2022 年 2022 巻 p. 393-408
2020年は新型コロナウイルス感染症による死者がゼロであったティモール・レステでも,2021年には陽性者が約1万9000人を数え,122人が死亡する事態に至った。さらに4月に生じたサイクロンによる洪水被害に対応すべく,政府は,各国からの支援を受けつつワクチンの確保と接種を推進するとともに,人びとの生活を保障するため追加の予算措置による経済対策を策定した。このような迅速な対応は,前年まで混乱が続いていた政局が安定したことから可能となった。今後の政治的安定を決定づける2022年の大統領選挙に向けた準備作業が進み,立候補者の出馬表明が相次いだ。
経済は2020年のマイナス成長から緩やかな回復の兆しがみられた。しかし,国家財政を支える石油基金の持続性に政府は危機感を募らせることとなった。特にグレーター・サンライズ液化天然ガスプロジェクトを含む,油田・ガス田からの生産と収入の中長期的展望が不透明となったためである。これまで経済成長の推進役であった公共投資のあり方を含め,新たな国家財政の施策を検討する時期に至ったと政府は自覚した。
各国とは,ワクチン確保,災害対応,選挙準備,開発,防衛各方面における協力関係構築が進められた。
2021年は,ティモール・レステで初の新型コロナウイルス感染症による死者が生じた。2月に入り首都のディリ,コヴァリマ,バウカウ各県で陽性者が確認され始めたことをうけ,政府は2020年3月から出されていた非常事態宣言を延長した。まずは市民に認められていたインドネシア側市場への往来,また陽性者が発生した地域内外への往来を禁止する蔓延防止措置(サニタリーフェンス)が発動された。さらに2021年3月より,ディリのほか複数の県において外出禁止と不要不急の経済活動の停止を内容とするロックダウンが実行された。5月後半には1日当たり200人前後,またデルタ株の蔓延を受けて8月後半には1日当たり300人前後の陽性が判明した時期もあり,非常事態宣言は11月28日まで繰り返し延長された。2021年12月末現在,累計の陽性者数は1万9833人,死者数は122人に達した。
感染が拡大するなか,国際的なワクチン調達・分配枠組みCOVAXファシリティに参加したティモール・レステは2万4000回分のワクチンを確保し,接種が4月7日に始まった。医療従事者,高齢者を対象とした接種の優先付けをしながら,12月末までに人口の45.3%が少なくとも第1回目の接種を完了した。ワクチンは各国からの無償支援により,アストラゼネカとシノバック製が主に供給されたほか,7月に政府が12〜17歳の若年層に対してファイザー製のワクチン接種を決定し,10月末にその第1便が到着した。
ワクチン輸送に必須である冷蔵容器や冷蔵機器を配備した車両は,日本などから無償で提供された。ワクチンの供給体制が整う一方,ワクチンの有効性・安全性について一般市民への周知が課題となった。特に,7月にワクチン接種後の高齢女性が死亡すると,市民の間からワクチンの安全性に対する疑念の声があがった。これに対して,民族抵抗運動のカリスマ的リーダーであるシャナナ・グスマン,政府関係者,司教らが接種を市民に呼びかけた。
感染の広がりに追い打ちをかけたのが,4月4日に発生したサイクロン・セロジャによる大雨と河川の氾濫・洪水災害である。同月末時点の政府発表によれば,被害は首都ディリのほか,オイクシ,マナトゥト,アイナロ,ヴィケケ各県にわたり,41人が死亡(10人の行方不明者含む),数百の家屋が倒壊するなど,3万1337世帯が被災した。道路の冠水や橋梁の倒壊が相次いだほか,2163ヘクタールに及ぶ農業地帯が浸水し,食糧の確保が課題となった。6月時点において,政府はニュージーランド,オーストラリア,韓国,日本,アメリカなどから総額1070万ドルの支援を受けたことを発表した。
これら感染症拡大と洪水災害に対応するため,4月1日に統合危機管理センター(CIGC)が再稼働した。コロナ対策費を計上するため,同月23日には2021年度国家予算が改正され,歳出総額は1億3530万ドル増の21億6510万ドルとなった。ワクチン購入やCIGCへの配分のほか,雇用支援,収入支援,支払い猶予措置,電力や家賃支払いへの補助金,学生支援,各世帯に食糧や配給券が支給される基礎バスケットプログラム,前年に開始した新型コロナ基金への配当などに予算が充てられた。社会的弱者を含む国民への再分配に予算を充当することが目的である。
2022年大統領選挙に向けた動き2021年は,翌年に予定される大統領選挙実施に向けた動きが活発化した。5月より国家選挙委員会(NEC)と選挙管理技術事務局(STAE)が市民教育や選挙人登録に向けた準備作業に着手し,フランシスコ・グテレス・‘ルオロ’大統領も,新型コロナウイルス感染症の危機にあっても選挙の実施が望まれるとして,準備作業を加速するよう呼びかけた。
7月には選挙人登録が始まり,選挙関連の改正法が公布された。選挙人登録法改正案は,STAEによる個人情報へのアクセスを認める条項が個人の自由の保障を定める憲法の条文に反するとの理由から一度大統領から議会に差し戻されたが,議会の可決をへて9月に公布された。政府は新型コロナウイルス危機に対応するため,選挙人の登録期間を2022年1月14日まで延長し,オーストラリア,韓国,ポルトガル,イギリスにおける在外登録も可能とした。
大統領選に向けて立候補者の出馬表明が6月から相次いだ。副首相兼社会連帯インクルージョン大臣で,連立政権を組むティモール国民統一党(KHUNTO)代表のアルナンダ・ベルタ・ドス・サントスと報道委員会委員長ヴィルジリオ・ダ・シルバ・グテレスが早々と立候補を表明したほか,労働党党首マリア・アンジェラ・フレイタス・ダシルバ,司祭を務めていたマルティーノ・ゲルマンド・ダシルバ・グスマンが立候補者に名を連ねた。さらに,レレ・アナン・ティムール国軍司令官や,通商産業環境(現観光通商産業省)大臣などを務めた経験のある無所属のコンスタンシオ・ピントが出馬の可能性に言及した。2007年から5年間大統領を務め,ノーベル平和賞受賞者でもあるジョゼ・ラモス・ホルタも立候補の可能性をほのめかした。そのようななか,7月27日,デオリンド・ドス・サントス上訴裁判所長官は,古参のティモール闘士連合(KOTA),社会民主協会(ASDT)を含む7政党が政党としての規定を満たしておらず,次期国政選挙への参加資格がないことを確認したと発表した。
与党ティモール・レステ独立革命戦線(FRETILIN)の内部では,ルオロ大統領が務める党首とマリ・アルカティリが務める書記長の2つのポストに対し,ジョゼ・アゴスティーノ・セキーラと前首相のルイ・マリア・アラウジョのペアが立候補を表明していた。しかし,党内選挙を行う予定だった9月の党大会は,新型コロナウイルスの影響により1年延期されることとなり,同党からの大統領選挙への立候補者も明らかにならなかった。10月以降,ルオロ大統領が地方視察へ赴くようになると,選挙キャンペーンの一環ではないかとの批判が最大野党のティモール再建国民会議(CNRT)から出された。一方,CNRTでも11月開催の党大会において大統領選挙への立候補者選出はなく,ラモス・ホルタの立候補をグスマンが支持するのではないかと囁かれるようになった。
市民社会の目とタイスの無形文化遺産の指定政府の財政運営に市民社会の厳しい目が向けられている。その原因となったのは,オエクシ・アンベノ特別行政区(RAEOA)に配備されるハクソロック・フェリーの納入遅延である。2017年に1350万ドル規模の予算措置が図られて以降,建造された船舶が未だ納入されていないにもかかわらず,ほぼ同額の新たな予算が計上されたため,市民社会組織よりその措置の適切さに対して疑惑の声があがった。バノRAEOA代表が2023年の納入を目指すと言及する一方,調達手続法違反の疑いにより,検察庁の捜査が予定されている。
コロナ禍に見舞われた1年のなか,12月,国連教育科学文化機関(UNESCO)により,伝統織物タイスが無形文化遺産に承認されたことはティモール・レステにとって喜ばしい知らせであった。タイスは,祭事,文化,宗教的な儀式で欠かせないものであり,主に女性が木製の織機で自然の染料を用いて染めた生糸を織り上げて作る。希少になりつつある文化遺産を保護するため,政府は合わせて26万5000ドルの財政支援を行うことを決定した。
2021年は度重なるロックダウンや蔓延防止措置と洪水被害に見舞われたが,新型コロナワクチンの接種が進んだことによる経済活動の再開を受け,民間消費が回復し,経済成長は緩やかに回復する兆しがみられた。財務省が発表した石油部門を除いた実質国内総生産(GDP)成長率(予測値)は,前年のマイナス8.6%からプラスの1.6%に転じた。その主要因は,公共投資と輸出の回復とみられる。国家予算の執行率をみると,公共移転分野における執行率は74%と新型コロナウイルス危機への即応性が確認できる。ただし,開発資本分野の執行率は12月末で33%にすぎないことは注視される。開発事業へは十分な予算配分がされているものの,2020年8月に発表された経済回復計画を含め,経済成長へ向けた基盤整備が進んでいないからである。輸出に関しては,コーヒーを中心に伸び,前年度の輸出総額を第3四半期で超えた。輸入は,鉱物・燃料,車両,穀物を中心に増え,第3四半期の時点で前年の輸入総額5億ドルを超えた。
2021年9月のインフレ率は,前年同月の0.3%を大幅に上回る4.1%であった。国際的な原材料価格高騰の影響を受けているが,なかでも食糧,アルコール,タバコといった商品価格の上昇が反映されている。これにより,2021年のインフレ率(10月時点の予測値)は過去7年間で最も高い3.2%となった。なお,コメ価格の下落とコーヒー価格の上昇は,コメを主食のひとつとする国民やコーヒーを輸出する農家にとっては良い知らせである。
しかしながら,新型コロナウイルス対応のための国境閉鎖とそれに伴う航空機の運航停止は,ティモール・レステ経済と人々の生活にとって大きな打撃であった。観光分野の市場規模は,2019年の2400万ドルから2020年の400万ドルへと80%縮小した。当国の約70%の労働者が非正規雇用あるいはインフォーマルセクターに従事するといわれるため,経済活動の縮小から生じる失職や収入低減に直面する人びとへの生活保障が政府による対策の中心となった。2021年は,特に妊婦と乳幼児など社会的弱者に対する社会保障プログラムが拡充された。
以上のような対策を含め歳出が増加するなか,国家財政を支えてきた油田・ガス田からの収入と石油基金を維持できるかどうかが中長期的な不安材料であることを,政府,世界銀行ともに認識している。石油基金の積み立ては,2021年1月の時点で182億8900万ドルだったが,年度末にはさらに2億ドル増えることが見込まれている。ただし,この積立金の安定性が危ぶまれているのである。石油基金の積立金と将来的な石油収入の現在価値を合計した資産の3%を国家財政への引き出し上限とした運用をしながらも,近年はその倍近くの額を国家予算に充ててきた。この石油基金の主な収入源であったバユ・ウンダン油田・ガス田が2023年頃に生産を終了するうえ,次の財源として期待されてきたグレーター・サンライズの開発は見通しが立っておらず,その開発からの収入規模は依然として不透明である(次項参照)。試算方法によって異なるものの,現行の財政政策のままであれば,10年から数十年後には石油基金が涸渇することが憂慮されている。
国家財政の約80%を賄ってきた石油基金の維持が難しいとなれば,経常的経費を引き締めるとともに,新たな収入源を模索する必要があると政府は言及している。2021年度国家予算の税収入は,経済回復の途上にあることも反映し,前年度よりマイナス2%の1億1200万ドルの見込みとなっており,税制を抜本的に見直す必要も指摘されている。ただし,財政を安定させるには不確定要素が多く,容易には解決できない課題である。新型コロナウイルス危機は民間投資,製造業,民間消費,観光産業に負の影響を与えており,経済成長の足枷となっている。加えて4月の洪水被害のように,自然災害はインフラや基幹産業である農業に大きな打撃を与えることから,防災対策にも早急に取り組まなければならない。
石油・液化天然ガス開発事業とグレーター・サンライズ開発の行方石油・液化天然ガス(LNG)開発事業は,沿岸部と海洋部にまたがって計画が存在するが,沿岸部の開発にはこの数年大きな動きがなかった。そのようななか,オーストラリアのティモールリソース社は,南部コヴァリマ県のマタエ油田とカムナサ油田における採掘開始に向けた準備に着手したことを発表した。10月に試掘が開始されたものの,十分な生産量が見込めないとの見方が出ている。
海洋部において注目されるグレーター・サンライズ開発に関しては,ティモール・レステとオーストラリアの間で協議が進んだ。3月,国家石油当局(ANPM)は,グレーター・サンライズにおける共同開発のための石油鉱業コードなどを含む法的枠組みに関し二国間で最終合意に達したと発表した。続いて4月以降,両国は財政面,操業面の法的枠組みに関して順次協議に入った。
このように採掘を中心とする上流部門の事業実現に向けて協議が急がれているが,ティモール・レステが抱える根本的課題は,精製をはじめとする下流部門の開発の行方である。現在グレーター・サンライズ開発の権益は,国営ティモール・ギャップ社が56.56%,ウッドサイド社が33.44%,大阪ガスが10%を保有し,これらがジョイント・ベンチャーを形成している。海上の国境線画定に関する条約により石油資源共同開発地域(JPDA)がティモール・レステの領海内に属することとなったため,共同開発事業から得られる収入の70%,パイプラインがオーストラリアへ敷設された場合は80%をティモール・レステ政府が得ることで合意されている。パイプライン敷設に関しては,ティモール・ギャップ社の提案を待ち,ティモール・レステ,オーストラリア政府を含めた協議がもたれる。
グレーター・サンライズ開発では,5兆1300億立方フィートの天然ガスと2億2600万バレルのコンデンセートが産出されると見込まれ,これは500億ドル相当の収入に換算される。ここから経費を差し引いても,税収・ロイヤルティにより約50億から200億ドルが国家財政にもたらされることが予想される。一方,こうした試算に対しては,ティモール・レステ側にパイプラインが敷設される前提で構成される南部複合開発事業であるタシマネ・プロジェクトに係るコストを含め慎重に収益の有無が検討されるべきとの声もある。実際に,11月に提示された2022年度国家予算案では,ティモール・ギャップ社と政府がグレーター・サンライズ開発資産総額の6億7300万ドルを0に減損処理したことが判明した。両国政府と共同事業の関係者との間で税制枠組みや開発方針につき意見が一致しなかったことや,中長期的な石油・ガス価格の見通しやエネルギー市場の動向の不確実性が高まったことなどを政府は修正理由に挙げており,開発の先行きが見通せない状態となった。
新型コロナウイルス感染症の陽性者増加と4月の洪水被害を受け,各国から支援が行われた。ワクチンについては,COVAXによるアストラゼネカ製,中国のシノバック製に続き,オーストラリア,ポルトガル,日本からの提供が続いた。同時に,教育,保健,農業,水,衛生分野を中心とした開発支援も継続され,2021年度の開発支援総額は1億5510万ドルと試算されている。政府が示す開発パートナーに含まれる支援国は,オーストラリア,EU,国連,日本,ポルトガル,韓国,アメリカ,ニュージーランド,ドイツなどである。中国からは,新型コロナウイルス危機対応としてワクチン10万回分が供与されたほか,フェイスマスクの提供,マルチメディアに対するデジタルシステム導入の支援などがあった。2022年に実施を控える国政選挙に向けては,日本による国連開発計画(UNDP)経由の選挙準備支援が始まったほか,国連関係者や選挙監視団を派遣するEUとの協議が行われた。また政府は,アメリカ,オーストラリア,韓国とは防衛協力について,隣国インドネシアとは,新型コロナウイルス対応における国境管理に関する協議を行った。
オーストラリアでは,2006年にティモール・レステと締結した特定海洋アレンジメント協定の交渉過程で,オーストラリアによるスパイ行為を内部告発した元情報機関職員とその弁護士に対する裁判が続いた。6月には元諜報職員に対して禁錮3カ月が求刑された。2020年,この裁判が国家機密を漏洩する恐れがあるとして一部を非公開とすることをオーストラリア政府が要求し,それが受け入れられた。一方,元職員と弁護士への起訴そのものの取り下げを要求するデモ活動が活発化した。オーストラリア連邦司法長官を経験したギャレス・エバンス前首相が起訴取り下げを支持すると発言したこともあった。10月,上訴裁判所は弁護士による裁判の一部非公開の取り下げ要求を認める判決を下した。その後,議会上院でも司法長官が出席して本件に関する質疑が取り交わされ,ティモール・レステ側を含め,政治的関心が高まっている。
3月19日に予定される大統領選挙に向け,1月初旬,与党FRETILINからはルオロ大統領の出馬表明があった。その1週間後,グスマンとCNRTからの支持を得て,ラモス・ホルタ前大統領も出馬を表明した。選挙結果の行方も重要であるが,選挙後も,グスマンとアルカティリを軸に展開される,抵抗運動指導者たちの政治的協調が図られるかが問われる。独立以降に生まれた世代が全人口の半数以上を占めるなか,2023年に行われる議会選挙も含め,若い世代の声を新政権にどのように反映させるのかが,政治的安定の観点から注目される。
2022年度予算は総額21億114万ドルとなり,前年度の規模を上回った。開発事業を含め確実な予算執行がまず求められよう。そして,先行きが不透明となったグレーター・サンライズ開発のみに囚われず,国家財政の安定に向けて多様な収入源を確保すべく議論の活発化が予想される。経済成長には新型コロナウイルス感染症が終息して観光業が回復することのほか,ディリ西方郊外のティバール港湾施設やディリ国際空港で進む官民パートナーシップ投資プロジェクトをはじめとした,民間部門の経済活動が活性化することが必要である。
(青山学院大学)
1月 | |
3日 | 政府,2月1日まで非常事態宣言を延長することを決定。 |
13日 | 運輸通信省,インターネット企業を規制する法律を提示。 |
14日 | タウル・マタン・ルアク首相,新型コロナウイルスワクチン接種計画立案のため,技術委員会の設立に言及。 |
19日 | EU,新型コロナウイルス対応のため,240万ドルを提供。 |
29日 | 政府,新たな非常事態宣言を発出。 |
2月 | |
2日 | 検察庁,国会にサイバー犯罪法案を提出。 |
2日 | 政府,統合危機管理センター(CIGC)の再稼働を決定。 |
2日 | 国防大臣と韓国大使が防衛協力について会談。 |
5日 | ルオロ大統領とニュージーランド大使が人材育成協力の強化について協議。 |
5日 | 中国,コヴァリマの住民にフェイスマスク4万枚を提供。 |
9日 | ルオロ大統領とオーストラリア大使が二国間関係について協議。 |
9日 | 国家警察と東ティモール中央銀行がマネー・ローンダリング撲滅のための協定に調印。 |
19日 | 閣議で「領土の行政区分に関する法律案」が承認される。 |
22日 | 汚職防止法が施行される。 |
26日 | ディリ県などでコミュニティ内における最初の新型コロナウイルス感染経路事例を確認。 |
3月 | |
1日 | 国会,非常事態宣言の延長を承認(4月2日まで)。 |
5日 | ティモール・レステ国防軍(F-FDTL)とアメリカ軍,兵士のプロフェッショナル化を目指す技術協力を協議。 |
5日 | 上訴裁判所,2021年度国家予算に1400万ドルの資金を追加するという政府提案を支持する判決を下す。 |
8日 | 政府,ディリのロックダウン措置を決定。 |
16日 | 政府,ディリのロックダウンを4月2日まで延長することを決定。 |
23日 | CIGC代表とインドネシア大使,国境地帯の安全保障問題について会談。 |
25日 | ルアク首相とアメリカ大使が二国間協力について会談。 |
31日 | 国会,非常事態宣言を5月2日まで延長することを承認。 |
4月 | |
1日 | 政府,首都ディリのロックダウンに関し14日間の再延長を決定。 |
4日 | サイクロン・セロジャによる洪水が各地で発生。 |
7日 | オーストラリア大使館とアメリカ海軍が洪水被災者を支援。 |
8日 | コノコフィリップス社,ティモール・レステ赤十字社に2万ドルを提供。 |
12日 | 国防大臣とアメリカ大使が防衛協力について協議。 |
22日 | 中国,10万回分のシノバック製コロナワクチンを提供。 |
26日 | オーストラリア,ティモール・レステ赤十字社に人道支援物資を正式に引き渡す。 |
27日 | 国会,2022年度追加予算1億3500万ドルを最終承認。 |
5月 | |
4日 | 国会,野党議員アデリト・ダ・コスタの議員特権を剥奪。 |
10日 | 選挙管理技術事務局(STAE)と国家選挙管理委員会(CNE)が選挙準備に関する協議を実施。 |
19日 | 政府とアメリカ国際開発庁が,ティモール・レステ経済強化のための協定に署名。 |
31日 | 政府,ロックダウン継続を決定。 |
6月 | |
9日 | 政府,ディリのロックダウンに関し1週間の再延長を決定。 |
10日 | 公共事業省,農村部の道路修復のために企業と協定を締結。 |
16日 | 大統領と上訴裁判所長官が大統領選挙について協議。 |
16日 | 検察庁,2020年5月の議会における抗争に関し,ティモール再建国民会議(CNRT)議員8人を送検。 |
17日 | ディリのロックダウン終了。 |
17日 | 国会,児童保護法の起草を開始。 |
30日 | 人身売買対策委員会が発足。 |
30日 | 国会,選挙法改正を承認。 |
7月 | |
1日 | ティムール国軍司令官,2022年大統領選への出馬を表明。 |
1日 | CNEとSTAEが選挙人登録を開始。 |
3日 | 海上自衛隊練習艦せとゆき,かしま来航。 |
5日 | 大統領,非常事態宣言の30日間再延長を承認。 |
13日 | 中国,マルチメディアデジタル化システム導入のため800万ドルを提供。 |
14日 | 閣議,2022年一般国家予算の総枠を15億7160万ドルとすることを承認。 |
15日 | 大統領,選挙法改正を公布。 |
15日 | ポルトガルからのアストラゼネカ製コロナワクチン1万2000回分到着。 |
17日 | 政府,大洪水の被害を受けたドイツおよびベルギーとの連帯を表明。 |
22日 | 政府,集中豪雨の被害を受けた中国との連帯を表明。 |
27日 | 国会,非常事態宣言の延長を承認。 |
8月 | |
4日 | 閣議,海外居住のティモール・レステ人の有権者登録に関する法令案を承認。 |
13日 | オーストラリアと,ヘラ港開発に関する協定を締結。 |
16日 | 中国,新型コロナウイルス対応と経済復興への支援を表明。 |
16日 | 日本,16万回分のアストラゼネカ製コロナワクチンを提供。 |
25日 | 政府,7日間のディリのロックダウンを決定。 |
9月 | |
1日 | 政府,ディリのロックダウン継続を決定(9日まで)。 |
7日 | 大統領,選挙人登録法を公布。 |
21日 | 国会,児童保護法を可決。 |
24日 | 政府,非常事態宣言の30日間延長を決定。 |
10月 | |
15日 | 政府,2022年国家予算案16億6750万ドルを国会に提出。 |
20日 | 駐ティモール・レステ国連常駐調整官ら,下院議長,国民党代表と選挙について協議。 |
22日 | 非常事態宣言延長(~11月28日)。 |
27日 | サンタクルス虐殺事件の撮影者マックス・スタール死去。 |
29日 | F-FDTL,ティモール・レステ国防省とオーストラリア国防総省,防衛協力について会談。 |
11月 | |
5日 | 政府,韓国と協力協定を締結。 |
5日 | 大統領,妊婦と子供のための補助金法を公布。 |
17日 | 閣議でアタウロ島に関する政令法が承認される。 |
20日 | 大統領,新型コロナウイルス感染予防のための保健システム法を公布。 |
12月 | |
1日 | 国会,2022年度予算案の審議を開始。 |
2日 | 政府,日本と人材育成に関する新たな協定に調印。 |
14日 | ユネスコ,伝統織物タイスを人類の無形文化遺産に認定。 |
17日 | 国会,約21億ドル規模の2022年度国家予算案を承認。 |
(注)2020年6月24日以降新閣僚で構成される第8次憲政内閣では,Taur Matan Ruak(PLP)が首相と内務大臣を,Armanda Berta dos Santos(KHUNTO)が副首相と社会連帯インクルージョン大臣を,José Maria dos Reis(FRETILIN)が副首相と開発計画・領土大臣を兼務している。
カッコ内は政党名略称。FRETILIN=ティモール・レステ独立革命戦線,PLP=民衆解放党,KHUNTO=ティモール国民統一党,PD=民主党。
(注)②に同じ。
(注)求職登録者数については各年第1から第4四半期の延べ人数。
(出所)General Directorate of Statistics, Timor-Leste National Accounts 2000-2020, および2016~2019年は,General Directorate of Statistics, Timor-Leste in Figures 2019(数値はすべて出所のママ)。2020年は世銀 (https://databank.worldbank.org/reports.aspx?source=2&country=TLS)。
(注)統計誤差を除く。
(出所)General Directorate of Statistics, Timor-Leste National Accounts 2000-2020.
(注)製造業には電気・ガス・水道・廃棄物処理業を含む。生産・輸入品に課される税や統計誤差を除く。なお,海洋境界画定に関する条約の締結(2019年8月31日)以降,石油部門が国民経済計算に計上された。
(出所)表2に同じ。
(出所)General Directorate of Statistics, External Trade Statistics: Annual Report 2020 および General Directorate of Statistics, External Trade Statistics: Monthly Report 2021 (January-December) より作成。
(出所)2017年から2019年については Ministry of Finance, Petroleum Fund Annual Report 2019。2020,2021年についてはPetroleum Fund Quarterly Report(March, June, September, December 2020/2021)より計算。なお,2018年には上記のほか税還付のため6330万ドルの引き出しが行われている。
(注)ESIとは基金持続収益(Estimated Sustainable Income)のこと。石油基金の積立金と将来的な石油収入の現在価値を合計した石油資産の3%をESIと呼び,石油基金を長期で維持するために目標とすべき引き出し上限としている。
(出所)2017年から2018年についてはRepública Democrática de Timor-Leste, State Budget 2020: Budget Overview Book 1。2019年についてはRepública Democrática de Timor-Leste, State Budget 2021: Budget Overview Book 1。2020,2021年についてはRepública Democrática de Timor-Leste, State Budget 2022: Budget Overview Book 1。
(注)IMF国際収支マニュアル第6版に基づく。金融収支の符号は(+)は資本流出,(-)は資本流入。