アジア動向年報
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各国・地域の動向
2017年の香港特別行政区 返還20周年,新長官の就任と新たな政治課題
倉田 徹
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2018 年 2018 巻 p. 155-174

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2017年の香港特別行政区

概 況

2017年は香港返還20年にあたり,政治的に大きな節目となった。2016年12月に梁振英行政長官が再選不出馬を表明し,3月26日の選挙では,中央政府が強く支持する林鄭月娥前政務長官が新行政長官に当選した。各種の民意調査で林鄭月娥を上回る支持率を誇った曽俊華前財政長官は落選し,行政長官の人選が北京の意向に強く左右されることが改めて浮き彫りとなった。

2014年の「雨傘運動」などの近年の活発な抗議活動のなかから台頭してきた新たな政治指導者に対し,政府と裁判所によって厳しい措置がとられた。2016年の2議員に続き,新たに4議員が,就任時の宣誓を正しく行わなかったとして議員資格を剥奪された。「雨傘運動」指導者として世界的に知られた黄之鋒らには,8月に高等法院で一審を覆して実刑とする判決が下った。多数の活動家が収監され,「政治犯」や「権威主義」という言葉も広く論じられる状況となった。行政長官の交代後,独立運動は下火になったものの,依然としてくすぶっている。

経済においては,政府はGDP年率3.5%以上の成長を予測しており,失業率も1998年以来の水準に下がるなど,マクロ指標は好調である。大陸からの資金流入に伴う資産価値の高騰が大きな要因となっており,株価ハンセン指数は一時10年ぶりに3万ポイントを超えた。一方,不動産価格の高騰にはさらに拍車がかかり,相変わらず社会問題化している。

対外関係においては,近年香港問題をめぐる対中批判を抑制してきたイギリスとの関係で問題が発生した。返還をめぐる中英合意が「すでに歴史文書となり,拘束力がない」とする中国の主張に,イギリスが異議を唱えた。また,イギリスの与党幹部を香港が入境拒否し,外交問題に発展した。

域内政治

行政長官選挙,林鄭月娥前政務長官が当選

3月26日,任期満了に伴う行政長官選挙が行われた。現職の梁振英行政長官は,すでに再選を目指さないと表明しており,選挙は新人同士の争いとなった。

とくに有力候補と見られたのは,政府ナンバー2の林鄭月娥政務長官と,ナンバー3の曽俊華財政長官であった。林鄭月娥は梁振英の路線の継承者と見られた一方,曽俊華は梁振英と距離があり,財界に支持者が多数いると同時に,比較的民主派に近いリベラル色を出した。出馬には高官職を辞する必要があり,1月16日,同時に両名の辞職が受理された。

中央政府は2007年,今回2017年の行政長官選挙は普通選挙で行って良いと決定していたが,2014年,普通選挙の候補者を指名委員会で事前に厳しく審査し,民主派は事実上立候補ができない制度を導入することを決定した。これに民主派が激しく反発し,道路を占拠する「雨傘運動」が発生,後に民主派の反対により行政長官普通選挙化の案は廃案となった。このため,今回も前回2012年同様に,親政府派の財界人が多数を占める1200人の委員による選挙となった。

当選の可能性のない民主派は従来の戦術を変更し,民主派単独候補の擁立を避け,他の親政府派候補者のうち,より民主派に近い者を支持する方針をとった。このため,林鄭月娥と曽俊華の間で票が割れた場合,民主派の票が鍵となり,結果を左右できる可能性があると考えられた。しかし,そのような事態は起きなかった。前回選挙では財界票が梁振英と対立候補の唐英年元政務長官の間で割れ,梁振英は辛勝であったが,今回中央政府は早い時期から親政府派の内部分裂回避に動いた。2月初頭,張徳江全人代委員長が香港北隣の深圳を訪ね,そこに香港の親政府派政財界人多数を呼び出して次々に会談した。その際,張徳江は,中央政府が支持する唯一の候補者は林鄭月娥である旨を明確に話したと報じられた。共産党に近い香港紙は,林鄭月娥を称賛する一方,曽俊華の在任中の実績に疑義を呈する記事を連日掲載し,早くから林鄭月娥が有力との雰囲気が醸成された。

立候補には,まず選挙委員150人以上から指名を受けることが必要である。林鄭月娥は親政府派選挙委員579人からの指名を受け,立候補手続きを行った。民主派の325人の選挙委員は,曽俊華と,曽俊華よりもさらにリベラルの立場であった胡国興元高等法院裁判官に指名を与え,両名を本選に進ませた。しかし,民主派が期待した,財界人から曽俊華への指名は40人分しか集まらなかった。この3候補以外に,親政府派の立法会議員である葉劉淑儀が出馬を積極的に目指したが,林鄭月娥に親政府派委員の指名を奪われ,150人を集められず,出馬できなかった。また,民主派では,独自候補を擁立しない方針に反発し,梁国雄立法会議員が出馬を目指したが,同じく指名不足に終わった。

行政長官選挙での曽俊華候補の広告(2017年3月17日,香港・利東駅にて筆者撮影)

こうした経緯から,林鄭月娥の勝利はほぼ確実と見られていたが,多くの世論調査では,曽俊華の支持率が林鄭月娥を上回った。曽俊華はネットや街頭での宣伝活動を積極的に行い,投票日直前の3月24日の集会には警察発表で3500人を集め,「曽俊華現象」とも称される市民の人気を博した。強硬な親北京派の梁振英の在任中,「雨傘運動」や2016年の旺角地区街頭での騒乱など,激しい「政治化」により社会の対立が深刻化した状況に対し,市民がその路線の継承よりも,変化を強く求めたことが反映されている。

しかし,中央政府の明確な林鄭月娥支持の流れのなかで,市民の支持の力は限定的であった。3月26日,林鄭月娥は前回の梁振英の得票689票を上回る,777票で当選を果たした。曽俊華は民主派から多くの票を得たが,財界の支持が伸びず365票に終わった。指名の段階では民主派からも支持を集めた胡国興は,本選では民主派が一斉に曽俊華支持に回ったため,21票にとどまった(選挙の結果は表1のとおり)。

表1  行政長官選挙

(出所) 筆者作成。

習近平国家主席,返還20周年式典のため香港訪問

返還20周年関連行事と,林鄭月娥新行政長官ほか高官の就任宣誓式への出席のため,習近平国家主席が6月29日から7月1日まで香港を訪問した。国家副主席時代の2008年以来9年ぶりで,国家主席就任後初めての訪問であった。

香港到着直後の香港の行政・立法・司法の長との会見において,習近平は梁振英行政長官が,在任中一連の重大な政治・司法の問題を穏当に処理し,香港独立勢力に有効な打撃を与え,社会の大局の安定を維持したと称賛した。梁振英は3月13日には全国政協副主席に選ばれており,国家指導者に名を連ねた。強硬姿勢で激しい抗議活動などを招き,香港では低い支持率が続いた梁振英を,中央政府は高く評価しているという溝が浮き彫りとなった。習近平は,香港故宮文化博物館建設の協力協議署名式への参加,解放軍香港基地の視察,青少年の警察支援組織の訪問,香港珠海マカオ大橋建設現場の見学と,中国大陸と香港の関係強化を象徴する場所や,治安部門や若者に関連する組織を訪問し,「雨傘運動」で表面化した,若者の「中国離れ」や過激化への問題意識をのぞかせた。

7月1日の高官就任式典の後,習近平は30分にわたる講話を行った。習近平は,断固として,変わることなく,動揺することなく,全面的・正確に「一国二制度」の香港での実践が変形しないことを確保すると述べた。この発言は,一方で香港内部や諸外国における「一国二制度」の形骸化が進んでいるとの議論に反論すると同時に,他方で近年北京が問題視している香港独立の主張などの,「一国」をないがしろにする行為を許さないことを宣言したものである。

続いて習近平は,「一国二制度」の実践が新たな状況・問題に直面していると指摘し,国家の主権・安全・発展の利益を守る制度の不備,国家の歴史・民族文化に関する教育の弱さ,政治問題についての社会の共通認識の欠如といった具体的な問題を次々と指摘した。2003年に「国家安全条例」の立法,2012年に「愛国教育」の導入,そして2015年に行政長官の普通選挙案が,いずれも大規模なデモの末に失敗に終わったことを,中央政府が強く問題視していることを示した。習近平は「一国が根本である」と述べ,「二制度」よりも「一国」が優先されることを明確にしたうえで,「国家の主権と安全に危害を加えたり,中央の権力と香港基本法の権威に挑戦したり,香港を利用して大陸に対して浸透・破壊活動を行ったりするあらゆる行為は,いずれも限度を超えるもので,絶対に許すことはできない」と述べ,香港独立の動きに対する強い警告を発した。

また,香港経済についても,従来の香港経済の優位性が弱まっている一方,新しい経済成長の源がいまだになく,住宅等の市民生活の問題が際立っていると言及した。習近平は「皆が必ずチャンスを大事にし,主要な精力を建設と発展に集中せねばならない」「政治化の渦に陥り,人為的に対立・対抗を作り出せば,経済と社会の発展を著しく阻害する」と述べた。大陸の経済成長の一方,相対的に成長力が落ちている香港経済について,習近平は香港が危機感を持ち,政治問題に拘泥せず経済を重視するよう求めた。

なお,返還20周年イベントの一環として,中国軍の空母「遼寧号」が7月7日から11日まで初めて香港に寄港し,市民2000人に開放された。甲板でのパーティーには親政府派立法会議員のみが招待された。大陸紙『環球時報』は社説で,これを香港の一部世論が武力による示威行動と見なしたことを,植民地の残滓であると批判した。

立法会議員の就任宣誓問題,新たに4議員が議員資格無効に

2016年の立法会議員選挙で当選した民主派・自決派・本土派の一部議員が,就任宣誓の際,民主化要求の言葉を付け加えたり,発音や読む速度をわざとおかしくしたりするなどして,規定通りに文言を読まなかったことを理由に,議員資格は無効として政府に訴えられていた。7月14日,高等法院は,羅冠聡・姚松炎・劉小麗・梁国雄の4人に対し,立法会議員資格無効の判決を下した。すでに2016年11月に資格無効の判決が下っていた梁頌恒・游蕙禎の2人については,8月25日,終審法院が上訴を棄却し,判決が確定した。こうして,政府が宣誓無効を訴えた6議員全員について,政府勝訴,資格無効の判決が下った。世論には宣誓を真面目に行わなかった議員への批判の声も強いが,民主的に選ばれた議員の資格を,行政府が司法に訴えて無効化する方法に,司法界からは政府の職権濫用の批判もある。

これによって立法会内での勢力分布が変化し,普通選挙枠で選出された議員についても,返還後初めて親政府派が過半数となった。これによって親政府派の議員提案の可決が可能となったため,12月15日,議事規則の改定が行われ,民主派が近年激化させてきた審議の引き延ばしを困難にする措置がとられた。これも,民主主義の後退との批判と,審議の効率化が進むとの評価に世論は分かれた。

「雨傘運動」等の街頭抗議活動関係者に次々と厳しい判決

3月17日,2016年2月の旺角地区街頭での騒乱に関与して暴動罪に問われた者に対する初めての判決が下り,香港大学生など3人の被告に禁錮3年の刑が言い渡された。

8月15日には,2014年6月に新界の開発計画に反対して立法会に突入し,違法集会罪に問われた民主派政党員など13人の被告に対し,高等法院はそれぞれ80~150時間の社会奉仕を命じた一審の判決を覆し,12人に13カ月,1人に8カ月の禁錮刑を言い渡した。続く17日には,高等法院は「雨傘運動」のきっかけとなった2014年9月26日の政府前広場への突入事件を起こした学生指導者3人について,同様に一審での社会奉仕令や執行猶予付きの判決を覆して,当時「学民思潮」召集人を務めていた黄之鋒に6カ月,「学連」秘書長であった周永康に7カ月,「学連」常務委員であった羅冠聡に8カ月の禁錮刑を言い渡した。

相次いで出されたこの2つの判決はいずれも,楊振権高等法院上訴法廷副法廷長によって出された。一審においては,裁判官は2つの事件の被告の違法性を認めつつも,若者が社会運動の結果として起こした違法行為に対し,その動機を評価して比較的軽い判決としたが,楊振権は一審判決が「犯罪の抑止」を考慮しなかったことは誤っていたと指摘して刑を加えた。しかし,同じ事件に対して,新しい証拠が特にないなかで,大幅に厳しい判決が出たことで,社会ではさまざまな議論がなされた。法律界からは,通常民主派に近い立場の法廷弁護士の団体である大律師公会と,親政府派の事務弁護士の団体である香港律師会が,これらの判決は法理に基づいたものであり,政治的な要素の影響は見られないと,異例の共同声明を行って判決を擁護した。他方,アメリカの『ウォールストリート・ジャーナル』は社説において,中国は香港の民主活動家を投獄することを香港の裁判官に強要したと非難した。8月20日,民主派はこれらの活動家を支援する「政治的迫害抗議デモ」を開催し,警察発表で2万2000人の参加者を集めた。

他方,2月17日には,「雨傘運動」期間中に活動家の曽健超を物陰に連行して集団暴行を加えた7人の警察官全員に対し,傷害罪で禁錮2年の判決が下った。これには警察官の間で不満が生じ,2月22日には警察官が異例の抗議集会を開催し,主催者側発表で3万8000人が参加する,警察官の集会として史上最大規模のものとなった。近年多発する,過激化した集会の取り締まりに苦慮する警察官への配慮を求める声も市民の間にはある。

各大学内に香港独立を主張する掲示物が出現

2016年に若者を中心に盛り上がった香港独立の主張はいくぶん鎮静化した。香港中文大学が行った世論調査で,15~24歳の者のうち,香港独立を支持すると述べた者は,2016年7月の39.2%から,2017年5~6月には14.8%まで低下した。活動家に対する厳しい判決が続いたことなどから,運動が下火になっていることが一因と分析された。林鄭月娥行政長官は,香港独立はごくわずかな者による非現実的な主張にすぎず,香港独立の思潮は存在しないと述べた。

しかし,新学年初日の9月4日,香港中文大学のキャンパス内各所に,「香港独立」の4文字を大書した横断幕や,関連するポスターが掲示された。この動きは他の大学にも伝播し,香港独立をめぐる論争が再燃した。大陸出身の留学生がこれらの掲示物を破るなどすると,大陸メディアはこれを正義の行いと称賛した。親政府派立法会議員は教育局に対して,独立を主張する掲示物を大学が取り締まるよう求める連署状を提出し,15日には10大学の学長が共同で,香港独立を支持しないとする声明文を発表した。19日,林鄭月娥行政長官も,掲示物撤去を支持すると表明した。これらについては,言論や学術の自由に対する圧力として批判する声もあがったが,結局,21日に中文大学学生会が自主的に掲示物を撤去し,事態は沈静化した。

経 済

2017年の香港経済概況

2017年の香港経済は実質成長率3.5%以上が予想され,近年では好調な一年となった。なかでも株価は,ハンセン指数は2016年末の2万2000.56ポイントからほぼ右肩上がりに上昇を続け,11月には10年ぶりに3万ポイントを突破し,その後も上昇を続けた。けん引役となったのは,テンセントに代表される大陸のIT企業関連株と,大陸の不動産業者の関連株である。年末には失業率も約20年ぶりに3%を切った。

11月には小売りの成長率が前年同月比で7.5%と,4年ぶり(旧正月の影響を受ける月を除く)の高い伸び率を示した。宝飾品・時計・化粧品などが好調で,百貨店の売り上げも大きく伸びている。これは明らかに中国大陸からの観光客の影響と考えられる。大陸から香港への訪問客数は,2014年のピーク以来,規制強化もあって2年連続で減少したが,2017年は再び増加に転じ,前年比3.9%増の,延べ4445万人となった。観光客の流入は景気へのメリットが大きい一方,近年さまざまな社会問題の原因ともなっており,とくに店舗の賃料が再び大きく上昇することを懸念する声もある。

不動産価格の高騰,大陸の不動産業者の積極進出

社会問題化している不動産価格の暴騰には2017年も歯止めがかからなかった。ここ数年の印紙税増税などの措置の継続に加え,政府は住宅ローン規制の強化などの不動産価格抑制策を導入したが,不動産価格は年間を通じて上昇を続け,民間住宅価格指数は,年末には1999年の3.5倍近くにまで高騰した。

とくに上半期には,中国資本が香港政府の土地競売で,破格の高額での落札を繰り返して話題となった。中国大陸の不動産市場と比較してリスクが少ないとされる香港に資金が流入したと分析されている。

林鄭月娥は施政方針演説で,中所得層を主たる対象に,買い手を香港市民に限定した比較的安価な分譲用の公共住宅を建設することを提案した。一方,林鄭月娥は,今後政府がより低所得層向けの賃貸型公共住宅から,こうした分譲型住宅の建設に重点を移すとの発言を行い,住宅購入が困難な低所得者を軽視しているとの批判も受けた。

11月にはIMFの調査団が報告を発表し,香港の不動産価格の高騰が悪化していることの危険性を指摘し,政府所有地の住宅地転用を急ぎ,供給を増やすべきであると提言している。

中国の経済圏構想への参加:「一帯一路」と「粤港澳大湾区」

李克強総理は3月5日,全人代で発表した政府工作報告において,広州・深圳などの広東省珠江デルタ地域9都市と,香港・マカオの両特別行政区を一つの経済圏として統合してゆく「粤港澳大湾区都市群発展計画」の研究・制定に言及した。これは2009年以降広東省で提唱されてきた構想であるが,今回国家レベルで承認されたことになる。「大湾区」の経済規模は,人口6000万人,GDP6兆元と,欧州の中規模国家を上回る。モデルはニューヨーク・ロサンゼルス・東京などの湾岸大都市群である。

この地域では,各種インフラが都市ごとに競って開発され,乱立気味になっており,「悪性の競争」が発生してきたとされる。とくに港湾においては,香港はかつてコンテナ取扱量世界一を誇ったが,近年は深圳に大きく水をあけられている。かつての地域経済協力においては,香港との競争を回避することを大陸の都市が求められることが多かったが,「大湾区」構想では,香港も港湾業など,大陸と比べて優位性のない産業を放棄するよう求められる。梁振英行政長官は,香港は金融と専門的サービス業で「大湾区」に貢献すると述べている。

1月18日に梁振英は任期中最後の施政方針演説で,香港は「一帯一路」関係国を対象とした専門的サービス業や,研修などの業務を提供できると述べた。また,関係国に対するビザの緩和や奨学金の提供なども提案した。3月23日には,香港はカナダなど12カ国とともに,アジアインフラ投資銀行(AIIB)への加盟が承認された。香港政府の計画では,最初の5年で総額12億香港ドルをAIIBに投資するとしている。

林鄭月娥行政長官は就任後,梁振英が設けた「一帯一路弁公室」を商務・経済発展局に組み込み,「大湾区」については政制・内地事務局が担当するとした。国際協力と区域経済融合の深化のそれぞれについて,国家計画への参加の方向性が打ち出された。

香港・ASEAN間FTA・投資協定の締結

11月12日,香港とASEANは,両者間でFTAと投資協定を締結したと発表した。2019年発効を目指す。中国とASEANの間ではすでにFTAが発効しており,香港政府は当初その枠組みへの参加を希望したが,ASEANは香港との間では別個のFTAを結ぶよう求め,両者間で2014年から交渉が続けられていた。

締結国は香港との間の関税を引き下げ,このうちシンガポールは香港からの輸入関税をゼロにする。また,ASEAN各国は香港のサービス業の進出規制を緩和する。邱騰華商務・経済発展局長は,現在香港からASEAN域内への輸出品にかかる年間総額5億7000万香港ドルの関税が徐々に引き下げられると効果を強調した。

投資協定締結により,「一帯一路」戦略によって対外進出を強めている大陸の企業が,香港を経由して東南アジアに投資することも容易になると考えられる。

対外関係

シンガポール軍装甲車差し押さえ問題の決着

2016年11月,台湾での訓練後にシンガポールに戻る途中のシンガポール軍装甲車9台が,香港で税関当局に差し押さえられる問題が発生したが,1月24日,香港税関はこの装甲車について,捜査を終えたとしてシンガポールに返還し,同日装甲車はシンガポールに向けて香港を出発した。

シンガポールのウン・エンヘン国防相は1月9日,リー・シェンロン首相が梁振英行政長官に対し,装甲車が国家の所有物であり,国際法上免責特権で守られていることを主張し,返還を求める書簡を送ったと国会で明らかにしていた。一方,中国外交部は,「一つの中国」原則を守ることが中国と外交関係を発展させる絶対条件と述べるなど,台湾での訓練に対する不満を暗示していた。

台湾立法委員が「台湾国会関注香港民主連線」を結成

台湾の時代力量と民進党に所属する18人の立法委員が6月12日,「台湾国会関注香港民主連線」を結成すると発表した。発起人は時代力量の黄国昌立法委員であり,アメリカ議会中国委員会を模して公聴会を開催することなどを提案した。民進党の立法委員からは,香港マカオ関係条例の修正によって政治的庇護を香港人に与えることも提案された。台湾で行われた結成の会見には,羅冠聡・朱凱廸・陳志全の3人の急進民主派・自決派立法会議員や,黄之鋒香港衆志秘書長・周永康元学連秘書長など,「雨傘運動」関係者多数が出席して支持を表明した。

中央政府はこれに反発し,馬暁光国務院台湾弁公室報道官は6月14日の会見で,台湾独立と香港独立の勢力が連繋して香港内政に干渉することに反対すると述べた。6月15日には,立法会主席を除く,香港の全親政府派立法会議員39人全員が共同声明を発表し,「台湾独立と香港独立が結託して『一国二制度』を脅かし,国家の統一を破壊する」と非難した。これに対し,周永康と黄之鋒は,民主化運動の国際的連携は非常に重要であり,中国・台湾・香港で協力すべきと主張した。

台湾の民進党や時代力量の関係者に対する入境拒否は近年すでに頻発していたが,12月16日,学生団体「学連」は,主催する香港政治のシンポジウムに出席を予定していた台湾の学者,呉叡人・呉介民の両名が香港入境ビザの発給を拒否されたと発表した。両名は政府関係者ではなく,政党にも属さないが,呉叡人は梁振英前行政長官から激しく批判された香港独立派の書籍『香港民族論』に寄稿し,呉介民は積極的に学生運動に参加していた。

中英共同声明の有効性をめぐる論争

返還20周年を前に,ジョンソン英外相は6月29日,イギリスは香港がさらに民主的になることを望む,香港返還を決めた1984年の「中英共同声明」での香港に対する約束は返還前と同様にしっかりと守ってゆく,高度の自治・法の支配・司法の独立・自由は香港の成功の重点であるなどとする声明を発表した。

これに対し,中国外務省の陸慷報道官は30日,香港問題は中国の内政である,中英共同声明は中国の主権行使の回復等についての規定であり,20年を経て共同声明はすでに歴史となっており,何ら現実的な意味を有さない,中央政府の香港に対する管理に対して中英共同声明は一切拘束力を持たない,イギリスは返還後の香港に対して主権・統治権・監督権を持たないと認識すべきであると反論した。イギリス外務省は即座に反論し,共同声明は国連に登録された法的拘束力ある条約であり,締約国の一つとしてイギリスはその執行を監督すると述べた。

10月11日には,イギリス保守党人権委員会のロジャース副委員長が香港への入国を拒否された。ロジャースは元香港紙記者で,香港訪問時に獄中の黄之鋒ら若い政治活動家に面会する可能性が疑われたとも報じられた。ロジャースは,中国の駐イギリス大使館が香港政府入境処に指示して入国拒否させたと非難した。イギリス政府は駐ロンドンの中国大使を呼び出して抗議した。イギリスのメイ首相は19日,すでにイギリス外務省がさまざまなルートでこの問題を中国政府・香港政府に提起しており,「一国二制度」が引き続き実行されることを希望すると議会で発言した。

2018年の課題

2017年7月1日の返還20周年式典で,習近平国家主席は愛国教育の強化や国家の安全の保護を求めた。これらの問題に林鄭月娥は任期中に回答することを求められる。

林鄭月娥は新長官就任後,当面は「雰囲気作り」と称し,民主化問題や愛国教育,国家安全条例の制定などの政治問題の処理を回避してきた。しかし,これはいわば問題の先送りでもある。愛国教育と国家安全立法は過去に巨大な抗議活動を引き起こした問題であり,本格的にこれらの習近平の「宿題」の処理を開始すれば,政治論争の白熱化は避けがたい。

このほかにも,中国大陸と香港を結ぶ高速鉄道の建設問題や,国歌法の香港域内立法など,中港関係に関わる具体的な多くの問題の処理が迫られている。就任直後の「蜜月期」と言われる高い支持率を長く続けることは難しく,世論の目も徐々に厳しくなると考えられるなか,これらの難題の処理を誤ると,沈静に向かっているように見える「香港独立」問題を再燃させる可能性もある。

2018年に予定されている政治日程でもっとも重要なものは,立法会の補欠選挙である。議員資格剥奪によって大きな打撃を受けた,急進的な政治勢力に属する若者たちや民主派は失地回復を目指しており,失った6議席をどれだけ回復できるかが注目される。

経済面では,相変わらず不動産の暴騰が深刻な社会問題であるが,IMFの報告書でもバブル懸念が指摘されており,逆に暴落が発生した場合には深刻な経済問題を引き起こすため,難しい対応を迫られる。また,隣接する深圳などの成長が著しいなか,「粤港澳大湾区」構想によって,ハイテクなどの分野の成長を導けるかも課題である。

対外的には,2017年にはAIIBへの加盟やASEANとのFTA・投資協定が実現した。香港は「一帯一路」戦略の一つの拠点として位置づけられており,経済面での国際センターとしての地位向上が期待される。

(立教大学法学部教授)

重要日誌 香港特別行政区 2017年
   1月
1日民主派は「元旦大デモ」を開催,4立法会議員の議員剥奪反対を訴える。主催者側発表9150人,警察発表4800人が参加,2010年以降の民主派元旦大デモでは最低。
9日地下鉄香港駅の通路での故宮の展示物前で,民主派が天安門事件に関する抗議活動を実施。
16日国務院は林鄭月娥政務長官と曽俊華財政長官の辞職を同時に受理。林鄭月娥は行政長官選挙への出馬を表明。
16日国務院は政務長官に張建宗労工・福利局長,財政長官に陳茂波発展局長を任命。
18日梁振英行政長官が施政方針演説。
19日曽俊華前財政長官が行政長官選挙に出馬表明。
24日台湾での訓練からの帰還途中に香港税関で差し押さえられていたシンガポール軍装甲車の帰還が認められる。
30日中国大陸の資本家・肖建華が住居としていた香港島のホテルから失踪と報道。
   2月
7日張徳江全人代委員長が行政長官選挙について,林鄭月娥前政務長官が中央政府が支持する唯一の候補者と発言と報道。
16日米ヘリテージ財団の世界の経済の自由度ランキングで香港が23年連続世界一。
17日2014年の「雨傘運動」当時,民主派の曽健超に集団暴行した7人の警察官全員に禁錮2年の判決。
21日HSBCホールディングスが決算発表,税引前利益71.12億ドル,前年比62%減。
22日「雨傘運動」当時,暴行した警官7人への実刑判決に抗議し,現職・退職警官が抗議集会を開催。主催者側発表3.8万人参加。
22日陳茂波財政長官は財政予算案を発表,2016/17年度の財政黒字は928億香港ドル,返還以来2番目の多さに。
24日イギリス政府は2016年下半期香港報告書を発表。立法会議員の宣誓問題,報道の自由の問題に国際社会が関心と指摘。
25日曽俊華前財政長官は行政長官選挙に出馬手続きを行う。
27日胡国興元高等法院裁判官は行政長官選挙に出馬手続きを行う。
28日林鄭月娥前政務長官は579人の指名を獲得して行政長官選挙に出馬手続き。
   3月
5日李克強総理は全人代で政府工作報告を発表,「香港独立に活路はない,台湾独立を食い止める」と言及。総理が政府の公式報告に香港独立や台湾独立を入れたのは初めて。
5日李克強総理は政府工作報告で広東省・香港・マカオの経済協力強化を目指す「粤港澳大湾区」構想に言及。
13日梁振英行政長官が全国政協副主席に選出される。
17日2016年旧正月の旺角騒乱に関与し暴動罪に問われた3人に禁錮3年の判決。
23日香港はカナダなど12カ国とともにAIIBへの加盟を認められる。
26日行政長官選挙,林鄭月娥前政務長官が777票を獲得して当選。曽俊華前財政長官は365票,胡国興元高等法院裁判官は21票。
27日2014年の「セントラル占拠行動」発起人ほか9人が公衆妨害罪・公衆妨害扇動罪などで起訴される。
   4月
10日本土派政治団体・熱血公民所属の鄭松泰立法会議員が国旗侮辱罪・特別行政区旗侮辱罪での起訴を通告される。
14日民主派を含む18人の立法会議員による視察団が広東省を訪問。
   5月
1日インドネシアのジョコ大統領が香港を訪問。
3日アメリカ議会が香港返還20周年の公聴会を開催。
19日金融管理局,不動産価格の高騰抑制を目的とした不動産ローンの貸出条件を厳しくする新しい政策を発表。
22日キャセイ航空が香港本社の600人規模のリストラを発表。CEOの朱国樑を解雇。
27日北京で香港基本法施行20周年記念シンポジウムが開催。張徳江全人代委員長が,香港の法律の審査権,選挙制度改革の決定権,中央政府の行政長官に対する指令発出権などを,今後詳細に規定すると述べる。
   6月
4日天安門事件追悼集会が開催,主催者側発表で11万人,警察発表で1.8万人参加。過去9年で最少。
8日梁振英行政長官の汚職疑惑に関する弾劾動議が否決される。
12日台湾の政党・時代力量と民進党の18人の立法委員が「台湾国会関注香港民主連線」を結成。
15日39人の親政府派立法会議員が「台湾国会関注香港民主連線」を非難する共同声明を発表。
21日国務院は,7月1日に就任する長官・局長など21人の主要高官の任命を発表。
28日習近平国家主席の来訪に合わせて香港衆志・社民連のメンバーが返還記念の金紫荊広場を占領,排除される。公衆妨害罪で26人逮捕。
29日習近平国家主席が香港を訪問。
30日中国外務省,中英共同声明は歴史的文書であり,もう法的効力を持たないと声明。
   7月
1日習近平国家主席が林鄭月娥行政長官ほか香港政府高官の就任宣誓を受け,講話を発表。国家の安全に危害を与えることは絶対に許さないと発言,愛国教育強化を要求。
1日民主派は返還記念日デモを開催,主催者の民間人権陣線は6万人以上参加,警察は最高で1.45万人参加と発表。
5日林鄭月娥行政長官,就任後初めて立法会に出席。
7日人民解放軍の空母「遼寧号」が初の香港訪問(~11日),市民の見学に開放(8~9日)。
14日高等法院は羅冠聡・姚松炎・劉小麗・梁国雄の4立法会議員が2016年10月の就任時に正しく宣誓しなかったとして議員資格無効とする判決。
15日民主派は劉暁波追悼デモを開催,警察発表で最高2500人参加。
23日新界郷議局主席を35年間務めた元行政会議メンバー・劉皇発が死去。
   8月
10日元行政会議メンバー・香港商品交易所主席の張震遠が詐欺罪で逮捕される。
15日高等法院は2014年6月に新界東北部の開発プロジェクトに反対して立法会に突入した民主派政党員など13人の被告に対して禁錮8~13カ月の判決。
16日キャセイ航空は上半期決算で20.5億香港ドルの赤字。
17日高等法院は2014年9月26日に「雨傘運動」のきっかけとなる政府前広場への突入事件を起こした学民思潮の黄之鋒に6カ月,「学連」元秘書長の周永康に7カ月,学連常務委員の羅冠聡に8カ月の禁錮刑を言い渡す。
20日民主派は15・17日に禁錮刑を言い渡された活動家を支援する「政治的迫害抗議デモ」を開催。警察発表2.2万人参加。
21日空港高速道路の新料金所の運用開始で大渋滞が発生。
22日元中央政府駐香港連絡弁公室副主任の李剛が規律違反で国務院僑務弁公室副主任の職を解かれ退職へ。
24日マーク・フィールド英外務省閣外大臣が香港で林鄭月娥行政長官と会談。
25日終審法院は2016年10月の就任時に正しく宣誓しなかったとして議員資格無効とされた青年新政の梁頌恒・游蕙禎の両議員の上訴の申請を棄却,判決が確定。
30日アパレルメーカー・上海灘の創業者である鄧永鏘が死去。
   9月
5日中文大学当局は同大学学生会に対し,学内に掲示された香港独立を主張する横断幕の撤去を求める。
11日39人の親政府派立法会議員が楊潤雄教育局長に対し,多くの大学に出現した「香港独立」の横断幕の取り締まりを要求。
14日イギリス政府は2017年上期の香港報告書を公表,前文で「一国二制度がますます大きな圧力に晒されている」と指摘。
17日何君尭立法会議員は2014年の「セントラル占拠行動」を提唱した香港大学の戴耀廷副教授の解雇を求める集会を開催,来賓が「香港独立を主張する者は殺せ」と叫ぶ。
22日国務院は国務院香港マカオ弁公室主任に中央政府駐香港連絡弁公室主任の張暁明が,中央政府駐香港連絡弁公室主任に中央政府駐マカオ連絡弁公室主任の王志民が就任する人事を発表。
22日スタンダード&プアーズが21日に中国を格下げしたのに続き,香港の格付けもAAに引き下げ。
   10月
1日民主派政党などは「権威主義反対デモ」を開催,主催者側発表4万人,警察発表4300人参加。
11日林鄭月娥行政長官は就任後初の施政方針演説を発表。住宅政策,IT振興,法人税減税,教育政策など,100億香港ドル以上の新たなプロジェクトを提案。
11日イギリス保守党人権委員会のロジャース副委員長が香港に入境拒否される。
16日イギリス,アメリカなどの弁護士らが政府前広場への突入事件の被告3人への実刑判決に疑義を唱える公開書簡を発表。
18日第19期共産党大会が開幕。習近平国家主席は報告において「憲法と基本法が賦与した中央政府の香港・マカオに対する全面的管治権をしっかりと把握する」と発言。
   11月
4日全人代常務委員会は国歌法を香港基本法付属文書3の香港に適用する全国法リストに加えることを可決。
10日ベトナム・ダナンでAPEC開催,出席した習近平国家主席は慣例となっていた香港行政長官との単独会談を行わず。
12日香港・ASEAN間のFTAと投資協定が締結される。
18日何志平元民政事務局長がウガンダ政府高官への贈賄の容疑で,ニューヨークで逮捕される。
22日ハンセン指数が10年ぶりに3万ポイントを突破。
28日シンガポール警察は黄之鋒香港衆志秘書長を非公開会議にSkypeで出席させようとした社会運動家を起訴。
   12月
6日ハンセン指数が618ポイントの大幅下落。2016年11月のアメリカ大統領選挙以来最大の下げ幅。
15日立法会で議事規則改定案が可決される。立法会主席の権限を拡大し,民主派立法会議員の審議引き延ばしの手段を減らす。
16日学生団体「学連」は,主催する香港政治のシンポジウムに出席を予定していた台湾の学者,呉叡人・呉介民の両名が香港入境ビザの発給を拒否されたと発表。
19日全人代香港地区代表の選挙が行われ,36人を選出。
27日全人代常務委員会は広州香港間高速鉄道の西九龍駅で大陸への出入境手続きを行う「一地両検」の方法案を批准。

参考資料 香港特別行政区 2017年
①  香港特別行政区政府機構図(2017年12月末現在)

(注)1)二重線で囲んだものは,中央政府およびその出先機関。

   2)3司長および13局長は,行政会議の官職議員である。

   3)3司長13局長のほか,廉政専員(廉政公署長官),審計署署長,警務処処長(警察長官),入境事務処処長,海関(税関)関長は,行政長官が指名し,国務院が任命する。

(出所)「香港特別行政区政府機構図」(http://www.gov.hk/tc/about/govdirectory/govchart/)。

    香港特別行政区司法機構(http://www.judiciary.hk/tc/organization/courtchart.htm)。

②  香港政府高官名簿(2017年12月末現在)

(注)女性。

③  司法機構・立法会

(注)1)梁頌恒・游蕙禎・梁国雄・羅冠聡・劉小麗・姚松炎の6議員は,当選後裁判で議員資格取り消しとされた。

   女性。

④  その他

(注)女性。

主要統計 香港特別行政区 2017年
1 基礎統計

(注)人口は年央,失業率は季節末調整値,為替レートは年平均値。

(出所)香港特別行政区政府統計處『香港統計月刊』各年1月,4月版。

2 支出別区内総生産(実質価格:2015年基準)

(注)2016,2017年は暫定値。

(出所)表1に同じ。

3 産業別区内総生産(実質価格:2015年基準)

(注)2016,2017年は暫定値。

(出所)表1に同じ。

4 国・地域別貿易

(出所)香港特別行政区政府統計處『香港統計月刊』2018年4月版および『香港對外商品貿易』2016年12月版。

5 国際収支

(注)2016,2017年は暫定値。

(出所)表1に同じ。

6 政府財政

(注)財政年度は4月1日~3月31日。

(出所)表1に同じ。

 
© 2018 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
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