2020 年 2020 巻 p. 55-76
2019年の朝鮮民主主義人民共和国(本章では以下「朝鮮」と略し,南北関係については「北側」とする)では,金正恩が党,国家機関,軍隊の最高位にあることは変わりがないが,新たに外交上の国家元首の地位も備えるようになった。また,金在龍が新たに内閣総理に就き,党の機関でも大幅な人事異動が行われた。
南北関係については,南側が開城工業地区や金剛山観光地区の事業再開に関する提案に対して具体的な動きを見せず,韓米合同軍事演習も再開したことから,北側は南側に対して戦術ミサイルや放射砲,潜水艦発射弾道ミサイルの試験発射などによる圧力をかけるようになった。
経済については,一応の経済成長と食糧事情の改善などで消費が向上する動きが続いているとみられ,元山や陽徳の観光地区,三池淵の開発が進んでいる。
対外関係については,2度のアメリカとの首脳会談が実現して首脳間の「良い関係」と対話を継続する意思を確認したものの,関係改善の具体的な成果はなかった。そのため,朝鮮は核・ミサイル開発関連の動きをちらつかせることでアメリカに圧力をかけるようになった。一方で,中国,ロシアとの関係は強化され,両国ともに国連安全保障理事会の対朝鮮経済制裁の緩和を主張するようになった。
朝鮮においては,金正恩が朝鮮労働党では2012年4月11日以来,中央委員会第1秘書(2016年5月9日に党委員長に改称)として,国家機関では2012年4月13日以来,国防委員会第1委員長(2016年6月26日に国務委員会委員長に改称)として,軍隊では2011年12月30日以来,人民軍最高司令官として最高の地位にある。うち,国家機関の職責は日本の国会に相当する最高人民会議で決定される。
2019年は最高人民会議第13期が5年の任期を迎え,代議員選挙の年であった。3月10日に第14期代議員選挙が実施され,12日に選挙結果と代議員名簿が発表された。最高人民会議の選挙は687選挙区に各1人の候補者が立ち,有権者はその候補者に対して賛成または反対の票を投じるという形式で実施された。今回の選挙結果は有権者の99.99%が参加,参加者の100%が賛成投票をしたと発表された。この選挙結果は従来のものとほとんど同じである。ただし,これまでの選挙と違い,最高指導者の金正恩の名前が代議員名簿になかった。金正恩が代議員にならなかった理由について公式的な説明はなされていない。
最高人民会議第14期第1次会議は4月11~12日に開催され,11日に金正恩は引き続き国務委員会委員長に「推戴」された。さらに8月29日に最高人民会議第14期第2次会議が開催され,憲法が改正された。そこでは,国務委員会委員長の地位に関して,「全朝鮮人民の総意にしたがい最高人民会議で選出され,最高人民会議の代議員としては選出されない」という条文が新たに定められ,また,国務委員会委員長の任務と権限について「最高人民会議の法令,国務委員会の重要政令と決定を公布する」「外国に駐在する外交代表を任命または召喚する」という項目が追加された。とくに,外交代表の任命に関する権限は従来は最高人民会議常任委員会委員長のものであり,朝鮮の外交上の国家元首はこれまで最高人民会議常任委員会委員長であったが,この改正により,国務委員会委員長である金正恩は外交上の国家元首という形式も備えることになった。ただし,金正恩はすでに最高指導者として外交に関する実質的な権限を持っており,憲法改正はそのことに何ら変化をもたらすものではない。
このほか内閣総理が朴鳳柱から金在龍に交代した。金在龍の前職は慈江道党委員長であり,機械工場をはじめとする重工業の施設が集中する慈江道は「自力更生」のモデルとされる地域である。金在龍は重工業に優先的な投資を進める経済開発の象徴として総理に選ばれたようである。
総理を退いた朴鳳柱はその前日の4月10日に開かれた党中央委員会第7期第4次全員会議で党副委員長に選出され,最高人民会議第14期第1次会議で国務委員会副委員長に選出された。
内閣総理の交代とともに,最高人民会議第14期第1次会議では,憲法で「国家主権の最高政策的指導機関」とされる国務委員会について,そのメンバーが選出された。
これまで国務委員会は副委員長が2人置かれ,党組織指導部長の崔龍海と内閣総理の朴鳳柱がそれに就いていた。これに対して今回は第1副委員長というポストが新たに設置され,崔龍海が就任した。一方の朴鳳柱は先述のように総理を外れたが,国務委員会副委員長の地位は維持した。
委員については,李秀勇(党副委員長兼国際部長),金英哲(党副委員長),太鍾守(党副委員長兼軍需工業部長),李容浩(外務相),鄭京澤(国家保衛相),崔富日(人民保安相)が留任し,朴英植(就任当時人民武力相),金正閣(就任当時人民軍総政治局長),朴光浩(党副委員長兼宣伝煽動部長)が外れ,新たに金在龍(内閣総理),李万健(党副委員長兼組織指導部長),金秀吉(人民軍総政治局長),努光哲(人民武力相),崔善姫(外務省第1副相)が就任した。
憲法で「国家主権の行政的執行機関」とされる内閣に関しては,金在龍総理を含めて48人の閣僚が選出された。うち8人の副総理はいずれも留任であり,ほかの閣僚でも新人は7人に過ぎなかった。その7人のうち,国家資源開発相の金哲洙の前職は同省の局長,原油工業相の高吉先の前職は同省副相(次官に相当),機械工業相の楊承浩の前職は同省副相である。金日成総合大学総長兼党指導委員会委員長・教育委員会高等教育相の崔相健の前職は党科学教育部長であるが,これも基本的に同一部門の出身者である。船舶工業相の姜哲九,労働相の尹江浩,保健相の呉春福の前職は不明である。
なお,8月29日に内閣事務長が金英浩から孫英勲(前職不明)に交代,12月31日に副総理国家計画委員長が盧斗哲から金日哲(前職不明)に,石炭工業相が文明学から全学哲(前同省副相),文化相が朴春男から全明植(前職不明)に,国家科学院院長が張哲から金承進(前同院咸興分院院長)にそれぞれ交代し,金徳勲副総理が党副委員長に異動した。
党機関の人事党中央委員会のなかには政治局,政務局,部,党中央軍事委員会などの組織があるが,日常的に党組織の運営や政策の形成および執行に関わっているのはこのうち政務局と部である。政務局は党委員長である金正恩を筆頭にして党副委員長たちで構成され,党副委員長は担当の部を統括する。
4月10日に開催された党中央委員会第7期第4次全員会議では党副委員長に朴鳳柱と李万健の2人が補選され,党部長に李万健,張金哲,金東日の3人が任命された。それぞれの担当業務,部署は公表されていないが,朴鳳柱は内閣を統制する役割を担っているようである。李万健は前職が党組織指導部第1副部長であったため,崔龍海に代わって党副委員長兼組織指導部長に就任したとみられる。張金哲は金英哲に代わって党統一戦線部長になったことが韓国側に把握されている。金東日については担当が不明である。
さらに12月28~31日に開催された党中央委員会第7期第5次全員会議では党副委員長に李日煥,金亨俊,李炳哲,金徳勲の4人が選出され,李日煥,金亨俊,崔輝,李炳哲,金徳勲,崔富日,許哲万,李浩林,韓光相,呉日正の10人が党部長に任命された。2016年5月の党第7次大会で選出された党副委員長は9人,党部長が16人であったことから,2019年に入って党副委員長のうち計6人,党部長のうち計14人,それぞれ過半数が交代したことになる。
李日煥はすでに党勤労団体部長であることが判明しており,今回の任命で党副委員長兼勤労団体部長に格上げされたこと,金亨俊は前駐ロシア大使であり,李秀勇に代わって党副委員長兼国際部長に就任したこと,李炳哲は前党軍需工業部第1副部長であり,太鍾守に代わって党副委員長兼軍需工業部長に就任したことがわかる。韓光相は元党財政経理部長,呉日正は元党民防部長であり,それぞれの地位に返り咲いたとみられる。金徳勲(前内閣副総理,元慈江道人民委員会委員長),崔輝(前国家体育指導委員会委員長),崔富日(前人民保安相),許哲万(前職不明),李浩林(前朝鮮赤十字会書記長)については,担当の部が不明である。
なお,軍事部門については,9月6日に総参謀長が李永吉から砲兵局長であった朴正天に交代した。その後,党中央軍事委員会第7期第3次拡大全員会議が金正恩の指導で開かれ,党中央軍事委員会のメンバーの変更があったことが12月22日付『労働新聞』で報道されたものの,具体的な内容は明らかにされなかった。
南側に対する圧力2019年1月1日に金正恩は「新年辞」で南北関係に関して,軍事的敵対関係を根源的に清算し,協力と交流を全面的に拡大すること,平和的な統一案を模索することに言及し,関係改善を進める努力をするという姿勢を示した。そして金正恩は,中止されたままになっている開城工業地区と金剛山観光事業を再開する用意があると表明した。しかし,2月27~28日のハノイでの朝米首脳会談が不調に終わると南北関係改善の意欲も薄れ,開城と金剛山の事業の再開に向けた動きを見せない韓国政府に対しても苛立ちを示すようになった。そこに,韓国軍と米軍は2018年に中止していた合同軍事演習を,規模を縮小したとはいえ,再開し,また,韓国軍はアメリカからステルス戦闘機F-35Aの導入を進めた。
3月4~12日に韓米合同軍事演習「キーリゾルブ」に代わる「19-1同盟」が実施された。これに対して,国営の朝鮮中央通信は7日,「朝米共同声明や南北宣言に違反する」「朝鮮半島の平和と安定に向けた全民族と国際社会の願いに対する真っ向からの挑戦である」と非難した。そのようななか29日にステルス戦闘機2機が韓国に到着した。4月12日に,金正恩も最高人民会議第14期第1次会議での施政演説のなかで「南朝鮮軍部好戦勢力の無分別な策動」と,これを非難した。22日には「マックスサンダー」に代わる韓米連合空中訓練が開始され,8月5~20日には「乙支フリーダムガーディアン」に代わる「韓米連合指揮所訓練」(当初の名称は「19-2同盟」)が実施された。
金正恩は韓米合同軍事演習の再開に対して,戦術ミサイルと放射砲(多連装ロケット),潜水艦発射弾道ミサイルの開発とその可視化で応じた。戦術ミサイルに関しては2種類の新型があることが示された。朝鮮側の名称は公開されていないが,ひとつはロシアの「イスカンデル」に似たもの,もうひとつは米軍の「エイタクムス」に似たものであった(『ハンギョレ新聞』2019年5月11日,同2019年8月19日)。イスカンデル型は4月17日に国防科学院で試験発射が実施されたうえで,5月4日の東海側虎島半島での火力打撃訓練と,同じく9日の西部での火力打撃訓練で発射され,さらに7月25日と8月6日に示威射撃が実施された。エイタクムス型は8月10日と16日に試験発射が実施された。これらはすべて金正恩の指導の下に実施された。
放射砲については,8月2日,24日,9月10日,11月28日に金正恩の指導の下に試験発射が実施され,戦術ミサイル並みの射程を持つことが示された。潜水艦発射弾道ミサイルについては,10月2日に元山湾で新型の「北極星-3」型の試験発射が実施された。
一方,金剛山開発に関しても金正恩は南側に圧力をかけた。10月23日付『労働新聞』は金正恩が金剛山を訪問し,そこで金正恩が十数年放置されてきた韓国現代グループの施設を撤去するよう指示を出したことを報じた。25日に,韓国統一部と現代グループに金剛山国際観光局から,施設を撤去するよう要求する通知文が送られた。韓国統一部はこの問題に関する協議を対面形式で開始するよう求めたが,金剛山国際観光局はファックスによる文書のやり取りによる協議で十分だとの立場をとった(『労働新聞』2019年11月16日)。
こうした圧力は続けられたものの,金正恩は10月30日に,韓国の文在寅大統領の母親葬に際して弔意文を板門店を通じて南側に伝達したり,また,11月21日に,文在寅大統領から受けた釜山でのASEAN特別首脳会議への招請を丁寧に断るなどの一応の礼儀を見せた。
2019年1月1日に金正恩が発表した「新年辞」では,経済に関して,科学技術の発展が強調されたうえで,電力,石炭,金属,化学,鉄道部門といった「先行,基礎部門」と農業,畜産業,水産業といった食糧関連の部門および軽工業に力を入れることが従来どおり強調され,建設,山林復旧,科学技術部門にも言及がなされた。そしてこうした方針は国家予算計画に反映された。
2019年の国家予算に関する報告は,4月11日の最高人民会議第14期第1次会議で行われた。報告によれば,2018年の国家予算収入実績は計画の101.4%執行であり,前年より4.6%増加した。国家予算支出実績は計画の99.9%執行であった。国家予算計画は収入と支出が均衡するよう策定されるため,2018年の国家予算収支は収入(=支出)計画の1.5%相当の黒字を出したことになる。国家予算収入が1998年以来継続して増加していることと,黒字の決算が2008年から続いていることから,一応の経済成長が継続していることがうかがわれる。
2018年の収入実績について,項目別の数値は発表されていないが,収入計画全体を超過達成していることから,基本的に項目別の収入も計画目標を超過達成したとみられる。
2018年の支出実績については,支出総額のうち,経済部門に対する投資である人民経済発展支出が47.6%,教育と保健および体育・文化などの人民生活部門に対する支出である人民福利増進資金が36.4%,国防費が15.8%を占めていたことが発表された。この配分はこれまでと大きく変わったところはない。
2019年の国家予算収入計画については,収入総額が前年比3.7%増と,2018年の実績の増加率よりも低めに策定された。項目別の収入計画では,取引収入金(企業,団体が生産する製品にかかる取引税に相当)が4.1%増,国家企業利益金(企業の法人税に相当)が4.3%増,協同団体利益金(農場などの協同団体の法人税に相当)が1.1%増,不動産使用料が0.3%増,社会保険料が0.2%増,財産販売・価格偏差収入(施設・設備などの販売に関する譲渡所得税に相当)が前年同水準,その他収入が0.5%増,経済貿易地帯収入(経済特区での外国人企業や合弁企業,合作企業にかけられる税金など)が1.6%増と策定されている。取引収入金と国家企業利益金の合計は収入総額の85.7%を占めるとされており,その大部分は工業部門からのものであるため,工業生産もそれなりに伸びていると推定される。
2019年の国家予算支出計画は,前年比5.3%増と策定された。項目別の支出計画では,科学技術部門が8.7%増,電力,石炭,金属,化学,鉄道運輸,農業,水産業,軽工業部門が5.7%増,重要施設建設と山林復旧が6.6%増,教育部門が5.5%増,保健部門が5.8%増,文化芸術部門が4.1%増,体育部門が4.5%増と発表され,「新年辞」で言及された部門の支出はすべて増額になっていることが確認される。なお,予算支出総額に占める割合が発表されたのは国防費のみで,前年と同じ水準の15.8%となっている。
食糧事情食糧生産については,2019年3月29日~4月12日に国連の食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)が朝鮮政府の要請に基づいて実施した調査によると,2018/19穀物年度(11月~10月)の穀物生産は485万3000トンで,ここ10年で最低の生産量になると見込まれていた(“FAO/WFP Joint Rapid Food Security Assessment” 2019年5月)。WFPの支援を通じて,ロシア政府からの小麦が4月2日と5月25日,6月5日に到着したと発表された。また,ベトナムからの食糧支援も実施され,6月13日に南浦港に到着した。
しかし,朝鮮の党と政府は国連機関とは異なった状況を発表している。『朝鮮新報』日本語版2019年2月22日によると,朝鮮政府は2018年の作柄は「異常高温現象でトウモロコシに被害が出たものの全般的作柄は良好」であったと伝えており,また,2019年12月末の党中央委員会第7期第5次全員会議での金正恩による報告でも「今年の農業では最高収穫年度を突破する前例のない大豊作」であったと述べている。これまでの朝鮮政府の穀物生産に関する発表では,2016年の589万1000トンが最高であることから(週刊東洋経済ウェブサイト2018年3月1日),2019年の穀物生産は少なくともこれを上回ったということになる。
FAO/WFPの調査と朝鮮政府の発表は年度の設定や重量の計算方法に違いがあるという問題もあるが,FAO/WFPの現地調査がなされた時期の春季作物の状況がよくなかったことがそのまま当該年度の推計に反映され,低い推計値となって現れたものであると推測される。実際の食糧事情は,国内のすべての需要を満たすまでにはいかないものの,金正恩が年末に述べたように,大きく改善しているようである。なお畜産に関しても,12月15日の朝鮮中央テレビで農業省の局長は,2019年の畜産物生産計画が125%達成されたと発表した。
2019年には副食品に関する生産施設の建設が進んでおり,消費生活の改善がうかがわれる。8月26日に海州,9月18日に松林,10月18日に清津,12月23日に南浦,12月24日に江界といった地方都市でキムチ工場が竣工した。ミネラルウォーター工場も4月14日に元山,5月22日に高原,9月25日に清津,10月20日に平城,12月5日に沙里院,12月24日に江界で竣工した。このほか10月18日に清津市にある輸城江総合食料工場トウモロコシ加工分工場が竣工し,11月6日に沙里院葡萄酒工場の改築工事が終わり,竣工式が行われた。
なお,貿易に関して,経済制裁の影響で減少していた最大貿易相手国である中国との貿易が回復傾向を見せている。中国側の発表によれば,2019年の中国の朝鮮に対する輸出は25億7382万ドルで前年比16.1%増,朝鮮からの輸入は2億1518万ドルで前年比1.0%増であった。
元山および陽徳の観光開発と三池淵の開発消費生活の改善は国内観光が盛んになっていることにも表れている。2017年に在日朝鮮人紙『朝鮮新報』記者は朝鮮で国内観光が盛んになっていることを報告している(金淑美「『社会主義文明強国』時代の到来とライフスタイルの変化」『季刊朝鮮経済資料』第5巻第4号,2017年12月)。観光開発を強化する方針はすでに金正恩が2013年3月31日の党中央委員会全員会議で言及し,金剛山国際観光特区が2014年6月11日に元山=金剛山国際観光地帯に拡大された。
元山=金剛山国際観光地帯のなかで2015年5月20日に着工された元山葛麻海岸観光地区の開発には,2018年から金正恩が直接現地に赴いて開発事業に関わり,人民軍が建設を担当するようになってから大きな進展を見せてきた。2018年に金正恩はこれと並行して平安南道陽徳郡に温泉観光地区を建設するよう指示した。
元山葛麻海岸観光地区の開発は,金正恩が2018年10月に現地を訪問した際に2019年10月10日までの完工を指示していたが,経済制裁のため建設資材などの調達に支障が出たようである。2019年4月に金正恩が再び現地を訪問した時には,工期を2020年4月15日まで6カ月延長するように指示した。陽徳郡温泉観光地区も金正恩は2019年10月10日までの完工を指示していたが,これも工事が遅れた。金正恩は8月に現地を訪問した際に12月までの完工を指示した。そして,陽徳郡温泉観光地区は陽徳温泉文化休養地区に改称し,12月7日に竣工した。
これらと並行して両江道三池淵郡の開発が進められた。三池淵郡の開発は「山間都市の模範」の建設として位置づけられているが,そもそも朝鮮半島の代表的な山である白頭山が位置する観光地の開発でもある。三池淵郡の開発は2017年から本格的に始まり,2018年10月に金正恩は現地で,当初2021年4月までの完工予定だった郡建設計画を2020年10月までに繰り上げ達成するよう指示を出した(『労働新聞』2018年10月30日)。2019年12月2日に郡邑地区(郡中心部)の工事が終わり,竣工式で金正恩がテープカットをした。そして三池淵郡は10日に三池淵市に昇格された。
2018年6月12日のシンガポールでの第1次朝米首脳会談ではアメリカが朝鮮に対して安全を保障し,朝鮮が非核化を進めるということが決められた。しかし,その具体的な道のりについては決まらないままであった。金正恩は2019年1月1日の「新年辞」でアメリカと対話を続ける一方,「アメリカが約束を守らず,一方的に強要し,制裁や圧迫に出れば,新しい道を模索せざるを得ない」と述べた。
アメリカは朝鮮に「完全な非核化」を要求し,朝鮮の非核化が確認されるまでは,朝鮮の求める経済制裁の解除には応じないという姿勢を見せた。これに対して,朝鮮側の論理は,核兵器という抑止力を朝米間の信頼関係が構築されていない情況で放棄することはできず,まずはアメリカがその信頼関係構築の工程のひとつとして経済制裁を解除するべきであるというものであった。
対立が続くまま,2019年に入って第2次朝米首脳会談の準備が進められた。1月17日に金英哲党副委員長兼統一戦線部長がワシントンを訪問し,19~21日にストックホルムで崔善姫外務省副相とビーガン国務省対北朝鮮政策特別代表による実務協議が行われた。そしてトランプ大統領が2月5日に,第2次首脳会談がベトナムで開かれると発表した。
金正恩は2月23日午後に列車で平壌駅を出発して中国を経て26日にハノイに到着し,27~28日にトランプと会談した。しかし,予定されていた共同声明の調印は行われなかった。トランプは会談後の記者会見で,朝鮮側が経済制裁の全面解除を求めたが,「われわれは受け入れられなかった」と説明し,合意文書もできていたが,「今署名するのは適切ではないと判断した」と述べた。
金正恩に同行していた李容浩外務相と崔善姫副相は3月1日にハノイで記者会見を開いた。そこで李容浩は,(1)朝鮮が経済制裁に関して要求したのは,国連制裁のうち「民間経済に支障をもたらしている項目の制裁」の解除であって,トランプのいうような全面解除とは違う,(2)アメリカがそうした制裁を解除すれば,寧辺のプルトニウムとウラニウムを含むすべての核生産施設をアメリカの専門家の立会いの下に双方の技術者による共同作業で永久的に廃棄すると提案した,(3)核実験と長距離ロケット試験発射を永久に中止するという確約も文書化する用意を明らかにした,(4)アメリカは寧辺地区核施設の廃棄措置のほかに「もうひとつ」をしなければならないと最後まで主張した,と発表した。ただし,この「もうひとつ」について具体的なことは発表されていない。
そうした対立にもかかわらず,トランプは記者会見で金正恩との「とても良い関係」を強調し,『労働新聞』2019年3月1日もこの会談で金正恩とトランプが「生産的な対話を継続することにした」と報じた。
朝米実務協議も不調6月11日,トランプは金正恩から親書を受け取ったと発表し,23日付『労働新聞』も金正恩がトランプから親書を受け取ったことを発表した。双方に対話継続の意思があることが確認されたところで,29日,ソウルに入ったトランプがTwitterで,金正恩と非武装地帯で会いたいと発表すると,金正恩はこれに応じ,翌30日,板門店で金正恩とトランプの対面が実現した。金正恩の案内でトランプは板門店分離線を越えて北側に入り,朝鮮領域に入った最初の現職アメリカ大統領となった。金正恩とトランプは文在寅大統領が迎える南側の「自由の家」に行き,単独会談に入った。この会談に関して,7月1日付『労働新聞』は「今後緊密に連携していき,朝鮮半島非核化と朝米関係の新たな突破口を開いていくための生産的な対話を再開して積極的に推進していくことで合意した」と発表した。
しかし,アメリカは板門店会談の後も韓国との合同軍事演習をやめなかった。7月16日に朝鮮外務省は,韓米合同軍事演習「19-2同盟」が実施されれば朝米間の実務交渉に影響すると警告したが,この演習は「韓米連合指揮所訓練」に名称を変えて実施された。演習開始の翌日である8月6日,外務省は「すでに表明したとおり新しい道を模索せざるを得なくなるかもしれない」と苛立ちを示した。
対立が続くなかで10月5日にストックホルムで金明吉外務省巡回大使とビーガン国務省対北朝鮮政策特別代表による実務協議が実現した。金明吉は協議後の声明でアメリカが「何も持ってこなかった」と述べ,ビーガンに対して「年末まで熟考してみるよう勧めた」と発表した。
しかし,アメリカから関係改善に向けた動きがみられなかったことで,朝鮮はアメリカに対する軍事的圧力をかける行動をとるようになった。12月7日に国防科学院は,平安北道鉄山郡東倉里の西海衛星発射場で「非常に重大な試験」が実施され,それが朝鮮の「戦略的地位」を変えるものであると発表した。この「非常に重大な試験」はロケットエンジンの試験であるとみられている(『ソウル新聞』2019年12月10日)。さらに13日にも国防科学院は西海衛星発射場で「重大な試験」を実施した。これらの「重大な試験」について14日,朴正天人民軍総参謀長は談話を発表し,「アメリカの核の威脅を確実にけん制,制圧するためのもうひとつの戦略武器の開発にそのまま適用されるであろう」と述べ,核兵器開発に関連することを示唆した。
中国,ロシアとの関係強化伝統的な友好関係にある中国とは,1月7~10日に金正恩が訪中し,習近平国家主席も6月20~21日に訪朝して友好関係を確認した。ロシアとも,4月24~27日に金正恩がウラジオストクを訪問してプーチン大統領と会談し,友好関係を確認した。また,7月2~4日にロシア国防省のフォミン次官が来訪,8月16~20日に人民軍総政治局長の金秀吉陸軍大将が中国を訪問,10月14~16日に中国中央軍事委員会政治工作部主任の苗華海軍上将が来訪するなど,中国人民解放軍,ロシア軍との高位級の交流が復活したことが注目される。
中国とロシアは12月16日,国連安全保障理事会に対朝鮮制裁を一部解除する決議案を提出した。その内容には,水産物や繊維製品などの禁輸措置解除や,海外で働く朝鮮国籍の人々を12月22日までに送還させる規定を無効にすることが含まれていた(12月16日発ロイター)。この案がすぐに通過する見込みはないが,制裁を続けようとするアメリカには外交的な圧力として働くことになろう。
日本との関係2019年には安倍総理が5月1日の『産経新聞』へのインタビュー,6日の記者たちへの発言,また,11月4日のASEAN+3の首脳会議での発言などを通じて,金正恩と「無条件に対話したい」と繰り返し述べた。しかし,朝鮮側はこれを受け入れず,政府間交渉は実現しないままであった。
朝鮮側が「無条件対話」を拒否している理由は6月2日の朝鮮アジア太平洋平和委員会発表および9月14~19日に訪朝した日朝友好山梨県代表団の金丸信吾団長に対する宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使の発言に現れている。それは,日本が「敵視政策」を続けているため信頼できないでいること,「無条件対話」の議題が拉致問題や核・ミサイル問題となっていることである。さらには,日本政府が10月1日から実施した幼児教育・保育無償化の対象から朝鮮学校幼稚班を除外したことに対しても朝鮮外務省は8月23日と10月24日の談話で強く非難し,日本政府に対する不快感を見せている。
2020年には恒例の「新年辞」が発表されず,2019年12月28~31日の党中央委員会第7期第5次全員会議に関する1月1日付報道がこれに代替された。そこでは「われわれの前進を阻むすべての難関を正面突破戦で開いていこう!」とのスローガンが提示された。
経済に関して,金正恩は内閣の役割を強化することなど,上からの統制を強調し,「10大展望目標の指標別計画を科学的に計算して立案しそれを遂行するための闘争」を展開するよう指示している。ただし,「10大展望目標」の具体的な内容は明確にされなかった。
また,対米関係について,金正恩は,「世界は遠からず朝鮮が保有する新たな戦略武器を目撃するようになるであろう」と述べたうえで,「アメリカの対朝鮮敵視政策が撤回されて朝鮮半島に恒久的で確固とした平和体制が構築されるときまで,国家安全のために必須で最優先の戦略武器開発を中断することなく継続的に進めていくことを断固として宣言する」と核・ミサイル開発に取り組む決意を表明した。そして,「ベルトをきつく締めてでも必ず自力富強,自力繁栄をして国の尊厳を守り,帝国主義に打ち勝つ」という「革命信念」が人々に要求された。
ただし,核実験や長距離ミサイル実験をすぐに再開するとはいわれていない。2020年に進められる核・ミサイル開発は核実験や長距離ロケットの発射を伴わない部分から進められる可能性が高い。また,経済では「10大展望目標」として部門別の数値目標が出て内閣の企業に対する統制が強化されるであろうが,国家計画外の企業の活動に対してまでその統制が及ぶものではないと思われる。
(地域研究センター)
1月 | |
1日 | 金正恩,「新年辞」発表。 |
7日 | 金正恩,中国訪問(~10日)。8日に習近平国家主席と会談。 |
17日 | 金英哲党副委員長,訪米(~19日)。18日にトランプ大統領と会見。金正恩,23日に訪米結果報告を聴取。 |
19日 | ストックホルムで崔善姫外務省副相とビーガン米対北朝鮮政策特別代表による実務協議(~21日)。 |
23日 | 李秀勇党副委員長を団長とする親善芸術代表団,中国訪問(~31日)。27日に習近平国家主席夫妻が公演を観覧。 |
24日 | 7月8日(金日成命日)と12月17日(金正日命日)を国家的な追慕の日に制定。 |
2月 | |
8日 | 金正恩,人民軍創建71周年に際して人民武力省を祝賀訪問。 |
12日 | ベトナムのファン・ミン・ビン副首相兼外相,来訪(~14日)。 |
16日 | 党中央軍事委員会委員長命令,人民軍指揮成員の軍事称号を昇級。 |
23日 | 金正恩,ベトナム・ハノイに出発(~3月5日)。27日にアメリカのトランプ大統領と会談。3月1日にグエン・フー・チョン国家主席と会談。 |
28日 | 李吉成外務省副相,中国訪問,孔鉉佑外交部副部長と会談,王毅国務委員兼外交部長と会見(~3月5日)。 |
3月 | |
2日 | 金英在対外経済相,ロシア訪問(~9日)。 |
6日 | 第2次全国党初級宣伝活動家大会(~7日)。金正恩書簡伝達。 |
10日 | 最高人民会議第14期代議員選挙。12日,中央選挙委員会,有権者の99.99%が参加,100%賛成投票であったと発表。 |
11日 | 任天日外務省副相,ロシア訪問(~18日)。14日にモルグロフ外務次官と会談,16日にウェルシュニン外務省国際機構担当次官と意見交換。 |
25日 | 人民軍第5次中隊長・中隊政治指導員大会(~26日)。26日に金正恩演説。 |
4月 | |
1日 | ロシアのコロコゼフ内務相,来訪(~3日)。2日,崔富日人民保安相と会談。 |
2日 | 興南港にロシア政府寄贈の小麦到着。 |
4日 | 『労働新聞』,金正恩の三池淵郡訪問を報道。 |
6日 | 『労働新聞』,金正恩の元山葛麻海岸観光地区建設現場訪問を報道。 |
6日 | 『労働新聞』,金正恩の平安南道陽徳郡温泉観光地区建設現場訪問を報道。 |
7日 | 金正恩,開業前の大聖百貨店を訪問。14日に大聖百貨店竣工。 |
9日 | 党政治局拡大会議。 |
10日 | 党中央委員会第7期第4次全員会議,自力更生を強調する金正恩報告および結論。 |
11日 | 最高人民会議第14期第1次会議(~12日)。11日に金在龍総理選出。12日に金正恩施政演説。 |
14日 | 党中央軍事委員会委員長命令,人民軍指揮成員の軍事称号を昇級。 |
16日 | 金正恩,新倉養魚場を訪問。 |
16日 | 金正恩,人民軍航空・反航空軍第1017軍部隊を訪問,飛行訓練を指導。 |
17日 | 金正恩,国防科学院で行われた新型戦術誘導武器射撃試験を指導。 |
24日 | 金正恩,ロシア・ウラジオストク訪問(~27日)。25日にプーチン大統領と会談。 |
30日 | 金正恩,平壌花草研究所卸売所を訪問。 |
5月 | |
4日 | 金正恩,咸鏡南道虎島半島で前沿・東部前線防御部隊の火力打撃訓練を指導。 |
4日 | 金正恩,金野江2号発電所を訪問。 |
9日 | 金正恩,前沿・西部前線防御部隊の火力打撃訓練を指導。 |
13日 | ロシアのエネルギー・安全センターのフロプコフ所長,来訪(~15日)。 |
24日 | 羅先学生少年宮殿竣工。 |
25日 | ロシア政府から世界食糧計画(WFP)を通じた支援の小麦到着。 |
6月 | |
1日 | 『労働新聞』,金正恩の江界トラクター総合工場(26号工場),江界精密機械総合工場(93号工場),将子江工作機械工場,2・8機械総合工場(65号工場),「学びの千里道」学生少年宮殿訪問を各々報道。 |
1日 | 『労働新聞』,金正恩の江界市・満浦市建設総計画指導を報道。 |
2日 | 『労働新聞』,金正恩の平南機械総合工場(1月18日機械総合工場)訪問を報道。 |
2日 | 金正恩,人民軍第2期第7次軍人家族芸術小組競演で入選した軍部隊の軍人家族芸術小組公演を観覧。4日に人民武力省で記念撮影。 |
3日 | 5月1日競技場で大集団体操と芸術公演《人民の国》開幕,金正恩観覧。 |
5日 | 駐朝鮮ロシア大使館,ロシアの支援による小麦2895トンが南浦港に到着したこと,数日前に興南港に小麦1100トンが到着したことを発表。 |
6日 | ロシアのコズロフ極東北極発展相,来訪(~8日)。 |
11日 | アメリカのトランプ大統領,金正恩から親書を受け取ったと発表。 |
12日 | 金与正党宣伝煽動部第1副部長,板門店で,李姫鎬・金大中元大統領夫人の遺家族に対する金正恩の弔意文と花輪を韓国側に伝達。 |
13日 | ベトナム政府の寄贈食糧,南浦港に到着。 |
19日 | 『労働新聞』,中国の習近平国家主席の寄稿文を掲載。 |
20日 | 中国の習近平国家主席,来訪(~21日)。20日に金正恩と会談,5月1日競技場で大集団体操と芸術公演を観覧。 |
21日 | シリアのワリド副首相兼外務移住民相,来訪(~26日)。 |
22日 | 任天日外務省副相,ロシア訪問(~27日)。24日にモルグロフ外務次官と会談。 |
23日 | 『労働新聞』,金正恩がアメリカのトランプ大統領の親書を受け取ったと報道。 |
24日 | 金策工業総合大学未来科学技術院竣工。 |
30日 | 金正恩,板門店でアメリカのトランプ大統領と面談。 |
7月 | |
1日 | ロシア外務省のジノビエフ局長,来訪(~5日)。 |
2日 | ロシア国防省のフォミン次官,来訪(~4日)。 |
9日 | 人民保安省の李成哲参事,中国訪問(~15日)。11日に趙克志国務委員兼公安部長と会見。 |
10日 | 金成南党国際部副部長,中国訪問(~13日)。11日に宋涛中国共産党中央連絡部長と会談。 |
13日 | 『労働新聞』『勤労者』共同論説「自力更生は朝鮮革命の永遠の生命線である」発表。 |
16日 | 外務省代弁人,8月5~23日に韓米合同軍事演習「19-2同盟」が予定されていることを批判,朝米実務交渉に影響すると警告。 |
18日 | 剣徳鉱業連合企業所第3選鉱場浮選工程竣工。 |
21日 | 道・市・郡人民会議代議員選挙,有権者の99.98%参加,100%賛成投票,2万7876人の代議員選出。 |
22日 | 金正恩,新たに建造された新型の潜水艦を視察。 |
25日 | 金正恩,新型戦術誘導武器威力示威射撃を組織・指導。 |
27日 | 金正恩,祖国解放戦争参戦烈士墓を訪問。 |
27日 | 金正恩,国立交響楽団の7・27記念音楽会を観覧。 |
31日 | 金正恩,新型大口径操縦放射砲試験射撃を指導。 |
8月 | |
2日 | 金正恩,新型大口径操縦放射砲試験射撃を再び指導。 |
5日 | 『労働新聞』編集局論説「偉大な金正恩同志は崇高な人民愛で革命を率いる絶世の偉人である」発表。 |
6日 | 金正恩,新型戦術誘導弾威力示威射撃を参観,西部作戦飛行場から戦術誘導弾2発を発射。 |
9日 | 平壌駝鳥牧場改築工事完工,竣工式。 |
10日 | 金正恩,咸鏡南道楽園郡呂湖里で新武器試験射撃を指導。 |
10日 | アメリカのトランプ大統領,9日に金正恩からの親書を受け取ったと発表。 |
11日 | 外務省代弁人,香港に関して「中国の党と政府がとる立場を全的に支持する」と発表。 |
12日 | 党中央軍事委員会委員長命令,「自衛的国防力強化に大きく貢献した国防科学研究部門科学者の軍事称号を引き上げることについて」下達。 |
14日 | ロシアのモルグロフ外務次官,来訪,崔善姫外務省第1副相,李泰成副相,任天日副相と各々会談(~16日)。 |
16日 | 金正恩,通川郡洞庭湖で新武器試験射撃を再び現地指導。 |
16日 | 金秀吉人民軍総政治局長,中国訪問(~20日)。16日に苗華中央軍事委員会政治工作部主任と会談,17日に張又侠中央軍事委員会副主席と会見。 |
23日 | 外務省代弁人談話,日本政府が新たに制定した「育児支援法」で幼児教育・保育無償化の対象から朝鮮学校幼稚班を除外したことを非難。 |
24日 | 金正恩,宣徳飛行場で,新たに研究開発された超大型放射砲試験射撃を指導。 |
29日 | 最高人民会議第14期第2次会議。憲法を修正補充。 |
31日 | 『労働新聞』,金正恩の陽徳郡温泉観光地区建設現場訪問を報道。 |
9月 | |
2日 | 中国の王毅国務委員兼外交部長,来訪(~4日)。2日に李容浩外務相と会談,4日に李秀勇党副委員長と会見。 |
2日 | 李龍南副総理,第5次東方経済フォーラムのためウラジオストク訪問(~6日)。 |
3日 | 全国教員大会。金正恩,6日に大会参加者と記念撮影。 |
6日 | 金正恩,党中央軍事委員会非常拡大会議緊急招集。 |
6日 | 『労働新聞』『勤労者』共同論説「わが共和国は尊厳高い人民の国として無窮発展するであろう」発表。 |
7日 | 台風13号上陸(~13日)。 |
10日 | 金正恩,价川飛行場で超大型放射砲試験射撃を現地で指導。 |
14日 | 金丸信吾団長率いる日朝友好山梨県代表団,来訪(~19日)。 |
29日 | 新溪郡汪塘2号貯水池竣工。 |
10月 | |
1日 | ロシアのエネルギー・安全センターのフロボコフ所長,来訪(~3日)。 |
2日 | 国防科学院,元山湾水域で潜水艦発射弾道弾「北極星-3」型試験発射を実施。 |
5日 | ストックホルムで金明吉巡回大使とビーガン米対北朝鮮政策特別代表による実務協議。 |
9日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第810軍部隊傘下1116号農場訪問を報道。 |
12日 | 外務省代弁人,7日の日本水産庁取締船と朝鮮漁船の衝突に関して,日本政府に対して漁船の沈没に対する補償と再発防止策を要求。 |
14日 | 中国中央軍事委員会政治工作部主任の苗華海軍上将,来訪(~16日)。 |
15日 | 恵山=三池淵鉄路開通。 |
16日 | 『労働新聞』,金正恩の三池淵郡内建設現場訪問を報道。 |
16日 | 『労働新聞』,金正恩の白頭山訪問を報道。 |
16日 | 金正恩,鏡城郡仲坪蔬菜温室農場・養苗場建現設場を訪問。 |
23日 | 『労働新聞』,金正恩の金剛山訪問を報道。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の陽徳郡温泉観光地区建設場訪問を報道。 |
27日 | 『労働新聞』,金正恩の妙香山医療器具工場訪問を報道。 |
29日 | 龍峰学用品工場竣工。 |
30日 | 韓国の文在寅大統領の母親葬に際しての金正恩弔意文,板門店で韓国側に伝達。 |
31日 | 国防科学院,超大型放射砲試験発射を実施。 |
11月 | |
10日 | 山林器資材工場(平壌市)竣工。 |
15日 | 『労働新聞』,金正恩の陽徳温泉文化休養地建設現場訪問を報道。 |
16日 | 『労働新聞』,金正恩の「人民軍航空・反航空軍飛行指揮成員の戦闘飛行術競技大会-2019」参観を報道。 |
17日 | アメリカのエスパー国防長官,韓米連合空中訓練「ビジラントエイス」の延期を発表。 |
17日 | 朝鮮中央テレビ,球場青年1号発電所竣工を報道。 |
18日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍狙撃兵区分隊降下訓練指導を報道。 |
18日 | 崔善姫外務省第1副相,ロシア訪問(~25日)。20日にチトフ外務省第1次官と戦略対話,22日にモルグロフ外務次官と会談。 |
19日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍8月25日水産事業所と通川魚類加工事業所訪問を報道。 |
20日 | 剣徳鉱業連合企業所21坑竣工。 |
21日 | 朝鮮中央通信,韓国の文在寅大統領が金正恩を釜山でのASEAN特別首脳会議に招請したことに対して,拒絶を発表。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の西部前線に位置する昌麒島防御隊視察を報道。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の西南前線にある人民軍第5492軍部隊管下女性中隊視察を報道。 |
28日 | 金正恩,塩浦飛行場での国防科学院による超大型放射砲試験射撃を参観。 |
28日 | 金日成総合大学自然博物館と尖端技術開発院竣工。 |
12月 | |
2日 | 金正恩,三池淵郡邑地区竣工式でテープカット。 |
3日 | 金正恩,中坪蔬菜温室農場と養苗場操業式(咸鏡北道鏡城郡)でテープカット。 |
4日 | 『労働新聞』,金正恩の白頭地区革命戦績地訪問を報道。 |
4日 | 漁郎川発電所八郷堰堤竣工。 |
7日 | 国防科学院,平安北道鉄山郡東倉里の西海衛星発射場で「非常に重大な試験」が実施されたと発表。 |
7日 | 金正恩,陽徳温泉文化休養地区竣工式でテープカット。 |
10日 | 両江道三池淵郡,三池淵市に昇格。 |
14日 | 国防科学院,13日に西海衛星発射場で「重大な試験」を実施したと発表。 |
16日 | 中国とロシア,国連安保理に対朝鮮制裁を一部解除する決議案を提出。 |
22日 | 『労働新聞』,金正恩の党中央軍事委員会第7期第3次拡大全員会議指導を報道。 |
28日 | 党中央委員会第7期第5次全員会議(~31日)。29~30日に金正恩報告。 |
(注)*は就任そのものの日付が発表されていないため,その職にすでにあることが判明した報道の日付を記載。
(出所)各年度国家予算報告による。
(出所)各年度国家予算報告による。
(出所)『朝鮮新報』日本語版2019年2月22日,FAO平壌代表部2015年6月15日発表,朝鮮社会科学院の李基成教授インタビュー(『週刊東洋経済』第64905号[2013年10月12日号],同第6628号[2015年11月14日号],週刊東洋経済ウェブサイト2018年3月1日)。
(出所)2010年は「対外投資合作国別(地区)指南――朝鮮(2017年)」(中国商務部)に掲載された朝鮮対外経済省の数値。2013年は,『朝鮮民主主義人民共和国投資案内』(朝鮮対外経済投資協力委員会,2014年)。2011,2016,2017年は社会科学院経済研究所の李基成教授インタビュー(『週刊東洋経済』第6490号[2013年10月12日],『日本経済新聞』2018年10月12日)。2014年は社会科学院の李基成教授が2016年8 月に在日朝鮮人研究者に伝えたもの。
(出所)『朝鮮中央年鑑』各年版。2008年はセンサス(DPRK 2008 Population Census National Report, Central Bureau of Statistics of DPRK, 2009)。2015年は,李基成・金哲『朝鮮民主主義人民共和国の経済概括』(出版物輸出入商社,2017年)。2016,2017年は社会科学院経済研究所の李基成教授のインタビュー(『日本経済新聞』2018年10月12日付)。
(注)カッコ内は増加率%。
(出所)中国海関統計。