日本人口學會記要
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日本における産兒調節普及の現状 : 青森 岩手 宮城 秋田 栃木 埼玉 石川 和歌山 岡山 香川 高知 佐賀 宮崎 13県下31353夫婦の1949-1950年実態調査報告
篠崎 信男
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1952 年 1 巻 p. 50-57

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抄録
今回,調査した31353夫婦について,産兒調節普及の実状は以上の如くであるが,要約すると次の如くである。普及は市町農山漁村えと文化圏距離に比例して拡つて行き,しかも教育程度の高い人々から実行にうつされて行つていること,叉職業的には収入の一定した俸給生活者に多く普及し易く,農漁業者や労働者等には普及の速度は遅いこと等で,此等の原因と平行して,生活に追いつめられて実行するものが多く,反面斯る問題については一般人は無知のものが多いと言うことである。従つて現状は11.7%の実行に止り,しかも,産兒調節に入る人々の多くは人工流産を一度行つてから実行すると言う傾向であり,産兒調節と言うことが事前の予防方法であると言う認識に欠けていること等があげられるのである。
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© 1952 日本人口学会
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