アジア動向年報
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各国・地域の動向
2020年の香港特別行政区 「香港国家安全維持法」の制定と大規模な弾圧
倉田 徹(くらた とおる)
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2021 年 2021 巻 p. 129-148

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2020年の香港特別行政区

概 況

2020年の香港特別行政区は,当初は前年に続き大規模な抗議活動が行われていたが,新型コロナウイルス肺炎の中国大陸での流行が明るみに出ると,社会の関心の焦点は防疫へと急速に移り,抗議活動は表面上鎮静化した。その間中央政府・香港政府は関係部門の人事を一新し,防疫を理由とした集会制限令を発出してデモを事実上禁止した。並行して抗議活動関係者等に対する各種の弾圧が行われた。中央政府は5月の全国人民代表大会(全人代)で香港版「国家安全法」の審議を開始し,6月30日には「香港国家安全維持法」(国安法)を制定,香港に適用した。同法は香港の政治的自由を幅広く制限する内容であり,言論や政治活動等への弾圧は激しさを増した。また,予定されていた立法会議員選挙も防疫を理由に延期された。そして,11月11日に全人代常務委員会は一部の民主派議員を立法会から排除する決定も行った。民主派はこのことに抗議して集団辞職し,立法会からその多くが姿を消した。

経済は前年の抗議活動の影響を引きずったまま,新型コロナウイルス禍とアメリカの対香港制裁などの悪条件も重なり,きわめて苦しい1年となった。失業率は約15年ぶりの6%台に陥り,実質国内総生産(GDP)成長率は統計史上最悪のマイナス6.1%を記録した。しかし,アメリカの制裁は金融システムを根本的に動揺させるものにはなっておらず,株価や不動産価格は高値が続いた。

国際社会は「国安法」に強く反発し,多くの国が香港との間の容疑者引き渡し条約などを停止するとともに,香港からの移民受け入れ制限を緩和した。アメリカは香港の「一国二制度」が壊されたとして制裁を開始し,中央政府・香港政府の「国安法」に関連する業務を担当する高官への入国拒否や資産凍結,香港製品への「中国製」記載の義務づけなどを行った。

域内政治

新型コロナウイルス肺炎の発生と抗議活動の停止

香港の2020年は,前年の激しい抗議活動が収束しないなかで,大規模デモとともに明けた。元旦の民主派デモは,主催者側発表で103万人以上,警察発表で4万7560人が参加した。しかし,その後抗議活動は急速にしぼんだ。武漢での肺炎の集団感染発生はすでに2019年末には香港で報じられており,香港市民の間では不安と,中国政府の情報隠蔽への疑念が広がった。

1月22日には香港で初めて大陸からの入境者2人の感染が確認され,2月4日にはついに3人の市中感染者が発生した。しかし,政府は医師や多くの市民が求めていた,大陸とのチェックポイントの全面封鎖(「全面封関」)を拒否し続けた。政府は高速鉄道の運休などですでに十分に人の流れを規制できていると説明したが,当時中国政府が中国人の入国を拒否する国を批判していたこともあり,全面封関の拒否は北京への配慮との疑念も市民に広がった。2月3日から7日にかけては,公立病院の医師・看護師らが全面封関を求めてストライキに入った。

一方,防疫措置は抗議活動の鎮静化ももたらした。民主派支持の人々は街頭での抗議活動を控えざるを得なくなり,2月以降は大規模デモも,激しい衝突も急減した。3月29日,政府は「集会制限令」を発出し,5人以上が公共の場で集会することを全面的に禁じた。その後,人数制限は感染状況に応じて3人から51人の間で変動を続けており,2020年末まで解除されていない。これによってあらゆる集会・デモが警察から許可されなくなったことに加え,人が集まることを警察が取り締まるようになり,デモや集会はほぼ起こせない状態となった。

北京の香港関連機関の人事異動と香港問題への直接介入の増加

1月4日,中央政府は北京の香港出先機関である中央政府駐香港連絡弁公室(中連弁)の主任である王志民を解任し,後任に駱恵寧を任命したと発表した。2月13日には北京における香港担当の国務院香港マカオ弁公室(港澳弁)の主任が張暁明から夏宝龍に交代した。従来の香港担当の幹部と比較して,中連弁・港澳弁の主任は両名ともかなり格上の大物であった。駱恵寧はかつて浙江省のトップである省共産党委員会(省委)書記を務めた。省委書記経験者が香港出先機関のトップになったのは,返還前の1983年から中連弁の前身である新華社香港支社の社長を務めた許家屯以来である。夏宝龍は全国政治協商会議(全国政協)副主席というさらに格上の人物であった。

香港の新型コロナウイルスの感染拡大が一旦落ち着いた春先から,港澳弁と中連弁は香港問題に活発に介入するようになった。4月13日,両弁公室はそれぞれ声明を発表し,当時民主派議員が立法会の内務委員会において議事を意図的に引き延ばした行為は,議員が就任の際に行う「忠実に職務を遂行する」などの宣誓に反しており,公職人員不適切行為罪の疑いがあると指摘した。両弁公室が,香港の自治機関である立法会内部の問題について,ここまで明確に干渉した前例はない。民主派は翌日会見し,中央政府所属の各部門が香港内部の問題に干渉することを禁じた「香港基本法」22条に両弁公室は違反したと非難した。すると中連弁は4月17日,両弁公室は中央政府が権限を与え,香港問題の処理を専門的に管轄する機関であり,一般的な「中央政府所属の各部門」に当たらないので,立法会の問題に発言して「監督権」を行使できると反論した。これを皮切りに,両弁公室は4月以降プレスリリースを連発し,頻繁に香港の問題を論評した。

「香港国家安全維持法」の制定

5月21日,コロナ禍での延期を経て翌22日から開催されることとなった全人代は,香港版の「国家安全法」を審議すると突然発表した。

本来,香港の「ミニ憲法」と称される「香港基本法」23条には,国家の安全を守るための条例を北京ではなく,香港が自ら制定するとの規定が存在する。しかし,これに基づいて立法会で審議された「国家安全条例」は,2003年7月1日の大規模デモ発生を受けて廃案となり,以来立法作業は滞っていた。今回は香港での立法作業を一切経ずに,北京が制定するとされた。「香港基本法」18条には中国の全国法を香港に適用する規定は存在する。しかし,これまでに適用されたケースは首都や国旗を定める法律など,論争性の低いものに限られていた。

制定作業は急ピッチで進められた。5月28日の全人代は,国家安全法の制定作業を全人代常務委員会に付託することを賛成2878票,反対1票で決定した。すると,常務委は6月18~20日と28~30日に開催され,審議のうえ,「香港国家安全維持法」(国安法)を30日に成立させた。そして同法は,同日午後11時には香港で条文の公布と同時に施行された。

同法は香港の自治に大きな打撃を与えた。同法に基づき香港政府には「国家安全委員会」が新設されたが,ここに駱恵寧中連弁主任が顧問として派遣され,香港の共産党トップが委員会の目付役を務める形となった。中央政府の出先部門として「国家安全維持公署」が香港に新設され,複雑な事件などについては公署が香港で容疑者を逮捕して大陸に送致するとも規定した。さらに,「国安法」は香港の既存法に優先するとされた。また,同法関連案件を裁く指定裁判官は行政長官が選出するとし,原告が裁判官を選ぶ状態となった。

「国安法」は香港の政治的自由にも甚大な影響を与えた。同法は国家分裂,中央政府転覆,外国の干渉を求めること,テロ行為の4つのカテゴリーの行為・活動を取り締まるとした。これらの文言は2019年の抗議活動に対する非難の言葉として,中央政府関係者がしばしば用いてきた。前年から続く政治危機を収束させることが「国安法」の目的であることは明確といえる。一方,条文の規定は曖昧で,とくに,発言や出版,ネット上での主張などの言論活動が罪になるか否かは明記されていない。刑罰は懲役3年から最高終身刑と重く,政治的な報道・言論・表現・学術などの活動は,自己検閲による萎縮を余儀なくされた。

民主派の抗議活動・政治活動への圧力

「国安法」制定が進む間も,その具体的な条文の内容は完全に秘された。同法成立後に何が取り締まり対象となるかわからないため,施行直前の6月30日午後には,若者らが設立した新しい政治団体の多くが,続々と活動停止や解散を発表した。「雨傘運動」の指導者として国際的に知られる黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や周庭(アグネス・チョウ)らは,幹部を務めた「香港衆志」(デモシスト)を脱退し,同団体は解散した。

施行後すぐに同法の適用が始まった。7月1日にはデモの現場で10人が「国安法」違反容疑で逮捕された。最初の逮捕者は,カバンの中に「香港独立」と書かれた旗を所持していたことが容疑とされた。警察は民主派の議員事務所や民主派支持の商店などを回り,壁に掲示されているさまざまな民主派支持のスローガンが違法である可能性を指摘した。こうした脅しの結果,街からは急速にスローガンが姿を消した。さらに,公営図書館は黄之鋒らの著作を,「国安法」に抵触する可能性がある内容を含むとして,書架から撤去した。

8月10日,警察は政府に批判的な新聞『蘋果日報』(アップル・デイリー)などを傘下に置くメディア企業「壹伝媒」(ネクストメディア)の創業者である黎智英(ジミー・ライ)や周庭ら6人を,「国安法」違反の容疑で逮捕した。このほか,海外に亡命した民主派の活動家も多数が指名手配された。2020年中に「国安法」違反容疑で逮捕された者は合計40人,起訴された者は黎智英ら4人であった。

一方,「国安法」以外の現行法による抗議活動関係者への逮捕・起訴も大規模に行われ,11月末までに逮捕者は1万人以上,起訴された者も2000人を超えた。12月2日には,2019年6月21日に警察本部を包囲する無許可集会を扇動したとの罪で,黄之鋒に懲役13.5カ月,周庭に同10カ月などの判決が下った。

7月11~12日,民主派は9月に予定されていた立法会議員選挙の候補者選定の予備選挙を実施し,61万人が投票した。しかし,政府は民主派が過半数を獲得して政府に圧力を加えることを目標とするこの予備選挙は「国安法」違反にあたると警告した。

こうした情勢を受けて,香港を脱出する活動家も続出した。元香港衆志所属立法会議員の羅冠聡(ネイサン・ロー)は,「国安法」施行直前に香港を離れ,イギリスに亡命申請した。民主党の立法会議員を務めた許智峯(テッド・ホイ)は11月30日に香港を逃れたと発表した。一方,8月23日,香港から台湾への密航を企てた12人の活動家が海上で中国海警局によって拘束され,12月30日,未成年者2人を除く10人に,深圳の裁判所は懲役7カ月から3年の刑を言い渡した。

立法会議員選挙の延期と民主派の総辞職

9月6日には立法会議員選挙が予定されており,民主派は前年の区議会議員選挙での圧勝の余勢を駆って,同選挙で過半数の議席を得ることを目標としていた。立候補受付は7月18日から31日に行われたが,7月30日,政府は民主派の候補12人の出馬を認めないと裁定した。その理由は,彼らが「国安法」に反対したことや,外国に中国や香港への制裁を求めたこと,そして,立法会の過半数を得ることで民主化や逮捕者の赦免などの前年の抗議行動が掲げた要求の受諾を政府に迫ろうとした「議員職権の濫用」などである。このうち4人は現職議員であった。

しかし,翌31日,政府は防疫を理由として,立法会議員選挙を2021年9月5日に延期すると発表した。8月11日,全人代常務委は,出馬資格を無効とされた4人を含む現職の議員が次回選挙まで立法会議員に留任すると決定した。選挙延期には政治的動機があると疑う民主派の間では,政府の提案のとおり民主派議員が留任を受け入れるべきか否か論争となった。有権者の意見も割れたが,結果的に民主派は政治判断として大部分の議員が立法会にとどまることとした。

ところが11月11日,全人代常務委は7月31日に出馬資格なしと裁定された4議員は議員資格を喪失するとの判断を示し,これを受けて香港政府は4議員の即時失職を宣告した。3カ月前の全員留任の決定を覆すこの決定に民主派は強く反発し,4議員だけでなくほぼ全議員が自ら辞職した。これにより,立法会はほとんどの議員が親政府派で占められる状態となった。

教育・メディアへの圧力

法的制裁や取り締まりのほかに,民主派支持者が多い教育やメディアといった業界に対しては,さまざまな圧力が加わった。

学術・教育の分野では,2014年の雨傘運動に発展した民主化運動「セントラル占拠行動」を提唱し,2016年に懲役16カ月の判決を受けた香港大学の憲法学者である戴耀廷が7月28日,香港大学から解雇された。また,5月14日,日本の大学入学共通テストに相当する高校卒業資格統一試験が行われ,そのなかで「『1900年から1945年の間に,日本は中国に害よりも利を多くもたらした』との議論への賛否を論ぜよ」との歴史問題が出された。しかし,この問題について香港政府の教育局は,中国国民の感情と尊厳を傷つけたと非難する声明を発表した。北京の『人民日報』も,この問題が受験生に日本の中国侵略は利益が多かったと解答するよう誘導したと断定し,香港の教育には「治療が必要」と批判した。これを受けて,出題担当部門の考評局は,すでに出題され,受験生が解答済みであったにもかかわらず,この問題を取り消した。

メディアにおいては4月2日,公共放送局・香港電台(RTHK)のオピニオン番組で香港教育大学の講師が警察を批判すると,政府の通信管理局は差別的言論としてRTHKを叱責し,警察トップの鄧炳強警務処長は教育大学長に書簡を送り,厳しく対応するよう要求した。また,通信管理局は5月19日,31年続いたRTHKの政治風刺番組「頭条新聞」に対して,2月に同番組内で侮辱されたとの警察からの訴えを妥当と裁定し,RTHKに警告を発出した。これを受けて商務・経済発展局はRTHKに謝罪,製作過程の検討,担当者の懲戒を要求した。結局「頭条新聞」は,6月19日を最後に打ち切られた。さらに,8月10日に「国安法」違反容疑で黎智英が逮捕された際には『蘋果日報』が捜索の対象となったほか,警察は日本経済新聞香港支局にも資料提供を要求した。

経 済

2020年のGDP成長率が統計史上最悪に

2020年の香港経済は,前年の抗議活動に関連する消費の低迷にコロナ禍が追い打ちをかけ,実質GDP成長率(速報値)は2年連続のマイナス成長であるマイナス6.1%に落ち込んだ。アジア通貨危機に見舞われた1998年を下回り,1962年の統計開始以降の最悪を記録した。

コロナ禍を受けて,政府は大陸との人の往来を大きく制限し,3月以降基本的に全外国人の入境を禁止した。その結果,香港訪問客数は前年比93.6%減の延べ357万人にとどまり,ホテルや運輸等の観光関連業界に壊滅的な打撃を与えた。大陸からの訪問客の購買力に依存してきた小売業の売上総額は前年比24.3%減と,史上最大の減少幅となった。レストランなどの営業にも厳しい規制が及び,飲食業も大打撃を受けた。個人消費は前年比10.2%減少した。失業率も16年ぶりの水準となる6.6%まで悪化した。

他方,世界的な金融緩和による資金の流入もあり,不景気の資産価値への影響は限定的であった。株価ハンセン指数は2019年末の2万8189.75ポイントから,2020年5月末には2万2961.47ポイントまで下落したが,その後持ち直して2020年末には2万7231.13ポイントまで回復した。住宅価格指数は2019年末の379.2から2020年末は379.3と,年間を通じて変動は少なく,高値が続いた。

キャセイパシフィック航空の経営難と大リストラ

コロナ禍で大打撃を受けた企業の代表格であるキャセイパシフィック航空は,3月には9割を超える輸送能力の削減を強いられ,2020年通年では旅客数は前年比86.9%の減少となった。

6月9日に政府は全額を政府が出資する基金を新規に立ち上げ,株式の購入や融資など390億香港ドルの支援を提供したが,2020年6月の中間期決算で98億香港ドルを超える巨額の赤字を計上した。10月21日,同社は全従業員の24%に相当する8500人の人員削減を発表した。同時に,キャセイパシフィックの子会社で,主に中国大陸やアジアの路線を運航するキャセイドラゴン航空の同日付での運航停止が発表され,前身のドラゴン航空以来の35年の歴史に幕を下ろした。キャセイパシフィックはキャセイドラゴンの路線の大部分を同社傘下の格安航空会社である香港エクスプレス航空に引き継がせる構想をもつが,他社も参入の意向を示している。

「香港国家安全維持法」の経済への影響

「国安法」によって香港の「一国二制度」の地位が失われ,ビジネスに支障が出る懸念も生じた。同法施行直後の7月14日には,『ニューヨーク・タイムズ』紙がデジタルニュース業務の拠点を香港から韓国・ソウルに移転すると発表した。

「国安法」はインターネットサービス企業に政府への協力を義務づけたため,そうした企業は翻弄された。中国企業バイトダンスが運営する動画アプリ「TikTok」は7月6日,香港からの撤退を発表した。アメリカ政府からも名指しで攻撃されていた同社が,「国安法」が規定する情報の削除や警察への協力を断れないと疑われることを回避するためとみられている。ただし,TikTokは同時に,その中国版である「抖音」で香港をカバーする。

中国と西側諸国を繋ぐ業務を主とする国際金融機関は板挟みとなった。梁振英前行政長官は5月29日,自身のFacebookページで,香港上海銀行が中国ビジネスで大きな利益を得ているにもかかわらず,「国安法」支持の態度表明をしないと批判した。すると6月3日,同行はアジア地域最高幹部である王冬勝(ピーター・ウォン)が「国安法」支持の署名を行う写真を公開した。これに対し6月9日,アメリカのポンペオ国務長官が,香港上海銀行は中国に屈したと非難した。

しかし,アメリカの香港に対する制裁が香港経済全体に与える影響は,当初の懸念よりも小さい。金融機関がアメリカの制裁を恐れ,政界関係者との取引の終了や口座の凍結などの措置に出ている一方,米中対立の政治リスクがかえって香港経済を利する場面もみられた。具体的には,アメリカが中国企業の上場に厳しい条件を課しはじめたため,中国企業の香港市場への重複上場が相次いだ。2020年の香港への新規上場(IPO)による調達額は合計3900億香港ドルを超え,2011年以来の高水準となり,米ナスダック市場に次ぐ世界2位となった。

ただし,香港の国際的なビジネス拠点としての将来性には不透明さも残る。香港アメリカ商工会議所が8月に行った調査では,「国安法」成立後に香港から資産や業務を移すことを考えるとしたアメリカ企業は39.0%,個人として香港を離れることを検討するとした者は53.3%に達した。トランプ大統領は8月13日,香港の金融市場はこれから死ぬ,誰も香港にビジネスに行かなくなると発言した。

林鄭月娥行政長官の施政方針演説,広東省との経済協力深化を発表

林鄭月娥行政長官は10月14日に恒例の施政方針演説を予定していたが,その2日前の12日に突如延期を発表した。これは,14日に北隣の深圳で,習近平国家主席も出席する特区成立40周年の式典が開催されることとなり,林鄭月娥が出席する必要が生じたためと推測された。しかし,政府は延期の理由を,林鄭月娥が後日北京で協議する予定の香港経済支援策の確定を待つためと説明した。

林鄭月娥は11月3日から6日に北京を訪問し,25日に施政方針演説を行った。目玉は広東省・マカオとの経済融合を進める「粤港澳大湾区」の推進であり,香港企業が香港の若者を「大湾区」地区で雇用する場合に香港政府が補助金を出すこと,珠海空港に香港政府が出資すること,そして香港政府系の香港科技園が深圳に土地を借りて香港のハイテク企業を誘致することなどが発表された。

しかし,これらは香港政府が出資して広東省の発展を推進する内容であり,かつて多くみられた,中央政府から香港への優遇措置の提供とは大きく異なった。近年は大陸との関係強化への市民の疑念も強く,11月の香港中文大学の調査では,深圳との経済協力深化が香港の長期的発展の助けにならないとする者が57.0%に達した。このため,施政方針演説への市民の評価は低く,演説直後の香港民意研究所の調査では,内容に満足とした者が18.8%,不満は64.3%に達した。

アント・グループの上海・香港同時上場,直前に取り消し

11月3日,上海証券取引所は5日に予定されていた,アリババ傘下の電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループの上場を,必要条件を満たしていないとして延期させたと発表した。これにより,香港での上場も延期された。

同社の上場は史上最大の350億米ドルを調達する計画とされ,香港では機関投資家や個人投資家多数が新規株式公開に応募していた。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)が10月24日のスピーチで中国の金融当局を批判し,上場直前の11月2日に当局から呼び出しを受けたこととの関連が指摘されている。しかし,本来別個の市場である上海の突然の上場延期に香港が翻弄されたことは,中国の影響力の大きさを示すとともに,その政治リスクを香港に認識させる出来事となった。

対外関係

西側諸国が「香港国家安全維持法」を批判

「国安法」制定に対し,主に西欧諸国が中国政府を強く非難した。アメリカ,イギリス,オーストラリア,カナダは5月28日に異例の共同声明を発表し,「中英共同声明」が定めた高度の自治に違反するとして,深い憂慮を示した。アメリカのトランプ大統領は5月29日に会見し,「一国二制度」は「一国一制度」になったと述べた。日本政府は5月28日,秋葉剛男外務事務次官が孔鉉佑駐日中国特命全権大使を召致し,全人代の同法制定についての議決が,国際社会や香港市民が強く懸念するなかでなされたこと,およびそれに関連する香港の情勢を深く憂慮していることなどを申し入れた。6月17日にはG7の外相およびEU上級代表が,香港に関する国家安全法を制定するとの中国の決定に関し重大な懸念を強調し,中国に再考を促す共同声明を発出した。同法制定が発表された6月30日には,日本の菅義偉官房長官が記者会見で「国際社会や香港市民の強い懸念にもかかわらず,同法が制定されたのは遺憾」と表明した。

一方,6月30日に開催された国連人権理事会では,キューバが提案した「国安法」制定を支持する声明に53カ国が賛同し,イギリスが提案した制定を批判する声明への賛同国は27カ国にとどまった。イギリスの声明には欧州の大部分の国と日本,オーストラリアなどが賛同した一方,キューバの声明はアフリカや中東諸国の多く,および北朝鮮,パキスタン,ベネズエラなどの賛同を得た。アメリカは人権理事会を脱退しており,韓国は賛否いずれにも加わらなかった。

香港からの移民・難民の受け入れの動き

「国安法」の制定を受けて,多くの西欧諸国が香港との容疑者引き渡し条約を一時停止した。また,香港からの移民や難民を受け入れる動きをみせる国も現れた。カナダ政府は11月12日,最近5年以内にカナダまたは海外の大学等を卒業した香港人に,勤務先の確保の有無を問わずに3年間の就労ビザを発給することや,カナダでの大学等の卒業者または1年以上の就労経験のある香港人に永住権申請資格を与えるなどの新しい政策を発表した。台湾は7月1日,香港からの逃亡者を受け入れる台港服務交流弁公室を設置した。蔡英文総統は,これは世界初の香港人支援のための政府部門であり,必要な人道支援を提供すると述べた。

最も大きな動きをみせたのはイギリスであり,6月3日ジョンソン首相は『タイムズ』紙などに寄稿し,イギリス史上最大のビザ政策の変更として,返還前に発給されたイギリス海外市民(BNO)パスポートを保持する香港市民に対して1年間のイギリス滞在を認め,その後の永住にも道を開くと表明した。さらに7月22日,イギリス政府はBNOパスポート保持者とその近親者が2021年1月以降も特別ビザで5年間イギリスに滞在できるようにすることを決定した。

一方,在香港アメリカ総領事館は10月27日,保護を求めた香港独立派の鍾翰林を受け入れず,領事館から退去させた。鍾翰林はその直後に「国安法」違反容疑で逮捕された。また,政治的迫害を受ける香港人を保護する「香港人民の自由と選択法案」は,12月7日に米下院を全会一致で通過したが,18日の米上院で,テッド・クルーズ議員から,法案は移民の拡大や中国のスパイの浸透させることにつながるとの疑義が提出され,議会の会期満了により不成立となった。

アメリカ「香港自治法」の成立と制裁

「国安法」制定の動きを受けて,5月28日,ポンペオ国務長官が発表した2020年の香港報告書は,もはやアメリカが香港に中国大陸と異なる待遇を続けることを保証できないと記した。29日,トランプ大統領は香港への特別待遇を廃止する手続きを始めるよう政府に指示したと発表した。これを受けて,6月26日,ポンペオ国務長官は一部の中国政府関係者に対してアメリカへのビザの制限をすでに行ったことを明らかにし,29日には,香港への一部技術の輸出を禁止した。また,8月19日には,アメリカ政府は香港政府との逃亡犯引き渡し,受刑者引き渡し,海運業の二重課税防止の3つの協議を停止したと発表した。さらに11月10日,アメリカ政府は香港で製造されたアメリカ向けの輸出品に「香港製」ではなく「中国製」と表示することを義務づけた。

7月14日,トランプ大統領の署名により「香港自治法」が成立した。同法は前年に成立した「香港人権・民主主義法」の強化版で,香港の自治を侵害する個人に対して,資産の凍結やアメリカ入国拒否などの制裁を行う規定を設けると同時に,制裁対象の者と取引する金融機関に対しても,アメリカでのさまざまな業務を不可能にする制裁を科すとした。これを受けて10月14日,アメリカは初めての「香港自治法」報告書を発表し,林鄭月娥行政長官,夏宝龍港澳弁主任,駱恵寧中連弁主任など10人に対して制裁を科すと発表した。中国政府は強く反発し,8月10日にアメリカ人11人に対する制裁を行うなどの対抗策をとった。

一方,米ドルと香港ドルの兌換を制限するなどのより強力な制裁は行われていない。また,アメリカからの制裁対象に中央政府の最高指導者層は含まれていないなど,アメリカ政府の「手加減」もうかがえる。

2021年の課題

2019年の大規模な抗議活動は2020年には表面上鎮静化した。「国安法」の施行により,香港ではあらゆる政治活動や政治的言論が,かつてないリスクを伴うこととなった。市民が大規模デモや,暴力をも行使する過激な抗議活動を再び実施することは容易ではない。他方,市民の政治不信はいまだに強く,不景気によって新たな問題も積み上がっている。政治問題の展開はコロナ禍の行方に左右されるであろう。現在行われている,防疫を理由としたさまざまな政治活動の抑制措置が解除される際には,何らかの形で抗議活動が再開されることも考えられる。そのような情勢下で,延期された立法会議員選挙と,行政長官選挙委員会選挙が2021年に予定されている。民主派が消えた立法会と,介入の度を強めている全人代常務委の決定によって,民主派の勢力をさらに削ぐような選挙方法の改正など,制度改変が行われる可能性が論じられている。

経済においては,コロナ禍による小売,飲食,観光等の業界への未曽有の逆風が長期化している。2021年も早期回復は望みがたく,失業などの社会問題も深刻化が避けがたい。そうしたなかでも,世界的な金融緩和と中国企業の上場などで金融市況は好調であるが,米中対立などの政治リスクも大きい。

対外関係においては,アメリカのバイデン新政権と,香港からの移民の受け入れで中国との緊張関係に陥ったイギリスなどが,香港問題でどのような態度をとるかが注目される。2021年も政府による民主派や抗議活動関係者への弾圧は続くと考えられるが,そうした状況に国際社会がとる態度次第では,香港の政治・経済の状況にも大きな影響が及ぶ可能性がある。

(立教大学法学部教授)

重要日誌 香港特別行政区 2020年
   1月
1日元旦大デモ,主催者は103万人以上,警察は4万7560人が参加と発表。
4日国務院は王志民中央政府駐香港連絡弁公室(中連弁)主任の解任と,駱恵寧の中連弁主任任命を発表。
22日新型コロナウイルス肺炎,香港で2件の高度の疑い例が初めて出現。
30日政府は15のチェックポイントのうち6カ所を封鎖,高速鉄道が運休。
   2月
3日公立病院の医師・看護師組合が,大陸とのチェックポイントの全面封鎖を求めてストライキを開始(~7日)。
4日香港での新型コロナウイルス肺炎の市中感染者が初めて確認される。
13日全国政協副主席の夏宝龍が国務院香港マカオ弁公室(港澳弁)主任に就任。
24日2015年に銅鑼湾書店関係者が大陸で拘束された事件で,経営者の桂民海に寧波市中級人民法院が懲役10年の判決。
26日陳茂波財政長官は財政予算案を発表,18歳以上の香港永住民には一律1万香港ドルの給付を発表。
   3月
5日香港鉄路が2019年の業績を発表,旅客輸送が開業以来初の赤字に転落。
18日中国外交部はアメリカの新聞社3社のアメリカ人記者が香港を含む中国で取材することを禁止。
19日政府は防疫のため外国からの入境者に全員14日間隔離を義務づけ。
29日政府は防疫措置として5人以上の集会を一律禁止。
   4月
8日政府は雇用維持補助金など総額1375億香港ドルの経済対策を発表。
13日港澳弁・中連弁は立法会内務委員会の議事混乱について,民主派議員を宣誓違反として非難する声明を発出。
18日警察は2019年の抗議活動に関連し李柱銘民主党初代主席,呉靄儀元立法会議員ら民主派の15人を一斉逮捕。
22日国務院は5人の香港政府局長の交代を発表。
   5月
16日高校卒業資格統一試験の問題について『人民日報』が批判する記事を掲載。
21日全国人民代表大会(全人代)スポークスマンは22日からの全人代で香港版国家安全法を審議すると発表。
28日アメリカ政府は香港報告書を発表し,香港には特別待遇を認めるべき高度の自治がないと指摘。
28日全人代が閉幕,香港版国家安全法制定の決定が賛成2878,反対1,棄権6で可決。
28日日本の秋葉剛男外務事務次官は孔鉉佑中国大使を召致し,香港の情勢を深く憂慮しているなどと申入れを行う。
28日アメリカ,イギリス,オーストラリア,カナダが香港版国家安全法への深い憂慮を共同で表明。
29日トランプ米大統領が香港への特別待遇を廃止する手続きを始めるよう政府に指示したと発表。
   6月
3日ジョンソン英首相は香港のイギリス海外市民(BNO)パスポート保持者と取得資格保持者に対し,イギリス滞在期間の延長と就労・市民権取得に道を開くと発表。
4日防疫対策の集会制限令を理由に不許可とされていた天安門事件追悼集会を民主派と市民がビクトリア公園で強行。
4日立法会は国歌条例を可決。
9日政府は経営難に陥ったキャセイ航空に対する390億香港ドル規模の支援策を発表。
17日G7外相が中国に「香港国家安全維持法」制定の再考を求める共同声明を発表。
18日全人代常務委員会開催,「香港国家安全維持法」が審議される(~20日・28~30日)。
25日アメリカ議会上院は全会一致で「香港自治法案」を可決。
30日香港衆志ほか多数の新興民主派団体が解散。
30日「香港国家安全維持法」が全人代常務委で可決され,深夜11時に香港で公布,即時施行される。
   7月
1日多くの市民が不許可のデモに参加,10人が「香港国家安全維持法」違反容疑で逮捕される。
1日台湾政府,香港からの逃亡者を受け入れる台港服務交流弁公室を発足させる。
1日アメリカ議会下院は全会一致で「香港自治法案」を可決。
2日国務院は林鄭月娥行政長官の指名により,陳国基行政長官弁公室主任を香港地区国家安全維持委員会秘書長に任命。
2日羅冠聡香港衆志初代主席が香港を離れたとFacebookで発表。
3日政府は国家安全維持委員会名簿を発表。駱恵寧港澳弁副主任・中連弁主任が国家安全事務顧問に就任。
3日中央政府駐香港国家安全維持公署(国安公署)長に鄭雁雄共産党広東省委員会常務委員が就任。
3日「香港国家安全維持法」施行を受けてカナダ政府は香港との容疑者引渡条約を停止すると発表。
6日TikTokが香港撤退を表明。
9日曽国衛政制・内地事務局長,民主派の立法会議員選挙の予備選挙は「香港国家安全維持法」違反の可能性ありと指摘。
9日オーストラリアのモリソン首相は香港人の大卒生ビザ・臨時就労ビザの期限を5年に延長し,その後永住権申請可能とする措置を発表。
11日民主派は立法会議員選挙予備選挙を実施(~12日),61万人が投票。
14日トランプ米大統領は「香港自治法案」に署名,同法が成立。
14日『ニューヨーク・タイムズ』紙はデジタルニュース業務の拠点を香港から韓国・ソウルに移転すると発表。
18日立法会議員選挙の立候補受付開始。
28日香港大学は2014年の雨傘運動に関連し16カ月の懲役刑を受けた戴耀廷副教授を解雇すると決定。
29日香港独立派組織である学生動源の召集人を務めた鍾翰林ら学生4人を「香港国家安全維持法」違反容疑で逮捕。
30日立法会議員選挙に出馬手続きをしていた12人の民主派候補者が選挙主任から出馬資格取り消しの通知を受ける。
31日林鄭月娥行政長官は防疫を理由に緊急状況規例条例を発動して立法会議員選挙の2021年9月5日への延期を発表。
   8月
6日警察は李卓人支連会主席,黄之鋒元香港衆志秘書長ら24人に対して,6月4日に無許可で天安門事件追悼集会を開催した罪で起訴すると通告。
7日アメリカ財務省は林鄭月娥行政長官,夏宝龍港澳弁主任,駱恵寧中連弁主任など11人を制裁すると発表。
10日警察は壹伝媒創業者の黎智英,元学民思潮メンバーの周庭ら10人を「香港国家安全維持法」違反容疑で逮捕。
10日中国外交部はアメリカの上下両院議員やNGO関係者11人への制裁を発表。
11日全人代常務委は立法会議員選挙の延期に関連し,その間全立法会議員が任期を延長して留任できると決定。
19日アメリカ政府は香港政府との逃亡犯引き渡し,受刑者引き渡し,海運業の二重課税防止の3協議を停止したと発表。
23日広東省海警局は広東省南東の大陸の管轄水域で違法越境を企てた船に乗っていた12人を逮捕。
   9月
1日林鄭月娥行政長官,記者会見で「香港に三権分立はない」と発言。
1日香港市民の希望者全員を対象とした新型コロナウイルスの大規模PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査プロジェクトが開始。
18日終審法院は2018年立法会補選で出馬資格無効とされた劉小麗の訴えを認め補選は無効と裁定,陳凱欣の当選無効が確定し,陳凱欣は議席を喪失。
29日民主派立法会議員主流派は任期延長された立法会への残留を決定。
30日民主派立法会議員3人が議員辞職。
  10月
12日林鄭月娥行政長官は14日に予定されていた施政方針演説の延期を発表。
14日アメリカ政府は林鄭月娥行政長官,夏宝龍香港マカオ弁公室主任,駱恵寧中央政府駐香港連絡弁公室主任ら中央政府・香港政府高官10人を「香港自治法」に基づく制裁対象者とする報告書を議会に提出。
21日キャセイ航空は8500人を削減するリストラ計画を発表,子会社のキャセイドラゴン航空の運航は即日停止。
22日イギリス政府はBNOパスポート保持者に1月31日以降イギリスへの5年間滞在ビザを申請可能にすると発表。
27日学生動源の鍾翰林召集人が「香港国家安全維持法」違反で逮捕される。
  11月
9日アメリカ財務省は4人の中央政府と香港警察の関係者を「香港国家安全維持法」に関連して制裁すると発表。
10日アメリカ政府はアメリカに輸出する香港製品に中国製と表示する義務を適用開始。
11日全人代常務委は4人の民主派立法会議員の議員資格の無効を決定。民主派15議員はこれに抗議して辞職を表明。
24日デモ現場で「光復香港時代革命」のスローガンを叫ぶなどしていた周俊文が「香港国家安全維持法」違反で起訴される。
25日林鄭月娥行政長官は施政方針演説を行い広東省との経済融合策を多数発表。
  12月
1日有線電視が報道部門などの大規模リストラを発表,中国取材チームは抗議のため全員が辞表を提出。
2日裁判所は2019年6月の無許可集会扇動罪などで香港衆志元メンバーの黄之鋒に懲役13.5カ月,周庭に10カ月の判決。
3日壹伝媒創業者の黎智英が詐欺罪で起訴され,保釈を認められず勾留される。
3日香港を離れていた民主党の許智峯元立法会議員がイギリスに亡命したと宣言。
3日アリペイを運営するアント・グループの上場延期が発表される。
6日羅健熙が民主党主席に当選。
6日アメリカ財務省は14人の全人代常務委員会副委員長を「香港国家安全維持法」に関連する制裁対象に加えたと発表。
11日壹伝媒創業者の黎智英が「香港国家安全維持法」違反容疑で起訴される。
18日アメリカ上院で香港からの移民を受け入れる法案にテッド・クルーズ議員が異議を表明,同法案の廃案が確実に。
21日終審法院は2019年に林鄭月娥行政長官が緊急状況規例条例に基づき発令した「覆面禁止法」を合憲と判断。
30日8月に台湾への密航に失敗し,大陸当局に拘束された12人のうち10人に,深圳の裁判所は懲役7カ月から3年の判決。

参考資料 香港特別行政区 2020年
①  香港特別行政区政府機構図(2020年12月末現在)

(注)1)二重線で囲んだものは,中央政府およびその出先機関。

   2)3司長および13局長は,行政会議の官職議員である。

   3)3司長13局長のほか,廉政専員(廉政公署長官),審計署署長,警務処処長(警察長官),入境事務処処長,海関(税関)関長は,行政長官が指名し,国務院が任命する。

(出所)「香港特別行政区政府機構図」(http://www.gov.hk/tc/about/govdirectory/govchart/)。

    香港特別行政区司法機構(http://www.judiciary.hk/zh/publications/judfactsheet.html)。

②  香港政府高官名簿(2020年12月末現在)

*女性。

③  司法機構・立法会

(注) 1)防疫を理由として2021年9月まで任期を延長。2)当選後裁判で議員資格を剥奪され,係争中。3)当選後裁判で議員資格剥奪が確定。4)選挙延期に抗議し辞職。5)11月11日に全人代常務委により議席剥奪。6)4議員議席剥奪に抗議し辞職。

*女性。

④  その他

*女性。

主要統計 香港特別行政区 2020年
1  基礎統計

(注)人口は年央,2015~2019年の失業率は季節調整値,為替レートは年平均値。

(出所)香港特別行政区政府統計處『香港統計月刊』各年1月,4月版および政府統計處ウェブサイト。

2  支出別区内総生産(名目価格)

(注)2019,2020年は暫定値。

(出所)表1に同じ。

3  産業別区内総生産(実質:2018年価格)

(注)2019,2020年は暫定値。

(出所)香港特別行政区政府統計處『香港統計年刊』2020年版および『香港統計月刊』2021年4月版。

4  国・地域別貿易

(出所)表1に同じ。

5  国際収支

(注)2019,2020年は暫定値。資本移転等・金融収支の符号は(-)は資本流出,(+)は資本流入を意味する。

(出所)表1に同じ。

6  政府財政

(注)財政年度は4月1日~3月31日。

(出所)表1に同じ。

 
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