アジア動向年報
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各国・地域の動向
2013年のモンゴル エルベグドルジ大統領の再選
湊 邦生
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2014 年 2014 巻 p. 107-132

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2013年のモンゴル エルベグドルジ大統領の再選

概況

2013年のモンゴルの動向は,6月末に行われた大統領選挙を境に大きく分かれる。大統領選挙では,連立与党を率いる民主党から現職のエルベグドルジ大統領,野党人民党からバト=エルデネ国会議員,連立与党の一角の人民革命党からオドワル保健相がそれぞれ立候補した。投票は6月26日に行われ,エルベグドルジ候補が1回目の投票で過半数の票を得て勝利した。これにより,政府・国会とも民主党主導の連立体制が継続することが確定した。

2012年の国会総選挙から続いた大型選挙が終了したことで,主な課題は停滞の兆しをみせる経済の浮上へと移った。政府は外国からの投資を回復させるべく,9月に新たな投資法を国会に上程し,10月に可決,11月には施行された。これにより,国内外の投資が同等に扱われるようになったことに加え,いくつかの条件を満たした大型投資については税率が一定期間据え置かれるなどの措置がとられることとなった。また,この年もタワントルゴイ炭鉱とオヨー・トルゴイ鉱山の両プロジェクトは混乱に陥ったが,前者では西ツァンヒ鉱区からの採炭と輸出が,後者では銅の精製と輸出がそれぞれ始まっており,ようやく進展の兆候をみせはじめている。

対外関係では,中国との戦略的パートナーシップ中長期計画の署名,日本との中期行動計画の署名がとくに注目される。加えて,この年には大統領・首相をはじめ,アジア・ヨーロッパを中心とする各国・地域への訪問が相次いだほか,4月にはウランバートルで第7回民主主義共同体閣僚級会合を開催した。2013年はモンゴルにとって国際社会へのアピールに成功した1年といえよう。

国内政治

続く政党間対立

与党第1党の民主党と野党人民党,さらには民主党と連立政権の一角の「正義」同盟を構成する人民革命党との間では,前年から支持者も巻き込んだ対立劇が繰り広げられており,2013年も年初から衝突が生じた。

まず争点となったのが県知事の任命問題であった。モンゴル国憲法の規定では,県・首都知事は住民の直接選挙で選ばれるのではなく,各県・首都議会議員が決定した立候補者に対して首相が任命を行って就任することになっている。そして,2012年11月に各県議会の選挙が行われたことから,新議会から立候補者を首相が任命する必要があった。しかし,ゴビアルタイ,ゴビスンベル,ドンドゴビ,ドルノド,セレンゲ,フブスグルの6県では,2012年中に任命が行われなかった。これについて,人民党国会会派エンフボルド代表は年明け早々に会見を開き,人民党が多数を占める県議会からの知事立候補者の任命を首相が遅らせているとして批判した。これに対し,アルタンホヤグ首相は任命の遅れに政治的な意図はなく,むしろそれらの県で新議会が未招集のところや,招集されたとしても法律上の条件を満たしていないところがあり,それが原因であると反論した。翌月以降,上記の県でも新知事の任命が行われるようになったが,フブスグル,ドルノドの両県では任命が12月にまでずれ込んだ。さらに,2月に任命されたドルノゴビ県知事は12月に県議会で不信任案が可決,これが首相の承認を得て罷免されたのに加え,ゴビアルタイ県については9月に最高裁が県議会選挙の再選挙を命じるなど,県によっては混乱が長く続くことになった。

2大政党は国会の未確定議席をめぐっても対立した。モンゴルでは2012年6月に国会総選挙が行われたにもかかわらず,2013年に入ってもウブルハンガイ選挙区と首都ウランバートル・ソンギノハイルハン地区選挙区の各1議席,計2議席が未確定のままであった。前者については,前年に2大政党間で議席を2分割する旨の合意に達しており,この合意によって民主党のバトフー氏と人民党チンゾリグ氏が議席を得ることになっていた。そしてバトフー氏は2012年末に宣誓を行って議員に就任したが,一方のチンゾリグ氏は自身に対する選挙違反の告訴が取り下げられず,そのために宣誓を行うことができなかった。人民党からは抗議の声が上がったが,国会での審議でも状況は変わらず,民主党のもうひとりの候補であったゾリグト氏の議員就任が決まった。また,後者の選挙区については当選に要する法定得票率に達した候補が1人不足しており,その分の再選挙が4月に実施された。結果として人民党のソミヤバザル氏が当選したが,民主党は選挙の実施に不備があったとしてやり直しを主張した。ただ,同党候補のエルヘムバヤル氏自身はやり直しを求めず,選挙結果はそのまま確定した。結局,2大政党は未確定議席をひとつずつ分け合う形となり,当選した両氏の宣誓が春期国会において行われ,これにより国会全議席がようやく確定した。

他方,人民革命党は前年に汚職の罪で収監された党首エンフバヤル前大統領の処遇をめぐって民主党と対立しており,1月には女性支持者によるハンガーストライキが行われた。人民革命党は前大統領の逮捕1周年となる4月12日に合わせてデモを行ったほか,後述する第7回民主主義共同体閣僚級会合の際には,前大統領が政治犯であるとして,各国・地域の代表団に向けたアピールを行った。

このように,人民党・人民革命党は反民主党で一致しており,大統領選挙を見据えた連携や合併という観測も流れた。実際,4月の春期国会開会日に両党議員がそれぞれ途中退席,スフバートル広場でのデモに参加するという動きもみられた。これに対し,民主党は同月にアルタンホヤグ首相が登山中に一時行方不明となった末に救出される騒ぎを起こしたうえ,バヤルツォグト国会副議長がスイスに秘密口座を開いていたことが発覚,辞任に追い込まれるなどの苦境にあった。

大統領選挙戦の展開

大統領選挙は,このように政党間の対立が続くなかで始まった。民主党からはエルベグドルジ現大統領の立候補が確実視された一方で,人民党からの候補者が誰になるのかが焦点となった。また,国会に議席を有し,大統領候補を擁立する資格を有する人民革命党,民族民主党,市民の意志・緑の党の動向も注目された。

このなかで,人民党はいち早く4月に幹部会を実施,国会議員でモンゴル相撲の横綱として知られるバト=エルデネ候補を指名した。5月に入ると民主党大会が開催され,当初の予想通りエルベグドルジ現大統領が候補の指名を受けた。ほかの政党のなかでも注目された人民革命党は,結局人民党とは連携せず,5月にモンゴル初の女性大統領候補となるオドワル保健相を候補者に指名した。しかし,ともに統一会派「正義」同盟を構成する民族民主党がエルベグドルジ支持に回ったため,人民革命党は単独で選挙に臨むこととなった。市民の意志・緑の党は民主党エルベグドルジ候補を支持し,結果として立候補者は3人となった。

今回の大統領選挙投票前の趨勢を示す資料としては,4月に実施された世論調査「ポリトバロメートル」の結果が挙げられる。これは立候補者が未確定の段階で行われた調査であり,かつ地方の調査地点が6県に限られる点に注意は必要であるが,当時のモンゴルの世論について大まかな傾向をみるには有効である。

調査結果によれば,どの党からの候補者に投票するかという問いに対し,民主党との回答が27.2%であった一方,人民党の候補者に投票するという回答は17.3%と,大きな差がついていた。もっとも,この時点では「わからない」とする回答者が36%おり,彼らの支持が得られれば人民党の逆転は可能であった。

ところが,人民党には態度未定の有権者に対して訴求力を持つ候補者がいなかった。同調査でたずねられた「モンゴルの元首としての職務をもっともよく執行できるのは誰か」という質問についてみると,回答がもっとも多かったのはエルベグドルジ大統領(19.2%),次いでエンフバヤル前大統領(6.2%)となっていた。人民党でもっとも多かったのはバガバンディ元大統領であったが,率としては3.2%しかなく,実際に出馬したバト=エルデネ議員には2.1%,エンフトゥブシン党首には1.7%の回答しか集まらなかった。さらに,政党支持者別にもっともふさわしい候補についてたずねた質問では,民主党支持者の79.2%がエルベグドルジ大統領と回答した反面,人民党支持者の間ではバガバンディ元大統領とバト=エルデネ議員がそれぞれ14%,エンフトゥブシン党首が12%と意見が分かれたうえ,人民革命党のエンフバヤル前大統領を支持する回答者も11%いた。

自党の支持者ですら意見が分かれる状態では,人民党の候補者が誰であれ,現職の強みを持つエルベグドルジ大統領を上回る票を得る望みは薄かった。ただし,規定により第1回投票で過半数を得た候補がいない場合,上位2候補による決選投票が行われるため,人民党が勝機を得るには,第1回投票でエルベグドルジ大統領の当選を阻止し,決選投票に持ち込むことが現実的な条件であった。

エルベグドルジ大統領の再選決定と余波

6月26日,大統領選挙の第1回投票が行われた。開票結果は7月1日に選挙中央委員会から発表され,民主党エルベグドルジ候補が全投票の50.23%となる62万2794票を得たことで,1回目の投票で再選が決まった。得票比率としては過半数をわずかに上回る程度であるが,エルベグドルジ候補はウランバートル中心部でほかの両候補を圧倒,人民党支持者が多いとされる地方においても,21県中13県で最多得票を得た。一方,人民党バト=エルデネ候補の得票は52万380票(41.97%)にとどまり,人民革命党オドワル候補が8万563票(6.5%),白票が1万3688票(1.1%)であった。なお,今回の大統領選での投票率は66.5%と,前回2009年の73.6%に比べて低下した。

国会総選挙,統一地方選挙,大統領選挙という3つの大規模選挙すべてで敗北することは人民党にとって初の事態であり,大統領選挙直後から指導部の責任を問う声が上がった。選挙結果を受けて7月に開催される予定であった党幹部会は8月にようやく行われ,10月に党大会を開催することが決まった。この党大会で新党首選挙が実施されたが,エンフトゥブシン党首は立候補を辞退,後任にはM.エンフボルド国会副議長が就任した。一方の人民革命党についてみると,8月1日にエルベグドルジ大統領の特赦によって,念願であった党首エンフバヤル前大統領の釈放が実現した。しかし,支持者・一般党員のなかにはむしろ大統領選での得票率の低さに不満を抱く者がみられた。支持者連合のバヤルサイハン代表らは8月の人民党幹部会に合わせて同党に入党,記者会見で人民党・人民革命党の合併を要請した。このほか,首都ソンギノハイルハン地区監査委員会からは,テルビシダグワ副党首やシーレグダンバ書記長らの責任を問う声が上がった。

経済

3年連続の2桁成長も,産業ごとに明暗が分かれる

2013年の経済成長率は11.7%と,3年連続で2桁成長を達成した。この数値は2012年の12.4%からは微減となるが,さらに前年の2011年の成長率は17.5%であり,減少幅自体は縮小している(Mongolian Statistical Yearbook of 2010, Monthly Bulletin of Statistics,2013年12月号および2014年1月号。以下,2013年の統計数値はすべて予測値に基づく)。

ただし,各部門の生産動向は好不調が入り交ざったものとなった。まず農牧業では,牧畜部門と農耕部門が明暗を分けた。前者では家畜頭数が前年比10%以上の増加を示し,2009年の頭数を上回り過去最多となった。反面,後者に関しては総作付面積こそ拡大したものの,穀物と馬鈴薯は作付面積が5~8%縮小,収穫に至ってはどちらも前年の80%程度にまで減少した。また,鉱工業部門の総生産は前年比で14.8%増加しているが,鉱業採掘部門の生産が21.3%増加したのに対し,製造業部門での伸びは6.8%であった。とくに鉱業採掘部門では,原油採掘が41.1%,銅を含む鉱石採掘が26.1%と増加した一方で,採炭業が2.1%の伸びにとどまっている。製造業部門では,最大の産業である酒類等飲料生産が1.7%しか増加しておらず,これが部門全体の生産増の足かせとなった(図1)。

図1  工業生産の変化(2012~2013年)

(注) 単位は10億トグリグ(2005年固定価格)。

(出所) Monthly Bulletin of Statistics, 2013年12月号。

急落したトグリグ,止まらないインフレと財政・貿易赤字

2013年にはトグリグの為替レートが急落した。対ドルのレートは2012年12月平均で1ドル=1396.1トグリグであったのが,2013年12月平均では1674.6トグリグとなり,過去10年で最大の下落幅・率を記録した(図2)。モンゴルは生産活動に必要な機械類・中間財および燃料,あるいは電化製品などの消費財の多くを輸入に頼っている。一方で,2012年には外貨建て「チンギス」国債を発行したのに続き,2013年には後述の円建て国債(サムライ債)発行に向けて動いており,それらの償還を行う必要がある。このようななかでトグリグの急落が続くことは,輸入コスト上昇によるインフレ圧力や生産への影響と同時に,外債償還のコスト上昇をもたらす。そればかりか,国債の格付け低下やデフォルトのリスク増大にもつながりかねず,決して放置できる問題ではない。

図2  トグリグの対ドルレートの推移(2004~2013年)

(注) 数値はすべて各年の12月の平均値。

(出所) モンゴル銀行ウェブサイト。

加えて,以前からの懸案であるインフレと財政・貿易赤字は,この年も解決をみなかった。2012年12月から1年間の消費者物価指数上昇率は12.5%であり,前年の14.0%から下がったとはいうものの,4年連続での2桁上昇となった。また,この年の財政赤字は2973億トグリグとなり,2012年の値から4分の1近くまで減少した。これは財政赤字を対GDP比で2%に抑制する予算編成方針がとられたことと,歳入の増加によって実現したものである。とはいえ,歳出の拡大には歯止めがかかっておらず,財政収支の均衡にはなお時間を要するとみられる。また,貿易赤字は20億8200万ドルと,2012年から10%以上減少しているが,これは輸入の減少に起因するものであり,肝心の輸出も減少していることを考えれば,肯定的な現象として単純に捉えることはできない。

新投資法の成立と施行

政府は9月9日に新たな投資法案を臨時国会へ上程した。法案は臨時国会終了後の10月3日に秋期国会で可決され,11月1日に施行された。同時に,旧外国投資法と,資源ナショナリズムの象徴として批判のあった「戦略的分野において事業活動を行う企業に対する外国投資を調整する法律」をそれぞれ無効とする法律も可決され,国内・国外の投資家が一括して扱われることになった。

新たな投資法では大規模投資や地方への投資に対する優遇措置も定められた。新法では法に基づく環境影響評価の実施,安定的な雇用の創出,先進的機材・技術の移転という3つの条件を満たした大型投資に対して,法人税,関税,付加価値税,鉱物資源使用料の率をそれぞれ一定年数据え置くことが定められた。具体的には,投資はまず鉱業・重工業・インフラ部門とそれ以外の部門とに分類される。そのうえで,前者では投資先となる地方と投資額によって据え置き年数に差が設けられており,後者では投資先地方によって,一定年数の据え置きを受けるために必要な投資額が異なる。ただし両部門とも,ウランバートルから離れた地方で大規模な投資を行うほど,税・使用料率が優遇される点では共通している。

新法の施行により,法務面での投資環境は大きく変わったといえるが,この法律がどの程度実効性を持つかは今後注視される。また,2013年には鉱山開発に対し過激な対応をとる団体も現れており,この点も憂慮される。とくに,9月に政府庁舎前で行われたデモでは,銃を所持する参加団体の構成員と警察とで競り合いになった末に発砲事件が生じて政府機能が一時混乱,複数の逮捕者が出たうえ,さらに捜査過程で手榴弾や銃,弓などの武器が押収され,市民に衝撃を与えた。

混乱する2大鉱山開発に進展の兆し

南部にあるタワントルゴイ炭鉱とオヨー・トルゴイ鉱山の開発については,2013年も早々から問題が生じた。ただその一方で,進展に向けた兆しも生まれた。

タワントルゴイ炭鉱開発では,1月にエルデネス・タワントルゴイ社の運送会社への未払い金により,石炭の積み込みと輸出ができない事態に陥った。この事態に,モンゴル政府は同社と供給先の中国アルミニウム(CHALCO)社との間で結んだ契約で設定された炭価が低すぎるのが原因として契約の見直しを求めたのに対し,CHALCO側はあくまで契約の遵守を求めた。その後交渉の結果,価格について合意の見通しがついたことなどで,輸出はようやく4月に再開された。

さらに,7月には同炭鉱西ツァンヒ鉱区での採掘権の入札結果が公表され,「ヒシグ・アルビン・インダストリアル」「メラ」「モンゴル国民採掘社」3社からなる「モンゴル・オールハイチド」共同企業体が1年間の採掘権を獲得した。これにより,9月5日に同鉱区から石炭の輸出が始まった。合わせて,東ツァンヒ鉱区に内陸税関が設立され,中国国境までの輸送ルート短縮と費用削減が実現した。

オヨー・トルゴイ鉱山開発では,モンゴル側と外国投資家側とが鋭く対立した。2月1日の国会本会議で,アルタンホヤグ首相はオヨー・トルゴイ社の初期投資および投資総額の膨張,ロンドンに本拠を置くリオ・ティント社がモンゴル側に事前協議なしに外国金融機関から巨額の資金調達を試みたこと,モンゴル人労働者の割合が契約で定められた基準より少なく,給与も外国人より低い点などについて,説明を要求すると表明した。これらは6日に開かれたオヨー・トルゴイ社の株主総会に出席したバトバヤル鉱業相らによって提起されたが,リオ・ティント社は一切の対応を拒否,月末に再度開かれた総会も物別れに終わった。とはいえ,両者とも今後のプロジェクト継続では一致していたため,オヨー・トルゴイ社が3月までの暫定予算を策定して事業を行い,その期間内に両者が合意を図ることとなった。合意は遠く,4月以降も暫定予算が毎月組まれることとなったが,9月にモンゴル側の取締役がリオ・ティント社経営陣とロンドンで協議を行った結果,拡大した支出の共同負担や,追加資金供給の条件精査などで合意に達した。これにより,オヨー・トルゴイ社は2014年から通年予算に基づく事業展開を行うことになった。

なお,これに先立つ7月には銅精鉱工場が完成,精鉱の輸出開始記念式典が行われた。ただし,これは当初予定より1カ月遅れであり,かつ10月までは通関が行われず,輸送された精鉱は保税地域で保管されるだけであった。

一時は暗礁に乗り上げた両鉱山開発であるが,とにもかくにも問題が一応の解決をみたことと,生産・輸出に向けた動きが進んだ点は評価すべきであろう。今後はタワントルゴイ発電所建設計画の着実な実行や,延期を重ねた新規株式公開(IPO)の実現に備えたエルデネス・タワントルゴイ社の経営改善,リオ・ティント社とモンゴル政府側との対話機会の拡大などが課題となる。

対外関係

2013年には二国間関係・多国間関係双方で多くの動きがみられた。前者では中国・日本との戦略的パートナーシップの進展,後者では議長国としての第7回民主主義共同体閣僚級会合の開催が,それぞれ最大の成果といえる。加えて,対ヨーロッパ・対東南アジアをはじめとする多面的な外交が展開されたが,他方で伝統的パートナーであるロシアとの関係は,実務的な動きに終始した。

対ロシア関係

2月にバト=エルデネ国防相がロシアを訪問し,ショイグ国防相との間で軍事機器および軍事教育分野等での協力について会談を行った。5月にはヤクーニン・ロシア鉄道社長が来訪,アルタンホヤグ首相,ガンスフ道路・運輸相,エンフボルド議長と会談,モンゴル国内の鉄道路線の設備更新に関して意見を交換した。7月にはASEAN地域フォーラムの際に両国の外相が会談したのに続き,エルベグドルジ大統領の就任式に際してはトルシン連邦会議第一副議長が出席,式当日にエンフボルド議長との間で会談が行われている。

8月にはモルグロフ・ロシア外務次官が来訪し,アルタンホヤグ首相,テルビシダグワ副首相,ボルド外相,ガンホヤグ外務副大臣,ツォグ国会副議長とそれぞれ会談した。期間中には外務省間協議会や,両国間の戦略的パートナーシップの発展について意見交換が行われたほか,同外務次官とガンホヤグ外務副大臣によって外務省間2013―2014年国際協力計画に署名がなされた。

11月にはモスクワでモンゴル・ロシア政府間協議が開催された。協議はモンゴル側代表をテルビシダグワ副首相が,ロシア側代表をドンスコイ天然資源環境相がそれぞれ務めており,モンゴル・ロシア合弁企業による共同事業の拡大について意見が交わされたのに加え,鉄道によるモンゴル国内の通過輸送について,ロシア・モンゴルに中国を交えた3カ国会議をウランバートルで開催することで双方が合意した。また,双方はエネルギー部門での協力事業計画ならびに銀行間協力に関する覚書にそれぞれ署名した。

この年も前年に引き続き,元首級の往来や直接の会談は行われず,両国関係は地味に推移した。とはいえ,両国間の懸案である鉄道に関する問題について,一定の合意が得られた意義は小さくない。また,7月の外相会談ではモンゴル側首相のロシア訪問が話題となったと報じられており,今後の展開が注目される。

対中国関係

10月にアルタンホヤグ首相が中国を訪問し,習近平国家主席,李克強総理,張徳江全国人民代表大会常務委員会委員長らと会談を行った。また,両国間の戦略的パートナーシップ中長期プログラムをはじめ,経済・技術,防災,金融,鉄道,鉱業などの分野での協力に関する文書に対し,両国首相や担当閣僚が署名した。

戦略的パートナーシップ中長期プログラムは,二国間政治関係,国防・安全保障,貿易・経済,人的交流,国際・地域問題に関して,モンゴル・中国間の協力のあり方を詳細に定めたものである。とくに貿易・経済に関しては投資,天然資源・エネルギー,道路・運輸,金融,貿易,援助,環境保護・水利用,農牧業,国境地帯,労働力という個別分野ごとの協力について述べられている。またモンゴル・中国・ロシアの3カ国間協力の強化に加え,東アジアにおける国際協力事業や,日韓中3カ国による協力事業にモンゴルが参加することに対して中国が支援を行う点,モンゴルのアジア太平洋経済協力(APEC)加入を中国が支持する点も明記された。戦略的パートナーシップの具体的内容が明示されたことで,今後両国間の協力関係がさらに緊密になるものと見込まれる。

これ以外にも,1月には呉邦国全国人民代表大会常務委員会委員長,5月には楊潔篪国務委員,9月には蔡武文化相が来訪したほか,12月にはモンゴル・中国外務省政治局間協議会が開催されている。さらに,両国を含む国際協力の枠組みとして,大図們江イニシアチブ第14回協議委員会および北東アジア経済フォーラムが10月にウランバートルで開催された。

対日関係

日本・モンゴル間では3月に安倍首相が,9月にはアルタンホヤグ首相が相互に訪問を行うなど,活発な人的往来がみられた。このうち安倍首相の訪問では,投資・ビジネス環境整備とモンゴルの持続可能な経済発展に対する協力に関する「エルチ・イニシアチブ」が同首相から提起され,アルタンホヤグ首相も同意した。他方,アルタンホヤグ首相訪日時には,首脳会談後に「戦略的パートナーシップのための日本・モンゴル中期行動計画」への共同署名が行われた。この計画では,政治・安全保障関係,経済分野での協力,文化・人的協力の3つの柱が設けられ,まず政治・安全保障関係ではハイレベルおよび省庁間対話の機会や防衛対話・協力の拡大と地域・国際問題での協力,経済分野での協力に関しては投資・ビジネス環境の整備,環境,人材育成,インフラ整備・開発,議員・青年・研究者などの交流や日本への留学拡大などが定められている。

さらに,ボルド外相は6月と7月に訪日,6月には安倍首相,岸田外相らと会談した一方,7月には愛知県,大分県をそれぞれ訪問した。同月末から8月初頭にかけてはバトバヤル経済開発相が訪日,麻生副首相兼財務相,岸田外相,茂木経産相と会談しており,9月にはエルベグドルジ大統領が国連総会からの帰路に日本を訪問,首脳会談を行った。日本からは第6回日本・モンゴル貿易投資および鉱物資源開発官民合同協議会に菅原経済産業副大臣が,エルベグドルジ大統領の就任式に古屋内閣府特命担当大臣がそれぞれ出席した。

これらに加えて,モンゴル民間航空局・三菱商事・千代田化工建設との間で新ウランバートル国際空港建設工事の契約が署名されたほか,モンゴル政府によるサムライ債の発行に対する国際協力銀行の保証も決定するなど,協力関係は経済面でも進展した。ただし,この年に締結が期待された経済連携協定(EPA)については,7月と12月の交渉ではまとまらず,翌年以降の課題となった。

対米関係

3月にはエンフボルド国会議長一行がアメリカを訪問した。訪問はコロラド州デンバーから始まり,ウランバートルのゲル地区再開発事業の参考とすべく,デンバー市内の再開発地区を視察したほか,フェルランディノ州下院議長との会談が行われた。その後ワシントンではバーンズ国務副長官と会談,貿易・経済協力,アメリカからの投資拡大について関心を表明した。

8月には国際軍事演習「ハーン・クエスト2013」が実施され,モンゴル・アメリカ・日本など14カ国から1000人以上が参加した。同月下旬にはマケイン,ホワイトハウス両上院議員が来訪し,エルベグドルジ大統領,サイハンビレグ内閣官房長官,ボルド外相,バト=エルデネ国防相らと会談,二国間関係や国際協力,地域安全保障などについて意見を交換した。11月には第9回モンゴル・アメリカ2国間協議会がワシントンで開催され,モンゴル側からはガンホヤグ外務副大臣率いる代表団,アメリカ側はラッセル国務次官補および国防総省,商務省などの代表者らが参加した。双方は翌年のハイレベル相互訪問に関する文書に署名し,貿易・投資に関する協議会の開催などで合意した。12月にはグレイザー財務次官補(テロ・金融犯罪担当)が来訪し,ボルド外相やテムージン法務相らと金融犯罪対策に関して意見交換を行った。

また,この年はアメリカ政府の提唱により5年間実施されてきた特別会計「ミレニアム・チャレンジ・アカウント」の最終年であり,9月17日をもって期間が終了,21日の閣議で同会計の閉鎖が正式に決定した。これに先立つ9日には終了記念式典が行われ,サイハンビレグ内閣官房長官,アン・アメリカ大使をはじめ,財産権,専門教育,保健,道路,エネルギー・環境などのプロジェクトへの参加者および受益者を含む多数が出席した。今後はアカウントによる成果に基づき,アメリカがモンゴルの開発問題にどう関与していくのかが注目される。

対ヨーロッパ関係

11月にバローゾ欧州委員会(EU)委員長が訪問し,エルベグドルジ大統領との会談が行われた。会談後発表された共同声明のなかで,投資環境および法整備,経済協力の発展,事業家支援をEUが積極的に行う意向が示された。共同声明では交換留学の促進や,モンゴルにおけるEU代表部開設も明記された。2014年はモンゴルとEUとの関係樹立25周年にあたり,交流の拡大が見込まれる。

各国との関係をみると,まずイギリスとの間では,9月にギフォード・ロンドン市長が来訪し,エルベグドルジ大統領,サイハンビレグ内閣官房長官との会談やモンゴル証券取引所の視察を行った。10月にはヘイグ外相が来訪し,エルベグドルジ大統領,ボルド外相との間で鉱業・国際金融・インフラ部門での協力について会談が行われた。さらに,ブレア元首相による2度の来訪は注目を集めた。1回目の訪問は3月に行われたが,その目的について公式な説明がなく,6月になって,この訪問で元首相がモンゴル政府と顧問契約を結び,リオ・ティント社との交渉などへの助言を行うことになったと報じられた。さらに,9月の2回目の訪問は,モンゴル政府側の会談相手が明らかにされない異例のものとなった。

またフランスとの間では,10月中旬にファビウス外相が来訪し,エルベグドルジ大統領,アルタンホヤグ首相,ボルド外相らと会談した。続く11月初頭にはボルド外相がパリを訪問,ファビウス外相,ガロ農業・農産食品業・林業大臣付農産食品業担当大臣と会談した。とくに,ファビウス外相の訪問時には「モン=アトム」「アレバ・モンゴル」社が株主間契約を締結,両社合弁の「アレバ・マインス」社の株式34%をモンゴル政府が所有することで合意した。ところが,この際にモンゴルでのウラン採掘に関する協定も締結されたと一部で報じられ,モンゴル外務省が否定の声明を出す一幕もあった。

そのほか,3月にリッケトフロ・デンマーク国会議長,ミリオリ欧州安全保障協力機構(OSCE)議員会議議長が,9月にミャスニコーヴィチ・ベラルーシ首相が来訪した。モンゴルからはエルベグドルジ大統領が1月にポーランドとスイス,ボルド外相が11月にセルビア,テルビシダグワ副首相が12月にドイツをそれぞれ訪問した。ボルド外相はブリュッセルでの北大西洋条約機構(NATO)非加盟の国際治安支援部隊貢献国との外相級会合とキエフでのOSCE閣僚級会合にも出席した。

対韓国,北朝鮮関係

対韓国関係では,3万人ともいわれる韓国在留モンゴル人への対応や,経済協力について,両国間で意見の交換が行われた。5月にはサンジミャタブ労働相が韓国を訪問し,房河男雇用労働相および国会環境労働委員会の金聖泰議員と会談した。訪問では韓国の雇用許可制(EPS)に関する相互覚書に署名を行い,韓国でのモンゴル人労働者が帰国後にモンゴルで企業を設立する際の支援策が定められた。また,訪問期間中に在韓国モンゴル大使館でモンゴル国内の求人システムの開設式が行われた。7月には安鴻俊国会外交統一委員長が来訪し,アルタンホヤグ首相,エンフボルド国会議長と会談した。この際,安委員長が韓国に非合法で入国したモンゴル国民の再入国問題を提起した一方,モンゴル側は鉱業・インフラ部門での協力,モンゴルからの渡航条件の緩和について期待を表明した。9月には姜昌熙国会議長が来訪し,アルタンホヤグ首相,エンフボルド国会議長と会談を行った。とくに議長会談では,道路輸送,鉱業,保健などの部門での関係・協力強化や,鉄道部門を中心とする韓国からの投資拡大,技術移転,韓国での専門技術者の養成,韓国在留モンゴル人の社会保障などが議題となった。

一方,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との間では,7月のASEAN地域フォーラムの際に外相会談が実施されたのに続き,8月には崔富日人民保安部長が来訪した。とくに,10月にはエルベグドルジ大統領がモンゴルの大統領として初めて北朝鮮を訪問した。この訪問では金正恩第一書記が会談に臨むかどうかが国内外の関心となったが,結局金第一書記は姿を現さなかった。さらに,エルベグドルジ大統領は金日成総合大学で独裁政治を批判する演説を行い,これが国際的に報じられるなど,訪問はかえって両国間のすれ違いを示す結果となった。

なお,エルベグドルジ大統領は2013年4月29日に行った第7回民主主義共同体閣僚級会合(後述)での演説において,北東アジア情勢に関する「ウランバートル対話」イニシアチブを提唱した。これは対話による相互信頼を醸成するために,安全保障の対話メカニズムを創設することで北東アジアの平和と安全を実現するというものであり,今後モンゴルがこの方針に基づいて南北朝鮮問題に積極的な関与を試みるものと予想される。

その他

2013年の対外関係のハイライトは,4月27日から29日にかけてウランバートルで開催された第7回民主主義共同体閣僚級会合である。モンゴルは2011年から同共同体の議長を務めており,会合にはインラック・タイ首相やアシュトンEU外務・安全保障政策上級代表,バーンズ・アメリカ国務副長官,アウンサン・スーチー・ミャンマー国民民主連盟議長をはじめ,100カ国以上から1000人を超える出席者が集まり,モンゴルが国際社会へアピールする大きな機会となった。

これ以外では,エルベグドルジ大統領が2月に南スーダンを訪問,キール大統領らと会談し,国連南スーダン派遣モンゴル国軍部隊を激励した。11月には東南アジア,香港を歴訪,ミャンマーではテインセイン大統領,トゥラ・シュエ・マン下院議長,アウンサン・スーチー国民民主連盟議長,ベトナムではチュオン国家主席,グエン首相,グエン国会議長,シンガポールではタン大統領,リー首相と会談した。さらに,二国間関係ではエンフボルド国会議長のカナダ訪問,モトランテ南アフリカ副大統領,マカリー・ニュージーランド外相の来訪などに加えて,スリナム,シエラレオネ,ルワンダ,ミクロネシアなどとの国交樹立,多国間関係ではイェレミッチ第67回国連総会議長,スパチャイ国連貿易開発会議事務局長,チャン世界保健機関事務局長の来訪など,この年のモンゴルは文字どおり全方位的な外交を展開した。

2014年の課題

2014年には大規模な選挙の予定がなく,政治面で大きな動きがあるとは考えがたい。しいて挙げるとすれば,民主党と対立する人民党と人民革命党との連携の可能性である。ただし,両党は大統領選でも協力できておらず,両党が分裂に至った経緯を考えても,現実性には疑問符がつく。加えて,仮に連携が実現しても国会の議席は過半数に届かない。突発的な事態や,民主党ないし現政権の失策がないかぎり,政党間対立が政治混乱につながるおそれは小さいものとみられる。

民主党や連立政権にとってより大きな課題となるのが経済運営である。積年の課題であるインフレ抑止に加え,財政・貿易赤字の縮小,通貨の安定,輸出と外資誘致の態勢立て直し,2大鉱山開発の加速化など,喫緊の課題は山積している。ただし,それらを解決する過程で経済成長が急減速することも避けなければならない。さらに,一般国民が経済成長の恩恵を実感できなければ,政府への批判が広まる可能性もある。現政権には難しい舵取りが求められる。

対外関係においては,2013年に日本および中国との関係強化に成功したことから,2014年は両国の間でバランスを図りつつ,欧米をはじめ各国との間で積極的な外交を展開すると予想される。反面,伝統的なパートナーであるロシアとの関係維持は課題である。加えて,エルベグドルジ大統領のイニシアチブによる南北朝鮮問題や北東アジア情勢へのコミットメントも注目される。

2014年1月に行われたゴビアルタイ県議会再選挙で民主党が勝利するなど,民主党や現政権の基盤はさらに固まりつつある。それゆえに,2014年には現政権による経済運営の成否が問われることになろう。

(立命館大学助教)

重要日誌 モンゴル 2013年
  1月
9日 服役中のエンフバヤル前大統領の赦免を求める女性たちがハンガーストライキを決行(~22日)。
10日 国会,ズンベレルルハム行政審議委員長の辞任と後任にツォゴー氏の任命を承認。
10日 国有財産庁,エンフサイハン・モンゴル鉄道社長を解任。
11日 エルデネス・タワントルゴイ社,タワントルゴイ炭鉱からの石炭輸出を停を承認。
15日 ボルド外相,インド訪問(~18日)。ムカジー大統領らと会談。
21日 エルベグドルジ大統領,ポーランド訪問(~22日)。コモロフスキ大統領らと会談。
21日 オドワル保健相,世界保健機関(WHO)第132回執行理事会に出席(~29日)。会期中にチャンWHO事務局長と会談。
23日 エルベグドルジ大統領,スイス訪問(~26日)。マウラー大統領と会談。
24日 エルベグドルジ大統領,世界経済フォーラム年次総会出席(~26日)。会期中に世界経済フォーラム創設者シュワブ氏,ニーニスト・フィンランド大統領,チャクラバルティ欧州復興開発銀行総裁らと会談。
30日 呉邦国中国全国人民代表大会常務委員会委員長,来訪(~31日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
  2月
8日 秋期国会閉会。
15日 エルベグドルジ大統領,南スーダン訪問(~17日)。キール大統領らと会談。
17日 バト=エルデネ国防相,ロシア訪問。ショイグ国防相と会談。
21日 国際会議「コール・モンゴリア2013」(Coal Mongolia-2013),ウランバートルで開催(~22日)。
26日 ボルド外相,ジュネーブでの第7回民主主義共同体運営審議会に出席。
26日 ボルド外相,欧州原子核研究機構を訪問。
27日 ボルド外相,ウィーンでの国連「文明の同盟」第5回世界フォーラム出席(~28日)。
  3月
2日 リッケトフロ・デンマーク国会議長,来訪(~6日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
13日 ミリオリ欧州安全保障協力機構(OSCE)議員会議議長,来訪(~15日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
18日 エンフボルド国会議長,訪米(~24日)。バーンズ国務副長官,潘基文国連事務総長らと会談。
22日 ブレア・イギリス元首相,来訪。エルベグドルジ大統領らと会談。
25日 スパチャイ国連貿易開発会議事務局長,来訪(~26日)。アルタンホヤグ首相らと会談。
25日 エンフボルド国会議長,カナダ訪問(~29日)。シーア下院議長らと会談。
30日 安倍首相,来訪(~31日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
  4月
2日 日・モ経済連携協定(EPA)交渉第3回会合,ウランバートルで開催(~5日)。
5日 春期国会開会。
6日 アルタンホヤグ首相,登山中に一時行方不明に(~7日)。
11日 エルドアン・トルコ首相,来訪(~12日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
14日 ソンギノハイルハン地区選挙区で国会議員選挙の再選挙実施,人民党ソミヤバザル候補が当選。
16日 国会,アルタンホヤグ首相の不信任案を否決。
22日 エルデネス・タワントルゴイ社,タワントルゴイ炭鉱からの石炭輸出を再開。
25日 国会,バヤルツォグト副議長の辞職願を承認。
27日 第7回民主主義共同体閣僚級会合,ウランバートルで開催(~29日)。
27日 インラック・タイ首相,来訪(~29日)。アルタンホヤグ首相らと会談。
28日 アウンサン・スーチー・ミャンマー国民民主連盟議長,来訪(~30日)。エルベグドルジ大統領と会談。
  5月
3日 第6回日本・モンゴル貿易投資および鉱物資源開発官民合同協議会,ウランバートルで開催。
3日 「ジャパン・ビジネス・フェア2013」,ウランバートルで開催(~4日)。
4日 人民党幹部会,大統領候補にバト=エルデネ議員を指名。
8日 民主党第5回大会,大統領候補にエルベグドルジ現大統領を指名。
9日 国会,バヤルツォグト前副議長の後任にゴンチグドルジ議員を指名。
9日 楊潔篪中国国務委員,来訪(~10日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
10日 民主党ゾリグト議員,人民党ソミヤバザル議員が宣誓,国会全76議席が確定。
10日 サンジミャタブ労働相,韓国訪問(~13日)。房河男雇用労働相らと会談。
11日 人民革命党小会議,大統領候補にオドワル保健相を指名。
12日 ヤクーニン・ロシア鉄道社長,来訪。アルタンホヤグ首相らと会談。
16日 モンゴル民間航空局・三菱商事・千代田化工建設,新ウランバートル国際空港建設工事契約に署名。
21日 ガンホヤグ鉱業相,オーストラリア訪問(~24日)。グレイ資源・エネルギー相らと会談。
22日 選挙中央委員会,エルベグドルジ,バト=エルデネ,オドワル3氏の大統領選挙立候補を承認。
  6月
9日 ボルド外相,訪日(~12日)。安倍首相らと会談。
11日 ボルド外相,東京での世界経済フォーラム・ジャパン・ミーティングに出席。
12日 ウランバートル新空港,起工式挙行。
18日 首都ウランバートル新庁舎,起工式挙行。
21日 イェレミッチ第67回国連総会議長,来訪。エルベグドルジ大統領と会談。
26日 大統領選挙第1回投票日。
  7月
1日 大統領選挙結果発表。現職エルベグドルジ候補(民主党)が再選。
2日 ボルド外相,ブルネイでのASEAN地域フォーラムに出席。
2日 日・モ経済連携協定交渉第4回会合,東京で開催(~5日)。
9日 オヨー・トルゴイ鉱山銅精鉱工場,開所。銅精鉱の輸出開始。
9日 モンゴル・オーストリア政府間委員会会合,ウランバートルで開催。
10日 エルベグドルジ大統領就任式挙行。
10日 春期国会閉会。
15日 首都ウランバートル議会幹部会,スフバートル広場をチンギス・ハーン広場に改称することを決定。
16日 安鴻俊韓国国会外交統一委員長,来訪。アルタンホヤグ首相らと会談。
20日 ボルド外相,訪日(~24日)。愛知県,大分県訪問,両県知事らと会談。
22日 モンゴル銀行,貯蓄銀行の国有銀行への吸収合併を決定。
31日 バトバヤル経済開発相,訪日(~8月4日)。麻生副首相兼財務相らと会談。
  8月
1日 エルベグドルジ大統領,エンフバヤル前大統領を特赦。
3日 国際軍事演習「ハーン・クエスト2013」実施(~14日)。
5日 サイハンビレグ内閣官房長官,香港訪問(~6日)。曽俊華財政司司長らと会談。
11日 チャンWHO事務局長,来訪(~14日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
19日 エルデネス・オヨー・トルゴイ社,セドワンチグ専務取締役を解任。後任にガンボルド氏が就任。
20日 マカリー・ニュージーランド外相,来訪。ボルド外相らと会談。
23日 マケイン,ホワイトハウス両アメリカ上院議員,来訪(~25日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
29日 崔富日北朝鮮人民保安部長,来訪。エルベグドルジ大統領と会談。
29日 モルグロフ・ロシア外務次官,来訪(~31日)。アルタンホヤグ首相らと会談。
  9月
3日 ミャスニコーヴィチ・ベラルーシ首相,来訪(~5日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
5日 タワントルゴイ炭鉱西ツァンヒ鉱区からの石炭輸出開始。
5日 第11回鉱業投資家フォーラム「ディスカバー・モンゴリア2013」開催(~7日)。
5日 チョイルとサインシャンダ間の舗装道が供用開始。
7日 ブレア・イギリス元首相,来訪(~8日)。政府閣僚らと会談。
11日 オヨー・トルゴイ社新最高経営責任者兼社長にクレイグ・キンネル氏就任。
11日 アルタンホヤグ首相,訪日(~14日)。安倍首相らと会談。
13日 エルベグドルジ大統領,北京での上海協力機構第13回会議に出席。会期中にアタンバエフ・キルギス大統領と会談。
16日 臨時国会開会。
16日 「河川流域および森林における採掘に関する法律」修正反対デモ中に発砲事件発生,「ガルト・ウンデステン」幹部ら逮捕。
17日 ミレニアム・チャレンジ・アカウント・モンゴリア,5年の期間終了。
19日 ギフォード・ロンドン市長来訪。エルベグドルジ大統領,サイハンビレグ内閣官房長官と会談。
19日 国際フォーラム「マイニング・モンゴリア2013」,ウランバートルで開催(~21日)。
20日 スルツ北米モンゴルビジネス協議会長,来訪。エンフボルド国会議長と会談。
22日 エルベグドルジ大統領,第68回国連総会出席(~27日)。会期中に潘基文国連事務総長らと会談。
23日 最高裁,ゴビ=アルタイ県議会の再選挙実施を決定。
23日 オヨー・トルゴイ社モンゴル側取締役,ロンドン訪問,リオ・ティント社経営幹部と協議(~27日)。
24日 蔡武中国文化相,来訪(~25日)。アルタンホヤグ首相らと会談。
29日 エルベグドルジ大統領,訪日。安倍首相と会談。
30日 臨時国会閉会。
30日 姜昌熙韓国国会議長,来訪。アルタンホヤグ首相らと会談。
  10月
1日 秋期国会開会。
3日 国会,新投資法および関連法案を可決。
14日 ヘイグ・イギリス外相,来訪(~15日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
21日 モンゴル法人「アヴァール」社が朝鮮総連中央本部(東京)の土地・建物を落札したことが報じられる。
22日 アルタンホヤグ首相,訪中(~26日)。習近平国家主席らと会談。
25日 ジョンストン・カナダ総督,来訪(~26日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
25日 ファビウス・フランス外相,来訪(~26日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
27日 人民党第27回党大会開催(~31日)。新党首にエンフボルド国会副議長を選出。
28日 エルベグドルジ大統領,北朝鮮訪問(~31日)。朴鳳柱内閣総理らと会談。
30日 大図們江イニシアチブ第14回協議委員会,北東アジア経済フォーラム,ウランバートルで開催(~31日)。
31日 人民党幹部会,書記長にムンフバト氏を選出。
31日 モトランテ・南ア副大統領,来訪(~11月1日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
  11月
5日 ボルド外相,フランス訪問(~7日)。ファビウス外相らと会談。
5日 ボルド外相,パリでの国際連合教育科学文化機関(UNESCO)第37回総会出席。
8日 ボルド外相,セルビア訪問(~9日)。ダキッチ首相らと会談。
11日 ガンホヤグ外務副大臣,ニューデリーでのアジア欧州会合第11回外相会合に出席(~12日)。
15日 国会,2014年度国家予算承認。
15日 ガンホヤグ外務副大臣,アメリカ訪問。ラッセル国務次官補と会談。
16日 「大きな政府からスマート政府へ」フォーラム,ウランバートルで開催。
17日 バローゾ欧州委員会委員長,来訪(~18日)。エルベグドルジ大統領らと会談。
18日 エルベグドルジ大統領,ミャンマー訪問(~20日)。テインセイン大統領らと会談。
20日 サインシャンダとザミーン=ウード間の舗装道が供用開始。
21日 エルベグドルジ大統領,ベトナム訪問(~24日)。チュオン国家主席らと会談。
24日 人民革命党小会議開催。
24日 エルベグドルジ大統領,シンガポール訪問(~26日)。タン大統領らと会談。
25日 モンゴル・ロシア政府間協議,モスクワで開催(~27日)。
27日 エルベグドルジ大統領,香港訪問(~29日)。「ザ・ワールド・イン2014」ガラ・ディナーに参加。
  12月
3日 バト=エルデネ国防相,カタール訪問(~7日)。タミーム首長,アティーヤ軍参謀総長らと会談。
4日 ボルド外相,ブリュッセルでの北大西洋条約機構(NATO)非加盟の国際治安支援部隊貢献国との外相級会合に出席(~5日)。
4日 UNESCO第8回政府間委員会,「モンゴル書道」「モンゴル・ゲルの伝統的職人技術と関連する習慣」を世界無形文化遺産に登録。
5日 ボルド外相,キエフでのOSCE閣僚級会合に出席(~6日)。
12日 国会,アマルジャルガル議員の辞職願を否決。
12日 グレイザー・アメリカ財務次官補(テロ・金融犯罪担当),来訪(~13日)。ボルド外相らと会談。
14日 モンゴル・中国外務省政治局間協議会,雲南省景洪市で開催(~18日)。
16日 テルビシダグワ副首相,ドイツ訪問(~19日)。メルケル首相らと会談。
16日 日・モ経済連携協定交渉第5回会合,ウランバートルで開催(~19日,24日)。
19日 ガンホヤグ外務副大臣,バンコクでの国連アジア太平洋経済社会委員会地域協力・統合閣僚級会議に出席(~20日)。会期中にヘイザー事務局長と会談。
24日 国会,オラーン蔵相とバトバヤル経済開発相の解任案を否決。

参考資料 モンゴル 2013年
①  国家機構図(2013年12月末現在)
②  政府要人名簿(2013年12月末現在)
③  2013年経済成果(抄訳)(国家統計局発表)
③  2013年経済成果(抄訳)(国家統計局発表)(続き)

主要統計 モンゴル 2013年
1  基礎統計
2  主要経済指標
3  作物収穫高
4  家畜頭数
5  主要輸出品
6  主要輸入品
7  主要国別貿易構成比(2013年)1)
8  主要工業生産状況
 
© 2014 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
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