2022 年 2021 巻 25 号 p. 1-14
日本の政府調達では、企業を規模や技術水準に応じて格付けし、その格付に応じて企業の参加できる入札を制限する等級制度がある。本稿は、2013年度に中国地方整備局の一般土木工事入札で等級区分が統合された事例を用いて、等級制度による競争制限効果が企業の入札参加に与える影響を、理論的、実証的に検証した。その結果、等級区分がある場合よりも、等級区分がない場合の方が、上位等級企業の入札参加は多く、下位等級企業の入札参加は少なくなるが、トータルでは企業の入札参加は多くなることが示された。