる.
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© 国際組織細胞学会
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