アジア動向年報
Online ISSN : 2434-0847
Print ISSN : 0915-1109
主要トピックス
アメリカとアジア 巨大経済圏の形成に向けて大きく前進
松本 明日香
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー HTML

2016 年 2016 巻 p. 9-20

詳細

概況

オバマ政権のアジア政策の柱である環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関して,議会で大統領貿易促進権限(TPA)法が成立し,TPP交渉は大筋合意に至った。

日本との関係では,新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)が決定し,日本側で安全保障関連法が成立するなど,同盟強化が進められた。中国との関係では,オバマ政権は,中国による南シナ海での大規模埋め立てに対して,米軍艦船や航空機による偵察行動をとるとともに,多国間対話の場で中国を非難する一方,中国との二国間の軍事協力も進めた。また,中国とのサイバー問題に関しても激しい対立を見せたが,閣僚級対話が開かれるなどの進展も見られた。

リバランス政策の維持

2014年中間選挙により連邦議会上・下両院を共和党におさえられたため,レームダック化したオバマ政権は2015年も国内政策には強い制約がかけられる状況が続いた。その反面,オバマ政権には再選を考えずに済むというフリーハンドがあり,大統領権限を行使した「レガシー作り」の動きをみせるようになっていた。

とくに対外政策に関しては,1月からキューバとの国交正常化交渉が始まり,7月にイランとの核合意が発表された。一方,アジア政策に関しては,軍事戦略の軸足をアジア太平洋に移すというリバランスが進められるとともに,多国間での安全保障分野および経済分野での協力や同盟国との連携の強化や負担の分担が進められた。リバランス政策は国防総省が2月2日に発表した2016会計年度(2015年10月~2016年9月)国防予算案でも,ホワイトハウスが6日に発表した「国家安全保障戦略」でも,その継続が確認されれた。

なお,国防予算に関しては,2014年5月のロシアによるクリミア併合や同年9月に開始されたIS(「イスラーム国」)に対する空爆の影響もあり,4.4%増の5853億ドル,2年ぶりの増額要求になった。オバマ大統領は11月25日,2016会計年度の国防予算の大枠を決める国防権限法案に署名した。

TPPの大筋合意

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については,オバマ政権の「レガシー作り」のなかでもとくに重視されており,また,カーター国防長官が4月6日の講演で,「新たな空母に匹敵する重要性を持つ」と述べるなど,リバランス政策のかなめのひとつとして位置づけられている。

アメリカがTPP交渉の合意を急ぐようになった背景には,中国が設立を呼び掛けた国際金融機関のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に,イギリスが3月12日に,ドイツ,フランス,イタリアが3月17日に参加する方針を発表したことがあった。ルー財務長官は同17日,AIIBを念頭に「新たな参加者がアメリカ主導の多国間の枠組みに挑戦している」と述べ,欧州各国による参加表明の動きを牽制した。しかし,3月31日の参加申請期限までに,50以上の国・地域が参加を決めた。AIIBの創設メンバー57カ国が組織の枠組みを定めた設立協定は5月22日に基本合意に達し,設立時の資本金は当初予定の2倍の1000億ドルに膨らんだ。そのうち,中国の出資比率は57カ国中最大の30%弱であり,重要議案について実質的な拒否権をもつことになった。

4月16日,議会の超党派はTPPの交渉妥結の大前提となる大統領貿易促進権限(TPA)法案を上下両院に提出した。この法案の審議はすんなりとはいかなかった。まず,5月12日,上院でTPA法案は否決された。上院では,TPPに慎重な労働組合の意向が反映され,TPA法案が貿易による失業者を救済するための措置を盛り込んだ失職者支援(TAA)法案と束ねられて,22日に一括の法案として可決された。しかし,6月18日に下院ではTPA法案とTAA法案が切り離されて,TPA法案が単独で可決された。24日に上院本会議でTPA法案が再可決され,オバマ大統領が6月29日に署名した。

アメリカ国内での準備が進展したことで,TPPの大筋合意に向けて7月28~31日にハワイで閣僚会合が行われた。そして,10月5日,アトランタで開催された閣僚会合において,日,米,オーストラリア,ブルネイ・ダルサラーム,カナダ,チリ,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポールの閣僚によって大筋合意の声明と暫定版の協定文が発表されるに至った。これによって世界経済の4割を占める巨大経済圏が誕生する見込みができた。

TPP交渉の大筋合意に関してオバマ大統領は10月5日に声明を発表し,「中国のような国に世界経済のルールを書かせることはできない」「われわれがルールを書き,アメリカ製品の新たな市場を開くべきだ」「21世紀に重要な地域の同盟国との戦略的な関係を強めるものとなる」と述べ,アメリカにとってTPPが中国の経済攻勢に対抗する意味を持つものであることをあけすけに表現した。6月に成立したTPA法では,大統領は議会通告の90日以降から通商協定に署名することができると定められており,11月5日にオバマ大統領は議会に対してTPPに正式署名する意向を通告した。これによって,オバマ大統領は2016年2月上旬以降にTPPに署名する見込みとなった。

大筋合意によって,TPPには,これまで中国との関係を考慮して慎重な姿勢をとっていた韓国,台湾,タイ,フィリピン,インドネシアが追加参加の意向を示すようになった。

日本との同盟強化

4月27日に日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が開かれ,新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)を決定した。これと並行して,26日に安倍首相が訪米の途につき,28日にオバマ大統領と会談して,TPP協定交渉の早期妥結を日米が主導する方針を確認し,米軍普天間飛行場の辺野古移設推進でも合意した。安倍首相は4月29日,日本の首相として初めて連邦議会上下両院合同会議の場で演説をし,「先の大戦に対する痛切な反省」を表明,TPPの批准を求めるとともに,日米同盟を深化させるために安全保障関連法案成立を「この夏までに必ず実現」と約束した。さらに安倍首相は8月15日に,戦後70年に関する談話で,先の大戦をめぐり歴代内閣が謝罪を続けてきたことに言及する形で「おわびの気持ち」を表明し,「歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」と言明した。

安全保障関連法案は9月19日未明の参院本会議で自民,公明両党などの賛成により可決され,30日に公布された。そして,11月3日には,日米の政府で,自衛隊と米軍を平時から一体運用するために,外務・防衛当局,国家安全保障局などで構成される新機関「同盟調整グループ」が設置された。

一方で,沖縄基地問題に関しては,6月23日の沖縄戦戦没者を追悼する「慰霊の日」に,追悼式に安倍首相やケネディ駐日米大使が参列した。9月28日,岸田外相とカーター国防長官は,沖縄の負担軽減の一環として「日米地位協定の環境補足協定」に署名した。

韓国の対中傾斜を牽制

4月22日,ソウルでモニズ・エネルギー長官と韓国の尹炳世外相は原子力協定を全面的に改定することで合意し,6月15日,ワシントンで改定原子力協定に署名した。これまで韓国ではすべてのウランの濃縮と使用済み燃料の再処理が禁止されていたが,この改定によって,韓国はアメリカが合意すればアメリカ産ウランに限り20%までの低濃縮が認められ,再処理に関する研究事業の規制が一部緩和されることになった。

しかし,韓国は歴史問題で日本と対立し,また,中国との関係を強化するなど,アメリカにとって扱いにくい存在になっていた。2月27日,シャーマン国務次官がワシントンのカーネギー国際平和財団が主催したセミナーで,歴史問題をめぐる日中韓の対立に対して,「ナショナリスト的な感覚で敵をけなすことは,国の指導者にとって安っぽい称賛を浴びる容易な方法だが,それは感覚がまひするだけで,進歩は生まない」と述べ,遠回しに韓国の朴槿恵大統領の対日姿勢に対する懸念を示した。これに対して韓国では「日本寄りの発言」との反発が広がった。そして,ソウルで3月5日,オバマ大統領側近のリッパート駐韓大使が朝食会で切りつけられ負傷するという事件が起こった。また,朴槿恵大統領は9月3日に北京での「抗日戦争勝利記念行事」に出席し軍事パレードを参観したが,これはオバマ政権が出席を見合わせるよう求めていたものであった。

しかし,TPPの大筋合意の後,韓国側の姿勢に変化が見られるようになった。10月16日,ワシントンでオバマ大統領と朴槿恵大統領が会談して,北朝鮮に関する共同声明を発表したが,朴槿恵大統領はTPPでも「アメリカとパートナーになりうる」と参加への意欲を表明した。そして,12月28日にソウルで韓国の尹炳世外相と日本の岸田文雄外相が会談し,慰安婦問題に関する合意に達したと発表した。

南シナ海問題とサイバー攻撃問題で中国と対立

中国が南シナ海で進めている岩礁の埋め立て工事について,太平洋軍艦隊のハリス司令官は3月31日,「砂の万里の長城を築いている」と述べ,強い懸念を表明した。さらに国防総省は5月8日に中国の軍事・安全保障に関する年次報告書を公表したが,そのなかで南シナ海での岩礁埋め立てに初めて触れ,「永続的な軍民の活動拠点」となると問題視した。

米軍は南沙(スプラトリー)諸島の海域で示威行動に出た。5月13日に海軍は声明を発表し,沿岸海域戦闘艦「フォートワース」が,中国艦の追尾も受けながらも,南沙諸島周辺で初の偵察活動をしたことを公表した。20日,米軍哨戒機が南沙諸島の岩礁周辺を飛行したが,中国海軍艦船はこれに退去警告を8回発し,米機に同乗したCNN記者が現場から中継した。25日には南沙諸島の永暑礁周辺を米軍のP-8対潜哨戒機が偵察飛行してみせた。

5月29~31日にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)では,カーター国防長官が,中国の岩礁埋め立てを厳しく非難した。その一方でアメリカは中国に対して協調的姿勢もみせ,6月12日にワシントンで陸軍のオディエルノ参謀総長と中国中央軍事委員会の范長龍副主席が会談し,陸軍同士の対話枠組み構築に向けた文書に署名した。23日,閣僚級による米中戦略・経済対話の開幕式でバイデン米副大統領は,中国側に対して国際法に基づいた「責任ある競争関係」を築くべきだと述べた。

8月6日にクアラルンプールで開かれたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議では,ケリー国務長官が南シナ海の緊張緩和に積極的に関与する姿勢を表明し,米中で激しい応酬が交わされた。11日に発表された議長声明では,中国による南シナ海の岩礁埋め立てについて「一部の外相が深刻な懸念を表明したことに留意する」とされた。9月23日に習近平国家主席が訪米し,25日にオバマ大統領とホワイトハウスで会談したが,南シナ海埋め立てに関する議論は平行線をたどった。

米軍はふたたび南沙諸島の海域で示威行動に出た。海軍のイージス駆逐艦が10月26日夜,中国が領有権を主張する南シナ海の南沙諸島の人工島から12カイリ内に入り,「航行の自由」作戦を実施した。これに対して中国外務省は27日,「強烈な不満」を表明し,米軍の艦船を追跡したと発表した。

11月4日にASEAN拡大国防相会議,22日には東アジアサミット(EAS)がクアラルンプールで開催され,いずれもASEANと日米中など18カ国が参加し,南シナ海問題について激論が交わされた。一方で米中での軍事協力も試みられ,11月7日にフロリダ州沖合の大西洋での通信訓練や20日に中国沿岸で合同訓練が実施された。

南シナ海問題と同様,アメリカにとって中国との安全保障上の問題としてサイバー攻撃の問題がある。国防総省は,中国などからのサイバー攻撃からアメリカのコンピューター網を守るための新戦略を4月22日に発表し,シリコンバレーに拠点を置き,軍サイバー部隊を3倍増にするとした。

6月4日,政府人事管理局はコンピューターシステムにハッカー攻撃を受け,政府職員や元職員約400万人の個人情報が流出した可能性があると公表した。これに関して,クラッパー国家情報長官は25日,中国が「主要な容疑者だ」と述べた。また,24日にはルー財務長官が「政府の支援を受けたサイバー攻撃で企業や商業部門から(機密などが)盗まれていることに深い懸念を抱いている」と述べて,中国政府が支援するサイバー攻撃への懸念を表明した。7月9日には政府人事管理局が,新たなサイバー攻撃によりこれまで計2150万人の政府機関職員や契約業者らの経歴情報が盗まれたと発表した。

9月25日にオバマ大統領と習近平国家主席が会談し,サイバー対策に関して「相互の理解」に達し,サイバー問題を協議する専門家グループを創設することとサイバー犯罪対策を協議するハイレベル会合を年内までに開くことで合意した。しかし,合意の実効性にクラッパー国家情報長官は9月29日に懐疑的な見方を示し,アーネスト大統領報道官も10月19日,米中首脳会談での合意後も中国政府系のハッカーがアメリカ企業のコンピューターシステムに侵入を図っていたとして警戒態勢を維持していると発表している。

首脳間の合意よって,12月1~2日にワシントンで行われたサイバー攻撃に関する初の閣僚級対話が開かれた。ここではサイバー犯罪対策に関する指針,ホットラインの設置が決められ,2016年6月に北京で次回会談を開くことが決められた。また,中国側は「米政府へのサイバー攻撃は中国人ハッカーによる犯行」との認識を示した。

東南アジアと南アジア

東南アジアについては,ベトナムとの関係が強化された。6月1日にハノイでカーター国防長官がフン・クアン・タイン国防相と会談し,軍事協力に向けた「共同ビジョン声明」に署名した。7月7日,ベトナムのグエン・フー・チョン書記長はベトナムの最高指導者として初めて訪米し,オバマ大統領と会談するに至った。このほかカーター国防長官は12月7日,ワシントンでシンガポールのン・エンヘン国防相と会談し,防衛協力の拡大で合意した。

南アジアについては,インド,パキスタンそれぞれとの良好な関係が維持された。ケリー国務長官は1月10日からインドを訪問し,投資誘致のための国際会議に経済界の代表団と共に出席した。オバマ大統領は1月25日,ニューデリーでインドのモディ首相と会談し,翌26日に「共和国記念日」の式典に出席した。カーター国防長官は6月3日,モディ首相やパリカル国防相と会談し,2005年に締結された「米印防衛協力枠組み」を10年間延長することで合意した。12月10日,カーター国防長官はワシントンでパリカル国防相と会談し,安全保障協力の強化で一致し,インドが建造する国産空母に技術協力することで合意した。一方でパキスタンに対しても,ケリー国務長官は1月12日,イスラマバードを訪問してシャリーフ首相と会談し,翌13日,アジズ首相顧問と閣僚級戦略対話も行った。

アフガニスタンについては,カーター国防長官が2月21日,アフガニスタンの首都カーブルでガニー大統領と会談し,3月24日,オバマ大統領がホワイトハウスでガニー大統領と会談し,年内はアフガン駐留米軍の駐留規模を維持することで合意した。ガニー大統領は翌25日に連邦議会上下両院合同会議で演説し,西・中央アジアへのIS(「イスラーム国」)の脅威を強調した。10月3日,アフガニスタン北部クンドゥズの国境なき医師団(MSF)の病院を米軍が誤爆し,MSFの職員ら22人が死亡するという惨事が発生した。オバマ大統領は「深い哀悼の意」を即日発表し,7日に謝罪を表明した。15日には,アフガニスタン駐留米軍の2016年末での完全撤退を撤回し,現在の駐留規模を維持する方針が発表された。

2016年の課題

2016年は大統領選挙の年である。民主党本命候補であるクリントンのアジア政策は国務長官時代の成果を見ればある程度想定可能であるが,予備選挙ではリベラルな支持者に寄せてTPP反対に転じている。また,共和党予備選挙でトップに躍り出たトランプはアジア政策も含めて外交政策への理解度に大きな懸念がある。共和党次点のクルーズは保守強硬派である。また,民主党次点のサンダースは「社会主義者」を自任しており,アメリカ経済に大きな変化が生じる可能性がある。内政に関しては議会が大きな権限を有するため,ある程度大統領個人の資質による振れ幅は緩和されるが,外交政策の混乱が懸念される。

2016年に先送りとなったTPPの議会批准に関しては,予備選挙が落ち着く2016年4月,もしくは選挙後まだ現政権・議会が継続しているレームダック期(11月8日~12月末)が念頭におかれているが,難しい場合は2017年度以降という可能性も残る。

(日本国際問題研究所)

重要日誌 アメリカとアジア 2015年
  1月
1日 ワシントンの台北経済文化代表処が「国旗」の掲揚式典を開催。
7日 コミーFBI長官,北朝鮮のソニー・ピクチャーズ社へのサイバー攻撃関与を明言。
12日 ケリー国務長官,パキスタンを訪問,シャリーフ首相と会談。
20日 オバマ大統領,一般教書演説。
25日 オバマ大統領,訪印(〜27日)。ニューデリーでモディ首相と会談。
26日 ラッセル国務次官補,訪問先のバンコクで,インラック前首相の弾劾を批判。
26日 インド訪問中のオバマ大統領,「共和国記念日」の式典に出席。
26日 TPPの首席交渉官会合,ニューヨークで開始。
28日 6者協議の日米韓首席代表者会合,東京で開催。
28日 連邦準備理事会(FRB),連邦公開市場委員会で事実上のゼロ金利政策の継続を決定。
30日 ソン・キム北朝鮮政策特別代表,北京で中国の武大偉朝鮮半島事務特別代表と会談。
  2月
2日 オバマ大統領,2016年度予算教書提出。
2日 国防総省,2016年度国防予算案発表。
4日 ラッセル国務次官補,米朝直接対話再開について言及。
6日 オバマ政権,国家安全保障戦略発表。
6日 中国外交部の洪磊・副報道局長,オバマ大統領が5日にダライ・ラマ14世を「仲の良い友人」と発言したことを批判。
10日 中国独禁法当局,米半導体大手クアルコムに制裁金の支払いを命令。
11日 習近平中国国家主席,オバマ大統領と電話会談。9月訪米を表明。
12日 モナコ米大統領補佐官,「サイバー脅威情報統合センター」創設を発表。
21日 カーター国防長官,アフガニスタン訪問,ガニー大統領と会談。
21日 ライス大統領補佐官,ニューヨークで中国の楊潔篪国務委員と会談。
26日 ヘイニー戦略軍司令官,北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルを開発していると明言。
26日 クラッパー国家情報長官,中国が南シナ海で岩礁埋め立てを加速していると発表。
27日 下院外交委員会,北朝鮮に対する制裁を強化する法案を可決。
27日 シャーマン国務次官,歴史問題が日中韓の協力を妨げていると指摘。
  3月
2日 米韓合同軍事演習「キーリゾルブ」(~13日),野外機動訓練「フォールイーグル」(~4月24日)を開始。
2日 北朝鮮軍,日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射。
2日 『ニューヨークタイムズ』紙,クリントン前国務長官が在任中に個人のメールアカウントを使用したと初報道。
5日 リッパート駐韓大使,ソウル市内で襲撃され,負傷。
5日 台湾の厳徳発参謀総長の訪米が判明。
11日 共和党,クリントン前国務長官の在任中の電子メール記録開示を求めて提訴。
12日 イギリス,アジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明。
15日 政府債務上限を一時的に無効にする法律が期限切れ。債務上限が16日に復活。
17日 ライス大統領補佐官,谷内国家安全保障局長とワシントンで会談。
17日 ラッセル国務次官補,在韓米軍への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)導入を韓国に催促。
17日 独仏伊,中国主導のAIIBへの参加を表明。
22日 アフガニスタンのガニー大統領が訪米(〜25日)。23日,国防総省で演説,ケリー国務長官らと戦略対話。24日,オバマ大統領と会談。25日,上下両院合同会議で演説。
27日 デンプシー統合参謀本部議長,韓国で合同参謀議長,国防相と相次ぎ会談。
30日 ルー財務長官,訪中,李克強首相と会談。
31日 AIIB参加申請期限終了。
  4月
1日 オバマ大統領,サイバー攻撃への対応を強化する新たな大統領令に署名。
6日 リブキン国務次官補,AIIBに関し,現在参加を考えていないと明言。
6日 カーター国防長官,中国の南シナ海での活動を「深く憂慮している」と表明。
9日 カーター国防長官,初訪韓。10日,韓民求国防相と会談。
9日 米軍と中国軍の直通テレビ電話が開通し,デンプシー統合参謀本部議長と房峰輝総参謀長が初会談。
12日 クリントン前国務長官が次期大統領選挙への立候補を正式表明。
15日 ルー財務長官,AIIBへのアメリカの参加について,可能性を排除しないと発言。
16日 ルー財務長官,麻生外相とワシントンで会談。
16日 日米韓3カ国,ワシントンで防衛局長級協議を開催(〜17日)。
20日 米比合同演習「バリカタン」開始。
22日 上院財政委,TPP交渉妥結に必要な大統領貿易促進権限(TPA)法案を可決。23日,下院歳入委も可決。
22日 国防総省,対サイバー攻撃新戦略を発表。
26日 安倍首相,訪米(〜5月3日)。28日,オバマ大統領と会談。29日,上下両院合同会議で演説。
27日 日米,外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開催。
29日 海軍のグリナート作戦部長,中国海軍の呉勝利司令官とテレビ電話で協議。
  5月
8日 国防総省,中国の軍事・安全保障に関する年次報告書を公表。
13日 米海軍,南沙諸島の偵察を公表。
13日 シアー国防次官補,中国の南沙諸島滑走路が2~3年で完成との見通しを示す。
16日 ケリー国務長官,中国と韓国を訪問(〜18日)。中国で王毅外相,習近平国家主席と,韓国で朴槿恵大統領,尹炳世外相と会談。
19日 米司法省,産業スパイなどの罪で中国人技術者ら6人の起訴を発表。
19日 道路交通安全局(NHTSA),タカタ製エアバッグのリコール対象を拡大すると発表。
19日 海兵隊,20カ国以上の同盟国や友好国の部隊幹部らを招いて研修会合を開始。
19日 ローズ国務次官補,THAADへの中国の反発は,米韓同盟を分断するねらいと分析。
21日 ブリンケン国務副長官,テインセイン・ミャンマー大統領とネーピードーで協議。
21日 上院本会議,TPA法案を可決。
24日 TPP交渉参加12カ国による首席交渉官会合,ハワイで開幕(~27日)。
28日 6者協議の米韓首席代表,中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表と相次いで会談。
29日 台湾の蔡英文総統選候補,訪米。
29日 アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ),シンガポールで開幕(〜31日)。
31日 カーター国防長官,ベトナム訪問。1日,フン・クアン・タイン国防相と会談。
  6月
3日 カーター国防長官,インドのモディ首相やパリカル国防相と会談。
4日 政府人事管理局,サイバー攻撃を受け,個人情報が流出した可能性があると公表。
11日 カーター国防長官,国防総省で中国の範長龍・中央軍事委副主席と会談。12日,オディエルノ参謀総長も同副主席と会談。
15日 モニズ・エネルギー長官と尹炳世韓国外相,改定米韓原子力協定に署名。
16日 中国外務省の陸慷報道局長,南シナ海の南沙諸島岩礁埋め立てについて「近く完了する」とする談話を発表。
18日 下院,TPA法案をTAA法案から切り離し,単独で可決。23日,上院も再可決。
20日 モンゴルとの共催による国際合同演習「ハーン・クエスト」,ウランバートル郊外で開始(〜7月1日)。中国軍が初参加。
23日 米中両国の閣僚級による米中戦略・経済対話,ワシントンで開始(〜24日)。
23日 中国国家海洋局,2015年版「中国海洋発展報告」でアメリカのリバランス政策を批判。
29日 オバマ大統領,TPA法案に署名。
  7月
1日 米軍統合参謀本部,軍の運用指針となる国家軍事戦略を発表。
6日 ベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長,訪米(〜10日)。7日,オバマ大統領とワシントンで会談。
6日 人事管理局,サイバー攻撃で新たに2150万人の経歴情報が盗まれたと発表。10日,アーチュレタ局長が辞任。
11日 中国で人権派弁護士や活動家らが一斉に公安当局に連行されたと明らかに。12日,国務省が「深い懸念」を表明。
27日 国務省,世界各国の人身売買や強制労働に関する15年版の年次報告書を発表。
28日 TPP交渉参加12カ国の閣僚会合,ハワイで開幕(〜31日)。31日,合意見送り。
  8月
5日 ケリー国務長官,クアラルンプールで米ASEAN閣僚会議に出席。
6日 ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議,ケリー国務長官出席。11日,ARF閣僚会議が議長声明を発表。
7日 ケリー国務長官,ベトナム訪問。ミン副首相兼外相と会談。
13日 米中人権対話,ワシントン市内の国務省で開幕(〜14日)。
17日 米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」,韓国で開始(~28日)。
20日 国防総省,「アジア太平洋地域の海洋安保戦略」を公表。
20日 カーター国防長官,無人機飛行を増やす方針を表明。
28日 ライス大統領補佐官,訪中(〜29日),習近平国家主席と会談。
  9月
2日 国防総省,中国海軍の艦船によるアラスカ沖ベーリング海航行を確認。
9日 米軍,韓国軍など,生物兵器によるテロを想定した訓練をソウルで実施。
9日 中国の孟建柱中央政法委員会書記が訪米(〜12日)。
19日 日本で集団的自衛権の行使を解禁する安全保障関連法案が成立。30日,公布。
22日 国防総省報道官,中国軍機が15日に黄海上空で米軍機に接近したと発表。
22日 3月に訪中したアメリカ人が,中国当局に拘束されていることが判明。
22日 中国の習近平国家主席,訪米(〜28日)。25日,オバマ大統領と会談。
23日 ケリー国務長官,中国の人権活動家や中国で拘束されている活動家の家族と面会。
26日 TPP交渉参加12カ国による首席交渉官会合,アトランタで開幕(〜10月5日)。
28日 カーター国防長官,ワシントンで岸田文雄外相と会談。
28日 オバマ大統領,ニューヨークでインドのモディ首相と会談。
  10月
3日 米軍機,アフガニスタン北部の国境なき医師団(MSF)の病院を誤爆,オバマ大統領が謝罪表明。
5日 TPP交渉,大筋合意。
7日 ヒラリー・クリントン前国務長官,TPPの大筋合意について不支持を表明。
8日 議会の超党派委員会,2015年版の中国の人権状況に関する年次報告書を発表。
13日 韓国の朴槿恵大統領,訪米(〜16日)。16日,オバマ大統領と会談。
14日 米印海軍共同訓練「マラバール」,インド洋のベンガル湾で開幕。
15日 オバマ大統領,2016年末でアフガニスタン駐留米軍を撤退させる方針を撤回。
15日 カーター国防長官,韓国の韓民求国防相と会談。
26日 海軍のイージス駆逐艦,南沙諸島の人工島から12カイリ内に進入する「航行の自由」作戦を実施。
26日 インドネシアのジョコ大統領,オバマ大統領との会談後,TPPに参加する意向を表明。
26日 政府と議会,2017年3月までの債務上限引き上げと今後2年間の予算案で大筋合意。
27日 カーター国防長官,「航行の自由」作戦を継続する意向を表明。
  11月
1日 ケリー国務長官,ウズベキスタンで中央アジア5カ国の外相と会談。
3日 カーター国防長官,中国の常万全国防相とクアラルンプール近郊で会談。
3日 日米,両政府中枢で構成する「同盟調整グループ」を設け運用開始。
3日 マレーシアでASEAN拡大国防相会議を開催,南シナ海問題などの安全保障について協議(〜4日)。共同宣言見送り。
5日 カーター国防長官,南シナ海を航行中の空母セオドア・ルーズベルトを視察。
7日 米中の海軍,フロリダ州沖合の大西洋で通信訓練を実施。
9日 米韓法相会談開催。
9日 大統領報道官,ミャンマー総選挙で国民民主連盟(NLD)が大勝したことに歓迎の意向を表明。
10日 韓国法務省,全斗煥元大統領一家の財産を返還することでアメリカと合意したと発表。
12日 国防総省,戦略爆撃機が8~9日に南沙諸島の人工島近くを飛行したと発表。
16日 海軍のイージス艦「ステザム」,中国海軍との合同訓練を目的に上海に寄港。
17日 オバマ大統領,マニラでアメリカが供与したフィリピン海軍のフリゲート艦を視察。
18日 国防総省,米中の海軍艦船が中国沿岸で合同訓練を実施すると発表。
18日 マニラでAPEC首脳会議開催(〜19日)。
23日 ASEAN首脳会議,議長声明を発表。
23日 ASEANや日本,中国,アメリカなど計18カ国首脳が参加する東アジアサミット,クアラルンプールで開催。24日,議長声明発表。
  12月
1日 米中,サイバー犯罪対策に関する閣僚級対話の初会合を開催。
7日 カーター国防長官,国防総省でシンガポールのン・エンヘン国防相,会談。
7日 財務省,ミャンマーに対する貿易制裁を一時的に緩和すると発表。
8日 通商代表部(USTR),中国の輸入航空機への付加価値税課税についてWTOに提訴。
10日 カーター国防長官,訪米したインドのパリカル国防相と会談。
16日 国防総省,ミサイルフリゲート艦2隻などの武器の台湾への売却を発表。
16日 連邦議会幹部,IMFについて,中国などの出資比率引き上げを認めることで合意。
16日 FRB,ゼロ金利政策を終了,利上げ決定。
28日 日韓,従軍慰安婦問題解決で合意。
 
© 2016 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
feedback
Top