アジア動向年報
Online ISSN : 2434-0847
Print ISSN : 0915-1109
各国・地域の動向
2013年のロシア極東 東シベリア・極東開発国家プログラムをめぐる混乱
平泉 秀樹
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー HTML

2014 年 2014 巻 p. 645-662

詳細

2013年のロシア極東 東シベリア・極東開発国家プログラムをめぐる混乱

概況

国内の政治・経済領域では,プーチン大統領が国内政策のもっとも重要な課題のひとつとみなしている極東発展に関する国家プログラムの作成・採択をめぐって,大統領はメドベージェフ政府を強く批判し,極東発展相を解任するという形でその責任を取らせた。この人事の刷新によって,一度は政府によって承認された国家プログラムのコンセプトも,インフラ整備主導型から製品加工・輸出型へと変化した。

対外政治においても,プーチン大統領もメドベージェフ首相も,中国,日本,韓国などの首脳との会談で極東地域発展の議題を取り上げて,具体的なプロジェクトの進展に強い意欲を示した。

国内政治

極東発展の国家プログラムをめぐる混乱

2012年4月11日に当時のプーチン首相は議会報告のなかで,「極東地域と東シベリア(以下,極東地域)の発展速度は,その他のロシア地域を10~15年にわたって上回る必要がある」と述べ,これら地域の経済がほかの地域に追いつくことではなく,追い越していくことが必要であると強調した。2012年5月7日に大統領に返り咲いたプーチンは「追い越しモデル」に基づく極東地域の社会経済発展の加速化に関する提案を「2025年までの極東とザバイカル地方の社会・経済発展国家プログラム」(以下,国家プログラム)という形で同年7月1日までに提出するよう政府に命じていた。しかし,大統領の指示は期限どおりに遂行されるどころか11月になっても国家プログラムが作成されなかったため,大統領は遅くとも2013年第1四半期までに国家プログラムを採択しなければならないと再度厳しく指示を出した。大統領は2012年12月12日の年末議会演説でも,国家プログラムを期限内に採択するよう,改めて強く求めた。

国家プログラムは予算規模とその成果によって4案が作成されたが,もっとも成果が高いが必要投資額ももっとも大きい第1案が,政府で正式に審議される前に公開審議に付された(1月16日)。この案に対し,シュヴァロフ第一副首相は国家予算からの拠出規模があまりにも非現実的であるとして見直しを求め,またメドベージェフ首相も同様の意見で作り直しを指示したため,極東発展省は第2案を3月11日に政府に正式に提出し,草案は3月21日の政府会議で審議された。審議のなかで,シュヴァロフ第一副首相やその他主要な関係閣僚は賛意を示したが,シルアノフ財務相は強く反対した。財務相はその理由として,資金の規模,その配分,税の優遇政策,国家によるプログラム実現の保証などに問題があるとした。メドベージェフ首相は,極東発展省の案にはある程度の欠陥があることを認めながらも,資金問題に関しては4月初めに予定されている「極東,ブリヤート共和国,ザバイカル地方とイルクーツク州の社会経済発展に関する国家委員会」(以下,国家委員会)までに最終的な合意を得ることを条件に,極東発展省の案を承認することを政府会議の合意とした。3月29日に首相はその政府決定文書に署名した。

ところが,プーチン大統領は,資金的裏づけのない国家プログラムを採択したことに対して,5月7日,閣僚たちを厳しく批判した。大統領の強い叱責に関連して,メドベージェフ首相の解任の憶測がマスコミに出るようになった。大統領は国家プログラム作成の責任をとらせる形で,その責任者であるイシャエフ極東発展相兼極東連邦管区大統領全権代表を8月31日に解任し,後任の大統領全権代表には大統領補佐官であった側近のトルトネフ氏を副首相兼任で任命し,極東発展相には9月11日,中央の実業家でもあるガルシュク氏を任命した。これによって,地元出身者が中心的任務を担ってきたイシャエフ時代の極東開発体制は終焉を迎えた。

国家プログラムの作成・採択をめぐる混乱同様,極東地域開発の管理体制についてもプーチン大統領とメドベージェフ首相の間で,考え方の違いが表面化した。

国家の司令塔的装置としてすでに2007年に国家委員会が設置されていたが,2013年9月17日の政府決定によってメドベージェフ首相が責任者となる「極東の社会経済発展に関する政府委員会」(以下,政府委員会)が設置されたのに伴い,国家委員会は大統領令によって廃止された(2013年10月19日)。

プーチン首相(当時)は2012年4月11日,政府委員会のほかに,極東地域で実施される各種プログラムの調整を行う特別機関を創設することを表明した。そこに念頭にあったのは「ゴスコルポラツィヤ」というアイデアであった。「ゴスコルポラツィヤ」とは,ショイグ非常事態相(当時)に作成させた極東地域発展プランのなかにある大きな権限を有する組織である。しかし,大統領となった2012年5月21日には「ゴスコルポラツィヤ」ではなく,行政機構としての「極東発展省」をメドベージェフ政府内に設置した。これは,メドベージェフ首相や財務省が「ゴスコルポラツィヤ」構想に否定的であることと関係していた。

新設された極東発展省は,その権限が各種プログラムを調整するなど限定的なものであったため,その活動は非効率であった。プーチン大統領は2012年11月29日に開催された「極東とザバイカル地方の発展に関する国家協議会常任委員会」で,極東発展省はその使命に応えていないと批判し,大きな権限を持った「ゴスコルポラツィヤ」を含む,複雑な問題の解決に適切に対応できる「カンパニヤ」の設立についての問題を改めて政府が検討するよう提起した。

「カンパニヤ」の設立というプーチン大統領の提起に対してメドベージェフ首相は,各省に対し2013年2月25日までに極東地域発展の問題に関して提案と意見を提出するように指示した。首相の指示を受けて,ベロウーソフ経済発展相は2月初め,地域発展省を極東地域発展計画の責任組織とし,さらに特別の権限を有する実施組織として非営利の「特殊カンパニヤ」を設立する提案を行った。

メドベージェフ首相も3月21日,「現在のところわが国には極東発展のために正常に活動している組織はひとつもない」と述べ,新たな管理システムを創設する必要性を認めた。そして首相は5月22日『コムソモーリスカヤ・プラウダ』紙でのインタビューで,「ゴスコルポラツィヤ」の設立には否定的ではあるが,何らかの「公的カンパニヤ」を創設するというアイデアがあると表明した。

極東発展省の権限に関しては,10月24日の政府委員会で,極東地域に関する機能と権限を極東発展省に委譲するよう,連邦組織の機能と権限の画定を行うことが決定された。決定によれば,極東発展省は,地域発展省から優先的プロジェクトの選択と実施に関する管理権限や地域における連邦機関の有効性の評価,さらには都市計画の合意などの権限を委譲される。また,経済発展省からは特別経済地区の管理に参加する権限を,地域発展省と財務省からは地方の社会・技術インフラ整備に対する財政補助金の管理者となる権限を委譲される。しかし,トルトネフ副首相兼大統領全権代表はこれに満足せず,極東地域発展に必要なすべての権限が極東発展省に委譲されるべきだと主張した。

具体的なプロジェクトへの融資(決定)組織として,すでに2011年11月3日に「極東発展基金」が創設されていた。しかし,その基金額の規模だけでなく,商業ベースでプロジェクトの可否を決定している運営方針そのものにも強い批判が寄せられ,議論はその法的な組織形態を変えることの是非にまで及んだ。4月11日にイシャエフ極東発展相は「極東発展基金は極東発展という目的のために国家から資金を得ているにもかかわらず,発展に必要な何らのプロジェクトにも融資していない」と批判し,活動様式を変える必要があると述べた。メドベージェフ首相も財務省と経済発展省に対し,極東発展基金の基金増資,組織の法的形態の変更もしくは権限の拡大,投資政策の修正が必要であるのかについて提案するよう指示した。

プーチン大統領の年末恒例の議会演説

プーチン大統領は上下両院議員に対する12月12日の議会演説のなかで,極東地域開発に関して重要なメッセージを発した。大統領は,「国の資源も,私的ビジネスの資源も戦略的目的の進展と達成に向けて進まねばならない」と述べて,そのような重要な目的として「シベリアと極東の発展」を挙げ,「シベリアと極東地域の発展は21世紀全体を通じたロシアの国家的優先課題である」と言明した。また,極東地域に対してはすでに新しい投資プロジェクト(Green Field)に対する利潤税といくつかの税の税率の優遇を決定したとしたうえで,ガルシュク新極東発展相が提起した「極東地域と東シベリア地域に,主として輸出志向の加工企業に特別条件を供与する加速的経済発展の特別地区網を設立する」ことに賛意を示した。そのうえで,これら地区の企業には利潤税の5年間の猶予を含むいくつかの税の猶予や税率の優遇などを適用することを検討するべきであるとし,「加速的経済発展特別地区」におけるインフラ問題を解決するために「極東発展基金」を活用すると述べた。メドベージェフ首相に対しては2014年7月1日までに,首相が直接責任を負って「加速的経済発展特別地区」を具体的に定めること,そのために必要な法規を定めることを指示した。

経済

極東発展国家プログラムのコンセプト

極東発展省が3月11日に政府に正式に提出した国家プログラム案は,国家予算から3兆8000億ルーブルの調達を予定している。2011年と2025年の比較で,地域総生産2.2倍,ロシア全体に占める地域総生産の比率8.6~8.8%,人口1080万~1190万人となっている。国家予算から拠出される資金の88%はインフラ整備に,そのうち49%が輸送インフラに,19%がエネルギー関連インフラに支出される。

ところが,既述したように8月末から9月にかけて極東開発にかかわる中心人物が交替したため,新たな国家プログラムの検討がなされた。トルトネフ副首相兼大統領全権代表は9月17日のハバロフスクでの会議で,ガルシュク極東発展相に対し,活発な事業活動を保証する競争力のある投資環境の創造などを骨子とし,輸出支援となるような新しい経済発展モデルの作成に着手するよう指示した。同副首相は9月25日に『ラシイースカヤ・ガゼータ』紙のインタビューで,新しいプログラムの作成には時間が必要であり,プーチン大統領に対し半年の猶予を要請し,承認されたと述べた。

ガルシュク極東発展相は10月15日,極東開発戦略の新たなコンセプトを提示した。極東発展相によれば,極東市場の規模は小さく,ロシア中央部への距離はアジア太平洋諸国に比べて距離的に遠いという欠点があるため,アジア太平洋諸国との統合を伴う輸出志向がもっとも有利であるとされた。その際,特別経済地区の設置や,すでに決定されているインフラ・プロジェクトを毎年少なくとも1000億ルーブル規模で実現することが必要であり,特別経済地区や投資施設を管理する「極東発展コルポラツィヤ」の設置と,さらに極東発展基金の基金額を1000億ルーブルに増資する必要があるとされた。

10月24日の政府委員会で,メドベージェフ首相は輸出潜在力の開発とアジア太平洋諸国への輸出を骨子にした「極東発展の全般的なアプローチ,戦略モデル」を検討することを指示した。ガルシュク極東発展相も,アジア太平洋諸国の輸入の2%を極東地域の輸出製品で代替できれば,極東地域総生産を少なくとも2倍にすることができると述べ,輸出志向モデルこそが「追い越しモデル」になると強調した。そしてこのモデル実現のために特別な条件を与えられた「追い越し発展特別地区」(特別経済地区,テクノパークなど)を設置するよう提案した。この提案により,国家プログラムの修正や管理システムの変更,権限の委譲などに関する23項目が決定された。そのなかには,「追い越し発展地区」の創設などの極東発展省の提案を承認することや,2014年4月までに極東発展省へ連邦政府機能の一部を移譲することを考慮した連邦政府の機能と権限の修正に関する提案を提出すること,極東発展省は国家プログラムと特別プログラムの修正提案を行うことなどが掲げられた。

極東発展国家プログラムの資金源

国家プログラムの資金としては,国・地方予算のほかに,基金などの公的資金が予定されている。公的資金としては,ロシア直接投資基金が極東地域向けに250億ルーブルを設定しているほか,155億ルーブルの極東発展基金も設立されているが,極東発展のためのプロジェクトへの資金量としてはまったく不足している。このため,メドベージェフ首相は4月2日に国家プログラムの資金源のひとつとして「国富基金」の収益金の利用を挙げたが,財務省の指摘によってこの資金はすでに配分先が決定しているということが判明した。さらに首相は,資金源として,サハリンやクリル諸島などの名を挙げ,オフショア設置についても言及した。しかし,オフショアに関しては世界の傾向が脱オフショアの方向に動いていることやそもそも極東地域にはオフショアのための良好な条件が整っていないことなど,圧倒的な反対のなか議論は立ち消えとなった。

極東地域における税優遇政策の導入

国家プロジェクトの予算には民間資本の導入も予定されている。国内外の民間資本を受け入れるために,投資環境改善が重要な要素として検討されてきた。政府は極東地域の投資魅力を高めるために,新規プロジェクト(Green Field)への投資に対して優遇税を適用できるように税法典の修正を準備してきた。3月28日の政府会議では税法典の修正法案が承認された。この修正では,優遇税が適用される地域は極東地域を含むいくつかの地方に限定されている。ただし,非商業組織,銀行,保険組織,非国営年金基金,有価証券市場への職業的参加者などは優遇税を受けることができない。投資プロジェクトは2014年から2023年の間に開始されるものとし,投資プロジェクト参加者は,投資額1億5000万ルーブル以上の場合には,投資家として認定されてから3年以内に,5億ルーブルの場合は5年以内に投資しなければならない。投資対象からは,石油・天然ガス採取とそれに関連するサービスなどいくつかの分野が除外されている。投資プロジェクト参加者は,プロジェクト実施の10年間,利潤税(国税分)を免税される。また地方自治体には利潤税(地方税分)を5年間免税し,その後5年間は少なくとも10%に減税する権限が与えられる。

法案は,下院における第2回目の審査において修正案が提出され,最少投資額は1億5000万ルーブルから5000万ルーブルに引き下げられ,地方自治体の裁量による優遇税は最初の5年間は10%以下,その後5年間は少なくとも10%とすることが決定された。法律は,プーチン大統領の署名を得て(9月30日),2014年1月1日から発効する。

対外関係

中国との関係

首脳会談

中国では3月に国家主席が交代したため,新たな首脳間の信頼関係を築くための一歩として,プーチン大統領は3月14日習近平国家主席と電話会談を行った。そのなかで大統領は,今後の全面的な協力のいっそうの拡大と国際政治における相互協力を強化したいと強調した。

習国家主席はこれに応えるように,国家主席就任後,間を置かず3月22~24日に初外遊先としてロシアを訪問し,22日にプーチン大統領と会談をした。大統領は会談後の記者会見で,会談ではとくに経済的諸課題に関して協議が行われたと述べ,極東地域におけるインフラ整備と製造分野での共同プロジェクトのためにロシア・中国投資基金を活用することが合意されたと述べた。一方,習国家主席は,石油の追加供給,ガスパイプラインの建設,液化天然ガスの輸入などのエネルギー資源の問題に関して,関係する政府機関および企業に対しこの合意の実現に取り掛かるよう指示したと述べた。

会談の結果として,「共同声明」や「行動計画」を含む11の政府間文書とともに24の非政府組織間の協定など,都合35の文書が調印された。今後の相互協力を優先的に進める方向を定めた行動計画(2013~2016年)は,その優先課題として,貿易の拡大(2015年に1000億ドル,2020年に2000億ドル)と商品構造の多様化,投資プログラム実現の加速化,貿易・直接投資・クレジットにおける国民通貨(ルーブルと元)の利用の拡大,エネルギー産業分野(とくに,石油,ガス,石炭,電力)での協力の活性化,原子力エネルギーの平和利用における緊密で継続的な協力,森林資源の開発・利用プログラムの作成と実施,農業分野での協力の拡大,環境分野での協力の強化,ハイテク分野での協力の深化,航空機製造分野での協力の発展と宇宙領域での協力プログラム実現の活性化,ロシア極東・シベリア地域と中国東北地区の協力プログラム実現の努力を高めること,国境地方における相互協力深化のために対話メカニズムの有効性を高め,必要な場合には新たなメカニズムをつくること,国境をまたぐ輸送インフラの整備,ロシアにおける中国観光年の諸政策の成功,若者交流の拡大などを掲げた。また,締結された文書には,ロシアと中国の経済関係の基盤となっているエネルギー資源の供給に関する協定や極東地域における各種プロジェクトへの投資に関する覚書(インフラ・プロジェクトと極東における諸プロジェクトへの投資推進のための「中国発展・対外経済活動銀行」,ロシア直接投資基金,中国投資会社およびロシア・中国投資基金の間の相互理解に関する覚書)など極東地域にかかわる重要な文書も含まれている。この覚書によれば,これら組織は新たなインフラとロジスティックスに関するプロジェクト,天然資源の採取・加工に関するプロジェクト,高い潜在能力を持つ製造・サービス会社が関係するプロジェクトなどに集中するとされている。

定期首相会議

定期首相会議は10月22日にメドベージェフ首相が中国を訪問して行われ,共同コミュニケが発表された。このなかで,両国国境地域間の関係強化に言及があり,とくに「ロシア極東・シベリア地域と中国東北地区の間の協力プログラム(2009~2018年)」の実現を加速化することが必要であるとされた。また,国境輸送インフラを発展させるため,「国境輸送インフラに関する共同作業グループ」において,しかるべきプロジェクトを検討することが必要であるとされた。さらに,アムール川(黒竜江)をはさむユダヤ自治州ニジニ・レーニンスコエ地区と黒竜江省同江市の間にかける鉄道橋の建設に早急に着手すること,アムール州ブラゴベシチェンスク市と黒竜江省黒河市の間の自動車道路建設プロジェクトを進展させることの意向が確認された。

国境地域間インフラの整備

ロシア極東地域と中国東北地方の国境地域のインフラを整備することの重要性は定期首相会議でも言及された。3000キロメートルに及ぶ国境の大部分を占める河川には,現在のところひとつの常設橋もかけられていないことや連絡鉄道の脆弱さも,国境地域間の経済活動で障害となっている。

国境をまたぐ常設河川橋の建設問題は,アムール川(黒竜江)の西部区域ではアムール州ブラゴベシチェンスク市と黒竜江省黒河市の間ですでに1990年代の初めから協議がなされ,両行政府は道路橋を建設することで原則的に合意しており,政府レベルでも定期首相会議などで検討がなされてきた。しかし,現段階でも建設は始まっていない。これに関して,2013年10月に行われた定期首相会議では当プロジェクトを進める意向が確認された。一方,アムール川の中部地区ではユダヤ自治州ニジニ・レーニンスコエ地区と黒竜江省同江市の間で鉄道橋架橋計画がある。当計画は,6月20~22日のペテルブルグ国際経済フォーラムにおいてプーチン大統領が「アジア太平洋市場に向けたロシアの出口として重要である」と発言し,22日に「鉄道橋建設協定」が締結された。

鉄道に関しては,現在のところ極東地域と中国東北地方の間には沿海地方中部パグラニチヌイ地区=中国黒竜江省綏芬河市,沿海地方南部マハリノ地区=中国吉林省琿春を結ぶ2本の鉄道が敷かれているだけである。そのうちの1本であるマハリノ地区=琿春線は,琿春=マハリノ=ザルビノ港の間を中国からの輸出品をロシアやアジア太平洋諸国に運び,逆にロシアやアジア太平洋諸国からの商品を中国に輸出するということを目的に2000年に敷設されたが,2004年には運行が停止されていた。その後2011年に資産を引き継いだロシア鉄道が2012年から改修作業を行っていたが,2013年7月末に完了し,12月17日に石炭を積んだ貨車40両が第1便として運行した。

エネルギー協力

石油,天然ガス部門では,ロシアから中国への輸出をめぐって長年にわたって粘り強い交渉が繰り広げられてきている。エネルギー協力問題は元首会談や首相会議などの重要な協議項目となっており,これらの会談・会議に向けて,両国の副首相を共同委員長とする政府レベルのロシア・中国エネルギー協力委員会(以下,エネルギー協力委員会)や関係企業間で協議が行われている。

石油輸出は,2009年4月に締結された政府間協定に基づいて,両国の授権会社であるロスネフチと中国石油天然気集団公司(CNPC)の間で,2011年初から期間20年,年間1500万トンで始まったが,中国は当初からさらなる輸出量の増加と期間の延長を強力に働きかけてきた。ロスネフチとCNPCの協議は2013年初から始まり,2月にはロシアからの輸出量を増量することで双方が基本合意し,3月の元首会談に合わせて,「前払い条件での原油供給の基本条件に関する協定」が締結され,最大で年間3100万トンを輸出することが合意された。また両社の全面的な協力を定めた「石油・天然ガスの地質学的研究,探鉱・採取,販売の戦略的協力に関する協定」が締結された。さらに,ロスネフチは,中国発展銀行と石油・ガス協力のために新たに25年で20億ドルの供与をうける借款協定を締結し,中国への新たな石油輸出のための資金的基盤を確保することができた。このような交渉を経て,6月21日のペテルブルグ国際経済フォーラムにおいて,ロスネフチとCNPCとの間で総量3億6500万トン,総額2700億ドルの長期石油供給に関する協定(期間25年,5年の延長も可能)が正式に締結された。同協定によれば,2013年に80万トン,2014年に200万トン,2015~2017年に1500万トン(年間500万トン),2018~2037年に年間1500万トンの増量輸出が行われる。また協定では,中国内の石油加工工場向けに別枠で年間700~1000万トンを供給することも可能であるとされている。ロシア側では12月20日にプーチン大統領が協定を批准する法律に調印し,発効した。輸送ルートに関しては,12月24日にプーチン大統領とナザルバエフ・カザフスタン大統領の会談の結果,ロシアからカザフスタン経由で中国に原油を輸出するためのトランジット輸送(2014年1月1日から10年,年間700万トン)に関する協定が締結された。

原油輸出に関する協議は,ロスネフチと中国石油化工集団公司(シノペック)の間でも行われ,定期首相会議(10月22日)に合わせて「前払い条件での石油輸出契約締結に対する覚書」が締結された(10年間で計1億トン)。覚書によれば,2014年から10年間,毎年1000万トンの原油が輸出されることになっている。

石油部門の協力は,原油の輸出だけでなく上流(探鉱・採取)から下流(加工)までの全面的な協力の可能性についても協議されてきた。10月のエネルギー協力委員会において,東シベリア地域における石油探鉱・採取のためにロスネフチとCNPCの間で,ロスネフチ51%,CNPC49%の持ち分で共同会社を設立する覚書が締結された。また,両社は首相会談に合わせて,10月22日に「天津石油加工工場始動の日程と加工のための原油供給に対する基本原則」と「前払い条件での石油輸出契約締結に関する覚書」を締結した。

天然ガス分野では,両国の授権会社であるガスプロムとCNPCとの間で,2010年9月に年間680億立方メートルの天然ガスをロシアから中国に向けて東西2つのルートで供給するための基本条件に関する協定が締結されているが,価格面で合意できず,2012年12月の首相会議の段階でも合意できないままであった。

2013年に入り,政府レベルでは,2月のエネルギー協力委員会におけるドゥボルコビチ副首相と王岐山副首相との協議のなかで,先に授権会社間で合意した天然ガス供給に関して,東部ルートを通じて毎年380億立方メートルの天然ガスを中国に輸出することを確認し,年末までに協定を締結することで合意した。また,西部ルートでの天然ガスの供給と,東部ルートでの液化天然ガスの供給についても継続して研究することを確認した。一方,企業間では,3月の元首会談に向けてガスプロムはCNPCと協議し,3月13日にイルクーツク州とサハ共和国からウラジオストックまで天然ガスを輸送するガスパイプライン「シベリアの力」を利用した中国への輸出,中国での天然ガスの地下貯蔵,ウラジオストック液化天然ガス工場で生産された液化天然ガスの中国への輸出などについて検討した。この結果,両社は同22日に「シベリアの力」を利用する東ルートでの天然ガス輸出プロジェクトに関する相互理解についての覚書を締結した。同覚書によれば,2018年から期間30年,年間380億立方メートル(最大600億立方メートルまで増大することが可能)の契約である。しかし,価格については依然として合意に達しなかった。

ガスプロムとCNPCは,G20首脳会議に合わせて行われたプーチン大統領と習国家主席の元首会談の結果に基づいて,9月5日にロシアから中国への天然ガス輸出の基本条件に関する協定(量,輸出開始時期,供給増加期間,支払いレベル,国境での売り渡し場所などを定めている)に調印した。同協定によれば,供給量は最大680億立方メートルである。この協定に関する価格交渉は10月22日に合意に至ったとされている。ミレル・ガスプロム社長によれば,価格は石油製品原価に関連付けられた乗法方式によって決定されるということが契約書に明記されること,正式の契約書を締結した後,直ちに西側ルートでのガス供給についても協議することで合意したとのことである。

天然ガスの供給交渉は,ロシアのガス生産会社であるノヴァテックとCNPCの間でも行われている。両社は,10月22日にノヴァテックが進めているヤマル液化天然ガスプロジェクトからの液化天然ガス販売の条件に関する協定に調印した。当協定によれば,ノヴァテックは年間300万トンの液化天然ガスを15年にわたって中国に供給することになっている。

日本との関係

安倍首相は4月28~30日,日本の首相として10年ぶりにロシアを公式訪問し,プーチン大統領と会談を行った。会談後の共同声明で両首脳は,両国関係について,政治的関係を進展させるために首脳が相互訪問や国際フォーラムにおける会談などを通して接触を強化する意向を示した。また,両国の外務相が年に一度相互訪問することでも合意した。平和条約に関して両首脳は,第二次世界大戦後67年にして平和条約がないという状態は正常ではないという認識で一致し,幅広いパートナーシップを創造するために,現在両国にある立場の違いを交渉によって克服し,相互が受け入れ可能な形での最終的な解決をし,平和条約を締結する決意を表明した。ロシアと日本のパートナーシップの新しい地平を追求するために,外務相に対し平和条約の問題解決の相互受け入れ可能なバリエーションの作成に関する交渉を加速化するよう指示した。また,外交と国防の所轄官庁大臣レベルでの協議(2プラス2)を開始することで合意した。

経済関係の分野では,極東地域と日本の貿易・経済協力の活性化のため,エネルギー産業,農業,インフラ輸送などの分野における互恵的なプロジェクトを推進することの重要性が言及され,同地域での協力推進のために官民連携の問題に関する協議を行うことを表明した。また,日本の国際協力銀行(JBIC)とロシア対外経済銀行およびロシア直接投資基金が「ロシア・日本投資プラットフォームを設立することについての相互理解に関する覚書」を締結したことを歓迎した。両首脳は,エネルギー協力は両国の経済協力の重要な柱のひとつであるという認識を示し,とくに極東地域における石油ガス分野での協力を高めることの重要性を強調した。漁業分野では,2012年9月8日に締結された水産資源の違法売買などを防止することを定めた協定を速やかに発効させる行動を活性化させるよう期待を表明した。その他の分野では,ビジネス上のコンタクトを活性化させ,旅行者の往来を増加させ,人的交流を拡大させるために,プーチン大統領が相互にビザを廃止させるという課題を提起したことに関して安倍首相は注意を向けたと記された。国際問題に関しては,ロシア極東地域の平和と直接にかかわる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核実験実施(2013年2月12日)に対し,国連安全保障理事会の決議に違反していると北朝鮮を非難し,決議を遵守するよう要求した。

日本とのエネルギー協力

日本国内では,東日本大地震に伴う福島第一原発の破壊とその他原子力発電所の停止を受け,天然ガスの需要が急速に高まっている。一方,ロシアは政府の方針として,極東地域を含むロシア東部地域における石油,天然ガスなどの資源開発と輸出,資源の加工を,ロシア東部地域発展の重点項目として重要視している。これに関して日本側では官民挙げての対ロシア交渉が行われた。

極東地域ではガスプロムが液化天然ガス生産工場をウラジオストックに建設する計画(ウラジオストックLNG)を進めていたが,同プロジェクトに関しては,2009年のプーチン・麻生首相会談においてロシアと日本が共同で検討することが合意されたという経緯があり,そのため日本側の官レベルでは経済産業省(資源エネルギー庁)がかかわっている。資源エネルギー庁とガスプロムによる第8回共同調整委員会(2013年4月16日)において,ガスプロムはウラジオストックLNGを正式に実施することを報告し,それを受けて双方はプロジェクト実施に関する今後の最重要施策について協議した。4月17日にはミレル・ガスプロム社長が訪日し,経済産業大臣,資源エネルギー庁長官などと会談した。

他方,民間レベルでは日本側は極東ロシアガス事業調査株式会社(JFEG)というコンソーシアムを形成し,ガスプロムと協議を行っている。双方は,2011年4月25日にウラジオストックLNGの共同事業化調査実施に関する合意書を締結したが,この調査に基づきガスプロムは2013年2月21日に正式にウラジオストックLNGを進めることを決定した。ガスプロムとJFEGは6月22日に「ウラジオストックLNGプロジェクトに関する相互理解に関する覚書」を締結し,10月23日に日本の投資家に対しウラジオストックLNGへの投資を呼び掛ける説明会を開催した。

ガスプロムとは別にサハリン沖での権益を獲得しているロスネフチもサハリン州における天然ガスの液化ガス工場建設と輸出を計画しており,日本の企業と協議を行った。丸紅とは4月17日に「液化天然ガスプロジェクトの実施と石油ガス鉱区の共同探鉱・採掘に関する協力についての覚書」を締結した。さらに6月21日にロスネフチと丸紅,サハリン石油ガス開発(SODECO)は,「液化天然ガスの購入・販売契約の基本条件に関する協定」も締結した。同協定では,ロスネフチは丸紅に対し2019年から年間125万トン,SODECOに対し年間100万トンの液化天然ガスを販売することとなっている。

ロスネフチは石油化学分野でも日本の企業との協力を進めている。ロスネフチと三井は,ロスネフチの姉妹会社である「東部石油化学カンパニー」がエチレン・ポリプロピレンを年間200万トン生産する会社を設立し,2017年に稼働させるというプロジェクトに対し,プロジェクト共同推進に対する相互理解の覚書を締結した。

ロシア政府は石油・天然ガスの開発を,大陸だけでなく海域(大陸棚)においても発展させることを重視している。メドベージェフ首相は,1月15日に「ロシア大陸棚の資源開発の展望」という会議で,石油採掘の将来は東シベリアや極東地域の大陸棚の開発にかかっていると言明した。オホーツク海に権益を持つロスネフチからは,セチン社長が2月20日に訪日し,丸紅,伊藤忠,国際石油開発帝石(INPEX),石油資源開発(JAPEX),SODECOなどと協議を行った。ロスネフチとINPEXは,オホーツク海大陸棚(マガダン2,マガダン3)における共同開発を考慮して,合弁会社(INPEXの持ち分33.33%)を設立する協力協定を5月29日に調印した。

韓国との関係

11月13日,プーチン大統領は韓国を公式訪問し,朴槿恵大統領と首脳会談を行ったが,これに先立ち「ロシア・韓国ビジネス対話」に出席して韓国企業家たちにロシア極東地域への投資を呼び掛けた。プーチン大統領は,首脳会談の主要なテーマは貿易・経済関係であると述べ,貿易の拡大と多様化の意義を述べつつ,両国のテクノロジーと産業の強固な同盟を形成する方向に向かうこと,とくにロシア極東地域におけるグローバル,ローカルな大規模インフラ・プロジェクトを実現することが重要であると訴えた。プーチン大統領は,極東発展省が新しく作成した「極東地域発展の国家プログラム」を紹介し,その特徴はアジア太平洋地域との統合,海外直接投資の受け入れ,輸出志向生産のための競争力のある条件の創造にあると述べ,韓国企業はこのプロジェクト実現のために大きな役割を果たすことができると訴えた。また,北方航路の開設に関連して造船需要の増加があるだろうと述べ,極東地域では生産能力を増強することが検討されており,ロシアと韓国は単なる発注者=供給者の関係から緊密な生産協力に移行することが必要だと述べて,韓国のパートナーとともにこれを行いたいと述べた。

首脳会談では,両首脳は二国間関係に関して,戦略的パートナーシップの精神で未来志向の互恵的関係を発展させるため,国家元首の定期的な相互訪問や国際フォーラムでの会談などを含め,政治と安全保障の分野において高いレベルでの対話を強化することで合意した。さらに双方は,すでに二国間メカニズムとして機能しているロシア安全保障会議の部局と韓国国家安保室とのラインを通じた定期的な対話を活性化させることで合意した。

会談後,両首脳による共同声明のほか,7つの文書が締結された。そのなかには,ビザの相互廃止に関する政府間協定,文化センター設立に関する政府間協定のほか,ロシア対外経済銀行と韓国輸出入銀行の間の相互理解に関する覚書,ロシア直接投資基金と韓国投資会社の間の共同投資プラットフォーム設立に関する相互理解の覚書,ロスネフチ,ガスプロム銀行およびソブコムフロートと大宇造船マリンエンジニアリングとの間の相互理解に関する覚書など,極東地域に関係する多くの文書が締結された。

プーチン大統領によれば会談では経済関係の質的強化が主要な議題となり,それに関連して共同声明ではとくに,極東地域の経済近代化に関する韓国との相互協力の意義が強調された。また,ロシア政府が決定した「2025年までの極東・バイカル地域の社会経済発展戦略」や連邦特別プログラムに言及したうえで,双方はロシア対外経済銀行と韓国輸出入銀行,ロシア直接投資基金と韓国投資会社との間で共同の投資・ファイナンスプラットフォームが形成されたことを歓迎し,インフラ,農業,工業の分野で互恵的プロジェクトの共同実施を支援する意向を表明した。とくに,農業分野では農産物の生産と加工,先端技術を利用した食料品を生産するために,極東地域の農業部門への投資強化に努力することで合意した。この目的のために,農業生産,穀物ターミナル網の拡大,その他の生産インフラ整備などの領域で,極東地域における韓国農業企業の活動のための良好な条件を生み出す行動を継続することで合意した。また,漁業分野では,極東地域の漁業コンプレックスの投資プロジェクトやロシア水域での韓国漁船の活動を軸として,両国企業家の協力を活性化させるために対話と協力を継続することで合意した。

2014年の課題

プーチン大統領が「シベリアと極東地域の発展は21世紀全体を通じたロシアの国家的優先課題である」と言明したことは,ロシアの今後の発展が極東地域の発展にかかっているということの,国家最高レベルでの認識である。しかし,最高レベルでの指示は,大統領の言葉を借りていえば,政府によって「形式的」に処理されている。国家プログラムがその成果を達成するためには,極東地域開発に必要な資金を見いだすとともに,関係機関の本気度も試される。

(地域研究センター)

重要日誌 ロシア極東 2013年
  1月
14日 セチン・ロスネフチ社長と周吉平・中国石油天然気集団公司(CNPC)社長,石油輸出量の増加について協議(モスクワ)。
15日 メドベージェフ首相,石油採掘の将来は東シベリアや極東の大陸棚の開発にかかっていると言明。
16日 「2025年までの極東とザバイカル地方の社会・経済発展国家プログラム」の公開審議が行われる。
  2月
1日 ガスプロムとCNPC,共同調整委員会を開催(モスクワ)。
16日 セチン・ロスネフチ社長,韓国を訪問。韓国ガス会社(KOGAS),STXと協議。
17日 セチン・ロスネフチ社長,中国を訪問(~19日)。王岐山副首相と会談。
19日 セチン・ロスネフチ社長,周吉平CNPC社長と会談し,石油輸出量を増加することに合意。
19日 ロスネフチと中国石油化工集団公司(シノペック),共同活動に関する覚書締結。
20日 セチン・ロスネフチ社長,日本を訪問。丸紅,伊藤忠,国際石油開発帝石(INPEX),石油資源開発(JAPEX),サハリン石油ガス開発(SODECO)と協議。
25日 ロシア・中国エネルギー協力委員会会合(北京)。
  3月
11日 極東発展省,「2025年までの極東とザバイカル地方の社会・経済発展国家プログラム」案を政府に対し正式に提出。
13日 ミレル・ガスプロム社長,中国訪問。蒋潔敏CNPC理事長と協議。
14日 プーチン大統領,習近平中国国家主席と電話会談。
21日 メドベージェフ首相,政府会議開催(モスクワ)。
22日 習近平中国国家主席,ロシア公式訪問(~24日)。22日元首会談後「共同声明」発表。「行動計画」含む35の文書調印。
22日 ロスネフチとシノペック,全面協力についての議定書締結。
22日 ロスネフチとCNPC,相互協力に関する文書(「前払い条件での原油供給の基本条件に関する協定」「石油・天然ガスの地質学的研究,探鉱・採取,販売の戦略的協力に関する協定」)に調印。
22日 ロスネフチとCNPC,石油の追加輸出に関する協定締結。
22日 ガスプロムとCNPC,天然ガスの供給計画に関する協力についての相互理解覚書(2018年から30年間,年間380億~600億立方メートル供給)締結。
29日 メドベージェフ首相,政府決定「2025年までの極東とザバイカル地方の社会・経済発展国家プログラム」に署名。
  4月
2日 メドベージェフ首相,「極東,ブリヤート共和国,ザバイカル地方とイルクーツク州の社会経済発展に関する国家委員会」開催(ヤクーツク)。
16日 ガスプロムと日本・資源エネルギー庁,「ウラジオストック液化天然ガス」プロジェクトへの投資問題について協議。
17日 ミレル・ガスプロム社長,訪日。
17日 ロスネフチと丸紅,「液化天然ガスプロジェクトの実施と石油ガス鉱区の共同探鉱・採掘に関する協力についての覚書」締結。
28日 安倍首相,ロシアを公式訪問(~30日)。プーチン大統領と会談,共同声明。
  5月
7日 プーチン大統領,政府が「2025年までの極東とザバイカル地方の社会・経済発展国家プログラム」を承認したことを批判。
28日 セチン・ロスネフチ社長,訪日。
29日 ロスネフチとINPEX,オホーツク海沖共同開発の協力に関する協定締結。
30日 セチン・ロスネフチ社長,中国を訪問し,大陸棚での協力などについてCNPCと協議。
  6月
18日 プーチン大統領,G8に際して安倍首相と会談(ロック・アーン)。
20日 プーチン大統領,張高麗中国第一副首相(ペテルブルグ国際経済フォーラムの中国代表団団長)と会談。
21日 セチン・ロスネフチ社長と周吉平CNPC社長,長期石油供給に関する協定締結。
21日 ロスネフチと丸紅,「液化天然ガスの購入・販売契約の基本条件に関する協定」締結。
21日 ロスネフチとSODECO,「液化天然ガスの購入・販売契約の基本条件に関する協定」締結。
22日 ガスプロムと日本の極東ロシアガス事業調査株式社(JFEG),「ウラジオストックLNG」プロジェクトに関する相互理解に関する覚書締結。
  7月
16日 プーチン大統領,「サハリン州の総合的社会経済発展」についての協議会を開催(ユジノ・サハリンスク)。
  8月
31日 プーチン大統領,イシャエフ極東連邦管区大統領全権代表を極東発展相の職務とともに解任。全権代表の後任にトルトネフ大統領補佐官を任命(副首相兼任)。
  9月
11日 プーチン大統領,ガルシュク極東発展相を任命。
17日 トルトネフ副首相「極東における大洪水による被害の解消に関する政府委員会」を開催(ハバロフスク)。
22日 沿海地方ハサン駅と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)羅津港を結ぶ鉄道の改修工事を祝う式典が行われる(羅津)。
  10月
15日 ロシア・中国エネルギー協力委員会会合(北京)。
15日 トルトネフ副首相,「極東における大洪水の被害解消に関する政府委員会」開催(ブラゴベシチェンスク)。
18日 ロシア・中国定期首相会議準備会議開催(西安)。
18日 ロスネフチとCNPC,ロシア極東地域における石油探鉱・採取のための共同会社設立に関する覚書締結。
22日 メドベージェフ首相,第18回定期首相会議のため中国訪問(~23日)。
22日 ロスネフチとシノペック,「前払い条件での石油輸出契約締結に対する覚書」締結。
24日 メドベージェフ首相,「極東開発に関する政府委員会」開催(コムソモーリスク・ナ・アムーレ)。
  11月
12日 ロスネフチとカザフスタンのムナイガス,トランスオイルはカザフスタンを経由する中国への石油輸出のトランジット輸送に関する暫定協定に調印。
13日 プーチン大統領,韓国を公式訪問し,朴大統領と会談。
  12月
12日 プーチン大統領,上下両院議員に対し恒例の年末議会演説を行う。
17日 沿海地方南部マハリノ地区=吉林省琿春の鉄道が再建され,第1便が運行される。
20日 プーチン大統領,中国への石油輸出増量に関する協定書批准の法律に署名し,発効。
24日 プーチン大統領とナザルバエフ・カザフスタン大統領が会談し,ロシア石油のカザフスタン経由での中国への輸出に関する政府間協定を締結。
 
© 2014 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
feedback
Top