アジア動向年報
Online ISSN : 2434-0847
Print ISSN : 0915-1109
各国・地域の動向
2012年の朝鮮民主主義人民共和国 3代目政治体制の発足とロケットの発射
中川 雅彦
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー HTML

2013 年 2013 巻 p. 49-72

詳細

2012年の朝鮮民主主義人民共和国 3代目政治体制の発足とロケットの発射

概況

2012年の朝鮮民主主義人民共和国(本章では以下,「朝鮮」と略し,南北関係については「北側」とする)では,すでに軍隊の最高ポストに就任した金正恩が朝鮮労働党と国家の最高ポストに,党第一秘書(党第一書記),国防委員会第一委員長として就任し,2011年12月に死去した金正日の地位を事実上すべて引き継ぐことになった。金正恩は故・金正日の政治思想も継承することを明らかにしており,指導者の交代による大きな政策の変更はないものとみられる。

南北関係については,対話が断絶した状態で軍事的緊張が高まっており,対話の再開は南側で次期政権が成立してからの課題となっている。

経済については,国家予算収入の伸びや黒字財政が続いていること,農業生産が伸びていることから,一応の改善がみられる。しかし,食糧難という根本的な問題を克服するには至っていない。

対外関係については,2011年に引き続きアメリカのオバマ政権との交渉が行われ,日本とも日本人遺骨問題をきっかけに政府間交渉が再開したが,2度のロケット発射や日本の政権交代でそれらの継続が危うい状態になっている。国境を接するロシアや中国とは友好関係を維持あるいは強化しており,両国もロケット発射に関して新たな国際的な制裁を科すことに反対している。

国内政治

金正恩,党の最高ポストに就任

朝鮮では2011年12月17日に最高指導者の金正日が死去するまで,党,軍隊,国家のすべての権限が金正日に集中していた。その後継者に息子の金正恩が指名されていたことは2010年に明らかになっており,金正日死去13日後の2011年12月30日に金正恩は軍隊の最高位である人民軍最高司令官に就任した。2012年は金正恩が党機関と国家機関の最高の地位を継承する年となった。

金正恩が公式の席に姿を現した2010年9月28日の第3次党代表者会では党規約の改正が行われ,党の最高位である総秘書(総書記)は党大会で決められることになっていた(党規約第21条)。ところが,金正日の死去後,準備されたのは党大会ではなく,党代表者会であった。2012年2月18日付の党政治局決定書(朝鮮中央通信2月20日発で発表)では,4月中旬に第4次党代表者会を招集することが発表され,金正恩の最高ポスト就任は党大会ではなく,党代表者会でなされることが示された。

第4次党代表者会は4月11日に1649人の代表が参加して開催された。そこでは,故・金正日が「永遠の総秘書」とされ,金正恩は党第一秘書(第一書記)として党のトップに就くことが決定された。これは,最高ポストを党大会で選出する2010年党規約第21条の趣旨とは異なるが,党代表者会が最高指導機関を選出することができるとの同第30条の規定に沿うという変則的な手順となった。

さらに,この党代表者会では,故・金正日を「永遠の総秘書」にすることに加えて,党を「金日成同志と金正日同志の党」と規定し,党の指導思想を「金日成=金正日主義」と規定するなどの「党規約改正に関する決定書」が発表された。

不透明な党最高指導機関の人事

第4次党代表者会で金正恩は第一秘書に就任し,秘書局での日常的な業務を掌握するとともに,政治局で常務委員,委員の地位に就き,また,党中央軍事委員会委員長として党の軍事部門を指導することになった。ところが,こうした最高指導機関を構成するほかのメンバーについて,第4次党代表者会では新たに任命されたメンバーは公表されたものの,解任されたメンバーは公表されないという不透明さを残した。

政治局の常務委員会については,金正恩の常務委員就任とともに崔龍海(人民軍総政治局長)が候補委員から常務委員に昇格したことが公表された。ほかの常務委員である金永南(最高人民会議常任委員会委員長),崔永林(内閣総理),李英浩(人民軍総参謀長)はその後も継続して公式報道に名前が出てくることから留任したものとみられる。うち李英浩は7月15日に解任された。

常務委員を除く党政治局の正委員については,金正閣(人民武力部長),張成沢(党行政部長,金正恩の叔母の夫),朴道春(党秘書)が候補委員から昇格し,玄哲海(人民武力部第一副部長兼後方総局長),金元洪(国家安全保衛部長),李明洙(人民保安部長)が候補委員を経ずに正委員に就任したことが公表された。公式報道から名前がみられなくなったことで正委員からの解任が推定される人物は,全炳浩(内閣政治局局長兼党責任秘書),辺永林(最高人民会議常任委員会書記長),洪石亨(党秘書兼計画財政部長)である。留任しているとみられるのは,金永春(国防委員会副委員長,党部長),金国泰(党検閲委員会委員長),金己男(党秘書兼宣伝煽動部長),崔泰福(党秘書),楊亨燮(最高人民会議常任委員会副委員長),姜錫柱(副総理),李用茂(国防委員会副委員長),金慶喜(党軽工業部長,金正恩の叔母)である。

政治局の候補委員については,郭範基(党秘書兼部長),呉克烈(国防委員会副委員長),盧斗哲(副総理兼国家計画委員会委員長),李炳三(人民内務軍政治局長兼党責任秘書),趙延俊(党組織指導部第一副部長)が補選されたと公表された。候補委員からの解任が推定される人物は,公式報道から名前がみられなくなった李泰南(元副総理),金洛姫(副総理),禹東惻(国家安全保衛部第一副部長)と太宗秀(咸鏡南道党責任秘書,前党総務部長)である。ほかの候補委員である金養健(党秘書兼統一戦線部長),金永日(党秘書兼国際部長),朱奎昌(党機械工業部長),金平海(党秘書兼幹部部長),金昌燮(国家安全保衛部政治局長),文京徳(党秘書兼平壌市党責任秘書)はその後も継続して公式報道に名前が出てくることから留任しているとみられる。

党の日常的な業務を執行する秘書局については,第4次党代表者会で金慶喜と郭範基が入ったことが公表されたが,一方,太宗秀と洪石亨は解任されたと推定され,崔龍海は4月から人民軍総政治局長であるため秘書職を離れたことは確実である。このほかの秘書である金己男,崔泰福,文京徳,朴道春,金永日,金養健,金平海は留任しているとみられる。

軍隊の指導に当たる党中央軍事委員会では,党第一秘書の金正恩が副委員長から委員長に昇格,副委員長に崔龍海が委員から昇格し,委員に玄哲海,李明洙,金洛謙(中将)が補選されたことが公表された。副委員長に関しては,人民軍総参謀長の李英浩が留任していたが,7月15日にすべての職務を解任され,その後,新たに総参謀長に就任した玄永哲が副委員長に就いたことが『労働新聞』12月30日の報道で確認される。委員に関しては,金永春,金正閣,金明国(大将),金京玉(党第一副部長,大将),金元洪,李炳哲(航空・反航空軍司令官兼航空軍隊長,大将),崔富日(大将),金永鉄(偵察総局総局長,上将),尹正麟(護衛司令官,大将),朱奎昌,崔京星(第11軍団長,上将),張成沢は留任しているとみられるが,一方,崔相麗(上将),禹東惻は公式報道で名前がみえなくなったことから解任されたとみられる。

第4次党代表者会での人事をみるかぎり,世代交代といえる現象はみられず,故・金正日と親しかった崔龍海,金正恩の血縁・姻戚関係にある金慶喜と張成沢を中心とした金正日時代の人物がそのまま金正恩を支えるという形になっているといえる。

金正恩,国家の最高ポストに就任

第4次党代表者会から2日後の4月13日,最高人民会議第12期第5次会議が開催され,金正恩は国家の最高ポストに就任することになった。この会議では,憲法が改正され,故・金正日を「永遠の国防委員会委員長」とし,新たに「国防委員会第一委員長」のポストを設置することになった。そして,この国防委員会第一委員長に金正恩が選出された。

改正された憲法の全文は公表されていないが,この会議で行われた最高人民会議常任委員会副委員長である楊亨燮の報告によって,この改正で新たな国防委員会第一委員長に従来の国防委員会委員長の権限がそのまま移ることが明らかにされた。その権限は,2009年憲法第103条によれば,(1)国家の全般事業を指導する,(2)国防委員会事業を直接指導する,(3)国防部門の重要幹部を任命または解任する,(4)他国と結んだ重要条約を批准または廃棄する,(5)特赦権を行使する,(6)国家の非常事態と戦時状態,動員令を宣布するというものである。ただし,2009年憲法第117条で外国に対して国家を代表する役割は最高人民会議常任委員会委員長にあり,楊亨燮報告でこの条項に関する言及がなかったことから,最高人民会議常任委員会委員長の金永南は今後も継続して外交上の国家元首の役割を担うことがわかる。

この会議では,国防委員会の人事に関して崔龍海(党政治局常務委員・党中央軍事委員会副委員長,人民軍総政治局長,次帥),金元洪(党政治局委員,党中央軍事委員会委員,国家安全保衛部長,大将),李明洙(党政治局委員,人民保安部長,大将)を委員に補選したことが公表された。副委員長の金永春(党政治局委員,党中央軍事委員会委員,党部長,次帥),李用茂(党政治局委員,次帥),呉克烈(党政治局候補委員,大将),張成沢(党中央軍事委員会委員,党行政部長),委員の白世鳳(第二経済委員会委員長),朱奎昌(党中央軍事委員会委員,党政治局候補委員,党機械工業部長),金正閣(党政治局委員,党中央軍事委員会委員,人民武力部長,次帥),朴道春(党政治局委員,党秘書)はその後の報道で留任が確認される。一方,委員であった禹東惻(国家安全保衛部第一副部長)は解任されたとみられる。

留任した委員のうち金正閣は10月末までは人民武力部長の職責にとどまっていることが公式報道で確認されるが,韓国の『朝鮮日報』ウェブ版11月30日は人民武力部長が金正閣から金格植(大将)に交代したと報じ,この情報は12月21日の朝鮮中央テレビでの報道で確認された。ただし,金正閣は12月16日の金正日死去1年追慕大会に出席しており,この時点では国防委員会委員および党中央軍事委員会委員からは解任されていないとみられる。

なお,金正恩の階級は7月17日に元帥になった。その前に,党中央軍事委員会で副委員長となり,国防委員会の委員となった人民軍総政治局長の崔龍海は4月7日に次帥になったが,12月16日の金正日死去1年追慕大会のときには大将に降格されていることが明らかになった。そして,7月18日の軍隊の集会のときに総参謀長就任が判明した玄永哲は,その2日前の16日に次帥になっていたが,12月29日の金正恩人民軍最高司令官就任1周年慶祝中央報告会で大将に降格されていることが明らかになった。人民軍の階級秩序は金正恩元帥の下で日常的に部隊の管理運営に当たる責任者が大将の階級に揃えられたことになる(表1)。

表1  人民軍主要ポストの推移(2010年9月~2012年12月)

(出所) 公式報道をもとに筆者作成。

政治思想体系の継承

金正恩は国防委員会第一委員長に就任した2日後の4月15日,故・金日成誕生100周年慶祝閲兵式に参列して公衆の前で初めて演説した。この演説では,金日成および金正日の思想と政策を意味する「先軍革命偉業」の継承や金正日時代からの思想と政策を意味する「強盛国家」の継承が強調された。

「強盛国家」という用語は,朝鮮中央通信2011年4月20日発の報道で金正日が清津市にある輸城川総合食料工場を訪問した際に,「強盛大国」と同義に用いたことが報じられ,その後,公式報道で用いられるようになった。「強盛大国」とは政治思想,軍事,経済のそれぞれの分野で強い国になるという意味である。そして,「強盛大国」を実現するための政治指導が「先軍政治」と呼ばれている。

ただし,金正恩は,父親の政治指導のスタイルまで継承するつもりではないことも示された。この閲兵式演説は式に参加した軍人や党・国家の幹部たちのみならず,報道機関を含めた海外からの訪問者の前で行われ,テレビ中継もされたが,このことは故・金正日が公衆の前で演説を一度もしなかったことと対照的である。そして,2012年7月6日に金正恩が牡丹峰楽団の公演に初めて夫人を伴って現れたことも,故・金正日が夫人の姿を公衆の前に出すことがなかったことと対照的である。また,夫人の名前が李雪主であることは7月25日に平壌市にある綾羅人民遊園地の竣工式に関する報道で明らかにされた。

長距離ロケットの発射

朝鮮ではすでに1998年8月31日に人工衛星「光明星1号」を載せた運搬ロケット「白頭山1号」,2009年4月5日に人工衛星「光明星2号」を載せた運搬ロケット「銀河2号」を発射し,軌道に乗せることに成功したと発表してきた。しかし,これらの衛星が軌道に乗ったことも,衛星が発しているとされる電波の存在もほかの国では確認されていない。はっきりしているのは長距離を飛行する多段階ロケットが発射されたことのみであり,日本,韓国,アメリカの政府はこれらを長距離弾道ミサイル実験であるとみなしている。

これらのロケット発射は東海岸側に新たに建設された咸鏡北道花台郡舞水端里の発射場で行われたが,3回目のロケット発射は西海岸側の平安北道鉄山郡東倉里の発射場で行われた。2012年3月16日発の朝鮮中央通信は,実用人工衛星「光明星3号」を載せた運搬ロケット「銀河3号」の発射を予告した。発射を担当する宇宙空間技術委員会は28日,外国の記者や専門家にその実物を公開すると発表し,4月8日に発射場で衛星の実物が諸外国の記者に公開された。10日に平壌の羊角島国際ホテルで開かれた宇宙空間技術委員会の記者会見では,(1)「光明星3号」の第一の目的は自然災害防止である,(2)2012年から「宇宙開発5カ年計画」に入った,(3)すでに国際機構から静止衛星の空間を配置されている,(4)発射12時間後にラジオの電波を地球に送信する,と発表された。しかし,13日に発射が実施されたものの,同日発の朝鮮中央通信で「軌道への進入は成功しなかった」と発表することになった。日本政府と韓国国防部はロケットの発射を確認し,日本政府は「1分以上」の飛行と「空中分解」,韓国国防部は「135秒後の爆発」があったと発表した。

宇宙空間技術委員会は4月13日,失敗の原因について「すでに具体的かつ科学的な解明を終えた」と発表して次の発射の準備を進めていることを示し,12月1日になって,「光明星3号」2号機を運搬ロケット「銀河3号」に載せて10日から22日の間に発射すると発表した。10日になって,「技術的欠陥」が発見されたため29日まで予定日を延長すると発表したものの,12日に発射を実施した。同日発の朝鮮中央通信は発射の「成功」と衛星の軌道入りを発表し,日本政府,韓国国防部は発射を確認,米軍の北アメリカ航空宇宙防衛司令部は「物体」が軌道に入ったと発表した。

発射に貢献した科学者,技術者,活動家たちは金正恩によって平壌に招待されて12月15日に到着し,21日には金正恩・李雪主夫妻が出席した宴会が催され,22日には英雄称号が授与された。「光明星3号」2号機は,事実上,金正恩の党第一秘書就任と国防委員会第一委員長就任の祝賀花火となった。

ただし,先に述べた4月10日の記者会見で「光明星3号」1号機は電波を送信することになっていたはずであるが,「光明星3号」2号機に関しては,宇宙空間技術委員会も朝鮮中央通信も電波に言及せず,また,ほかの国でもそれを受信したという発表はない。そのため,「光明星3号」2号機が公式発表にあるような「実用人工衛星」として機能している可能性は低いと判断せざるをえない。

緊張続く南北関係

韓国側との政府間対話は,2011年1月に板門店での軍事実務協議が決裂し,同年5月に秘密接触があったが,それが決裂して以来,途絶えたままである。2012年に入って南側は2月20~24日,西海(黄海)で「北潜水艦対応」「作戦能力向上」のため海上実弾射撃訓練を韓米合同で実施し,続いて恒例の「キーリゾルブ」(2月27日~3月9日),「トクスリ」(3月1日~4月30日)といった大規模な韓米合同軍事演習を実施した。これに対して,北側では,金正恩が2月21日にミサイル指導局(第842軍部隊),25日に西南前線地区の人民軍第4軍団(第233軍部隊)司令部管下軍部隊,3月2日に戦略ロケット司令部(第639軍部隊),3日に板門店,9日に西海側の椒島を訪問して将兵を激励し,14日には陸海空軍合同打撃訓練を指導した。続けて金正恩は,4月4日に東海(日本海)側の麗島防御隊,5日に海軍第155軍部隊を訪問し,27日に最前線の第6師団(第655連合部隊)の総合戦術訓練を指導した。

こうした南北間の緊張がさらに高まる事件が北側で起こった。7月16日,北側は祖国平和統一委員会代弁人声明を通じて,南側が脱北者を北側に侵入させて銅像や記念碑を破壊しようとしたと発表し,「特大型テロ事件」であるとして南側とアメリカを非難した。19日には平壌で,逮捕された人物の記者会見が開かれた。こうして,南北対話の再開は,南側の李明博政権の任期が終わってからの課題となった。

経済

国家予算の動向

2012年1月1日に発表された『労働新聞』『朝鮮人民軍』『青年前衛』共同社説「偉大な金正日同志の遺訓を受け入れて2012年を強盛復興の全盛期が開かれる誇るべき勝利の年として輝かそう」では,2011年に引き続き,軽工業と農業という生活関連の部門に力が入れられることが示された。また,電力,石炭,金属,鉄道運輸,化学といった「先行部門,基礎工業部門」での生産正常化の必要性も強調された。そして,こうした党の方針は国家予算に反映された。

2012年4月13日に開かれた最高人民会議第12期第5次会議では,崔光進財政相によって国家予算報告がなされた。ただし,国家予算報告は2005年実績以降,金額が公表されておらず,今回も発表されなかった。また,2009年末に貨幣交換が実施されたが,2010年以降,増加率などの数値に物価調整が施されたのかどうかも不明である。公表されたところでは,2011年収入実績が計画の101.1%執行,支出実績が計画の99.8%執行であった。予算計画では収入と支出は同額になるよう策定されるため,予算計画の収入金額(=支出金額)の1.3%相当の黒字を出すことができたことがわかる。黒字の決算は2008年から続いており,国家予算が健全に運営される体質ができていることが確認できる。規模に関しては公表されていないが,2011年計画で収入が7.5%増,支出が8.9%増であったことから,実績は収支ともに8.7%増であったことがわかり,経済全体も相当の成長があったものとみられる。また,この会議で行われた崔永林総理による内閣事業報告でも,2011年に工業総生産額で2%の成長があったことが言及されている。

2011年収入実績については,項目に関する数値はいっさい発表されず,支出実績については,国防費が支出総額の15.8%であったことが発表されただけである。ただし,収支ともに全体の実績と計画が大きく違うところのないことから,ほかの項目についても計画通り執行されたとみられる。

2012年予算収入計画については8.7%増と策定され,2011年と同規模の成長が見込まれている。収入の項目については,取引収入金(取引税に相当)が7.5%増,国家企業利益金(企業の法人税に相当)が10.7%増,協同団体利益金(協同団体の法人税に相当)が5.3%増,固定財産減価償却金(減価償却のための積立金)が2.3%増,不動産使用料収入が1.9%増,社会保障料収入が1.7%増と発表された。これらの金額は不明であるが,収入全体のうち取引収入金が4割程度,国家企業利益金が3割程度であることが知られていることから,これらの項目の増加率が収入全体の増加を牽引していることがわかる。

一方,2012年予算支出計画については10.1%増と策定され,軽工業と農業部門で9.4%増,電力,石炭,金属,鉄道運輸部門で12.1%増,基本建設部門で12.2%増,科学技術部門で10.9%増,教育部門で9.4%増,保健部門で8.9%増,社会保険・社会保障部門で7.0%増,体育部門で6.9%増,文化部門で6.8%増となること,国防費に支出全体の15.8%が配分されることが発表された。軽工業と農業に対する投資の増加は,日用品と食糧という生活関連の部門に力を入れるという2010年以来の基本方針を反映したものであるといえる。そして,資本財の生産に関連する電力,石炭,金属,鉄道運輸部門に対する投資の増加は,軽工業と農業への原料,動力,機械などの供給を拡大しようとしていることを示している。ただし,国防費の負担は依然として軽減されていないこともわかる。

なお,2012年の工業総生産額については,第1四半期が前年同期比3%増,上半期が前年同期比4%増であると発表されているが,以降は発表されていない。

食糧事情

政府の求めに応じて9月14日~10月8日に現地調査を行った国連食糧農業機関・世界食糧計画(FAO/WFP)代表団の報告書(“FAO/WFP Crop and Food Security Assessment Mission to the Democratic People’s Republic of Korea,” 2012年11月12日付)によれば,政府が示した2011/12穀物年度(11~10月)の穀物生産は前年度の526万9000トンより約10%増の580万1000トンになる見込みである。ただし,この580万1000トンは,コメを精米換算すると492万2000トンになり,国内需要の542万9000トンを満たすことができず,50万7000トンを輸入しなければならないが,このうち商業輸入30万トンが見込まれるものの,依然20万7000トンが不足しているということである。

FAO/WFP代表団は,穀物を供給する公式の糧政事業体系(日本の食管制度に相当)が機能してない期間に各々の家計が食糧を入手する「非公式な市場」の存在を指摘しており,食糧事情は依然として厳しい状態にあるといえる。

また,FAO/WFP報告書では,2012年にコメ,トウモロコシ,大麦,小麦の買い上げで1キログラム当たり 10ウォン,大豆の買い上げで1キログラム当たり 4ウォン,ジャガイモの買い上げで1キログラム当たり1ウォンの奨励金を出すようになったことが指摘されている。奨励金は国家が買い上げる際の生産者価格に上乗せする形で支払われ,2012年の1キログラム当たりの生産者価格は,コメが2011年の29ウォンから39ウォンに,トウモロコシが同20ウォンから30ウォンに,大豆が同40ウォンから44ウォンに,小麦が同22ウォンから32ウォンに,大麦が同18ウォンから28ウォンに,ジャガイモが同8ウォンから9ウォンに引き上げられた。一方,1キログラム当たり消費者価格もコメが2011年の18ウォンから22ウォンに,トウモロコシが同14ウォンから20ウォンに,大豆が同24ウォンから34ウォンに,小麦が同17ウォンから22ウォンに,ジャガイモが同8ウォンから9ウォンに引き上げられた(大麦は不明)。この農業補助は,穀物生産の増加がみられることから,一応の成果があったといえよう。

深まる中国との経済関係

2006年9月に発足し,2010年1月に国防委員会命令で国家予算とは別にプロジェクトを実施する機関となり,2011年1月に「国家経済開発10カ年戦略計画」のプロジェクト実施を内閣から委任される機関となった大豊国際投資グループについて,2012年にはその活動に関する公式発表はまったくなかった。すでにグループの活動については2010年3月17日に発表された朝鮮中央通信備忘録で,アメリカの経済制裁によって,海外での資金集めがかなり厳しい状況にあることが示唆されていた。2011年にはグループが茂山鉱山連合企業所,安州地区炭鉱連合企業所,平壌火力発電連合企業所と送電網,超高圧送電網などの主要プロジェクトに対する投資契約を結んでいるとの公式発表があったが(『朝鮮の貿易』2011年第3号),肝心の資金に関する報道はなかった。2012年8月5日,韓国側の聨合ニュースが「対北消息筋」の話として,グループが外資誘致の実績不振で5月初めに解体され,その傘下の国家開発銀行も解体されたと報じたが,この情報はほぼ間違いのないものであろう。

ただし,海外との経済協力については,とくに中国からの投資がさまざまな分野に及んできている。故・金正日の最後の現地指導の場所となった光復地区商業中心(旧・光復百貨店)は2012年1月5日に営業を開始したが,これは党の貿易会社である大聖貿易総商社と中国の飛海蒙信貿易有限公司の合弁によるものである。この商業施設の開業は,朝鮮側が生産部門のみならず,商業に関する投資を積極的に誘致する意志を持っていることを示したものとなった。4月27日には,中国企業協会(中国語では「中国商会」)が設立され,会長には,すでに平壌で合弁事業を営んでいる平津自転車合営会社理事長の梁彤軍が就任した。

さらに,経済特区に関しても,東海岸側の羅先経済貿易地帯および西海岸側の黄金坪・威化島経済地帯に関する共同管理・開発のための朝中共同指導委員会第3次会議が8月14日に北京で開催され,羅先経済貿易地帯管理委員会と黄金坪・威化島経済地帯管理委員会が設立された。9月15日には黄金坪管理委員会庁舎の建設が始まった。

対外関係

対米関係とロケット発射

アメリカのオバマ政権との交渉は,2011年7月から金桂冠外務省第一副相とボズワース対朝鮮政策特別代表との会談がニューヨークで始まり,10月にはスイス・ジュネーブで2回目の会談が開かれた。2012年にはこれに続き,2月23~24日,北京で金桂冠外務省第一副相とデービース対朝鮮政策特別代表との間で3回目の次官級会談が開かれた。そこでは,6者会談(朝,米,中,ロ,韓,日による6カ国協議)の再開に向けた協議が行われ,アメリカ側は24万トンの栄養食品を提供し,朝鮮側は,会談が続いている間,核実験と長距離ミサイル発射,寧辺ウラン濃縮を臨時中止することやウラン濃縮の臨時中止に対する国際原子力機関の監視を許容することになった。ところが,その会談で朝鮮側は「長距離ミサイル発射の臨時中止」について,「平和的衛星発射」は含まれないと主張していたが(3月27日外務省代弁人発表),この主張にアメリカ側は同意しなかった。

朝鮮が3月16日に人工衛星発射を予告すると,25日,オバマ大統領はこれを非難し,栄養食品の支援が困難になると警告した。そして,4月13日に朝鮮がロケット発射に踏み切ると,16日に発表された国連安保理議長声明には「今回の発射が,たとえ衛星や宇宙船の発射であったとしても,弾道ミサイルの技術を用いたいかなる発射とも同様に,安保理決議1718(2006年)と1874(2009年)に違反する」と明記され,アメリカの主張が反映された。朝鮮は12月12日にもロケットを発射したが,同日発表された国連安保理議長談話はこれを非難し,また,アメリカも独自の制裁準備に入った。

日本人遺骨問題

2009年に政権に就いた日本の民主党が朝鮮側との交渉に意欲を示したのは,2011年1月4日に当時の前原誠司外務大臣が記者会見で日朝間での直接対話の必要性に言及したことであった。同年7月21~22日に中国長春で元拉致問題担当大臣の中井洽衆議院議員と朝鮮の宋日昊朝日国交正常化担当大使との会談が行われた。そして,同年8月24日に民主党外交安全保障調査会北朝鮮問題分科会で対朝鮮政策に関する提言がなされると,2012年1月9~10日,中国瀋陽で中井議員と朝鮮の宋日昊大使との会談が行われた。4月14日,宋日昊大使はそれまでに中井議員と計4回の会談があったと発表したが,これまで話し合われた内容も明らかにされておらず,そのうち2回の会談の時期も発表されていない。

政府間交渉が再開するきっかけになったのは,朝鮮側が6月に日本の報道機関に対して平壌近郊の日本人墓地と遺骨の存在を示したことであった(共同通信6月22日平壌発)。8月9~10日,北京で日本赤十字社と朝鮮赤十字会との協議が行われ,政府当局者を交えて日本人遺骨問題に関する交渉を続けていくことで合意した。8月28日~9月6日,「全国清津会」の正木貞夫事務局長らメンバー4人が訪朝し,日本人墓地や捕虜収容所があった平壌市内の龍山,大院里(旧・三合里)や咸鏡南道咸興市,定平郡富坪,咸鏡北道富寧郡古茂山を訪れ,遺骨の埋葬状況を調査した。これと並行して8月29~30日,北京で日本人遺骨問題に関する政府間の課長級予備会談が開かれた。そして,11月15~16日,ウランバートルで日本外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長と宋日昊大使が会談し,4年ぶりの政府間交渉が実現した。しかし,12月12日のロケット発射により,日本政府がこれを「事実上の弾道ミサイル実験」とみなして制裁措置を検討することになったこと,さらに,26日に野田内閣が総辞職して民主党が政権を手放さざるをえなくなったことで,政府間交渉は進まなくなった。

中ロとの関係

2度のロケット発射によって朝鮮は国連安保理議長声明や議長談話の形で国際社会から非難されることになったが,中国やロシアは新たな制裁を科すことに反対している。4月13日のロケット発射に際して,同日,ロシアのラブロフ外相は,ロケット発射で朝鮮に新たな制裁を科すことに反対を表明し,また,中国,インドの外相との会談で3カ国が自制と政治外交的な対応が必要であるとの認識で一致したと発表した。むしろ,中国とロシアは朝鮮との関係を維持あるいは強化する方向に動いている。

中国との関係は,金永日党秘書兼国際部長と中国共産党中央の王家瑞対外連絡部長の間で密接なパイプが築かれており,両者は2012年4月21日に北京で,6月12日に平壌で会談している。王家瑞は8月2日に金正恩と会見した。また,経済特区の担当者でもある張成沢党行政部長は8月17日に北京で胡錦濤国家主席,温家宝総理と会見した。そして,中国の新指導部も,習近平国家主席が11月29~30日に訪朝する中国共産党中央政治局委員・全国人民代表大会常務副委員長の李建国に親書を託し,30日,李建国は金正恩と会見した。

ロシアについては,すでに2011年に合意されたソ連時代の債務調整について,2012年9月17日,モスクワで協定が調印された。そして,2011年10月18日に平安南道と親善協力協定を締結したアムール州との関係が強化されており,具体的には,アムール州の土地を朝鮮の労働者が耕作する事業が計画されている。2012年5月25日~6月8日に安克泰平安南道人民委員会委員長がアムール州を訪問したことから,その事業の準備が着々と進められていることがうかがわれる。

2013年の課題

2013年元旦に,金正恩は「新年辞」を発表し,2013年を「社会主義強盛国家建設の画期的な局面を開く壮大な創造と変革の年」と位置づけた。そして,新年辞では強盛国家建設のうち「経済強国」の建設がもっとも重要な課題であるとされ,2番目に政治軍事的威力の強化,3番目に文明国の建設といった課題が挙げられた。ただし,最重要課題の経済について,石炭や金属の部門での「革新」,農業生産の科学化・集約化,科学技術革命,経済指導・管理の改善などに言及があったものの,新味のある内容は述べられていない。しかも,対外関係でロケット発射によりアメリカとの関係がいっそう悪くなったため,軍事面にこれまで以上の資源を振り向けざるをえなくなることが予想される。そのため2013年の経済は厳しくなる可能性が高い。

新年辞では,南北関係について「南朝鮮の反統一勢力は民族対決政策を放棄し,民族の和解と団結,統一の道に進むべきである」と述べられ,南側の反共団体や人士との対話の可能性を示唆している。これは,敵視してきた李明博大統領が2013年に退陣するため,次期政権やそれを支える人々との対話を進めてそれを基礎に対米関係の改善に結び付けたいとの考えも金正恩にあることを示しているようである。

(地域研究センター研究グループ長)

重要日誌 朝鮮民主主義人民共和国 2012年
  1月
1日 金正恩,人民軍第105戦車師団を訪問。
1日 『労働新聞』『朝鮮人民軍』『青年前衛』共同社説「偉大な金正日同志の遺訓を受け入れて2012年を強盛復興の全盛期が開かれる誇るべき勝利の年として輝かそう」。
9日 中国瀋陽で宋日昊大使,日本の中井洽元拉致問題担当相と協議(~10日)。
11日 金正恩,平壌民俗公園と英雄通り肉商店建設場を訪問。
16日 アメリカAP通信平壌代理支局開設。
18日 『労働新聞』,金正日「偉大な金日成同志を高く戴くことはわが党と人民の最も崇高な道徳義理である(党中央委員会責任活動家との談話1999年10月27日)」掲載。
18日 金正恩,人民軍第169軍部隊を訪問。
20日 金正恩,人民軍空軍第354軍部隊を訪問。
20日 金正恩,人民軍第3870軍部隊を視察。
21日 金正恩,人民軍第671大連合部隊指揮部を訪問。
22日 金正恩,「ホ・ヨンチョルが事業する機械工場」を訪問。
24日 金正恩,万景台革命学院を訪問。
27日 金正恩,西部地区航空倶楽部選手模範競技を視察,人民軍空軍第378軍部隊を訪問。
30日 モスクワでロシア政府との不法漁業防止分野での協力協定調印。
30日 金正恩,人民軍空軍第1017軍部隊を訪問。
  2月
1日 エジプトのオラスコム電気通信会社のナギブ・サウィリス理事長,来訪(~3日)。
6日 金正恩,人民軍海軍第597連合部隊を訪問。
7日 金正恩,人民軍第324大連合部隊指揮部を訪問。
15日 人民軍最高司令官命令第003号,人民軍指揮成員の軍事称号昇級。
16日 錦繍山記念宮殿を「錦繍山太陽宮殿」と改称。
21日 金正恩,人民軍第842軍部隊を訪問。
22日 金正恩,競技用銃弾工場を訪問。
23日 中国北京で金桂冠外務省第一副相とアメリカのデービース国務省対朝鮮政策特別代表が会談(~24日)。
25日 金正恩,西南前線地区の人民軍第4軍団司令部管下軍部隊を訪問。
  3月
2日 金正恩,人民軍戦略ロケット司令部を訪問。
3日 金正恩,板門店を訪問。
9日 金正恩,人民軍第123軍部隊と椒島防御隊を訪問。
14日 金正恩,人民軍陸海空軍合同打撃訓練を指導。
25日 金正恩,金正日逝去100日中央追慕大会に出席,錦繍山太陽宮殿訪問。
  4月
4日 金正恩,麗島防御隊および第155軍部隊管下区分隊を訪問。
5日 金正恩,人民軍海軍第155軍部隊を訪問。
10日 金正恩,人民劇場を訪問。
11日 第4次党代表者会。金正恩党第一秘書就任。
13日 人民軍最高司令官命令第009号,人民軍指揮成員の軍事称号昇級。
13日 最高人民会議第12期第5次会議。金正恩,国防委員会第一委員長就任。
13日 朝鮮中央通信,人工衛星「光明星3号」の発射について,「軌道への進入は成功しなかった」と発表。
14日 金正恩,金日成誕生100周年慶祝中央報告会に出席。
14日 金正恩,人民軍武装装備館開館式に出席。
15日 金日成誕生100周年慶祝閲兵式。
19日 『労働新聞』,金正恩「偉大な金正日同志をわが党の永遠の総秘書として高く戴き,主体革命偉業を輝かしく完成していこう―党中央委員会責任活動家たちとの談話(2012年4月6日)」を掲載。
25日 金正恩,人民軍創建80周年慶祝中央報告会に出席,万寿橋肉商店竣工式に出席。
27日 金正恩,人民軍第655連合部隊総合戦術演習を指導。
27日 平壌で中国企業商会設立。
29日 朝鮮中央通信,金正恩の人民軍第26次軍事科学技術展覧会場視察を報道。
30日 金正恩,綾羅人民遊園地建設場を訪問。
30日 南浦=平壌海水輸送管竣工式。
  5月
1日 金正恩,大館琉璃工場と「ホ・ヨンチョルが事業する機械工場」を訪問。
3日 金正恩,人民軍航空・反航空軍指揮部を訪問。
3日 金正恩,統一通り運動センターを訪問。
3日 端川港竣工。
5日 金正恩,綾羅人民遊園地建設場を訪問。
8日 国土管理総動員運動熱誠者会議,金正恩の「社会主義強盛国家建設の要求に合わせて国土管理事業で革命的転換をもたらすことについて(2012年4月27日)」伝達。
8日 金正恩,万景台遊戯場を訪問。
10日 中国政府との満浦=集安国境橋の共同建設・管理・保護に関する協定締結。
14日 金正恩,先景総合食堂を訪問。
16日 郭山干拓地2階段と大渓島干拓地内部網竣工式。
19日 金正恩,人民軍第639大連合部隊を訪問,第534大連合部隊芸術宣伝隊公演を観覧。
23日 朝鮮中央通信,金正恩の人民軍第6556軍部隊将兵との記念撮影を報道。
23日 朝鮮中央通信,金正恩の人民軍第1501軍部隊視察を報道。
24日 金正恩,倉田通り建設場を訪問。
25日 朝鮮中央通信,金正恩の凱旋青年公園遊戯場視察を報道。
25日 朝鮮中央通信,金正恩の柳京院・人民野外氷上場建設場訪問を報道。
26日 金正恩,中央動物園を訪問。
30日 金正恩,倉田通りに建設された児童百貨店と住宅,倉田小学校,慶上託児所,慶上幼稚園を視察。
  6月
6日 金正恩,少年団創立66周年慶祝少年団全国連合団体大会で演説。
12日 『労働新聞』,金正恩「偉大な金日成同志はわが党と人民の永遠の首領である――金日成誕生100周年に際して発表した論文(2012年4月20日)」を掲載。
30日 金正恩,完工間近の綾羅人民遊園地,建設中の平壌産院乳腺腫瘍研究所を訪問。
  7月
2日 金正恩,平壌靴下工場,児童百貨店を訪問。
4日 金正恩,平壌空港を訪問。
8日 金正恩,錦繍山太陽宮殿を訪問,祖国解放戦争勝利記念館を訪問。
14日 金正恩,重要施設建設で労力的功勲を立てた人民内務軍模範軍人たちと記念撮影,慶上幼稚園を訪問。
15日 李英浩総参謀長,解任。
17日 金正恩に共和国元帥称号を授与。
24日 金正恩,綾羅人民遊園地を訪問。
25日 金正恩,綾羅人民遊園地竣工式に出席。
26日 金正恩,戦勝節慶祝人民内務軍協奏団公演を観覧,柳京院と人民野外氷上場を訪問。
30日 金正恩,祖国解放戦争勝利59周年行事に参加する戦争老兵たちと記念撮影。
  8月
2日 金正恩,中国共産党中央対外連絡部の王家瑞部長と会見。
3日 『労働新聞』,金正恩「金正日愛国主義を具現して富強祖国建設を進めよう――党中央委員会責任幹部たちとの談話(2012年7月26日)」を掲載。
5日 金正恩,雲谷地区総合牧場,人民軍第552軍部隊管下区分隊を訪問,航空・反航空司令部第1017軍部隊飛行訓練を視察。
8日 昌城郡で地方党・経済活動家昌城連席会議50周年記念中央報告会,金正恩の「綱領的文献」伝達。
13日 張成沢党部長,北京での羅先経済貿易地帯・黄金坪・威化島経済地帯共同指導委員会第3次会議のため中国訪問(~18日)。
17日 金正恩,西南前線の人民軍長在島防御隊と茂島防御隊を訪問。
23日 金正恩,人民軍第4302軍部隊管下「柿の木中隊」を訪問。
25日 金正恩,8・25慶祝宴会で演説。
27日 金正恩,前線東部の人民軍第313大連合部隊と管下部隊を訪問。
28日 金正恩,前線東部の人民軍第318軍部隊を訪問。
28日 「全国清津会」の正木事務局長ら,来訪(~9月6日)。
29日 金正恩,東部戦線の視察からの帰りに人民武力部の金日成・金正日銅像を参観。
29日 北京で日本人遺骨問題に関する日朝政府間課長級予備会談(~30日)。
30日 金正恩,銀河水音楽会を観覧。
31日 金正恩,人民軍武装装備館電子図書館を訪問。
31日 金正恩,ヘマジ食堂を訪問。
  9月
1日 金正恩,大同江タイル工場を訪問。
1日 金正恩,人民内務軍女性吹奏楽団演奏会を指導。
2日 金正恩,人民軍軍楽団演奏会を指導。
4日 金正恩,倉田通り住宅に入居した勤労者の家庭を訪問。
7日 金正恩,統一通り運動センター,平壌民俗公園を訪問。
9日 金正恩,錦繍山太陽宮殿を訪問。
9日 朝鮮中央通信,金正恩の建国64周年に際して人民軍協奏団総合公演観覧を報道。
16日 朝鮮中央通信,金正恩の大集団体操・芸術公演「アリラン」観覧を報道。
17日 モスクワでロシア政府とソ連時代の債務調整に関する協定調印。
21日 金正恩,平壌蔬菜科学研究所と平壌草花研究所を訪問。
25日 最高人民会議第12期第6次会議,「全般的12年制義務教育を実施することについて」を採択。
  10月
2日 人民軍第10215軍部隊(国家安全保衛部)に金正日銅像建立,除幕式。
3日 ロシア移民局のクズネゾフ副局長,来訪(~5日)。5日,臨時労働活動に関する共同実務グループ第3次会議議定書に調印。
4日 エジプトのオラスコム電気通信株式会社のナギブ・サウィリス理事長,来訪(~6日)。
6日 金正恩,国家安全保衛部を訪問。
6日 金正恩,万景台遊戯場,大城山遊戯場,南門食堂を訪問。
7日 金正恩,金正日党総秘書推戴15周年記念中央報告会に出席。
8日 平壌産院乳腺腫瘍研究所竣工。
10日 金正恩,錦繍山太陽宮殿を訪問。
10日 金正恩,牡丹峰楽団公演を観覧。
12日 万景台革命学院・康盤石革命学院創立65周年慶祝大会,金正恩の書簡「革命家遺子女たちは万景台の血統,白頭の血統を固く受け継ぐ先軍革命の頼もしい骨幹にならなければならない」伝達。14日に金正恩,大会参加者と記念撮影。
26日 羅津=元汀道路開通式。
28日 金日成軍事総合大学研究院を金正日軍事研究院と命名する集会。
29日 金正恩,金日成軍事総合大学での金日成・金正日銅像除幕式で演説,第12次人民体育大会体育団部門男子蹴球決勝競技を観戦。
30日 シリア政府と第8次経済共同委員会(~11月5日)。
31日 人民軍中隊青年同盟初級団体委員長大会。
  11月
3日 金正恩,平壌産院乳腺腫瘍研究所,柳京院,人民野外氷上場,ローラースケート場を訪問。
4日 張成沢を委員長とする国家体育指導委員会を設置。
6日 金正恩,4・25国防選手団野外射撃場での射撃競技を指導,稲妻チームと平壌チームの女子排球競技を観戦。
12日 松浪理事長を団長とする日本体育大学代表団,来訪(~16日)。
15日 第4次全国母親大会。18日に金正恩,参加者と記念撮影。
15日 ウランバートルで宋日昊大使,日本外務省の杉山アジア大洋州局長と会談(~16日)。
18日 金正恩,人民軍第534軍部隊直属騎馬中隊訓練場を視察。
19日 金正恩,国家安全保衛部を訪問。
23日 全国分駐所長会議。26日に金正恩,参加者と記念撮影。
24日 金正恩,祖国解放戦争勝利記念館建設場を現地指導。
26日 全国司法検察活動家大会,金正恩「革命発展の要求に合わせて司法検察事業で新たな転換を起こすことについて」伝達。27日に金正恩,大会参加者と記念撮影。
29日 平壌でチンダルレ児童基金設立。
29日 中国共産党中央政治局委員・全国人民代表大会常務副委員長の李建国,来訪(~30日)。30日に金正恩会見。
  12月
1日 社会科学院創立60周年に際して金正恩書簡「われわれの社会科学は全社会の金日成=金正日主義化偉業遂行に積極的に仕えなければならない」伝達式。
5日 全国法務活動家大会。
6日 金正恩,衛星管制総合指揮所を訪問。
12日 金正恩,「光明星3号」2号機発射を命令,衛星管制総合指揮所を訪問。朝鮮中央通信,衛星の軌道進入を発表。
14日 金正恩,西海衛星発射場訪問。
16日 金正恩,金正日死去1年追慕大会に出席。
17日 金正恩,錦繍山太陽宮殿開館式に出席,感謝文発表。
21日 金正恩,衛星発射に貢献した科学者,技術者,活動家たちのための党中央委員会宴会に出席し,演説。
21日 咸興市で金日成・金正日銅像除幕式。
21日 朝鮮中央通信,アメリカ公民ペ・ジュンホが抑留されていると発表。
22日 衛星発射に貢献した科学者,技術者,活動家たち計101人に英雄称号。
24日 金正恩,錦繍山太陽宮殿訪問。
24日 朝鮮中央通信,全国の幼稚園児にセーターが供給されたと報道。
30日 金正恩,衛星発射に貢献した科学者,技術者,活動家たちと記念撮影。党中央委員会主催で再び宴会,金正恩出席。

参考資料 朝鮮民主主義人民共和国 2012年
①  国家機構図(2012年12月末現在)
②  朝鮮労働党中央機構図
③  党および国家機関の指導メンバー
③  党および国家機関の指導メンバー(続き)

主要統計 朝鮮民主主義人民共和国 2012年
1  国家予算収入総額(2004~2012年)
2  国家予算支出総額および収支(2004~2012年)
3  国防費(2004~2012年)
4  工業生産の伸び(2001~2011年)
5  主要国の対朝鮮貿易(2007~2012年)
 
© 2013 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
feedback
Top