アジア動向年報
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各国・地域の動向
2011年のロシア極東 中央政府,南千島を戦略的地域として重視
平泉 秀樹
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2012 年 2012 巻 p. 599-616

詳細

2011年のロシア極東 中央政府,南千島を戦略的地域として重視

概況

国内政治では,12月初めに国会議員(下院)選挙が行われ,与党「統一ロシア」は議席の過半数を維持したものの,獲得議席数を大きく減らした。極東地域でも「統一ロシア」は得票率を大きく減じ,極東地域を地盤とする議員の数も減少した。

経済では,極東地域開発,千島列島(ロシア名クリル諸島)開発プログラムが継続して実施された。これら国家プロジェクトの実施を監督するため,中央政府の要人がたびたび現地を視察に訪れた。プーチン首相はサハリン州でエネルギー関係の会議を開催し,イワノフ副首相は択捉(ロシア名イトゥルップ)島で政府会議を開催した。

対外関係では,中国や韓国,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とは関係進展・強化が進められたが,日本との関係では領土問題に対する菅首相発言やロシア高官の当該地区視察などをめぐり非難の応酬が繰り返された。

国内政治

第6次国会議員選挙

12月4日,第6次国会(下院)議員選挙が実施された。2007年の前回選挙から,全国1区での政党への完全比例制による議員選出となっている。また,今次議員選挙から,議員の任期は4年から5年に変更された。さらに,議席獲得のための最低得票率が5%から7%に引き上げられた。

第5次国会議員選挙では,現政権与党である「統一ロシア」が64%以上の得票率を得て,3分の2を超える315議席を獲得したが,今次選挙では得票率を大きく減らし(約15ポイント減),かろうじて過半数を維持したものの議席を大きく減らした(77議席減)。選挙前から与党の退潮が伝えられ,「統一ロシア」の党首であるプーチン首相は「統一ロシア」を核として国民戦線という組織を作り,選挙戦を戦ったが,退潮傾向に歯止めをかけることはできなかった。これに対し,共産党,公正ロシア,自由民主党が得票率,議席数をともに増加させたが,「統一ロシア」の減少分は各党に分配された結果,議会における与党の優位は変わらなかった(表1)。

表1  第6次国会議員選挙結果(%,人)

(注) カッコ内は前回選挙結果。

*前回選挙では,その他「市民勢力」「ロシア民主党」「右派勢力同盟」「社会公正党」が選挙に参加した。

(出所) 中央選挙管理委員会(http://www.cikrf.ru/)。

「統一ロシア」が苦戦をしつつも,議会で優位に立てる議席を獲得したのは,「統一ロシア」に対抗できる政党が存在しないことに加えて,地域的な得票率のばらつきがあったことが大きい。地域別でみると,「統一ロシア」は,人口の多い首都モスクワ市では,10区のうち5区で得票率が全国得票率を若干超えたものの(50.30~54.02%),残り5区では全国得票率を大きく下回った(32.23~46.87%)。「統一ロシア」党首であるプーチン首相のお膝元であるロシア第2の都市サンクトペテルブルク市では,5区のうちすべての区で全国得票率を大きく下回った(29.82~37.68%)。一方,民族区である「共和国」では28区のうち,22区で全国平均を大きく上回り(52.24~91.94%),6区で全国平均を下回ったに過ぎない(32.26~49.16%)。その他,自治州・地方・州では90区のうち全国得票率を上回ったのは23区,多くの区では全国得票率を大きく下回った(最低得票率はスベルドロフ州中央区25.66%)。これらから判断して,共和国の高い得票率が与党のより大幅な退潮を緩和したということができる。

極東地域でも「統一ロシア」は苦戦を強いられた。全国得票率は,前回選挙に比べて14.98ポイント低下したのに対し,極東地域では比較的人口の多い沿海地方,ハバロフスク地方,アムール州,サハリン州などで,全国得票率の減少率よりも大きな低下を示した(表2)。これに対し,共産党,公正ロシア,自由民主党は前回選挙に比べて得票率を増加させたが,全国同様,各党に分散した。

表2  極東地域における政党得票率(%)

(注)カッコ内は前回議員選挙結果。沿海地方は前回,2選挙区で実施。

(出所) 中央選挙管理委員会(http://www.cikrf.ru/)。

イシャエフ極東連邦管区大統領全権代表は,極東地域から選出された議員は前回の19議席から16議席へと3議席減少し,ただでさえ少ない極東選出議員の影響力がさらに減少したと述べた。

経済

極東地域の社会・経済開発

極東地域は軍事的・地政学的な観点からロシアにとって極めて重要な地域であるが,旧ソ連邦の解体以降,産業は衰退し,極東の地を去る人も多く,現在も毎年のように人口が減少している。しかし,大陸から遠く切り離されている南千島は,地政学や天然資源の存在などの観点から,その重要性が近年ますます高まってきている。そのため,政府は毎年,本土地区の経済と生活条件改善のためのインフラ整備,経済構造の高度化を進めるとともに,離島における生活インフラの整備にも取り組んでいる。

〈インフラ整備〉

2011年にはいくつかの大規模プロジェクトが完成した。

2012年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)会場となるウラジオストック(ルースキー島)に向けて建設中であったガスパイプライン「サハリン=ハバロフスク=ウラジオストック」が,プーチン首相の臨席のもと開通した(9月9日)。サハリンからのガスは,沿線発電所の燃料となるだけでなく,住民生活のガス化も計画され,生活環境の改善が目指されている。鉄道の分野では,極東第2の輸送幹線であるバム鉄道の輸送力増強の障害となっていたコムソモーリスカヤ・ナ・アムーレ=ソビエッツカヤ・ガバニ間に新たなトンネルが開通し,バム鉄道の輸送力が強化された。また,シベリア鉄道からサハ共和国の主都ヤクーツク近郊まで延びるベルカキット=トッモット=ニジニ・ベスチャフ間の鉄道が開通した。

〈東シベリア・極東地域開発と燃料・エネルギー産業の発展〉

プーチン首相はサハリン州の州都ユジノサハリンスクで「東シベリア・極東における燃料・エネルギー産業の総合的発展に関する会議」を開催した(3月19日)。これは,東シベリア・極東地域の発展にとって,燃料・エネルギー産業の発展が極めて重要であるとの認識に基づいている。

プーチン首相はこの会議で,東シベリア・極東地域の開発とエネルギー産業の発展に関する重要な演説を行った。その骨子は,「東シベリア・極東地域の開発は国家規模で行うべきもの」であり,とくに「新しい産業センターの形成,輸送回廊の敷設,都市の整備,快適・魅力的な生活条件,追加雇用および現代的社会インフラの創出が課題」である。そのうえで,「東シベリア・極東地域にとって,高技術の燃料・エネルギー産業こそが地域の発展と,ロシア全体とグローバルな経済空間への効果的な統合にとっても,さらに現状のインフラが発展を阻害するような状態を打破するためにも,もっとも重要な支柱である」と述べた。

プーチン首相は具体的に以下のような指示を出した。(1)近代的な石油ガス化学産業を確立するため,沿海地方で石油化学企業(年産1000万トン)の建設を開始するために必要なすべての決定を速やかに行うこと。(2)モーター用のガス燃料の生産と利用に関するインフラを積極的に発展させること。(3)石油・ガス輸出のための港湾インフラ整備をいっそう拡大すること。(4)「東部ガスプログラム」を改正すること。これに沿い,液化天然ガスの生産を増やし,輸出市場を多様化するための輸出用ターミナルを増強すること。これに関して,タンカー建造能力を強化することが含まれる。(5)石炭産業を発展させるために新たな刺激を与えること。具体的には,南ヤクート炭田における大規模開発を開始すること,サハリンの近代的輸送インフラ建設計画を実現すること,バニノおよびソビエッツカヤ・ガバニ港の港湾施設を整備し,これら港湾につながるバム鉄道の輸送能力を強化することを含む。(6)電力総合発展プログラムを作成すること。

〈「サハリン州クリル諸島」の開発〉

(開発プログラムの進行と要人の現地視察)

日本の「北方領土」である南千島を含む千島列島全域を対象として2006年に決定された連邦特別プログラム「2007~2015年のクリル諸島の社会・経済発展」(以下,「発展プログラム」)は,2011年から第2段階に入った。南千島では,色丹島(ロシア名シコタン島)のヘリコプター離着陸場の建設,国後島(同クナシル島),択捉島(同イトゥルップ島)での漁業関連工場の建設,択捉島の港湾設備の改修,自動車道路の改修などが計画されている(「発展プログラム」の計画の内容については『アジア動向年報2011』602ページを参照)。

千島列島,とくに,南千島の開発は,2010年にメドベージェフ大統領がロシアの国家元首として初めて国後島を訪問したこともあり,中央政府にとって現下の重要政策のひとつになっている。そのため,2011年には中央政府の要人がたびたび南千島を視察に訪れた。

バサルギン地域発展相を団長とする政府視察団は1月末から2月初めにかけて国後島,択捉島を視察した(1月30日~2月1日)。この視察団には,経済発展省,エネルギー省,保健・社会発展省,自動車道路,航空,漁業,通信などに関する組織の代表が加わった。視察後,バサルギン地域発展相は,2月4日に択捉島を視察したセルジュコフ国防相とともにメドベージェフ大統領に視察の結果報告を行った(2月9日)。バサルギン地域発展相は「すべての計画は完全に,予定通り実施されている」と報告するとともに,プログラムの最優先課題は,(1)インフラの発展,(2)住宅建設,(3)漁業の発展であり,これら計画を完全に実施するためには,追加資金130億ルーブルが必要であると述べた。これに対し,メドベージェフ大統領は,必要な決定を行わなければならないとしたうえで,観光産業の可能性について言及し,これに関連するインフラ整備が必要であると述べた。

イワノフ副首相を議長とする代表団(経済発展相,地域発展相,運輸相,天然資源・環境相,漁業局長官,航空輸送局長官などが参加)は5月,ホロシャービン・サハリン州知事をともなって国後島,択捉島を訪問し,高深度接岸施設,メンデレエーボ空港,イトゥルップ空港,養魚工場,魚加工企業,自動車道路などの建設進捗状況を視察した(5月15日)。「発展プログラム」はイワノフ副首相が総責任者となって実施している。視察後の政府会議において,イワノフ副首相はディーゼル・石炭燃料発電に代わる地熱発電所の建設を促進するよう提案した。また,政府会議はサハリン州知事から要請されていたおよそ160億ルーブル(連邦予算130億ルーブル,州予算30億ルーブル)に及ぶプログラム予算の引き上げに関し,支持を表明した。

この視察に関しイワノフ副首相は,プーチン首相が沿海地方ウラジオストックを訪問した際,プーチン首相に対し,南千島の発展プログラムの進捗状況について報告を行った(9月8日)。イワノフ副首相によれば,南千島が抱える主要な問題は輸送アクセスにあり,これら解決のために連邦特別プログラムへの12億ルーブルの追加融資がプーチン首相の署名を得て決定された(同日)。このうち,5億ルーブルは択捉島の空港建設に,5億ルーブルは国後島,択捉島の港湾施設建設に融資される。残りの資金は,両島の効率的な燃料・エネルギーの確保に融資される。色丹島には飛行機用空港ではなく,ヘリコプター空港を建設する。

その他,中央政府からはパトルーシェフ安全保障会議書記が国後島,歯舞諸島水晶島(ロシア名タンフィリエヴァ島)を(9月11日),マルコフ大統領補佐官が国後島を視察した(10月13日)。

(千島列島発展への外国投資受け入れについて)

ラブロフ外相は,ロシアを訪問した前原外相との会談後行われた共同記者会見の席上,南千島諸島への中国,韓国を含む諸外国からの投資受け入れを歓迎し,投資への優遇供与について検討する用意があると述べた(2月11日)。また,日本に対しても,2010年,メドベージェフ大統領と菅首相(当時)の首脳会談の際に,メドベージェフ大統領が菅首相に提案したとされる,南千島での共同経済活動についての日本側からの返答(「北方四島における共同経済活動について,日本の法的立場を害さない前提で何ができるかを日露双方のハイレベルで議論していくこととなった」[日本外務省ウェブサイトhttp://www.mofa.go.jp])に対して,期待を述べた。

〈極東地域住民への航空費補助〉

極東からヨーロッパ部への高額な航空運賃のため,極東住民は「祖国から切り離され,見捨てられている」という感情を持っている。このような状況を緩和するため2009年からシベリア,極東,北方地域から一定の航路に乗ってヨーロッパ部へ出かける乗客に対する補助事業が実施されている。プーチン首相は,12月19日マガダン州マガダン市において「航空飛行アクセスの確保について」会議を開催した際,補助航路の拡大,女性に対する補助対象者年齢の引き下げ(60歳から55歳)などを含む現行の補助事業の内容を抜本的に改正するよう指示した。

対外関係

中国との関係

現在,中国とロシアは国家間関係のもっとも強固な状態である「戦略的パートナーシップ」の関係にある。このような強固な関係を維持するため,両国首脳(国家元首,首相)はさまざまなチャンネルを通じて頻繁な接触を行っている。2011年も公式訪問やサミット,国際会議などの場を借りた首脳会談が行われた。

ロシアと中国にとってエネルギー分野での協力,とくにエネルギー商品のロシアから中国への輸出は両国の戦略的パートナーシップの重要な柱のひとつであるが,価格をめぐって両国企業間で問題が生じている。石油輸出では,2011年1月に運用が開始された石油パイプライン「スコボロジノ=大慶」経由の石油輸出価格の設定をめぐって,ロシア企業とパートナーの中国企業の間で紛争が持ち上がった。また,ガス分野では,西シベリアから中国への新たなガスパイプライン建設をともなうガス輸出において価格交渉が妥結に至らず,輸出問題が難航している。

〈首脳会談〉

ロシア大統領と中国国家主席の間では,毎年または隔年ごとの相互公式訪問や国際会議などでの首脳会談が頻繁に行われ,両国間の強固なパートナーシップを確認しあっている。2011年にも,4月にメドベージェフ大統領がBRICS首脳会談のため中国を訪問した際(4月13~17日,海南島,香港)に首脳会談が行われた。

2011年は,2001年7月16日に締結された「善隣友好協力条約」締結10周年という記念すべき節目の年に当たっており,胡錦濤国家主席は6月にロシアを公式訪問し(6月15~18日,モスクワ,サンクトペテルブルク),メドベージェフ大統領と首脳会談(6月16日)を行うとともに,10周年に関する首脳による共同声明が発表された。会談では,この間の成果が確認されるとともに,今後10年間の将来展望が双方から述べられた。メドベージェフ大統領によれば,二国間での協力については,とくに,貿易・経済関係が重要視された。会談のなかで両首脳は,貿易額を2015年までに1000億ドル,2020年までに2000億ドルにまで高めることを目指すことを確認した。また,観光分野では2012年と2013年にロシアと中国でそれぞれ観光年を行うことで合意した。これら両首脳の意図は,10月に行われたプーチン・温首相会談の共同コミュニケのなかで確認された。

首脳会談は,20カ国・地域首脳会合(11月3日),APEC首脳会議(11月14日)の折にも行われた。

〈首相会談〉

首相レベルでは,年に1度の定期首相会談が行われる制度的システムが形成されている。2011年にはプーチン首相が中国を訪問し,首相会談後,共同コミュニケが発表された(10月11日)。プーチン首相によれば,ロ中関係は現在,政治や社会の分野ではいかなる問題も生じておらず,前例のないくらい高度なレベルの協力関係が構築されている。しかし,貿易・経済関係ではさまざまな困難な問題が生じているが,「これまで双方が現実的,相互利益に基づいて妥協を行い,問題を解決してきたし,現在もそのように解決しようとしていることは大変に喜ばしいことである」と述べた。会談後に発表された両首相の記者会見のなかで,温家宝首相は「ロシアから中国への石油パイプラインによる石油取引の価格をめぐる企業間のトラブル(後述)は完全に解決された」と述べた。また,会談後に発表された共同コミュニケによれば,両国は先の首脳会談で目標とされた貿易額を2015年までに1000億ドル,2020年までに2000億ドルにまで高めるために共同歩調をとることを再確認した。その他の両国関係では2012年に中国でロシア観光年,2013年にロシアで中国観光年を実施することで合意した。

ロシア極東地域と中国東北地域との関係については,すでに実施している両地域間の協力プログラムの全面的な実施を保証すること,重要なプロジェクトリストを修正・追加すること,地域間協力発展のための共同基金創設を検討することなどが確認された。また,国境間の輸送インフラ改善に関して,ニジニ・レーニンスコエ(ユダヤ自治州)=同江(黒竜江省)間の鉄道橋建設に速やかに着手すること,ブラゴベシチェンスク(アムール州)=黒河(黒竜江省),ポクロフカ(ハバロフスク地方)=河(黒竜江省),ポルタフカ(沿海地方)=東寧(黒竜江省)間の河川跨橋の建設の実現と法的問題の手続きに関する作業を継続すること,などが合意された。また,環境保全,労働移民の協力促進,不法移民対策での協力についてさらに作業を継続することなどが合意された。

以上の,定期首相会談のほかに,温家宝首相は上海協力機構首相会議出席のためロシアを訪問し,プーチン首相と会談を行った(11月7日)。

〈エネルギー協力〉

石油部門では,2011年1月1日から石油パイプライン「東シベリア=太平洋」(タイシェット=コジミノ)の中国への分岐線「スコボロジノ=大慶」によるロシアから中国への石油輸出が始まった。しかし,ロシア企業トランスネフチ社とロスネフチ社は3月末に,パートナーである中国国営石油ガス公司(CNPC)が石油代金を一方的に引き下げて支払い始めたので,ロンドンの仲裁裁判所に提訴することも検討すると表明した。しかし,国際的な場での紛争を恐れた両国政府は,セチン副首相と王岐山副首相が出席する「第7回ロ中エネルギー対話」(5月31日)でCNPCが支払い義務を遂行することで合意し,滞納支払金の一部返済を開始した。中国側は,支払い価格に含まれるパイプライン使用料の係数が過大に見積もられていると主張している。すなわち,原協定ではパイプライン「東シベリア=太平洋」の始点である東シベリアのタイシェットから太平洋側の終点である沿海地方コジミノまでの距離を価格算定係数に参入しているのに対し,中国側は中国への分岐点であるスコボロジノからコジミノまでの区間を算定係数から除くように協定見直しを求めた。結局,見解の相違は解決できず,8月初めトランスネフチ社は中国への分岐線建設を行う見返りに中国発展銀行がトランスネフチに融資した100億ドルを返済し,石油の供給を停止することまでも表明した。石油料金未払い問題は,第16回ロ中定期首相会談(10月11日,北京)まで持ち越されたが,両首相間で解決のための合意がなされた。

ガス部門では,ロシアから中国への天然ガス輸出計画が進められている。2004年10月にロシア・ガスプロム社(以下,ガスプロム)と中国CNPCとの間で両者の戦略的協力に関する協定が締結され,その後2010年9月にはガス供給の基本条件に関する協定が締結された。しかし,この間,ガス価格をめぐって交渉が難航していた。善隣友好協力条約10周年の記念の年に胡錦濤国家主席がロシアを公式訪問する機会に際し,サンクトペテルブルクでの国際フォーラムにおいて最終的な協定が締結される予定であったが,結局,価格合意には至っていない。

日本との関係

〈領土帰属問題〉

2011年,北海道北方の4島の帰属をめぐる交渉はまったく進展がなかった。メドベージェフ大統領の国後島訪問(2010年11月1日)以後,大統領の命を受けた多くの高官が南千島を訪れた(〈「サハリン州クリル諸島」の開発〉を参照)が,これら高官の現地視察をめぐって日本からの抗議と,ロシアの反論という不毛な非難の応酬が繰り広げられた。また2月には,メドベージェフ大統領の国後島訪問に対する菅直人首相の発言「許しがたい暴挙」をめぐって,ロシアから強い非難がなされた。

北方4島の帰属問題の交渉は長年にわたって進展が見られないが,そこには日ロ双方の交渉の論拠が異なっていることがある。ロシアは近年,北方4島の領有を正当づける論拠として,両国間の歴史的,国際法的な観点からではなく,第二次世界大戦の結果得られたものであるという立場を強調するようになっている。また,ロシアは,両国の交渉は領土の帰属問題ではなく,平和条約の締結問題であるとみなしている。これに対し日本は,北方4島が歴史的,国際法的にみて日本のものであるということを交渉の論拠とし,平和条約は4島の帰属問題が解決されたのち締結されるという立場をとっている。したがって,日本が北方4島を実効領有しているロシアの論拠を崩せない限り,交渉の余地がないということになる。また日本は,これまでの交渉で2島返還や4島一括返還,さらにはロシアと中国の間の領土交渉で用いられた紛争面積の半分の返還など,異なる立場が有力政治家や交渉担当高官の口から発言されてきた。さらに,日本では首相が頻繁に交代するとともに,北方領土交渉の直接の責任者である外務大臣までもが頻繁に交代している。したがって,長年にわたってロシア側の交渉責任者となっているラブロフ外務大臣と対等に渡り合える力がないことは歴然としている。

こような長年に及ぶ交渉が進展しないという状況の下で,近年ますます重要視されてきているエネルギー資源や水産資源の存在や,友好国の中国が推進している太平洋進出のうえでの重要な地政学的な位置などの観点から,ロシアにとって北方4島のもたらす国家的利益は,以前よりも格段に高まっている。これに関してメドベージェフ大統領は,バサルギン地域発展相に対しては千島列島発展計画の進捗状況を視察するよう,セルジュコフ国防相に対しては千島列島の部隊状況を視察するよう指示した。メドベージェフ大統領は,両大臣の千島列島視察に関する報告会議(2月9日)のなかでセルジュコフ国防相に対し「ロシアの分かちがたい一部としての島々の安全保障を確保するため,補充される軍備は近代的かつ必要十分でなければならならず,(中略)我々はクリル諸島における我々の存在強化のために必要なあらゆる努力を行う。これは我々の戦略的方針である」と述べ,北方4島における軍事力の近代化と強化を行うためのプログラムを作成するよう指示した。5月11日,大統領は国防省作成の軍備近代化計画を承認した。マカロフ参謀総長は,2014~2015年までには千島列島には「近代的な装備と武器を持った,完全に新しい容貌を持つ」軍隊が出現すると述べた(5月11日)。

韓国との関係

ロシアは戦略的輸出品のひとつである天然ガスの輸出先を多様化したいと考えている。その対象国のひとつが韓国である。ロシア・ガスプロムと韓国ガス公社(KOGAS)は2003年5月にエネルギー協力に関する常設共同作業グループを設置することで合意し,5年間の協力協定を結んだ。その後,2006年10月に両国政府間で「ガス産業における協力」についての協定が交わされ,ロシアから韓国へのガス供給の可能性に関する共同プロジェクトが進められてきた。これを受けて2008年9月にはガスプロムとKOGASの間で天然ガスの韓国への供給に関する相互了解メモが交わされ(2003年協定の5年間延長),2009年6月には「ガス供給プロジェクトの共同調査」が協定された。この協定によって,ロシア国内のガスパイプライン「サハリン=ハバロフスク=ウラジオストック」からガスを供給する方式を共同で検討することが決定された。ロシアにとって,韓国へのガス供給プロジェクトのさらなる推進は2011年の大きな外交課題のひとつとなった。韓国へのガス供給は,北朝鮮領内を経由するガスパイプライン方式のほかに,液化天然ガスをタンカーで運ぶ方式が可能であるとされるが,ロシア側はパイプライン「サハリン=ハバロフスク=ウラジオストック」からパイプラインを韓国まで延長することが有利であると考えているようである。

パイプライン敷設問題は8月に行われたラブロフ外相と金星煥外交通商相の会談の主要議題のひとつであった。外相会談後,ラブロフ外相は企業間で合意ができれば,政府は政治的支援を与える用意があると表明した(8日)。この問題はその後に行われたメドベージェフ大統領と金正日・北朝鮮労働党総書記(以下,金総書記)の首脳会談(24日)の主要なテーマのひとつでもあった。この会談において金総書記はパイプラインの北朝鮮敷設を許可する用意があると述べており,ロシアは韓国の合意を取り付ける必要があった。この会談ではまた,特別委員会を設置することでも合意した(24日)。これを受けて9月にはガスプロムとKOGASの間で北朝鮮経由のパイプラインプロジェクトのロードマップを決定するとともに,北朝鮮を含めた3者協議が行われた(22日)。11月にはメドベージェフ大統領と李明博大統領の首脳会談(2日)においてこの問題が協議され,ミレル・ガスプロム社長は,2017年には天然ガスをパイプラインで供給することが可能だと述べた。

北朝鮮との関係

前述のように,金総書記はシベリア連邦管区ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデでメドベージェフ大統領と首脳会談を行った(8月24日)。会談の主要なテーマのひとつは,ロシアから韓国へのガスパイプライン建設に関する問題であった。天然ガスの輸出先多様化はロシアにとってもっとも緊要な課題となっており,韓国への輸出はその重要な一環である。この問題に関して,金総書記は「ロシアと韓国の間でガス供給協定が締結されれば,ガスパイプラインの北朝鮮敷設を許可する用意がある」と述べ,両首脳はこの問題に関する特別委員会を設立することで合意した。また,ロシア側代表団筋によれば,北朝鮮が旧ソ連邦に対して負っていた110億ドルの債務返済問題についても,両首脳の間で問題解決方法が合意されたという。さらに北朝鮮の核開発問題に関して金総書記はメドベージェフ大統領に対し,前提条件なしで6カ国協議に戻る用意があると述べた。

金総書記のロシア訪問に先立ち,8月19日,ロシアから北朝鮮への人道的食糧支援物資5万トンの一部が輸送されたが,国際的な経済制裁下にある北朝鮮にとって,ロシアは中国に次ぐ重要な経済協力可能国である。2011年には,とくに金総書記が首脳会談の途上立ち寄ったアムール州との経済協力推進の可能性が探られた。金総書記がウラン・ウデへ赴く途上,アムール州ブレヤ水力発電所を見学した際,コジェミャコ・アムール州知事(以下,州知事)が同行した。金総書記は州知事に対して北朝鮮を訪問するよう招待し,州知事は10月に北朝鮮を訪問した。これに関し,金総書記訪ロの前後から北朝鮮とアムール州は相互の経済協力を積極的に促進するため相互に代表団を送り,経済協力に関する協議を行った。

7月にはゴレボイ・アムール州対外経済関係・観光・企業活動省長官を団長とする代表団が北朝鮮を訪問し,9月には,ソン・サンイク農業省海外農業局長,チュ・チョルギュ農業省農業機械処長などが参加する代表団,シム・グクリョン在ナホトカ北朝鮮総領事を団長とする代表団がアムール州を訪問し,州知事と会談した。この会談のなかで北朝鮮側は,9月末に各分野の専門家を含む20人規模の代表団を派遣することを表明し,リ・ヨンサン北朝鮮内閣事務局副局長を団長とする24人の党・政府代表団をアムール州に派遣した。10月には金総書記の招請を受けた州知事を代表とする代表団が北朝鮮を訪問し,金総書記と1時間半に及ぶ会談が行われた。会談の内容は明らかにされていないが,ロシア側出席者の話では,北朝鮮側はエネルギー協力に大きな関心を示したとされている。ひとつは現在アムール州で進められているニジニ・ブレヤ水力発電所への北朝鮮労働者派遣と,アムール州から中国を経由した北朝鮮への電力輸出であったとされている。

アムール州にとって北朝鮮との経済協力は,放棄農地の活用とそれにともなう州への収入,アムール州で不足する労働力を北朝鮮から受け入れることなどのメリットがある。7月から10月にかけての北朝鮮とアムール州の協議の結果,農業,建設,エネルギーなどの分野で協力を推進することが合意された。

農業分野では,アムール州は北朝鮮に対し北朝鮮住民用の穀物・野菜を栽培するための約1000ヘクタールの農業用地を提供し,北朝鮮は家族連れの農場労働者を長期間(5年以上)派遣することが合意された。また畜産分野では,2012年に北朝鮮がアムール州内で搾乳用のヤギ500頭を飼育する農場を建設することや,1000頭規模の肉牛用飼育農場を共同で建設することなどが合意された。建設分野では,北朝鮮が,アムール州の一般住宅建設用に700人程度,バム鉄道沿線の住宅建設に500人程度,ニジニ・ブレヤ水力発電所建設に約500人程度の労働者を派遣することで合意した。サービス分野では北朝鮮がブラゴベシチェンスク市内に朝鮮料理レストランを開店することで合意した。

2012年の課題

近年の極東地域の開発は,基本的に政府の巨額の投資をともなう発展プログラムによってなされている。現在実施されている「極東発展プログラム」は2013年まで,「クリル諸島の発展プログラム」は2015年まで,2012年のAPECサミットのために実施されている「ウラジオストック開発プログラム」は2012年までとなっている。大規模な国家プロジェクトの終了は,地域経済への巨額投資を失うことを意味する。

ロシアはアジア太平洋諸国との経済関係を強化することを国家の戦略的方針としている。その一環としてウラジオストックをアジア太平洋への重要な窓口とみなし,APECサミットの会場をウラジオストックに決定するとともに,プーチン,メドベージェフ政権のもとで巨額の国家投資が開催地ウラジオストックに投入されてきた。APECサミット終了後は中央政府からの巨額の投資が失われるなかで,アジア太平洋諸国からの巨額の投資を受け入れることができるか否かは,州都ウラジオストックだけでなく,今後の極東全体の経済発展にとっても大きな意味を持つことになる。この点で,ロシアと近隣諸国との国家関係のありようは極東地域の経済発展に大きく作用する。ロシア極東地域が接する東アジア諸国のなかで,ロシアと中国,韓国とは戦略的パートナーシップの関係が打ち立てられており,2012年も大きな変化は予想されない。しかし,日本とは北方4島の帰属問題をめぐり対立が続き,その解決の糸口すら見いだせていない。ロシア極東地域にとってはロシアと日本の国家関係の改善がもっとも望まれるところであり,これにともなう日本近隣地区(ハバロフスク地方,沿海地方,サハリン州)や北方4島への投資を期待したいところである。

(地域研究センター)

重要日誌 ロシア極東 2011年
  1月
9日 メドベージェフ大統領,大統領令26号「外国人,無国籍者および外国法人の土地所有を禁じる国境地区リストの承認について」に署名。
30日 バサルギン地域発展相,南千島視察(国後島[31日],択捉島[2月1日])。
  2月
1日 サハリン州「南クリル地区」の投資プレゼンテーション開催(中国,オランダ代表団参加,ユジノサハリンスク)。
4日 セルジュコフ国防相,択捉島視察。
7日 菅直人首相,メドベージェフ大統領の国後島視察(2010年11月1日)を「許し難い暴挙」と非難。
9日 メドベージェフ大統領,バサルギン地域発展相,セルジュコフ国防相から千島列島視察の報告を受け,同列島における軍事力の強化を明言。
11日 前原外相,ロシアを訪問し,ラブロフ外相と会談。
23日 プーチン首相,極東直接投資基金の創設について指示。
  3月
19日 プーチン首相,東シベリア・極東の燃料・エネルギー産業の総合的発展に関する会議開催(ユジノサハリンスク)。
22日 サハリン州の投資プロジェクトプレゼンテーション(北京,~23日)。
29日 中国・吉林省代表団,沿海地方を訪問(~31日)。
  4月
13日 メドベージェフ大統領,BRICS首脳会談のため中国を訪問(~17日)し,胡錦濤国家主席と会談(13日)。
22日 ナルイシキン大統領府長官,イシャエフ極東連邦管区大統領全権代表を「ロシアとアジア太平洋諸国との経済発展戦略と2050年までの極東の社会経済発展予測」に関する立案作成作業グループの責任者に任命。
  5月
6日 メドベージェフ大統領,楊銭基中国外相と会見。
11日 メドベージェフ大統領,千島列島の軍備強化に関する国防省の計画を承認。
14日 イワノフ副首相を団長とする政府代表団,南千島視察のため訪問(~15日)。
15日 ロシア政府代表団,択捉島,国後島視察。
18日 フラトコフ対外諜報局長官,北朝鮮を訪問し,金正日労働党総書記と会談。
25日 複数の韓国国会議員,国後島訪問。
27日 菅首相,メドベージェフ大統領と会談(ドービル)。
31日 「第7回ロ中エネルギー対話」開催(モスクワ)。
  6月
4日 バム鉄道のコムソモーリスク・ナ・アムーレ=ソビエッツカヤ・ガバニ間に新たなトンネルが開通。
14日 バサルギン地域発展相,中国訪問(~15日)。
15日 胡錦濤中国国家主席,ロシア公式訪問(~18日)。
16日 サンクトペテルブルク国際経済フォーラム開催(~18日)。
28日 金英才駐ロ北朝鮮大使,ガスプロム社訪問。
30日 メドベージェフ大統領,ウラジオストック訪問(~7月1日)。
  7月
12日 アムール州政府代表団,北朝鮮を訪問。農業分野での協力に関する議定書に調印。
27日 中国の建設作業員を国後島の建設会社が雇用。
  8月
7日 金星煥韓国外交通商相,ロシア訪問(~9日)。
16日 プーチン首相,サハリン島と大陸を結ぶ連絡橋建設についての検討グループ設立を指示。
19日 ロシアから北朝鮮への食糧支援物資の一部が到着。
20日 金正日北朝鮮労働党総書記,ロシア極東,東シベリア訪問(~24日)。
22日 ロシア東軍管区代表団,北朝鮮訪問(~26日)。
24日 メドベージェフ大統領,金正日北朝鮮労働党総書記と会談(ウラン・ウデ)。
26日 貿易経済・科学技術協力に関するロシア・北朝鮮政府間委員会会議開催(平壌)。
  9月
1日 北朝鮮農業省代表団,アムール州訪問。
7日 玄葉外相,北方領土における日ロ経済共同活動の推進を表明。
7日 コジェミャコ・アムール州知事,北朝鮮総領事を団長とする代表団と会談(ブラゴベシチェンスク)。
8日 プーチン首相,ウラジオストック訪問。南千島開発に対し12億ルーブルの追加予算支出を定めた政令に署名。
9日 ガスパイプライン「サハリン=ハバロフスク=ウラジオストック」開通。
9日 石油パイプライン「東シベリア=太平洋」全面建設完了。
10日 アムール州天然資源省と韓国,協力についてのメモランダムおよび議定書に調印。
11日 パトルーシェフ安全保障会議書記,国後島,歯舞諸島水晶島視察。
12日 サハリン州ユジノサハリンスクに中ロ合弁セメント工場が稼働。
12日 藤村官房長官,パトルーシェフ安全保障会議書記の国後島訪問に遺憾の意を表明。
13日 第1回「極東・東シベリアと中国東北地区との協力プログラム(2009~2018)」実現のためのロシア作業グループ会合開催(ユジノサハリンスク)。
14日 プーチン首相,呉邦国中国全国人民代表会議常任委員会議長と会見。
18日 朱剛秀KOGAS総裁,ロシア訪問,ミレル・ガスプロム総裁と会談し,双方は北朝鮮経由のパイプラインプロジェクトのロードマップを決定。
22日 ロシアと南北朝鮮,ロシアから南北朝鮮へのガスパイプライン建設について会談(モスクワ)。
24日 メドベージェフ大統領,次期大統領選挙にプーチン首相を候補者として推薦。
25日 北朝鮮の党・政府代表団,アムール州を訪問(~27日)。
27日 中ロ国境の通行所に関する両国合同調査報告書作成。
28日 デニソフ第1外務次官,北朝鮮訪問(~30日)。
  10月
4日 第5回極東国際経済フォーラム(ハバロフスク)。
6日 日ロ国際協力会議開催(ハバロフスク)。
11日 プーチン首相,定期首相会談のため中国訪問(~12日)。
13日 ロシアと北朝鮮を結ぶ鉄道の再建にともなう試験運行。
13日 マルコフ大統領補佐官,国後島視察。
13日 李明博韓国大統領,オバマ米大統領との共同記者会見で,北朝鮮経由のガスパイプラインは,ロシア,北朝鮮,韓国にとって有益であると述べる。
17日 コジェミャコ・アムール州知事,北朝鮮訪問(~20日)。金正日労働党総書記と会談(20日)。
19日 メドベージェフ大統領,韓国との労働移民の受け入れに関する協定に署名。
19日 パトルーシェフ国家安全保障委員会書記,中国訪問(~20日)。
26日 第11回ロシア・韓国政府間委員会開催(ソウル)。
27日 ロシア・韓国の定期漁業交渉(~28日)。
28日 デニソフ第1外務次官,北朝鮮訪問(~30日)。
  11月
1日 李明博韓国大統領,ロシア訪問(~2日)。首脳会談(2日)。第2回「ロシア・韓国対話」フォーラム参加(2日,サンクトペテルブルク)。
6日 温家宝中国首相,上海協力機構首相会議出席のため,ロシア訪問(~8日)。
8日 第1回「釜山・ロシア極東」経済フォーラム開催(釜山)。
11日 メドベージェフ大統領,APEC首脳会議参加の途上,ハバロフスクで国家会議開催。
11日 メドベージェフ大統領,南千島における軍備増強について,日本や第三国に向けられたものではないと表明。
12日 日本とロシア,経済近代化に関するメモランダム作成。
13日 日ロ首脳会談(ホノルル)。
15日 メドベージェフ大統領,APEC首脳会議からの帰路,サハ共和国を訪問(~16日)。
15日 ビジネスフォーラム「ロシア極東におけるロシア・韓国関係発展の展望」開催(ウラジオストック)。
23日 第21回「ロシア・韓国漁業委員会」開催(ソウル)。
28日 メドベージェフ大統領とプーチン首相,シベリア・極東発展のための特別機関を設置することに言及。
  12月
1日 極東・バイカル地域発展基金設立。
4日 国会議員選挙(下院)実施。沿海地方,アムール州議会議員選挙同時実施。
9日 極東における2025年までの総合的電力産業発展プログラム基本構想策定。
9日 参議院,「原子力の平和利用に関する日ロ政府間協定」を批准。
15日 中国吉林省代表団,沿海地方訪問。
19日 プーチン首相,マガダン市において「航空飛行アクセスの確保について」会議開催。
20日 ラブロフ外相と楊中国外相,北朝鮮の金正日総書記の死去を受けて,電話会談。
23日 ラブロフ外相と玄葉外相,北朝鮮の金正日総書記の死去を受けて,電話会談。
 
© 2012 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
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