2015 年 2015 巻 p. 51-68
2014年,クリミア編入を契機にプーチン政権の支持率は80%台まで上昇した。ウクライナ東部で親ロシア勢力が独立を宣言してウクライナ軍と戦闘状態に入ると,西側諸国は数次にわたり制裁措置をとるようになった。これに対して,ロシアはEUなどからの農産品の輸入禁止措置などの対抗措置をとった。
経済面では,国際原油価格の下落とともに,西側の制裁措置とロシアの輸入禁止措置,およびルーブル安によって食料品価格や耐久消費財価格の上昇を招き,家計消費主導型の成長を続けてきたロシア経済は減速に入った。一方で,極東を主な対象とする先行社会経済発展区域法が成立し,極東の経済発展を図る制度が整備された。
日ロ関係では,日本が数次の対ロシア制裁措置をとったものの,ナルイシュキン下院議長の訪日や森喜朗元首相の来訪などの対話は継続した。対中関係では,東シベリア産天然ガスのパイプラインでの供給に関する合意が成立した。対北朝鮮関係では,貿易決済のルーブル建てへの移行や港湾,鉄道の建設で協力が進められた。
ウクライナで2014年2月22日,ヤヌコビッチ大統領の退陣を求めるデモ隊が大統領府を占拠して親ロシア政権が崩壊した。ウクライナ南部のクリミアでは親ロシア武装勢力によって3月16日,住民投票が実施され,8割以上の投票率,9割以上の賛成でロシアへの編入が承認された。18日にロシアのプーチン大統領はクリミア自治共和国およびセヴァストポリ市との条約に署名し,クリミアをロシアに編入した。ロシアによるクリミアの実効支配は,4月10日にロシア中央銀行の支店がセヴァストポリに開設されるといった形で具体的に進展した。17日,プーチンはクリミアに2万人以上の現役軍人を配置していたことを発表した。
ロシアのクリミア編入に対して,アメリカのオバマ大統領は3月9日,ロシアに対する経済制裁を発動した。一方で,ウクライナ東部のドネツクやルガンスクでは4月に親ロシア勢力がウクライナ軍と戦闘状態に入った。7月17日に戦闘状態が続くウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜されると,西側諸国では親ロシア勢力やロシアへの批判が強まった。一連の事態のなかで西側諸国はロシアに対し数次にわたり制裁措置をとる一方,ロシアはEUなどからの農産品の輸入禁止措置などの対抗措置をとった。
プーチン政権(メドベージェフ政権時のメドベージェフ=プーチン2頭体制を含む)の支持率は,2008年8月の対グルジア戦争以降,漸減傾向が続いていた。2011年12月4日の下院議員選挙においては,政権側による多数の不正工作疑惑が報じられ,政権に対する広範な抗議行動がみられた。その最大のものが2011年12月24日にモスクワ市中心部で,少なくとも5万人,主催者発表で12万人の大規模な集会であり,プーチン政権が成立した2000年以降,最大規模の反政府集会であった。その後,プーチン大統領(首相)に対する支持率が60%を切ることはなかったものの,その威信には陰りがさしていた。
2014年2月から3月にかけてのウクライナ政変とクリミア編入を契機に,プーチン大統領に対する支持率は80%台まで急上昇した(図1)。この転換の背景には,ロシア人の間で広範に共有されているナショナリズムがある。ソ連時代のゴルバチョフ政権時にドイツ統一を承認して以降,西側はNATOの拡大攻勢をみせてきた。1990年時点で,アメリカはゴルバチョフに対して「NATOの守備範囲は現在の位置から1インチも東へ移動しない」(1990年2月9日ベーカー米国務長官発言)と約束したものの,ドイツが統一され,ソ連が解体した後は,NATOの「東方拡大」が展開された。中欧・東欧の旧社会主義諸国,バルト三国もNATOに加盟したことで,ロシアは直接NATO加盟国と陸上での国境を接することになった。多くのロシア人は西側に「裏切られた」と思うようになっていた。
(出所) レヴァダ・センターのウェブ資料をもとに筆者作成。
また,1990年代後半には,ロシアの友邦であるセルビア域内でアルバニア人が多数を占めるコソヴォ自治州の独立運動が激化した。アメリカを中心とする西側はコソヴォの独立運動を支持し,セルビアに対して空爆を実施し,コソヴォが独立を宣言すると,国家として承認した。多くのロシア人は,西側の外交政策に対して反感を抱いた。クリミアの「復帰」は,ロシア人の間に涵養された屈辱感や反感の裏返しとしてのナショナリズムをプーチンに対する支持に変換するものであったといえる。
2014年の実質GDP成長率は0.6%となり,2011年の4.3%,2012年の3.4%,2013年の1.3%に引き続き減速傾向がみられる。2014年の減速の要因としては,原油価格の大幅な下落,ルーブル安,株価安に加えて,西側諸国による対ロシア制裁措置,制裁へのロシア側の対抗措置(農産物や食料品の輸入制限)による物価上昇が挙げられる(表1)。
(出所) ロシア国家統計庁,出納局のウェブ資料をもとに筆者作成。
通年の貿易高(輸出入の合計)は7829億2660万ドルで,前年比7%減となった。輸出は4969億4450万ドル(同5.8%減),輸入は2859億8220万ドル(同9.2%減)であり,2109億6230万ドルの貿易黒字であった。貿易相手を地域別にみると,輸出,輸入ともにEUが最大となっており,全輸出ないし全輸入に占めるシェアは,それぞれ輸出52.1%(13年は53.8%),輸入41.4%(13年は42.6%)である。前年比でシェアが落ちた背景には,EUによる対ロシア制裁とロシア側の対抗措置による貿易取引の減少が作用しており,輸出額は前年比8.7%減,輸入額は前年比11.7%減であった。
輸出では原油,石油製品,天然ガスの合計が66.4%を占めている。うち,原油が31.0%,石油製品が23.3%,天然ガスが12.1%(うち気体11.0%,LNG1.1%)である。輸入では機械・設備が47.6%を占めている。
とくに輸入の3割を占める原油の価格は2014年の半ば以降に大幅に下落した。ロシア産原油の代表的油種(Urals)と値動きが近似している北海Brentのスポット価格の動向をみると,6月19日に1バレル当たり115.19ドルをつけた後,7月に100ドル台,8月に90ドル台,10月に80ドル台と急速に下落し,年末(12月31日)には55.27ドルとなり,半年間で半値以下になるという暴落をみせた。
原油価格の下落にともなってルーブルのレートも下落し,年初値(1月1日)は1ドル=32.66ルーブル,1ユーロ=45.06ルーブルであったが,年末値(12月31日)は1ドル=56.26ルーブル,1ユーロ=68.34ルーブルまで下落した(図2および図3)。
(出所) 中央銀行ウェブ資料をもとに筆者作成。
(出所) 米エネルギー情報局(EIA)およびモスクワ証券取引所のウェブ資料をもとに筆者作成。
さらに,原油価格および為替レートの下落にともなって株価も下落した。ロシアの代表的な株式指標であるRTS指数を終値ベースでみると,年初(1月6日)は1388.28であったが,ルーブル暴落に見舞われた12月16日には629.15まで下落した。その後やや持ち直し,年末(12月30日)には790.71となった。
消費者物価指数(CPI)の上昇率は2013年通年で6.5%だったが,2014年は11.4%となった。CPI上昇率の内訳をみると,食料品価格15.4%,非食料品価格8.1%,サービス価格10.5%であり,食料品価格の上昇がインフレの牽引材料となっていることがわかる。ロシアの食料品市場では輸入品が占める比率が高く,ルーブル安によって輸入品全般の価格が上昇しているところに,さらに対ロシア制裁への対抗措置として8月6日にアメリカやEUなどからの食料品や農産物の輸入を禁止する措置がとられたことによる。
ロシアで販売されている家電製品も主に外国製であり,また販売される乗用車の多くも輸入車か外国ブランド国産車(国内で組立てられるが部品の多くは輸入)である。乗用車(新車)の販売台数は,2013年の販売台数が277万7500台であったが,2014年には10.3%減の約249万1400台となった。ルーブル安による輸入品の価格上昇は耐久消費財の需要にも負の影響を与えた。
近年の成長は家計消費主導型であり,2013年の実質GDP成長を支出項目別の寄与度でみると,最大の項目は家計消費で,2.5%となっている。ルーブル安による食料品,耐久消費財の価格上昇は成長の減速をもたらしているといえる。
8月1日,連邦動植物衛生監督庁は,農作物の品質基準違反を理由としてポーランドからの野菜や果物の輸入を禁止した。6日には,対ロシア制裁を実施した国々からの農産物,食料品,原材料の輸入を禁止または制限する大統領令が発令された。同6日に連邦動植物衛生監督庁は,ルーマニアからの牛肉などの輸入を狂牛病の集団感染を理由に禁止した。20日には,連邦消費者権利保護・福祉分野監督庁が,米マクドナルド社の店舗に対して抜き打ちで検査を行い,衛生面での不備を理由にモスクワ市内3店舗の営業を停止したのをはじめとして,エカテリンブルク,ソチ,クラスノダールなどの店舗でも営業停止を命じていった。
その一方で,ロシアに対して制裁措置をとっていない国に対しては,食料品関連の輸入を促進する動きがみられた。8月22日には,ロシア連邦動植物衛生監督庁がロシア向け乳製品供給者のリストにトルコ企業3社を追加した。これにより,これまでトルコからロシアに向けて供給されていた魚と食肉に加え,乳製品も供給されることとなった。23日からは,セルビアの企業に対しても乳製品の供給を許可した。10月11日には中国からロシアに向けて800トンの豚肉が供給されたが,中国からロシアに向けた豚肉の供給は2004年以来のことである。このように,ロシアは欧米からの制裁に対し,経済面で対抗措置を相次いで打ち出す一方で,制裁に参加しなかった諸国に対しては経済面で優遇する措置をとった。
2014年の極東の開発をめぐる政府の取り組みはこれまでになく加速化した。制度面の動きをみると,2月5日に極東発展省が極東開発公社や新投資基金の設立などを政府に提案し,20日に政府承認を得た。4月15日には極東・バイカル地域社会経済発展国家プログラムの2014年改訂版が政府承認を得ている。8月18日には,メドベージェフ首相がウラジオストックに工業生産型経済特区を創設する政府決定に署名した。同特区には日本のマツダ社が出資する合弁企業が投資する見込みとなっている。12月29日には,プーチン大統領が先行社会経済発展区域法案に署名した。
先行社会経済発展区域法は2013年12月12日の年次教書演説で提案した内容に沿ったもので,当初3年間は極東連邦管区とモノゴーラト(単一企業城下町)を対象として,投資の誘致,インフラ整備,社会経済発展,住民生活向上を目的とするものであり,その後,対象が他の連邦構成主体にも拡大される。同法と関連して,先行社会経済発展区域への入居企業に対する企業利潤税の軽減税率適用を主な内容とする税法典などの改正も行われた。11月6日,トルトネフ極東連邦管区大統領全権代表は,先行社会経済発展区域の具体的な指定先について暫定的に14区域が選定されていると発表した。
一方,モスクワから地理的に離れた極東に政府庁舎や企業の拠点を移転させることにより,極東の開発を推進する基盤を整えようとする動きもみられた。1月2日,政府は,極東開発の司令塔である極東発展省の庁舎をモスクワ,ハバロフスクに加えてウラジオストックにも設置することを決定した。2月5日には,メドベージェフ首相が国営企業や連邦機関のオフィスの極東への移転を検討することを指示し,3月20日に,極東に庁舎を移転させる国家機関・国営企業のリストの作成が完了した。また4月25日にメドベージェフ首相はハバロフスクを訪問し,大企業に対して本社を極東に移転させるインセンティブ措置を講じることを提案している。
また,極東開発の現状や実務面での遅れを大統領や首相が批判する面もみられた。2月5日に,極東で先行社会経済発展区域を創設する際の主要原則に関する会議の場で,メドベージェフ首相は,これまで極東で設置された経済特区が成功しなかった要因を分析する必要性を主張し,現時点では極東のビジネス環境はアジア太平洋諸国の競争環境のなかでは太刀打ちできるものではなく,ロシアの他の地域と比較しても劣っているという認識を示した。メドベージェフ首相は4月25日に,ハバロフスクを訪問した際に,極東発展基金の活動が不調であり,基金の資金の用途の決定採択のメカニズムが機能していないと批判している。また5月7日には,プーチン大統領が極東開発の遅れを批判する発言を行っている。
北方領土に関する動向をみると,12月16日,メドベージェフ首相は極東社会経済発展問題政府委員会を主催し,「2016~2025年のクリル諸島の社会経済発展」プログラムの基本概念に署名した。同会議でガルシュカ極東発展相はクリル諸島全体を先行社会経済発展区域に設定することを提案している。12月24日に発表された政府令によれば,同プログラムの費用は連邦予算から支出される約293億ルーブルを含む総額約684億ルーブルとされる。
プーチン大統領の訪日が具体化するかにみえた日ロ関係であったが,ウクライナの政変とその後のクリミア編入,ウクライナ東部での内戦という状況下でアメリカやEUをはじめとする西側諸国とロシアとの関係が悪化し,並行して日ロ関係も冷却化した。しかし,アメリカやEUによる対ロシア制裁の内容と比較して日本の対ロシア制裁の内容は相対的に軽度かつ決定のタイミングも若干遅らせたものであり,また要人の往来も継続されたことから,関係の全面的な悪化にまでは至っていない。
ラヴロフ外相は1月21日の記者会見で,対アジア太平洋諸国関係の重視を表明するとともに,プーチン大統領が訪日する予定であることを発表した。2月7日にソチで第22回冬季五輪が開幕すると,プーチン大統領は五輪開会式に出席した安倍晋三首相と会談し,平和条約締結問題などを協議した。アメリカなど西側の主要国首脳が開会式を欠席するなか,安倍首相が開会式に出席したことで日ロの関係強化が期待された。
しかし,3月6日にクリミア自治共和国議会がロシア連邦への編入に関する住民投票を実施することを決定してクリミアのロシア編入が具体化していったことで,西側とロシアとの関係が悪化したことは,日ロ関係に影響を及ぼすようになった。16日にクリミアで住民投票が実施されると,翌17日,アメリカとEUがロシアに対する制裁措置をとり,18日にクリミアのロシア連邦への編入条約が調印されると,日本政府は査証発給手続き簡素化協議の停止などを内容とする制裁を決定した。ただし,その内容はアメリカやEUと比較して軽度のものであった。
ウクライナ東部での内戦が激化するなかで,4月17日に,4月下旬に予定されていた岸田文雄外相のロシア訪問の延期が発表された。28日にアメリカ政府とEUが対ロシアの追加制裁を発表すると,翌29日に岸田外相は対ロシア追加制裁(23人に対する査証発給停止)を発表した。これに対しロシア外務省のルカシェヴィチ報道官は「失望した」と述べたものの,日本による制裁措置が「明らかに外部の圧力のもとでとられたもの」であるとの表現で,ロシア側が,アメリカによる圧力の存在を認識していることを示唆した。
要人の往来は継続し,5月5日にモスクワで谷内正太郎国家安全保障局長がパトルシェフ安全保障会議書記と会談し,19日にはロスネフチ社のセチン社長が東京で第6回日ロ投資フォーラムに出席し,6月2日にはナルイシュキン下院議長が日本を訪問してロシア文化フェスティバル開会式に出席した。なお,プーチン大統領が5月24日に記者会見の場で共同通信記者の北方領土に関する質問に対して4島すべてが交渉対象と回答し,また日本の対ロシア制裁参加については「驚いた」と表現して明確な批判的表現をとらなかったことにみられるように,対日関係への配慮がみられた。日本政府による7月1日の集団的自衛権容認の閣議決定に対しても,ロシア外務省が「性急な評価はしない」と7日に表明するなど,明確な批判はみられなかった。
7月16日にアメリカ財務省が対ロシア追加制裁の内容を発表し,25日にEUも対ロシア追加制裁を決定するなかで,28日,岸田外相は対ロシア追加制裁を発表した。これに対しロシア外務省は,日本の対ロ追加制裁の決定について「非友好的」と批判している。29日にアメリカ,31日にEUがさらなる対ロシア追加制裁を決定すると,8月5日,日本も対ロシア追加制裁を閣議決定したが,これを受けてロシア外務省は,8月末開催予定の日ロ外務次官級協議の延期を日本側に通告した。一方,6日にプーチン大統領はアメリカ,EUなどからの農産物,食料品の輸入を禁止する大統領令に署名したが,禁輸措置の対象に日本は含まれなかった。20日には,プーチン大統領が広島での土砂災害に際し安倍首相宛てに見舞いの電報を送付するなど,対日関係への配慮がみられたが,22日には,モルグロフ外務次官が日本人のロシア入国制限者一覧を原田親仁駐ロ大使に手交するという対抗措置もとられた。
9月9日にはモスクワで第2回日ロフォーラムが開幕し,森喜朗元首相らが出席し,翌10日に森元首相はプーチン大統領と会談した。21日にはプーチン大統領が安倍首相と電話会談し,安倍首相の誕生日を祝した。なお,12日にアメリカ,EUが対ロシア追加制裁を発動したことを受け,24日に日本政府は武器輸出制限の厳格化などの対ロシア追加制裁を発表している。
10月に入ると,7日にはプーチン大統領の誕生日に際して安倍首相が電話会談を行って祝意を伝え,16日にはイタリア・ミラノで開催されたアジア欧州会合(ASEM)に際して安倍首相とプーチン大統領との会談が行われるなど,首脳間の対話は継続した。また,25日には海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」がウラジオストック沖でロシア海軍との捜索・救難共同訓練を実施し,軍事面での交流もみられた。11月9日には,中国の北京で開催されたAPEC首脳会議に際して,安倍首相とプーチン大統領との間で首脳会談が行われている。
2月7日,ソチでの第22回冬季五輪開会式にアメリカ,ドイツ,イギリス,フランスなど西側主要国の首脳が欠席するなか,中国の習近平国家主席は出席し,プーチン大統領と会談し,これまでの友好関係を確認した。
4月にはロシアの閣僚の訪中が相次いだ。9日にはドボルコヴィチ副首相が訪中し,ロシア・中国エネルギー協力政府間委員会会議に出席した。『独立新聞』(14日付)によると,同会議で中国側は,クリミア半島での代替エネルギー分野でのプロジェクトに関心を表明した。11日にはガルシュカ極東発展相がアジア経済フォーラムに出席するため,中国の海南島を訪問し,同地で中国国家開発銀行の鄭之傑行長と会談した。ここで鄭之傑行長はロシア極東の開発に向けて50億ドルを拠出する用意があると述べた。15日にはラヴロフ外相が中国を訪問し,習近平国家主席らと会談した。26日には,ロシアと中国との間の査証の要件が緩和され,公用旅券の保有者による30日間までの滞在に対し無査証制度が導入された。
5月以降は,大統領自身が動く段階に入った。20日,プーチン大統領はアジア信頼醸成措置会議(CICA)出席のため上海を訪問し,習近平国家主席と会談した。21日,プーチン大統領はガスプロム社,中国石油天然気集団公司(CNPC)と,東シベリア産天然ガスを「シベリアの力」パイプライン(東ルート)経由で年間380億立方メートル,中国に30年間供給するという合意文書に調印した。供給元のガス田は東シベリアのチャヤンダ・ガス田,コヴィクタ・ガス田となり,投資額はロシア側550億ドル,中国側220億ドル,供給価格は石油・石油製品に連動するとされている。「シベリアの力」パイプラインの起工式は9月1日にサハ共和国ヤクーツクで開かれ,プーチン大統領も出席した。
プーチン大統領は7月15日,ブラジルでBRICS首脳会議に出席し,BRICS新開発銀行と緊急時外貨準備基金の設立文書に署名した。参加5カ国が200億ドルずつ出資した資本金1000億ドルのこの新しい国際開発金融機関は,IMF,世界銀行,アジア開発銀行といったアメリカや日本などが主導する国際金融機関に対抗したものといわれており,本部は上海に置かれる。並行して緊急時に対応するための総額1000億ドルの外貨準備基金も設立されたが,各国の拠出額は中国410億ドル,ブラジル,インド,ロシアが180億ドルずつ,南アフリカは50億ドルであり,中国の拠出額が突出することとなった。
プーチン大統領は9月11日,タジキスタンのドゥシャンベで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議に出席し,期間中に中国の習近平国家主席らと会談した。なお,ロシア,中国,モンゴル(エルベグドルジ大統領)の3首脳による会合も開催され,プーチン大統領は3首脳による会合を定期化することを提案している。10月12日には中国の李克強首相がロシアを訪問し,第19回ロ中首相間定期会合が開催された。会合では主に経済協力関係の強化が協議され,両首相立会いの下でロシア中銀と中国人民銀行との間での通貨スワップ協定など38項目の経済協力協定が締結された。
プーチン大統領は11月9日,APEC首脳会議出席のため北京を訪問し,習近平国家主席と会談した。このロ中首脳会談では,中国向け天然ガス・パイプライン「アルタイ」(西ルート)での30年間にわたる年間300億立方メートルの中国向け輸出に関する政府間覚書が調印された。なお,11月のロ中首脳会談にあわせて,ロスネフチ社のセチン社長は中国CNPCの周吉平董事長との間で,東シベリアのヴァンコール油田権益10%の売却で合意している。このように,中国はロシアにおいて天然資源の井戸元をもおさえる動きを活発化している。
ロ中間の軍事面での関係をみると,5月20~26日に上海沖でロシア海軍と中国海軍による合同軍事演習「海上連合2014」,8月24~29日に上海協力機構の枠組みでの合同軍事演習「平和の使命」が中国内モンゴル自治区で実施され,二国間,多国間の枠組みで軍事面での協力関係が維持されている。9月8日には極東のザバイカリスクと満州里の間の国境検問所においてロシア,中国両国の国境警備隊による合同対テロ演習が実施された。
2014年には北朝鮮,インド,モンゴルなどとの協力関係に進展がみられた。北朝鮮との関係をみると,3月24~28日にガルシュカ極東発展相が北朝鮮を訪問し,政府間貿易経済・科学技術協力委員会の共同議長会談に出席した。会談では,両国間の貿易決済のルーブル建てへの移行や,ロシア産の天然ガスや電力の北朝鮮経由での韓国への供給などが協議された。4月28日には,トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表が平壌を訪問して盧斗晢副首相と会談し,アムール州と北朝鮮との間の協力関係に関する合意文書に調印した。5月5日,プーチン大統領は北朝鮮の対ロシア債務の整理に関する法案に署名したが,その内容は旧ソ連時代の債務の9割が放棄されるものとなっている。6月5日には,ロシアと北朝鮮との政府間貿易経済・科学技術協力政府委員会がウラジオストックで開催され,両国間の貿易決済のルーブル建て移行で合意に至った。7月18日には北朝鮮の羅先市で,ロ朝が共同で建設した羅津港の埠頭の完成式典が行われた。9月1日にはトルシン上院第1副議長が北朝鮮を訪問し,崔泰福最高人民会議議長と会談して国連でのウクライナ問題などをめぐる北朝鮮のロシアへの支持に謝意を表した。9月30日には北朝鮮の李洙英外相がモスクワを訪問し,ラブロフ外相と会談した。その後,李外相はアムール州,沿海州,サハリン州を歴訪して農業企業などの視察を行い,シュポルト・ハバロフスク地方知事,シュレイキン極東発展省次官らと会談した。10月20日にはガルシュカ極東発展相がビジネス・ミッションを率いて北朝鮮を訪問し,鉄道近代化プロジェクトの式典に出席してロシア企業が北朝鮮の鉄道設備の近代化に250億ドルを投じると述べた。なお10月20日にロシアと北朝鮮との間でルーブル建て決済が開始されている。11月17日には北朝鮮の崔竜海労働党中央委員会書記が金正恩氏の特使としてロシアを来訪した。このように,閣僚の相次ぐ相互訪問,北朝鮮債務の放棄,両国貿易決済のルーブル建て化にみられるように,ロシアと北朝鮮との関係は政治,経済の両面にわたって緊密化している。
インドとの関係においては,ロシアがインドに売却した空母「ヴィクラマーディティヤ」がインド南部のカルワル海軍基地に1月8日に到着している。7月15日,ロシア,インド両国の海軍は,ウラジオストック沖で合同演習「インドラ2014」を開始した。なお両国の空軍は,8月29日からロシア南部で,合同演習「アヴィアインドラ2014」を実施している。12月11日にはプーチン大統領がインドを訪問し,モディ首相との会談においてエネルギー分野,軍事分野での協力強化で一致している。
モンゴルとの関係では,9月3日,プーチン大統領はハルハ河戦闘(ノモンハン事件)75周年にあわせてモンゴルを訪問し,エルベグドルジ大統領と会談した。両大統領立会いの下でウランバートル鉄道の近代化に関する協定など14の文書が調印されている。また,エルベグドルジ大統領はプーチン大統領に対し,モンゴル経由でロシアから中国に敷設する天然ガス・パイプライン「ステップの道」の構想について説明した。
プーチンに対する高支持率はウクライナ情勢をめぐる強硬な態度に依存している。そのため,プーチン政権は妥協と受け止められる政策をとりづらくなっている。経済面では,ルーブルの暴落や西側の制裁への対抗措置による輸入品価格の上昇を背景に,消費行動は冷え込むものと思われる。原油価格が大幅に上昇しない限り,ロシアにおける景気後退はしばらく続くことが予想される。
対外関係では,中国との関係のいっそうの緊密化が予想される。BRICS新開発銀行と外貨準備基金の設立は,アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の動きとあわせて,中国が主導して既存の米ドルを基軸とする国際金融システムを改変しようとする試みと位置づけることができるが,これに対しロシアは,中国とともにその改変の一角を担おうとしている。その一方でロシアは,ユーラシア経済同盟という形でカザフスタン,ベラルーシ,アルメニアといった旧ソ連の周辺国との間でルーブル経済圏の構築を図り,また北朝鮮との間では貿易決済のルーブル化を進めるなど,独自の動きもみせている。エネルギー面では,2014年5月に中国との間で合意し9月に着工された「シベリアの力」(東ルート)に加えて,11月に「アルタイ」(西ルート)についても政府間の協議が進展することとなり,ウクライナ問題でEU諸国との関係が悪化し,EU諸国の間でロシアに対する天然ガス依存度を低下させる動きがみられるなかで,ロシア産の天然ガスの輸出先として中国が占めるプレゼンスは今後さらに高まっていくものと考えられる。
対日関係では,2014年にクリミア編入やウクライナ東部情勢をめぐって西側とロシアとの関係が全面的に悪化するなかで,累次にわたる制裁措置の発動がなされたものの,首脳会談や要人間の往来や軍事面での交流は継続され,全面的な関係の悪化までは至らなかった。ただし,2015年初時点で日ロ外務次官級協議の次回日程は確定しておらず,プーチン大統領の訪日も実現の見通しが立っていないなど,関係の好転をもたらす契機も見出すことができない状況にある。
(埼玉学園大学准教授)
1月 | |
1日 | プーチン大統領,ボルゴグラードにて内相,連邦保安庁長官らとテロ対策会議を開催。 |
1日 | WTO加盟に伴う措置として,廃車手数料の対象を輸入車から全自動車に拡大。 |
1日 | ロシアがG8議長国に就任。 |
1日 | ガスプロム社のメドベージェフ副会長,北海道新聞の記事で日本とのガス・パイプライン建設や発電事業への参加意向を表明。 |
14日 | メドベージェフ首相,極東の先進発展区域の指定基準明確化を指示。 |
21日 | ラブロフ外相,2013年の外交を総括する記者会見で,対アジア太平洋諸国関係の重視を表明。プーチン大統領の訪日を発表。 |
22日 | ウクライナの首都キエフでの欧州統合派による抗議行動で2人が死亡。 |
28日 | ウクライナで内閣総辞職。 |
30日 | ホロシャビン・サハリン州知事,高橋はるみ北海道知事と会見。「エネルギーブリッジ」の合同作業グループ創設を提案。 |
31日 | 東京で日ロ外務次官級協議開催。 |
2月 | |
1日 | ラブロフ外相,ミュンヘン安全保障会議で西側の対ウクライナ政策を批判。 |
5日 | メドベージェフ首相,閣議で極東でのイノベーション技術導入促進の特別税制の制定を主張。トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表,政府機関や国営企業の極東移転の検討開始を表明。 |
7日 | ソチで第22回冬季五輪が開幕(~23日)。 |
7日 | プーチン大統領,五輪開会式に出席した各国首脳と会談。安倍首相との会談では平和条約締結問題などを協議。 |
10日 | ショイグ国防相,極東を訪問,太平洋艦隊基地などを視察。 |
10日 | ウクライナの首都キエフで欧州統合派と民警が衝突し大規模な騒乱状態。22日までに死者82人。 |
21日 | ウクライナの与野党,危機打開で合意。 |
22日 | ウクライナのヤヌコビッチ大統領,ロシアのハリコフに脱出(21日深夜から22日未明)。ウクライナ最高会議,大統領弾劾および5月25日の大統領選挙実施を決議。 |
23日 | ウクライナ最高会議,トゥルチノフ最高会議議長を大統領代行に選出。 |
26日 | ロシア軍,ウクライナ国境に近い中部・西部軍管区で大規模演習(~3月3日)。 |
26日 | クリミア自治共和国の首都シンフェロポリで武装集団が政府や議会の庁舎を占拠,ロシア国旗を掲揚。クリミア自治共和国議会,内閣不信任決議案を可決してアクショノフ氏を新首相に指名。 |
3月 | |
1日 | プーチン大統領,上院に対しウクライナへの軍部隊派遣許可を要請。同日承認。 |
3日 | アメリカ国防総省,対ロ軍事協力の停止を発表。 |
6日 | クリミア自治共和国議会,ロシアへの編入に関する住民投票を16日に実施することを決定。 |
6日 | EU,ロシアとの査証簡素化協定などの交渉を中断すると発表。 |
11日 | クリミア自治共和国議会とセヴァストポリ市議会,クリミアの独立を宣言。 |
12日 | 谷内国家安全保障局長が来訪。ラブロフ外相らと会談。 |
16日 | クリミアでロシアへの編入の是非を問う住民投票実施。8割超の投票率で9割超が賛成。 |
17日 | アメリカ政府,11人に対する資産凍結などの対ロ制裁を発動。 |
17日 | EU,21人に対する資産凍結や渡航禁止措置などの対ロ制裁を発表。 |
18日 | プーチン大統領,クレムリンでクリミア編入に関する演説。クリミアのロシア連邦への編入条約に調印。 |
18日 | 日本政府,査証発給手続き簡素化協議の停止などの対ロ制裁を決定。 |
19日 | ロスネフチのセチン社長,東京で第6回日ロ投資フォーラムに出席。 |
20日 | EU,対ロ制裁の対象に12人追加。 |
24日 | ガルシュカ極東発展相,北朝鮮を訪問。 |
27日 | プーチン大統領,ロシア独自の決済システムの必要性を上院幹部との会合で主張。 |
4月 | |
7日 | ウクライナのドネツク州とハリコフ州でそれぞれ「人民共和国」が独立を宣言。 |
9日 | ドボルコヴィチ副首相,中国訪問。 |
10日 | プーチン大統領,ウクライナの天然ガス代金未払い問題でEUに協議を提起。 |
15日 | ウクライナのトゥルチノフ大統領代行,ドネツク州での軍事作戦開始を発表。 |
15日 | 政府,極東・バイカル地域社会経済発展国家プログラムの2014年改訂版を承認。 |
15日 | ラブロフ外相,中国訪問,習近平国家主席らと会談。 |
17日 | ロシア外務省,4月下旬予定であった岸田外相訪ロの延期を確認。 |
20日 | プーチン大統領,在外ロシア系住民の国籍取得簡素化法に署名。 |
21日 | プーチン大統領,クリミア・タタール民族の名誉回復に関する大統領令に署名。 |
27日 | ウクライナのルガンスク州で「人民共和国」独立宣言。 |
28日 | アメリカ政府,対ロ追加制裁を発表。 |
28日 | EU,対ロ追加制裁を発表。 |
28日 | トルトネフ副首相兼極東管区大統領全権代表,北朝鮮を訪問。 |
29日 | 岸田外相,対ロ追加制裁の内容を発表。 |
5月 | |
5日 | モスクワでパトルシェフ安全保障会議書記,谷内国家安全保障局長と会談。 |
5日 | プーチン大統領,北朝鮮の対ロシア債務の整理に関する法案に署名。旧ソ連時代の債務の9割を放棄。 |
5日 | プーチン大統領,ロシア独自の決済システムに関する法に署名。 |
9日 | プーチン大統領,モスクワの赤の広場での第二次世界大戦勝利69周年記念軍事パレードでの演説後,クリミアのセヴァストポリに移動し戦勝パレードを観閲。 |
9日 | メドベージェフ首相,アジア太平洋地域諸国との協力に関する会議を開催。アジア太平洋地域での最重要パートナーは中国だが他の諸国との協力にも注意を払うべきと発言。 |
9日 | メドベージェフ首相,閣議で先行発展区域を極東以外に創設する可能性を指摘。 |
12日 | EU,対ロ制裁の対象を拡大。 |
13日 | モスクワでナルイシュキン下院議長,鳩山邦夫日ロ協会会長と会談。 |
20日 | プーチン大統領,中国の上海でアジア信頼醸成措置会議に出席,習国家主席と会談。 |
20日 | メドベージェフ首相,Bloomberg TVのインタビューにてロスネフチ株の一部を中国に売却する可能性を示唆。 |
20日 | ロ中海軍,東シナ海で合同演習「海上連合2014」を実施(~26日)。 |
21日 | プーチン大統領,30年間にわたる東シベリア産天然ガスの「シベリアの力」パイプライン(東ルート)経由での年380億立方㍍の供給に関する中国との合意文書に署名。 |
21日 | プーチン大統領,訪中後に極東アムール州へ移動し,2013年夏の水害被害現場を視察。 |
24日 | プーチン大統領,記者会見の場で共同通信記者の北方領土に関する質問に対し,4島すべてが交渉対象と回答,日本の対ロ制裁に「驚いた」と発言。 |
26日 | ドイツのベルリンでロシア,ウクライナ,EUによるウクライナの天然ガス債務をめぐる三者協議。2014年4月までの代金の一部支払いと5月分の一部前払いで合意。 |
29日 | ロシア,ベラルーシ,カザフスタンの大統領がカザフスタンのアスタナで「ユーラシア経済同盟」創設条約に調印。 |
30日 | プーチン大統領,対外貿易銀行総裁と会談。ロシアの決済システムが日本のJCBや中国のUnionPayのように国外市場へ進出する必要性に言及。 |
6月 | |
2日 | ナルイシュキン下院議長,日本訪問,ロシア文化フェスティバル開会式に出席。 |
2日 | 欧州委員会,規則違反を理由に黒海海底,ブルガリア経由「サウスストリーム」パイプライン事業の一時停止をロシア側に要請。 |
5日 | プーチン大統領,フランスを訪問してノルマンディー上陸作戦70周年式典に出席。 |
5日 | ウラジオストックでロシア・北朝鮮間の貿易経済・科学技術協力政府委員会開催。貿易決済のルーブル建て移行で合意。 |
8日 | ブルガリア,「サウスストリーム」パイプライン事業の一時停止を発表。 |
16日 | ガスプロム社,ウクライナ向け天然ガス供給の前払い制への移行を発表。ウクライナ向け天然ガスの供給を停止。 |
7月 | |
7日 | ロシア外務省報道官,日本政府による集団的自衛権容認の閣議決定に対し「性急な評価はしない」と表明。 |
15日 | プーチン大統領,ブラジルでBRICS首脳会議に出席,BRICS新開発銀行と緊急時外貨準備基金の設立文書に署名。 |
15日 | ロシア海軍とインド海軍,日本海で合同演習「インドラ2014」実施(~20日)。 |
16日 | アメリカ財務省,対ロ追加制裁の内容を発表。29日にも制裁対象を拡大。 |
17日 | ウクライナ東部でマレーシア航空機が墜落し,乗員乗客の全員が死亡。 |
18日 | 北朝鮮の羅先市羅津港で,ロ朝が共同で建設した埠頭の完成式典。 |
25日 | EU,対ロ追加制裁を決定。31日にも制裁対象を拡大。 |
28日 | 岸田外相,対ロ追加制裁を発表。 |
28日 | ロシア外務省,日本の対ロ追加制裁の決定について「非友好的」と批判。 |
28日 | ラブロフ外相,記者会見で,日本政府による集団的自衛権容認の閣議決定に関して,安全保障問題での日本の独自の貢献に期待すると発言,プーチン大統領訪日について,ロシアは日本からの招請を受諾済みと指摘。 |
8月 | |
5日 | 日本,対ロ追加制裁を閣議決定。 |
5日 | ロシア外務省,8月末開催予定であった日ロ外務次官級協議の延期を日本側に通告。 |
6日 | プーチン大統領,アメリカ,EUなどからの農産物,食料品の輸入を禁止する大統領令に署名。 |
14日 | 国営大手石油企業ロスネフチ,政府に1.5兆ルーブルの資金支援を要請。 |
18日 | メドベージェフ首相,ウラジオストックでの工業生産型経済特区の設置に関する政府決定に署名。 |
20日 | プーチン大統領,広島での土砂災害に際し安倍首相宛に見舞いの電報を送付。 |
22日 | モルグロフ外務次官,日本人の入国制限者一覧を原田・駐ロ日本大使に手交。 |
24日 | 中国内モンゴル自治区で上海協力機構の合同軍事演習「平和の使命」実施(~29日)。 |
9月 | |
1日 | 中国向け天然ガス・パイプライン「シベリアの力」(東ルート)起工式,プーチン大統領と中国の張高麗副首相が出席。 |
5日 | ベラルーシのミンスクでEU,ロシア,ウクライナ,親ロシア勢力がウクライナ東部の即時停戦で合意。 |
9日 | モスクワで第2回日ロフォーラム開幕。森元首相らが出席。 |
10日 | 森元首相,プーチン大統領と会談。 |
11日 | プーチン大統領,タジキスタンのドゥシャンベで上海協力機構首脳会議に出席。期間中に中国の習近平国家主席らと会談。 |
12日 | アメリカ,EUが対ロ追加制裁発動。 |
14日 | 統一地方選挙で与党「統一ロシア」が圧勝。 |
21日 | プーチン大統領,安倍首相と電話会談し,安倍首相の誕生日を祝す。 |
22日 | 択捉島で新空港の開港式典。 |
24日 | 日本政府,武器輸出制限の厳格化などの対ロ追加制裁を発表。 |
30日 | 北朝鮮の李洙英外相,来訪。 |
10月 | |
3日 | プーチン大統領,ユーラシア経済同盟創設条約の批准法に署名。 |
7日 | プーチン大統領,自身の誕生日に際して安倍首相など各国首脳と電話会談。 |
10日 | ソチでF1ロシアグランプリ開幕。 |
12日 | 中国の李克強首相が来訪,38項目の経済協力協定を締結。 |
16日 | プーチン大統領,イタリア・ミラノでアジア欧州会合(ASEM)出席。安倍首相らと会談。 |
20日 | ガルシュカ極東発展相,北朝鮮を訪問。 |
25日 | 海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」,ウラジオストックに寄港。 |
26日 | ロシア標準時,2010年に廃止された冬時間が復活して通年化。 |
11月 | |
5日 | 高村自民党副総裁,来訪。7日にナルイシュキン下院議長らと会談。 |
9日 | プーチン大統領,APEC首脳会議出席のため中国の北京を訪問。安倍首相や中国の習近平国家主席らと会談。 |
9日 | ロ中首脳会談において中国向け天然ガス・パイプライン「アルタイ」(西ルート)での30年間にわたる年間300億立方㍍の中国向け輸出に関する政府間の覚書調印。 |
9日 | ロスネフチ社のセチン社長,中国石油天然気集団公司の周董事長との間で東シベリアのヴァンコール油田権益10%の売却で合意。 |
10日 | 中央銀行,外為相場維持のための為替介入を廃止し,変動相場制に移行。 |
14日 | プーチン大統領,G20首脳会議出席のためオーストラリアのブリスベン訪問。 |
17日 | 北朝鮮の崔竜海労働党中央委員会書記,金正恩第一書記の特使として来訪。 |
23日 | プーチン大統領,イタルタス通信取材に対し,終身大統領化を否定する一方,2018年大統領選挙への出馬を否定せず。 |
12月 | |
1日 | プーチン大統領,トルコを訪問しエルドアン大統領と会談。ブルガリア経由でEUに天然ガスを供給する「サウスストリーム」パイプラインの建設中止を表明。 |
3日 | 2015年連邦予算法に大統領署名。 |
4日 | 議会にて大統領年次教書演説。 |
11日 | プーチン大統領,インド訪問,モディ首相との会談で,エネルギー分野,軍事分野での協力強化で一致。 |
16日 | 中央銀行,政策金利を10.5%から17%に大幅引き上げ。 |
18日 | ルーブルの公定レート,1ドル=67.79ルーブル(年初は32.66ルーブル),1ユーロ=84.59ルーブル(年初は45.06ルーブル)を記録。 |
26日 | プーチン大統領,軍事ドクトリンの改訂版を承認。 |
29日 | 先行社会経済発展区域法に大統領署名。 |