アジア動向年報
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各国・地域の動向
2020年の朝鮮民主主義人民共和国 防疫と災害復旧への総動員
中川 雅彦(なかがわ まさひこ)
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2021 年 2021 巻 p. 51-74

詳細

2020年の朝鮮民主主義人民共和国

概 況

2020年の朝鮮民主主義人民共和国(本章では以下「朝鮮」と略し,南北関係については「北側」とする)では,新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延に対して早くから中央集権的な非常防疫体系が設置され,中央や地方の各機関や党組織の動員により国境封鎖や隔離措置をはじめとする防疫事業が展開された。また,夏に梅雨と台風による洪水の大きな被害があり,復旧事業に軍隊や保安機関,党組織が動員された。

国内政治に関しては,国家機関で内閣総理が金在龍から金徳勲に交代し,また,党の中央機関では2度のスキャンダル発覚による異動があった。

南北関係については,改善に向けた進展がまったくみられず,開城共同連絡事務所が爆破されたものの,首脳間のメッセージのやり取りは続いている。

経済については,国境封鎖による影響がみられ,企業の稼働停止やそれによる失業者の発生も伝えられている。国家予算は計画どおりの執行ができたものの,これまでに比べて財政収支の黒字分が縮小しており,余裕のなさが表れている。

対外関係については,アメリカとの関係改善の動きはなかった。むしろ閲兵式で戦略兵器を誇示するなど圧力を強化する方向に動いている。

国内政治

非常防疫体系の設置

2020年1月9日に世界保健機関(WHO)が中国武漢で発生している肺炎に関する声明を出し,15日に日本での感染者が確認されると,16日には朝鮮の公式メディアである朝鮮中央テレビは中国での新型コロナウイルスに関して報道し,政府がこの伝染病に注意を払っていることを印象付けた。21日に朝鮮中央テレビは政府が国際機関と協力しながら対策をとっていると発表した。そして,24日には非常防疫体系が組織された。

非常防疫体系は,非常設中央人民保健指導委員会をトップに,その執行機関として中央と地方に非常防疫指揮部を置く形になっている。中央非常防疫指揮部の責任者には保健省国家衛生検閲院の朴明守院長が就き,事業の進行を統制する総合分科長には呉春福保健相が就いた。そのほか,分科長に保健省の宋仁範局長や李玉香副局長らの名前がみられる。

中央非常防疫指揮部の任務は地方各級に置かれた同部に対する指揮,中央の各省や党組織などの防疫事業の統括である。防疫事業は以下のように分担されている。国家品質監督委員会と保健省で海外出張者のリストアップや国内に入る物資に対する検査検疫を行う。衛生防疫所と病院が感染者,疑診者の隔離,治療,消毒を担当する。保健省と都市経営省は住民に対する医学的観察および検病検診と河川の水質検査および汚水浄化を監督する。また国家保衛省,人民保安省,人民武力省が国境と伝染病発生地域の遮断と封鎖を行い,そして地方の党機関や政権機関で隔離,治療のための場所を確保する(『労働新聞』2020年1月30日,2月4日,3月31日)。まさに,非常防疫体系は保健省幹部が主導権を握る中央非常防疫指揮部を中心に,国家機関,党機関,軍隊および治安機関を総動員する仕組みであった。

政府は非常防疫体系の設置前からすでに国境封鎖を進めてきた。1月22日から外国人の入国が禁止され,23日に外務省が平壌にある大使館や国際機関事務所に対して職員およびその家族の中国への旅行を控えるように強く要請した。24日には,中国国際航空の北京=平壌便が運航を停止し,朝鮮の高麗航空も2月1日の北京=平壌便を最後に平壌=ウラジオストク間を含めてすべての便の運航を取りやめた。国際列車も1月30日に平壌=北京間の列車が,31日に平壌=丹東間の列車がそれぞれ運行を停止し,朝鮮の外国との旅客交通手段はすべて遮断された。

国境封鎖とともに隔離措置も進められた。隔離の対象は1月13日以降に入国した外国人および内国人とその接触者であり,28日から隔離措置が始まった。1月13日以降の入国者は施設で30日間,また彼らとの接触者は接触した日から自宅で40日間隔離された。さらに,外国から入る貨物に対しても10日間の消毒期間が設けられた。そして,スキー場,温泉休養地などのレジャー施設の運営停止,教育機関での学生の休みの延長などの措置もとられ,公共交通機関でマスクを着用していない乗客の乗車を乗務員が拒否することなどが規則で定められた。

6月初めには学校が2カ月遅れで始業するなど,若干の制限緩和の動きがみられた。しかし7月19日に,以前に国を離れて南側に渡った人物が軍事境界線を越えて戻ってきたことで,再び社会的な制限が厳しくなった。24日には軍事境界線に近い開城市が封鎖された。25日にその人物から「悪性ウイルスに関する疑わしい検査結果」が出たと発表され,開城市に非常事態が宣布,全国に「特急警報」が発令された。「特急警報」の具体的な内容は発表されていないが,中央と地方の非常防疫指揮部の権限強化,国境封鎖の徹底,防疫および消毒作業の強化などが主な内容であると推測される。

開城市の封鎖は8月13日に解かれた。在日朝鮮人紙『朝鮮新報』9月7日付がWHO平壌事務所の話として報じたところでは,問題の入境者とその1次,2次接触者など3781人が隔離解除となった。しかし,その後も,国境封鎖は続けられ,国内の行政区域間の人々の移動にも強い制限がかけられている。

新型コロナウイルスの感染如何を調べるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査に関しては,中国,ロシア,WHOなどから検査キットや検査機械などが提供された。そして12月31日までに計1万3259人からの検体2万6244本について検査が実施された。検査対象の内訳については,12月3日の時点で,計1万164人のうち,4445人が重症呼吸器感染症やインフルエンザ様疾患,高熱などによって疑診者とされた人々であり,残りの5719人は隔離施設での作業,検体の収集や検査に従事する人々であったと発表されている。結果はすべて陰性だったとされており,2020年に関しては水際対策が功を奏したといえる。

災害復旧

2019年末の党中央委員会第7期第5次全員会議では「自然災害に対応するための国家的な危機管理体系」を構築することが決定された。それを受けて2020年6月中旬には,国家非常災害委員会に中央洪水被害防止連合指揮部が組織され,中央機関や地方機関による洪水防止のための事業を進めることになっていた。しかし,2020年夏に発生した梅雨と台風の被害は避けられなかった。

7月19~20日に梅雨による洪水の被害が全国で発生した。8月13日の党政治局会議での発表によると,農地3万9296ヘクタールが被害を受け,住宅1万6680世帯余りと公共建物630棟余りが倒壊,浸水し,道路と橋,鉄道などが切断され,発電所堰堤の崩壊などが起きた。とくに江原道金化郡,鉄原郡,淮陽郡,昌道郡と黄海北道銀波郡,長豊郡では住民が疎開地での生活を強いられることになったという。

続いて,8月26~27日に台風8号が上陸して黄海南道と黄海北道で,9月3日には台風9号が上陸して東海岸地区の江原道,咸鏡南道と咸鏡北道で大きな被害をもたらした。このうち,台風9号による被害は,9月5日の発表では江原道で数十人が死亡し,咸鏡南道と咸鏡北道の沿岸地帯で1000世帯余りの住宅が倒壊,多くの公共建物や農地が浸水した。これだけでも決して小さな被害ではないが,8日の発表では,咸鏡南道の剣徳地区だけで深刻な被害があったことが明らかになった。同地区では2000世帯余りの住宅と数十棟の公共建物が倒壊あるいは浸水,6万メートルの道路が45カ所で流失,59本の橋が切断,3500メートル余りの鉄道区間で31カ所の路盤が流失,そして1130メートル余りのレールが2カ所流失して交通が完全に麻痺するという非常事態に直面した。

金正恩は8月13日の党政治局会議で世界的な新型コロナウイルスの蔓延と自然災害という「2つの危機」に直面しているという認識を示し,自然災害の復旧について10月10日の党創建75周年の記念日までに基本的に終えるよう指示を出していた。しかし,相次ぐ台風の被害によって金正恩はこの目標を放棄せざるをえなくなった。被害が深刻であった咸鏡南道,咸鏡北道には軍隊や保安機関のみならず平壌の党組織が動員された。平壌では1万2000人の党員が集められ,二手に分かれて咸鏡南道と咸鏡北道に派遣されることになり,9月9日に平壌を出発して11月20日に帰還するまで主に住宅建設に従事した。

被災地では10月以降から徐々に復興が始まった。10月9日に黄海北道および黄海南道で,23日には江原道で,11月7日に咸鏡北道金策市と咸鏡南道利原郡で新設された住宅への入居が始まった。『労働新聞』などの報道機関はその後も咸鏡北道と咸鏡南道の各地での住宅入居を報じており,被災地の人々が徐々に日常の生活を取り戻している様子を伝えている。

なお,今回の災害に関連して,江原道と元山市の党委員会,人民委員会,保安機関の責任者が処罰され,また,咸鏡南道の党委員長が更迭されたことが報じられた(『労働新聞』2020年9月5日,6日)。

国家機関の人事

4月12日の最高人民会議第14期第3次会議で国務委員会委員の交代,内閣の相(閣僚)を含む大きな異動があった。国務委員会からは崔富日,盧光哲,李秀勇,太鍾洙,李容浩の5人が委員を解任され,新たに李炳哲,金亨俊,金正官,李善権,金正浩の5人が委員に就任した。うち,盧光哲の解任と金正官の就任は人民武力相の交代,李秀勇の解任と金亨俊の就任は党国際部長の交代,そして李容浩の解任と李善権の就任は外務相の交代に伴うものである。金正浩の職責については発表されていないが,人民保安相が兼任することが慣例となっている最高人民会議法制委員会委員長に任命されている。これによって崔富日の解任と金正浩の就任は人民保安相の交代によるものであることがわかる。したがって今回の国務委員会委員の異動は委員の日常的な職責での移動が反映されただけのものであったといえる。なお,人民保安省は社会安全省に改称し,傘下の人民内務軍も社会安全軍に改称したことが6月になって判明した。

内閣では,機械工業相であった楊承浩が副総理に昇格し,機械工業相には副相(次官)であった金正南が就き,新たに李成学(前職不明)が軽工業相に就任した。また,金哲洙国家資源開発相が資源開発相に就任したが,これは国家資源開発省が資源開発省に改称したことに伴うものである。さらに高吉先原油工業相が最高人民会議常任委員会書記長に異動した。なお,原油開発省は原油工業局に改編されたことが後の報道で明らかになった。

金正恩は8月13日の党政治局会議で突然それまでの金在龍総理を解任して,金徳勲を新総理に任命することを発表し,同日付の国務委員会政令によってそれが実施された。夏に入って洪水被害が深刻化し,最終年に入っている国家経済発展5カ年戦略(2016~2020年)の目標達成も厳しくなってきたため,金正恩が総理に経済部門での経験の多い人物を据える必要性を感じたようである。金徳勲は,南浦市にある大安重機械連合企業所傘下の大安電気工場で支配人を務め,大安重機械連合企業所支配人に昇格し,2005年末ごろまでこの職責を務めた。その後,2011年11月から機械工業地帯である慈江道の道人民委員長,2014年4月から副総理,2019年12月31日から党副委員長兼計画財政部長を歴任し,経済事業に通じた人物とみられる。

金徳勲内閣は2021年に入ってようやく陣営を整えることになった。2021年1月17日には6人の副総理と19人の相が任命された。新たに任命された副総理は朴正根(国家計画委員会委員長兼任),全賢哲,金成龍,李成学,朴勲,朱哲奎(農業相兼任)である。うち,国家計画委員会委員長を兼任する朴正根の前職は国家計画委員会副委員長,農業相を兼任する朱哲奎の前職は農業省副相であり,それぞれの部門からの昇格である。李成学の前職は軽工業相,朴勲の前職は建材工業相であるため,それぞれ同部門を担当することになるとみられる。全賢哲は内閣事務局局長,党経済政策室長の経歴があるが,担当は不明,金成龍は対外経済部門の出身であり,同部門を担当するとみられる。副総理の留任は機械工業部門出身の楊承浩のみである。

新たに任命された相のうち,経歴がこれまでの報道からわかるのは,鉄道相の張春成が同省副相,採取工業相の金哲洙が資源開発相からの横滑り,金日成総合大学総長兼教育委員会高等教育相の李国哲が金日成総合大学第1副総長,保健相の崔京哲が平壌医学大学副学長であったことぐらいである。ほかの15人の相の経歴は不明だが,若い世代からの抜擢であろうと推測される。

党機関の人事

2019年末に開催された党中央委員会第7期第5次全員会議では李日煥,金亨俊,李炳哲,金徳勲の4人の党副委員長と10人の党部長が新たに就任した。党副委員長に関しては,『労働新聞』2020年1月18日付の報道で朴泰成,金英哲,崔輝,朴泰徳,朴鳳柱,李万健らが留任していることが明らかになった。党部長に関しても,張金哲党統一戦線部長,盧光燮党歴史研究所所長,李哲万党農業部長らが留任していることが確認される。なお,2020年を通じて,各々の担当業務に関する報道はなかったが,経歴や出席したイベントなどからそれを知ることができる。2020年初の段階で党中央委員会の各事業を担当する主要幹部は,表1のとおりである。

表1 2020年初における党中央委員会各部署の主要幹部

(注)担当事業および部署は経歴,登場するイベントの内容,兼任する役職などに基づく。

(出所)筆者作成。

2月に入ると,党中央委員会幹部のなかでスキャンダルが発覚した。『労働新聞』2月29日付は金正恩が党中央委員会政治局拡大会議を開催し,党中央委員会と党幹部養成機関の幹部の「非党的行為と権勢,特権,官僚主義,不正腐敗行為」を批判したうえで,党副委員長の李万健と朴泰徳を解任したことを発表した。スキャンダルの具体的な内容は明らかにされていないが,党組織指導部長を兼任する李万健と党員の規律を担当する朴泰徳が責任を取ることになったようである。ただし,李万健は党組織指導部で第1副部長に降格されるにとどまった。

8月13日に開催された党政治局会議では,前述の朴泰徳が党副委員長兼部長として復活した。また,内閣総理であった金在龍が党副委員長兼部長に異動し,朴明順,全光浩,金勇洙が党部長に任命された。当時それぞれの担当は発表されなかったが,朴泰徳は党規律調査部長,金在龍は党組織指導部長,朴明順は党軽工業部長であることが後の報道で明らかになった。全光浩については,韓国国家情報院が党経済部長であるとの情報を発表した(『朝鮮日報』[韓国]電子版2020 年11月3日)。全光浩の前職が咸鏡南道地区経済計画委員長,咸鏡南道人民委員長,副総理であること,党経済部が新設されたことが後の報道により確認できることから,この情報は正確なものであると判断される。金勇洙については,前職が党財政経理部第1副部長であったことから党財政経理部長に昇格したと判断される。その後,10月4日に妙香山医療器具工場の竣工式で,それまで金日成総合大学総長兼高等教育相であった崔相健が党部長の肩書で出席し,党科学教育部長に就任していることが判明した。

11月に入ると,ふたたびスキャンダルが発覚した。11月15日に金正恩は党政治局拡大会議を開催し,平壌医学大学党委員会で「厳重な形態の犯罪行為」があったと発表した。スキャンダルの具体的な中身や処分の内容は発表されなかったが,以降,李万健党組織指導部第1副部長の名前が公式報道にみられなくなった。

このほかの2020年内の異動としては,5月23日の党中央軍事委員会第7期第4次拡大会議で李炳哲党副委員長兼軍需工業部長が党中央軍事委員会副委員長に任命された。李炳哲は10月10日の党創建75周年閲兵式で人民軍総参謀長から整列報告を受ける役割をしたことで,軍事に関して最高司令官である金正恩に次ぐ地位にあることが示された。

2021年1月5~12日に党第8次大会が開催され,ここでも党中央委員会各部署の幹部人事に大きな変更が加わった。党政務局が党秘書局に改称し,これとともに政務局メンバーである党委員長は総秘書に,党副委員長は党秘書に改称した。また,各部長に関しては,政治局委員あるいは候補委員に限って,担当の部署が公表された(表2)。

表2 2021年1月11日における党中央委員会各部署の主要幹部

(出所)筆者作成。

開城共同連絡事務所の爆破

南北関係は,6月に北側が開城共同事務所を爆破し緊張が高まったが,首脳間の一定の関係は維持された。

5月6日に南側で韓国空軍空中戦闘司令部が朝鮮西海(黄海)上空で海軍2艦隊との合同防御訓練を実施すると,7日,北側の人民武力省はこれを非難し,「すべてが2018年の首脳会談以前の原点に戻ろうとしている」という認識を示した。

そして,5月31日に南側で,脱北者団体のひとつである自由北韓運動聯合が,軍事境界線から近い金浦市月串面城東里でビラを大型風船につけて北側に飛ばしたことで状況はさらに悪化した。6月4日に金正恩の妹である金与正党第1副部長はビラ撒布を非難したうえで,開城にある南北の共同連絡事務所を廃止すると談話で発表した。6月9日に北側は南北間のすべての通信回線を遮断した。

6月10日に韓国政府はビラ撒布を続けようとする脱北者団体を南北交流協力法違反などで告発する方針を示し,11日に青瓦台も「厳重に対処する」と発表した。しかし,12日に張金哲党統一戦線部長が談話を発表し,青瓦台の発表に関して「われわれとしては信頼より疑惑が勝る」と述べ,韓国への対抗措置を続ける考えを示した。13日に金与正は共同連絡事務所の爆破を予告し,16日に実施された。

対抗措置はさらに続き,6月17日に人民軍総参謀部は,金剛山と開城への軍部隊の展開,非武装地帯への監視哨所の再展開や北側からのビラ撒布を含む「軍事行動計画」を発表した。これは2018年9月19日の軍事合意を事実上覆すことを意味した。このうち,すぐに準備が進められたのはビラ撒布であり,6月22日発朝鮮中央通信は,1200万枚のビラの印刷が終わり,さらに数百万枚の印刷を準備中であること,そして3000個余りの風船などの撒布機材を用意したことを発表した。

しかし,軍事行動には最高指導者の金正恩から制動がかけられた。金正恩は,6月23日に人民軍総参謀部に計画の保留を指示し,ビラ撒布も実施されなかった。金正恩としては南側との2018年9月18日合意を完全に覆してしまうことは避けたかったようである。合意を維持しようとする意志は首脳間での動きに表れた。9月8日に南側の文在寅大統領が金正恩に,新型コロナウイルス危機と台風被害に関する慰問のメッセージを送ると,12日に金正恩は文在寅に対して新型コロナウイルス危機に関する慰問のメッセージを返した。22日に,韓国海洋水産部の漁業指導船の乗組員が泳いで北側に渡ろうとして,北側の銃撃によって射殺されるという事件があった。これに関して,金正恩は党統一戦線部名義の25日付通知文を通じて「申しわけないという気持ち」を南側に伝達した。

経 済

国境封鎖と自然災害による経済悪化

2020年1月末から始まった国境封鎖は対外貿易を抑制することになった。航空機と鉄道は止められ,輸出入の業務は南浦の港と新義州の陸路通過点に限定された。そのうえ8月に発生した洪水によって,船舶や貨物車が被害復旧事業に動員されるようになったため,対外貿易の物資の輸送に大きな支障をきたすようになった。最大の貿易相手国である中国との貿易をみると,もともと減少傾向にあったが,9月から10月の間に往復の金額が10分の1以下になるほどの激減を示しており,台風の影響を確認することができる(表3)。

表3 中国の月別対朝鮮貿易(2020年)

(出所) 『中国海関統計』各号。

貿易の縮小は人々の生活にも影響を及ぼした。駐朝ロシア大使館のマツェゴラ大使は,7月には,商店に輸入品が少なくなってはきたものの,市場と食料品店に肉,魚,野菜,果物などが豊富にあり,食料品の供給には何ら問題がなく,商品価格も安定していると語っていた(駐朝ロシア大使館ウェブサイト[ http://www.rusembdprk.ru/ru/ ]2020年7月23日)。しかし,マツェゴラ大使は2021年2月5日には,9月から輸入品や輸入の原料が途絶えたことで多くの企業が稼働を停止して失業者が出ていること,基本的な食料品や衣類を購入するのが難しくなったこと,そして丈にあった服を購入することができても従来の3~4倍の価格であると述べた(2021年2月8日発インテルファクス通信)。

党と政府も経済の悪化について強く意識したようである。2020年は国家経済発展5カ年戦略の最終年であり,金正恩は8月19日に党中央委員会第7期第6次全員会議の席で2021年に党大会を招集して新たな5カ年計画を提示すると発表していた。そして経済の悪化が目にみえはじめると,9月29日に開かれた党第7期第18次政治局会議では,5カ年戦略に関して「現実的な措置」を講じることが決定された。この「現実的な措置」とは遂行中の5カ年戦略を当初の生産目標が未達成のまま終えることや2020年の年間計画を下方修正することを含んでいたようである。

それでも党大会を前にした生産動員が10月5日に「80日戦闘」として呼びかけられて10月12日から開始され,年末まで各経済部門で展開された。

国家予算の動向

2020年の国家予算に関する報告は,4月12日の最高人民会議第14期第3次会議で行われた。政府報告によれば,2019年の国家予算収入実績は計画の101.5%を執行し,前年より5.3%増加した。国家予算支出実績は計画の99.8%執行であった。国家予算計画は収入と支出が均衡するよう策定されるため,2019年の国家予算収支は収入(=支出)計画の1.6%相当の黒字を出したことになる。また,支出総額のうち,経済部門に対する投資である人民経済発展支出が47.7%,教育と保健および体育・文化などの人民生活部門に対する支出である人民福利増進資金が36.3%,国防費が15.8%を占めていたことが発表された。残りの0.2%は予備費であると推定される。

そして,2020年の国家予算収入計画は収入総額が前年比4.2%増と,2019年実績の増加率よりも低めに設定され,支出計画は前年比6.0%増と策定された。政府発表によると支出総額のうち,人民経済発展支出が47.8%,国防費が15.9%を占める。人民福利増進資金のシェアは発表されなかったが,予備費分を差し引くと36.1%ぐらいであると推定され,前年とほとんど変わらない支出構成の計画であったことがわかる。

2020年の国家予算の実績は,2021年1月17日の最高人民会議第14期第4次会議で発表された。収入実績は計画の100.1%執行で,前年より4.3%増加した。支出実績は計画の99.9%執行であった。これらの数値から2020年の国家予算収支は収入(=支出)計画の0.4%相当の黒字を出したことになる。支出構成に関しては,支出総額のうち人民経済発展支出が45.3%,人民福利増進資金が36.5%,国防費が15.9%であり,ほぼ計画どおりの構成となった。黒字分が前年より小さくなっていることは防疫や災害被害復旧のために財政運営の余裕がなくなっていることを示しているものと思われる。

対外関係

対米関係は進展なし

アメリカとの交渉は2019年10月5日のストックホルムでの実務協議を最後に途絶えたままである。朝鮮側は,トランプ政権が2020年には大統領選挙の準備に入るため,交渉はほとんど難しいと判断したようであり,将来の交渉カードとなる核兵器およびミサイルの開発を進めた。2020年10月10日の閲兵式では,これまで試験発射された大陸間弾道弾「火星-12型」,「火星-15型」のほかにこれまで姿を見せなかった新型の大陸間弾道弾が登場した。

ただし,3月22日に,金正恩がトランプ大統領より親書を受け取っていたことが発表され,また,金正恩も10月3日に,新型コロナウイルス感染症の検査で陽性判定が出たトランプに対して慰問の電報を送るなど,首脳間の「個人的な関係」は維持された。

中国,ロシアと伝統的友好関係を維持

新型コロナウイルス対応での1月末からの国境封鎖措置により,平壌にある在外公館や国際機関の事務所の活動も大きく制限された。2月28日にCNNは,ドイツ大使館,フランス協力事務所,スイス開発協力事務所などが事務所を閉鎖する計画であると報じた。3月9日に外交官ら60人が高麗航空のウラジオストク行き臨時便で帰国の途についた。さらに,イギリス大使館も5月28日に「一時的閉鎖」を発表した。2021年2月5日にロシアのマツェゴラ大使は,「ほとんどの大使館は活動を停止したか,1,2人の人員しか置いていない」と伝えている(2021年2月8日発インテルファクス通信)。

伝統的友好国である中国とロシアの大使館では,さまざまな記念行事が中止されたものの,友好関係の維持をしっかりと確認している。李善権外務相は中国の李進軍大使と6月4日に,任天一外務省副相はロシアのマツェゴラ大使と12月28日にそれぞれ外務省庁舎で会見した。

中国とロシアは朝鮮の新型コロナウイルス感染症対策にも協力している。ロシア外務省は2月26日に,また中国外交部は4月27日にそれぞれ検査キットを朝鮮に提供したことを発表した。そして,ロシア外務省は9月13日に,朝鮮に対する支援物資の小麦粉5万トンの搬入が完了したと明らかにしている。

2021年の課題

2021年の正月には恒例の「新年辞」が前年に続いて発表されず,今後の方針は1月5~7日の3日間にわたって開催された第8次党大会での総括報告に関する報道と,12日に金正恩が発表した「結論」で示された。「結論」の重点は2021年から始まる国家経済発展5カ年計画に関するものであった。計画の目標は「自力更生,自給自足」を基本にして,「いかなる外部の影響にも左右されず経済を持続的に発展するよう正常軌道に乗せる」ことであるとされた。具体的な課題としては,金属工業部門と化学工業部門を中心にして基幹工業部門間の連携を強化すること,農業部門の物質的・技術的土台を強固にすること,そして軽工業部門で原料の国産化の比重を高めることなどが挙げられた。

しかし,新たな5カ年計画の数値目標に関しては,平壌市と剣徳地区でそれぞれ5万世帯,2万5000世帯の住宅建設,セメント生産を年間800万トンにすることしか言及されなかった。また,2020年までの国家経済開発5カ年戦略の執行状況に関しても,基本的に目標に到達しなかったことが発表されただけで,具体的な執行状況は数値で示されていない。これは,新たな5カ年計画に関して数値目標の練り直しが進められていることを意味していると考えられる。

一方,2021年1月17日に開かれた最高人民会議第14期第4次会議での予算報告では,2021年度の国家予算計画に関して収入が0.9%増というこれまでにない低い計画数値が発表され,国境封鎖や自然災害による経済的打撃が大きいことが示された。このまま国境封鎖が続くと経済はマイナス成長に陥る危険もある。

南北関係や対米関係について党大会では改善に向けた新たな方針や政策は示されず,むしろ「国家防衛力」の強化が強調された。そこでは,核技術の高度化,核兵器の小型・軽量化,戦術兵器化をはじめ,大陸間弾道弾の命中率向上のほか,原子力潜水艦の保有,軍事偵察衛星の運営などの国防工業部門および国防科学部門での課題が示された。2021年以降に進められる核・ミサイル開発は多様な技術開発が中心になるであろうが,核実験や長距離ロケットの発射を伴わずに進められる可能性が高い。また,もし南北関係や対米関係の改善のための交渉が始まるとすれば,2021年に発足したアメリカのバイデン政権が朝鮮半島に対する方針や戦略を発表した後になると思われる。

(地域研究センター)

重要日誌 朝鮮民主主義人民共和国 2020年
   1月
5日江原道農業科学研究所および元山蔬菜研究分所竣工。
6日江原道水産事業所竣工。
6日朝鮮中央テレビ,江原道養老院新設を報道。
6日金正恩,順川燐肥料工場建設現場を訪問。
13日南浦ミネラルウォーター工場竣工。
14日元山キムチ工場竣工。
16日平壌市青年公園野外劇場竣工。
17日農業部門総和会議(~19日),金正恩の書簡発表。
21日山林復旧および国土環境保護活動家会議。
21日『労働新聞』『勤労者』共同論説「白頭山攻撃精神で醸成された難局を正面突破しよう」掲載。
22日外国人旅行者の入国禁止。
24日国家非常防疫体系設置。
24日中国国際航空の北京=平壌便運航停止。
25日金正恩,三池淵劇場で旧正月記念公演を観覧。
30日北京=平壌間の国際列車運行停止。
31日平壌=丹東間の国際列車運行停止。
   2月
1日高麗航空,北京=平壌便を最後にすべての便の運航を停止。
1日党政治局,新型コロナウイルス感染症の発生に関して中国共産党中央委員会に支援金を送ると決定。
1日『労働新聞』社説「新型コロナウイルス感染症を防ぐための事業を強く展開しよう」掲載。
3日朝鮮中央通信,1月13日以降の入国者を医学的監視対象とすると発表。
4日朝鮮中央通信,平安南道殷山郡での養蚕用消毒薬生産拠点建設を報道。
7日『民主朝鮮』,平安南道養老院建設を報道。
12日朝鮮中央通信,新型コロナウイルス感染症に関する隔離期間が30日間に延長されると発表。
12日光明星製塩所イオン交換膜製塩工程竣工。
26日ロシア外務省,朝鮮に新型コロナウイルス検査キットを提供したと発表。
28日金正恩,前線と東部地区の防御部隊による合同打撃訓練を指導。
29日『労働新聞』,党政治局拡大会議開催を報道。
   3月
2日金正恩,前線長距離砲兵区分隊の砲撃訓練を指導。
5日韓国青瓦台,金正恩の文在寅大統領宛4日付親書を受け取ったと発表。
5日『労働新聞』,咸興青年1号発電所建設を報道。
9日金正恩,前線長距離砲兵区分隊の砲撃訓練を指導。
12日金正恩,人民軍第7軍団と第9軍団管下砲兵部隊の砲射撃対抗競技を指導。
17日金正恩,平壌総合病院着工式で演説。
20日金正恩,西部前線大連合部隊の砲射撃対抗競技を指導。
21日金正恩,戦術誘導兵器師範射撃を指導。
22日金与正党第1副部長,金正恩がアメリカのトランプ大統領から親書を受け取ったと発表。
27日朝鮮中央通信,国家非常防疫事業総和会議開催を報道。
29日国防科学院,超大型放射砲試験発射を実施。
   4月
10日『労働新聞』,金正恩の軍団別迫撃砲兵区分隊の砲射撃訓練指導を報道。
11日党政治局会議。
12日最高人民会議第14期第3次会議。
12日『労働新聞』,金正恩の西部地区航空・反航空軍師団傘下追撃襲撃機連隊視察を報道。
13日『労働新聞』,咸鏡北道稷下大西洋鰱魚種魚場1段階建設完工を報道。
15日『労働新聞』,咸鏡北道保健酸素工場竣工を報道。
17日漁郎川貯水池竣工。
27日中国外交部,中国が朝鮮に新型コロナウイルス検査キットを提供したと発表。
   5月
1日金正恩,順川燐肥料工場竣工式でテープカット。
6日『労働新聞』,南浦市養苗場新設を報道。
7日朝鮮中央テレビ,黄海南道水路工事完工を報道。
7日人民武力省,6日に実施された韓国空軍空中戦戦闘司令部訓練を非難。
8日『労働新聞』,金正恩が中国の習近平国家主席に口頭親書を送ったと報道。
23日金正恩,党中央軍事委員会第7期第4次拡大会議を指導。
24日『労働新聞』,人民革命軍創建日(1932年4月25日)を国家的名節に制定する20日付政令を発表。
   6月
3日全国すべての小学校,初級中学校,高級中学校,2カ月遅れで新学期開始。
4日金与正党第1副部長談話,5月31日に前線一帯でビラが撒布されたことを非難し,韓国側に対して,開城共同連絡事務所廃止を警告。
7日党第7期第3次政治局会議。
7日朝鮮中央テレビ,羅先市のウサギ牧場建設を報道。
8日『労働新聞』,平城体育館新設を報道。
8日朝鮮中央通信,北南間のすべての通信連絡線を9日から完全遮断すると発表。
9日朝鮮中央テレビ,羅先市養苗場建設を報道。
9日『労働新聞』,清津市有機質複合肥料工場新設を報道。
12日黄海北道養苗場竣工。
14日平安南道養苗場と安州市種魚事業所銀魚養魚場竣工。
16日開城共同連絡事務所爆破。
17日人民軍総参謀部,金剛山観光地区と開城工業地区への部隊展開,民警哨所の再展開などの「軍事行動計画」を発表。
19日『労働新聞』,咸興化学工業大学化学実験館新設を報道。
22日平安南道保健酸素工場竣工。
23日金正恩,党中央軍事委員会第7期第5次会議予備会議で人民軍総参謀部の対南軍事行動計画を保留。
29日『労働新聞』,黄海南道種禽場新設を報道。
   7月
2日党第7期第14次政治局拡大会議。
6日『労働新聞』,咸鏡南道金野郡自然流式水路建設完工を報道。
10日朝鮮中央通信,海州青年野外劇場新設を報道。
11日朝鮮中央通信,漁郎川4号発電所完工を報道。
12日『労働新聞』,羅先市人民病院改築と保健酸素供給所新設を報道。
18日金正恩,党中央軍事委員会第7期第5次拡大会議を指導。
20日『労働新聞』,金正恩の平壌総合病院建設現場訪問を報道。
21日『労働新聞』,伊川軍民発電所完工を報道。
23日『労働新聞』,金正恩の光川鶏工場建設現場訪問を報道。
24日開城市封鎖(~8月13日)。
24日『労働新聞』,枇峴2号発電所完工を報道。
25日党政治局非常拡大会議。
26日金正恩,武力機関の主要指揮官に拳銃「白頭山」を授与。
27日全国老兵大会,金正恩祝賀演説。
27日『労働新聞』,金正恩の祖国解放戦争参戦烈士墓訪問を報道。
   8月
5日党第7期第4次政務局会議。
6日金正恩,黄海南道銀波郡大青里を訪問。
7日 金正恩,銀波郡大青協同農場第5作業班を訪問。
13日党第7期第16次政治局会議。
13日金在龍総理解任,金徳勲総理就任。
15日『労働新聞』,大赦に関する7月30日付政令を発表。
19日党中央委員会第7期第6次全員会議,金正恩演説。
25日党第7期第17次政治局会議と党第7期第5次政務局会議,防疫事業の強化,台風被害に対する非常対策を審議。
26日『労働新聞』,新義州練炭工場新設を報道。
26日台風8号により黄海南道と黄海北道で被害(~27日)。
28日『労働新聞』,金正恩の黄海南道の台風被害地域訪問を報道。
   9月
1日『労働新聞』,球場郡食料工場砂糖大根加工工程建設を報道。
3日台風9号により咸鏡南道と咸鏡北道で被害。
3日元山市と江原道活動家の「反党的行為」に関する会議。
5日金正恩,咸鏡南道台風被害地域で党政務局会議を招集,首都平壌の全党員に対する公開書簡発表。
6日『労働新聞』,五佳山自然保護区管理所動植物展示館新設を報道。
8日党中央軍事委員会第7期第6次拡大会議を招集。
10日『労働新聞』,平安北道養苗場新設を報道。
11日金正恩,銀波郡大青里を再び訪問。
11日『労働新聞』,興南肥料連合企業所栄養液肥料工場完工を報道。
14日朝鮮中央テレビ,平安北道養苗場竣工を報道。
15日『労働新聞』,金正恩の黄海北道金川郡江北里訪問を報道。
16日朝鮮中央テレビ,安石干潟地(平安南道)建設完工を報道。
19日『労働新聞』,咸鏡南道の通信回線復旧工事終了を報道。
29日党第7期第18次政治局会議。
30日高山果物加工工場竣工。
30日麟山郡龍石発電所竣工。
  10月
1日金正恩,金化郡復旧現場を訪問。
2日革命博物館で「偉大な首領様たちと戦友館」が開館。
4日妙香山医療器具工場竣工。
4日興州青年4号発電所竣工。
5日党第7期第19次政治局会議。
5日伊川軍民発電所竣工。
7日教育図書印刷工場現代化,竣工。
8日平壌香料工場現代化,竣工。
9日『労働新聞』,恵山キムチ工場新設を報道。
10日党創建75周年閲兵式,金正恩演説。11日に金正恩,閲兵式参加者と記念撮影。
10日『労働新聞』,平壌市蹴球学校,平壌市航空倶楽部の建設完成と東平壌競技場の改築補修を報道。
10日『労働新聞』,船橋編織工場人造毛生産工程確立を報道。
13日『労働新聞』,東新3号発電所新設を報道。
13日金正恩,剣徳地区被害復旧現場を訪問。
15日『労働新聞』,金正恩の咸鏡南道新浦市・洪原郡被害復旧建設現場訪問を報道。
15日三池淵市人民病院開院。
17日『労働新聞』,順川ナマズ工場でのスッポン養殖基地建設を報道。
20日『労働新聞』,平安南道青年野外劇場新設を報道。
22日『労働新聞』,金正恩の中国人民志願軍烈士陵園訪問を報道。
25日『労働新聞』,金正淑平壌紡織工場フェルト生産工程確立を報道。
30日金野江2号発電所竣工。
  11月
6日文川郡民発電所竣工。
15日党第7期第20次政治局拡大会議。
15日元山農業大学寄宿舎竣工。
23日黄海北道跆拳道訓練館竣工。
24日沙里院青年野外劇場竣工。
24日両江道養老院竣工。
25日新義州紡織工場労働者宿舎竣工。
25日黄海北道蹴球学校竣工。
29日党第7期第21次政治局拡大会議。
29日昌城郡でヒツジ飼育場竣工。
29日羅先麦酒工場竣工。
30日平安北道東来江貯水池竣工。
  12月
1日『労働新聞』,高原大興発電所の操業を報道。
1日泰川スッポン工場竣工。
6日新義州青年野外劇場竣工。
6日平北豚工場現代化,竣工。
7日香山野外氷上場竣工。
7日球場養魚事業所現代化,竣工。
9日『労働新聞』,文川製錬所鉛精錬系統改築を報道。
10日煕川入院寝台工場竣工。
11日『労働新聞』,新浦魚類缶詰工場改築を報道。
13日『労働新聞』,多獅島閘門改築工事完工を報道。
16日『労働新聞』,安州市七星公園改築を報道。
16日景岩セメント工場で数万トン規模のセメント生産工程竣工。
19日『労働新聞』,文川鋼鉄工場での硬質合金鉄生産工程確立を報道。
19日『労働新聞』,興山鉱山での空気機械式敷線工程確立を報道。
20日平壌民族楽器工場新設。
23日朝鮮中央テレビ,安辺燐肥料工場の能力拡張,操業開始を報道。
24日『労働新聞』,平城青年野外劇場と順川ナマズ工場スッポン職場の建設を報道。
24日朝鮮中央テレビ,元山通信機械修理工場の改建を報道。
25日朝鮮中央テレビ,元山養魚事業所の新設を報道。
26日朝鮮中央テレビ,元山市無軌道電車事業所新設を報道。
28日『労働新聞』,咸鏡南道建材工場タイル生産工程新設を報道。
28日朝鮮中央テレビ,文川炭酸ソーダ工場新設を報道,泰川青年ウサギ種畜場改建を報道。
29日『労働新聞』,左陽山ミネラルウォーター工場と黄海南道保健酸素供給所の完工を報道。
29日党第7期第22次政治局会議。
30日朝鮮中央テレビ,塩州青年養魚場改築,海州青年野外劇場新設,咸興民俗公園新設を報道。

参考資料 朝鮮民主主義人民共和国 2020年
①  国家機構図(2020年12月末現在)
②  朝鮮労働党中央機構図(2020年12月末現在)
③  党および国家機関の指導メンバー(2020年12月末現在)

③  党および国家機関の指導メンバー(2020年12月末現在)(続き)

主要統計 朝鮮民主主義人民共和国 2020年
1  国家予算収入総額および国家予算支出総額・収支(2013~2021年)

(出所)各年度国家予算報告による。

2  国防費(2013~2021年)

(出所)各年度国家予算報告による。

3  穀物生産(2013~2019年)

(出所) 『朝鮮新報』日本語版2019年2月22日,FAO平壌代表部2015年6月15日発表,朝鮮社会科学院の李基成教授インタビュー(『週刊東洋経済』第64905号[2013年10月12日号],同第6628号[2015年11月14日号],『週刊東洋経済』ウェブサイト2018年3月1日),2018年および2019年は国連の“DPR Korea Needs and Priorities”2019年版および2020年版。

4  中国の対朝鮮貿易(2015~2020年)

(出所)『中国海関統計』各号。

5  ロシアの対朝鮮貿易(2015~2019年)

(出所)『ロシア外国貿易統計』各号。

 
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