アジア動向年報
Online ISSN : 2434-0847
Print ISSN : 0915-1109
各国・地域の動向
2022年のベトナム 大規模汚職事件に揺れる一方で高成長を達成
石塚 二葉(いしづか ふたば)坂田 正三(さかた しょうぞう)
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー HTML

2023 年 2023 巻 p. 197-224

詳細

2022年のベトナム

概 況

2022年のベトナムでは,反汚職闘争が一段と激しさを増した。新型コロナウイルス禍絡みの2つの大規模汚職事件の摘発が進んだ結果,年末までに2人の元大臣を含む計130人以上が逮捕されたほか,2人の副首相が引責辞任するに至った。反汚職闘争や経済復興を推進するために2度の党中央委員会臨時会議や初めての臨時国会が開催されるなど,党・国家機関は機動的にそれぞれの役割を果たした。

経済は,不安定な世界情勢の影響,すなわちロシアのウクライナ侵攻やエネルギー価格の高騰などに翻弄されつつも,2020年から続いたコロナ禍による低迷を脱し,高成長を達成した。ただし,多くのマクロ経済指標は第4四半期に停滞を示した。また,通貨安やガソリン価格の高騰に対して,当局は厳しい調整を強いられた。不動産市場や株式市場は,信用収縮の影響を受け,低迷した。

対外関係では,ウクライナ情勢への対応が最大の課題となった。ベトナムは,国連総会における5度の決議に際しては一貫してロシア寄りの立場を示しつつ,全方位外交で培ってきた西側諸国などとの良好な関係の維持にも腐心した。国際社会分断の様相が深まるなか,ベトナムの対米接近への牽制を強める中国とは,鳴り物入りで行われた党書記長の訪問を通じて緊密な関係をアピールした。

国内政治

コロナ禍絡みの大規模汚職事件摘発に注力

ベトナムでは,新型コロナウイルス感染状況は比較的早期に落ち着きをみせた一方,コロナ禍絡みの2つの大規模汚職事件の余波が年間を通じて拡大した。

ベトナムは2021年10月にゼロコロナ路線からウィズコロナ路線へ転換し,移動制限の緩和などを進めてきた。1日当たりの新規感染者数は,2022年1月中はおおむね2万人程度で推移していたが,2月に入るとオミクロン株の主流化に伴い新規感染者数が急増し,3月中旬には連日20万人近くに達した。他方,死者数は3月の感染者数のピーク時でもほぼ1日100人以下であり,前年8月のデルタ株流行時と比べれば相対的に低い水準にとどまっていた。

このようななかで,政府はウィズコロナ路線を着々と推進した(「経済」の項参照)。3月15日には約2年ぶりに外国人観光客の受入れが再開され,また,4月15日以降濃厚接触者の隔離措置が撤廃されるなど,国内の移動規制についても一層の緩和が進んだ。幸いこれらの規制緩和が感染の再拡大につながる気配はなく,1日当たり新規感染者数は3月中旬以降減少し,5月頃から年末までほぼ数百人から数千人のレベルで推移した。

感染状況の安定化と対照的に激しさを増したのがコロナ禍絡みの2つの汚職事件の摘発であった。第1の事件は,民間企業ベトアーによる新型コロナウイルス簡易検査キットの開発・販売にかかる不正事件である(以下,ベトアー事件)。2007年に設立され,医療機器・医薬品の製造・販売を行うベトアーは,2020年3月,同社が国防省傘下のベトナム軍医学院と共同で開発したとされるコロナの簡易検査キットが,科学・技術省の評議会による審査を経て,保健省に承認されたことで一躍有名になった。ベトアーの検査キットは世界保健機関(WHO)やイギリス保健省の基準に適合しており,かつ安価に供給できるという触れ込みで,国内はもとより海外からも注目を集めた。同製品は全国63省・市のうち62の省・市で採用され,ベトアーは2021年3月に三等労働勲章を授与されている。

ところが2021年12月,ベトアーのファン・クォク・ヴィエト社長兼会長が入札にかかる不正容疑で逮捕されたのを機に,同社にまつわるさまざまな虚構が明らかになってきた。ベトアーの検査キットはWHOの認証を申請したものの,必要な基準を満たしていないとして却下されていた。その施設や人員の実情からみて,ベトアーが実際に検査キットの製造を行っていたのかどうかも疑問視されている。同社は中国製の安価な検査キットを大量に輸入していたという。1月の公安省の発表によれば,ベトアーは検査キットを45%水増しした価格で販売し,巨額の利益を得るとともに,8000億ドン(約46億円)に上る賄賂を関係者に支払っていたとみられている。

ベトアー事件に関しては,2022年末までに,同社の関係者のほか,保健省と科学・技術省の幹部や24の省・市の疾病管理センター(CDC)幹部などを含む約100人が逮捕されている。なかでも特筆されるのはハノイ市人民委員会のチュー・ゴク・アイン主席(元科学・技術相)とグエン・タイン・ロン保健相の逮捕だった。5月半ばに党検査委員会が党中央委員でもあった両者に対する懲戒処分を提言したことを受けて,党政治局は6月6日,党中央委員会の臨時会議を開催し,2人の党からの除名を決定した。翌7日,開会中であった国会ではロン保健相の罷免決議が採択され,ハノイ市では人民評議会の会議が開かれてアイン主席を罷免した。そして同日中に2人は逮捕されている。

第2の事件は,国際商用便が停止されていた期間に運航された帰国者向け特別便の認可にかかる贈収賄事件である(以下,特別帰国便事件)。ベトナム外務省によれば,新型コロナの発生に伴い国際便の運航が停止された2020年3月から2021年12月までの間に約2000便の特別帰国便が運航され,60以上の国・地域から20万人近くの国民の帰国を実現したという。特別帰国便は政府の「誰ひとり取り残さない」というスローガンを体現するものとして国営メディアには称揚されたが,現実には多くの人々が限られた帰国便の座席を確保できずに長期間海外に取り残され,また確保できた人も航空運賃,検査費用および隔離費用を含むパッケージに通常の航空運賃の何倍もの高額を支払わなければならなかった。

この事件に関しては,まず1月末に外務省領事局の局長と3人の職員が,帰国便の運航を承認する権限を利用して,高額の賄賂を受け取って特定の旅行業者を優遇していた容疑で逮捕された。6月の公安省の発表によれば,1回の帰国便を組織することで業者は最大20億ドン(約1100万円)の純益を得ていたとみられる。この事件に関連した逮捕者は,2022年末までに,外務省,公安省,保健省,交通・運輸省,政府官房などの政府機関の幹部・職員および旅行会社関係者らを含む30人以上に上った。そのなかには次期駐日大使に内定していた外務次官や元在大阪総領事,元駐日大使らも含まれている。

2023年1月12日に開催された汚職防止中央指導委員会の会合で,これら2つの事案は,早期に捜査を終結させ,第1審公判手続きを開始すべき重大事件の筆頭に挙げられており,その全容解明が期待される。

他方,反汚職闘争の強化は,公務員が責任を問われることを恐れ,業務遂行に必要な決定を回避するという現象を深刻化させている。このような現象は反汚職闘争が勢いを増した2016年頃から指摘されてきたが,2022年には国会でも喫緊の課題として取り上げられるようになった。特にベトアー事件発覚以前から医療機器などの調達絡みの汚職事件の摘発が相次いでいた保健・医療分野ではこの傾向が顕著であり,多くの公立病院で調達の遅れから薬や医療機器が不足する事態が生じた。さらに公立病院では,十分な医療活動を行えないことなどから,医師や看護師など医療従事者の休職,辞職が増えていることも問題となっている。

党中央委員会,2度の臨時会議を開催

2022年,党政治局は,定例の年2回の党中央委員会総会に加えて党中央委員会臨時会議を2度にわたり招集し,反汚職闘争やそれに関連した人事,第13回党大会で示された2045年に高所得国になるという目標の実現に向けた長期的な発展の方向性などについて討議した。威信が失墜した高級幹部の辞任を奨励する党政治局の方針が9月に示されたことを受けて,党政治局員を含む党中央委員5人が辞任を申し出て承認されたことが注目された。

党中央委員会第5回総会は5月上旬,実質6日間にわたり開催された。総会は,土地の管理・使用に関する制度整備や,農業・農民・農村開発の方針などにかかる4つの決議を採択したほか,省級汚職防止指導委員会の設立について合意した。

6月6日には党中央委員会臨時会議(第1回)が開催された。これに先立つ同月4日,党政治局はベトアー事件に関与した2人の党中央委員(上述)に対する懲戒処分について検討を行っていた。党中央委員に対する懲戒処分については,譴責または警告という軽度の処分は党政治局が独自に決定することができるが,より重い罷免や除名については党中央委員会の決定を仰ぐ必要がある。そこで党政治局は臨時会議を招集して2人に対する除名処分の承認を得たのである。

党中央委員会第6回総会は10月上旬,7日間にわたり開催された。総会は,政府が国会に提出する「2021~2030年の国家マスタープランおよび2050年までのビジョン」草案や,工業化・近代化の推進,社会主義法権国家建設などの基本方針について討議した。また,ベトアー事件に関連してハイズオン省党委員会(党委)のファム・スアン・タン書記が党から除名されたほか,グエン・タイン・フォン党経済委員会副委員長(ホーチミン市人民委員会元主席)ら3人の党中央委員の辞任が承認された。

党中央委員会が委員の辞任を承認する決定を行うのは初めてのことであった。これは2021年11月の党政治局41号規定および2022年9月の党政治局20号通報という文書に基づいている。幹部の免職と辞任について定める41号規定は,譴責または警告処分を受け,威信が失墜して職務を遂行できない場合や,自らの管理下の組織で重大な汚職事件を生じさせた場合には,幹部は免職されうることなどを定めている。懲戒処分を受けた幹部の処遇に関する20号通報は,譴責または警告処分を受けた高級幹部で,能力が低く,威信が低下した者については,免職されるのを待たず,自ら辞任することを奨励している。実際,辞任した3人のうち2人は7月に,もう1人も9月に警告処分を受けていた。

年末の12月30日には再び党中央委員会臨時会議(第2回)が招集された。臨時会議は,半日の討議の末,ファム・ビン・ミン副首相が党政治局員・中央委員を,ヴー・ドゥク・ダム副首相が中央委員を,それぞれ辞任することを了承した。その後,2023年1月5日から開催された臨時国会で,両者は「本人の希望に基づき」首相の提案により副首相を解任されている。いずれの場合も公式な通告等の形では辞任の理由は明示されていないが,新聞記事などでは,この辞任が上述の2つの汚職事件と関連していることが指摘されている。両副首相はそれぞれ外務省と保健省を指導する立場にあり,また,2人の補佐官がそれぞれ特別帰国便事件とベトアー事件に関連して逮捕されていることもあって,両事件に関する監督責任をとるために辞任したと考えられる。党政治局員が政治的責任を理由に辞任するのは,1950年代に土地改革の失敗の責任をとって辞任したチュオン・チン第一書記以来ということになる。

経済復興を目指し初めての臨時国会開催

2022年には,コロナ禍からの復興促進を目的として国会開設以来初めてとなる臨時国会が開催され,党・政府との連携の下で国家の緊急課題に機動的に対処するという国会の姿勢が示された。

1月4日から11日にかけて開催された第15期第1回臨時国会では,実質4日半の審議がオンライン形式で行われた。これは2021年10月の政府と国会の党委員会同士の会合における政府側からの提案に基づき実現したものであった。臨時国会は,公共投資法,官民連携方式による投資法,投資法など9本の法律を一括して修正する法律を成立させ,また350兆ドン(約2兆円)規模の経済社会回復プログラムに関する決議(「経済」の項参照)など4本の決議を採択した。

第15期第3回国会(5月23日~6月16日)は,機動警察法,改正映画法など5本の法律を成立させ,ホーチミン市環状3号線をはじめとする5つの主要交通インフラプロジェクトへの投資方針に関する決議や,ロン保健相の罷免に関する決議(前述)など17本の決議を採択した。第15期第4回国会(10月20日~11月15日)は,改正石油・ガス法,改正家庭内暴力防止法など6本の法律を成立させ,2023年の経済・社会発展計画や予算に関する決議,国家会計検査院院長,交通・運輸相および保健相の人事に関する決議など13本の決議を採択した。このうち人事については,まず,7月にハノイ市人民委員会のアイン元主席の後任に選出されていたチャン・シ・タイン国家会計検査院院長を解任し,またグエン・ヴァン・テ交通・運輸相を本人の希望により解任する首相の提案を承認した。次いで,新しい国家会計検査院院長にゴ・ヴァン・トゥアン国家会計検査院副院長,交通・運輸相にディエンビエン省党委のグエン・ヴァン・タン書記,保健相にダオ・ホン・ラン保健相代行をそれぞれ選出・承認した(表1)。

表1  2022年の国会で可決された法律

(出所)ベトナム国会ウェブサイト(https://quochoi.vn/)より筆者作成。

民間大企業トップに対する訴追相次ぐ

2023年1月12日に開催された汚職防止中央指導委員会の会合で,上記の2つのコロナ禍絡みの事件と並ぶ重大事件として挙げられたのが2022年に立件された4つの主要民間企業絡みの事件であった。

2022年1月,国家証券委員会が不動産・リゾート開発中心のコングロマリットであるFLCグループのチン・ヴァン・クエット会長名義の口座を凍結し,ホーチミン証券取引所が同会長が前日に行ったFLC株7480万株の売却を取り消したことが報じられた。その1週間後に国家証券委員会は,情報を公開せずにFLC株の大量売却を行ったとして同会長に15億ドン(約860万円)の罰金と5カ月間の証券市場での取引禁止処分を課した。その後,3月末に至って,クエット会長は自社の株価操作と情報隠ぺいの容疑で逮捕された。8月末にはこれに詐欺・資産横領の容疑が加わった。9月,ホーチミン証券取引所は,情報開示規則違反により,FLC株の取引を一時停止している。

4月には同じく不動産開発大手のタンホアンミングループのド・アイン・ズン会長が,同社の傘下企業3社が投資家から多額の資金を違法に調達したとして詐欺・資産横領の容疑で逮捕された。国家証券委員会は,前年来3社が行った10兆ドン(約570億円)相当の社債の発行を取り消した。また,10月には,ホーチミン市内の多くのホテルやマンションなどを経営する不動産大手ヴァンティンファットグループのチュオン・ミー・ラン会長が,同様に社債の発行・取引にかかる詐欺・資産横領容疑で逮捕されている。

これら不動産大手3社の事案は2022年中には公判が開かれるに至らなかったが,もうひとつの大企業である総合商社のAIC絡みの入札不正・贈収賄事件は,主要な容疑者の多くが逃亡中であるにもかかわらず裁判が行われるという例外的な展開となった。4月末,公安省はAICのグエン・ティ・タイン・ニャン会長をドンナイ省における医療機器の入札にかかる不正の容疑で立件した。10月半ばには,この事件に関連してドンナイ省党委元書記と同省人民委員会元主席が逮捕された。首謀者と目されるニャン会長は他の容疑者7人とともに逃亡して指名手配を受けているが,11月,公安省は,容疑者8人が不在のままでも公判手続きを開始する方針を発表した。12月21日,第1審の裁判が逃亡中の8人を含む36人の被告人に対して開始され,2週間の審理を経て2023年1月4日に結審した。ニャン会長は,省のトップリーダー2人にそれぞれ145億ドン(約8300万円)の賄賂を渡したことなどが認定され,拘禁30年の判決を受けた。

ニャン会長は,8月,クアンニン省における同様の事案についても立件されており,今後さらなる責任追及が進むと予想される。なお,ニャン会長は日本とも縁が深く,2018年には日越間の相互理解・友好親善などのための長年にわたる献身的貢献と功績を理由として旭日小綬章を授与されている。

主要企業家の相次ぐ逮捕は公表された容疑よりもむしろ政治的な動機に基づくものという見方もあるが,近年存在感を増す大規模民間企業のガバナンスや行動様式には不透明な部分が少なくないのも事実である。これらの事件の摘発がより透明性の高い公正な競争環境の確立につながっていくのかどうかが注目される。

市民活動への統制の新たな展開

2022年も多くの活動家や市民ジャーナリストらが「反体制的」言論や組織活動を理由として逮捕・収監された。新しい動きとしては,環境分野などで活動する地場非政府組織(NGO)のリーダーらの相次ぐ逮捕・収監が挙げられる。

まず1月,2つの地場NGOのリーダー3人が脱税の罪で拘禁2年半から5年の判決を受けた(うち2人は控訴審でそれぞれ3カ月減刑)。このうち,シチズンシップ教育を行うNGOであるMECの代表マイ・ファン・ロイと,コミュニティレベルの環境保護活動などを行うNGOであるLPSDの代表ダン・ディン・バクは,2020年に発効した欧州連合(EU)・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の履行を監視するための非公式な組織であるVNGO-EVFTAネットワークの運営委員になっていた。

同月には,地場環境NGOのGreenID代表であり,環境分野の著名な専門家であるグイ・ティ・カインも逮捕されている。カインは長年石炭使用の環境への影響や石炭の使用を減らす方法を研究し,2018年には環境分野のノーベル賞とも呼ばれる「ゴールドマン環境賞」を受賞した。この時の副賞20万ドルに対してかかる税を支払っていないという理由でカインは6月に拘禁2年の有罪判決を受け(控訴審で3カ月減刑),服役している。

環境分野はこれまで市民社会の活動が比較的広く許容されてきた分野であったが,昨今では当局が警戒感を強めている模様である。EVFTAの発効などを契機として,環境や労働等の分野で市民活動が活性化し,NGO間のネットワークや外国政府・団体との結びつきも強まっていることが背景にあると推測される。

市民活動統制の手段として多用される反国家宣伝罪や民主的権利濫用罪などではなく,脱税という罪名が適用されているのも特徴的である。一連の動きを当初は慎重に見守っていたEUやアメリカ政府も,カインが逮捕され,脱税罪で有罪判決を受けるに至って,それぞれ懸念を表明する声明を出している。

(石塚)

経 済

マクロ経済:高いGDP成長率と第4四半期の失速

2022年の国内総生産(GDP)成長率は,前年の2.91%のみならず,7%を超えていたコロナ禍前の水準も上回る8.02%を記録した。各部門の成長率は,農業3.36%,工業・建設業(以下,工業)7.78%,サービス9.99%となり,どの部門も前年より高い成長率となった。特にサービス部門の成長率は前年の1.22%から大きく上昇した。1人当たりGDPは前年を393ドル上回り,初めて4000ドルを超える4110ドルとなった。

通年で高成長を達成したとはいえ,第4四半期に成長は減速した。第1〜第3四半期の前年同期比の成長率はそれぞれ5.05%,7.83%,13.71%と右肩上がりに上昇していたが,第4四半期の成長率は5.92%まで低下した。ただし,第3四半期にはすでに停滞の兆しは見えていた。第3四半期の高い成長率は,デルタ株流行による大規模社会隔離により経済が大幅に悪化した前年の同期との比較であり,前期比の成長率は1.83%まで縮小していた(第2四半期の前期比成長率は7.27%)。

特に工業部門の第4四半期の減速は顕著であった。工業部門の付加価値の成長率は,第1〜第3四半期にはそれぞれ7.16%,9.51%,11.06%であったが,第4四半期は3.6%まで下落した。各期の工業生産指数もそれぞれ前年同期比6.8%,9.8%,10.9%の増加から,3%増まで低下している。

2022年も,高成長を牽引したのは好調な輸出であった。輸出額は,過去最高となった前年をさらに10.6%上回る3719億ドルに達した。8品目(電話および部品,電子製品・コンピュータおよび部品,機械・設備・工具および部品,繊維・縫製品,履物,木材および木製品,車両・輸送機器,水産品)において輸出額が100億ドルを上回り,これらの8品目の輸出だけで総輸出額の70.1%を占めた。2022年も変わらず,輸出は韓国勢をはじめとする外資企業に依存しており,外資企業による輸出は前年比12.1%増となる2768億ドルに達した。この金額は総輸出額の74.4%にあたる。2022年の輸出の目立った傾向として,9.3%増となる農林水産品輸出の急拡大が挙げられる。特に木材および木製品が169億ドル,水産品が109億ドル輸出され,それ以外にも9産品で輸出額が10億ドルを超えた。

ただし,輸出も第4四半期には落ち込んでいる。第4四半期の輸出額は第3四半期から7.1%減,前年同期比でも6.1%減となった。世界的な不況によりベトナムの主要輸出品である携帯電話(スマートフォン)の需要減少が大きく影響した。

一方,輸入額は前年比8.4%増の3607億ドルとなった。貿易収支は112億ドルの黒字となり,これも前年の41億ドルを大きく上回る金額となった。2022年も引き続き最大の輸出相手国はアメリカ(輸出額1091億ドル),輸入相手国は中国(輸入額1193億ドル)であった。

高成長のもうひとつの要因は,財・サービスの消費の増加であった。コロナ禍の行動制限の緩和と経済活動の活性化により,小売業の売上高は前年比14.4%増となり,宿泊・飲食および観光業の売上高もそれぞれ52.5%増,271.5%増であった。GDPを支出面から見ると,最終消費は前年比7.18%増となり,GDP成長率への寄与度は49.32%にも上った。

消費の大きな増加にもかかわらず,インフレは抑制された。2022年の年間平均の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.15%となり,政府が立てた4%という目標値を下回った。

外国直接投資の登録資本金額は,前年を11%下回る277億ドルとなった(12月20日までの登録額)。新規投資額は18.4%減となる125億ドルまで減少したものの,増資は12.2%増加し,101億ドルとなった。資本参加・買収は25.2%減少し,52億ドルであった。2022年最大の投資国はシンガポール(65億ドル)であり,韓国(49億ドル),日本(48億ドル),中国(25億ドル)が続き,2022年もアジア各国からの投資が中心となった。一方,実行額は前年比13.3%増の224億ドルとなり,2017年以来5年ぶりとなる高水準であった。

高い経済成長を受け,2022年の国家予算の総収入は1785兆ドンまで増加した(12月28日付,財政省発表の概算値)。これは前年比13.8%増,年初の目標額を26.4%上回る金額であった。一方,支出総額は1562兆ドンで,前年比8.1%増となるが,年初の見込みの見積額を12.5%下回った。このうち,経常支出は1026兆ドン,開発投資支出は436兆ドンに達した。

移動規制の緩和と経済回復政策

新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少とワクチン接種の普及により,2022年には,過去2年間に実施された大規模な経済・社会活動の制限は実施されず,国内の移動や海外との往来の制限も段階的に廃止された(「国内政治」の項参照)。国内では,1月に国内線の乗客に対する搭乗前のPCR検査の義務づけを,ワクチン接種の有無にかかわらず廃止した。3月からは,感染者との直接接触があってもワクチン接種者であれば出勤を可能とするという新たなガイドラインが示された。海外からの入国者に対しては,3月には,それまで義務付けられていた入国後のPCR検査と隔離が不要となり,出発前のPCR検査結果かワクチン接種証明の提示のみで入国が可能となった。5月にはワクチンの接種証明の提示も不要となり,新型コロナウイルス感染症対策としての入国規制は撤廃された。

このような規制の緩和を受け,海外からの来訪者数は,前年の23.3倍増となる366万人となった。ただし,コロナ禍以前の2019年の来訪者数が1800万人もあったことに鑑みれば,海外からの来訪者数はまだ回復途上であるといえる。

一方,政府および国会は,過去2年間で落ち込んだ経済の急回復を目的とした政策を,年初から立て続けに打ち出した。まず,1月,政府は2022年の経済社会発展目標と国家予算を定めた1号決議を公布し,GDP成長率6〜6.5%,1人当たりGDP 3900ドル,CPI上昇率4%といった目標を示した。さらに政府は,ビジネス環境と競争力向上のための指針を示した2号決議を公布した。こちらは,世界経済フォーラムが発表する「国際競争力ランキング」で上位50カ国入りするなどの目標を示したものである。

1月に開催された第15期第1回臨時国会では,2022〜2023年の企業の経済活動や個人の消費を財政金融面から支援する43号決議が採択された。同決議には,年末までの付加価値税(VAT)の10%から8%への引き下げ,2022〜2023年の企業,個人に対する40兆ドンまでの銀行貸付けに対する金利の2%分の支援,航空燃料に対する環境保護税の50%減免,国内で製造された自動車の登録料の50%減免などの支援策が盛り込まれた。その後,政府は,この43号決議を具体化するためのプログラムや各政府機関の役割を示した11号決議を公布した。

また,5月後半,政府は,個人や法人の資金借入れの利子に対する補助(31号議定),国内で製造された自動車のVATの納付期限延長(32号議定),企業および個人事業主に対する法人税,個人所得税,VAT,国有地貸借料の納付期限延長(34号議定)を相次いで公布した。34号議定では,VATは3〜6カ月,第1・第2四半期の法人税は3カ月,個人所得税は12月30日までの支払い猶予が認められることとなった。土地貸借料の納付期限は11月30日まで延期された。

国会常務委員会は,3月,ガソリン,軽油,潤滑油に対する環境保護税の4月1日から年末までの減免(例えばガソリンは1リットル当たり4000ドンから2000ドンへ)を決議した(18号決議)。さらに,7月6日,追加的な環境保護税の減免(ガソリン1リットルあたり1000ドンへ)も決議された(20号決議)。

難しい調整を迫られた通貨とガソリン価格

アメリカの相次ぐ段階的な利上げにともなう投資家のドン売りにより,通貨ドンは下落を続けた。国家銀行は,公表はしていないものの,複数回に渡り為替介入を行ってきたとみられる。2022年に200億ドル相当の外貨準備高の目減りがあり,その多くが為替介入に使われた分であったと報じられている。国家銀行は9月23日,ほぼ2年間据え置かれていた政策金利を1%引き上げた。金利の引き上げは2011年10月以来11年ぶりとなる。しかし,ドンの下落は続き,10月17日,国家銀行は,市中銀行での取引幅を,国家銀行が定める中心レートの3%以内から5%以内に広げ,実質的なドン安容認に動いた。国家銀行がこの措置をとったのは,この時点で為替介入ではドンを支えきれなくなり,ドン安を容認せざるを得なくなったからであるとみられている。

その後さらにドン安が進行し,国家銀行が発表する対ドルの中心レートは,10月25日に過去最安値となる2万3703ドンを記録した。これは年初から2.4%のドン安であった。しかし,10月25日に国家銀行が政策金利をさらに1%引き上げると,以降年末にかけて,ドン安傾向に歯止めがかかった。

2度の金利引き上げにより,基準金利となるディスカウントレートは2.5%から4.5%へ,商業銀行への貸出金利であるリファイナンスレートは4.0%から6.0%へと上昇した。

一方,ガソリンの価格の高騰と不安定な供給が,経済活動を大きく制限した。特に,年前半には,世界的な原油価格高騰の影響を受け,ベトナム国内でもガソリン価格が大きく上昇した。例えばオクタン価95のガソリンの場合,年初に2万3295ドンであった1リットル当たりの価格は,5月には3万ドンを超え,6月21日には史上最高値となる3万2870ドンに達した。運送業者や旅客業者は,急激なガソリン価格の上昇を運賃に転化することができず,大きな影響を受けた。7月以降は世界的に原油価格が落ち着き,12月21日以降のガソリン価格は,2022年で最も低い1リットル当たり2万707ドンまで引き下げられた。

ガソリン価格は自由化されておらず,工商省と財政省により調整・決定されるが,当局による頻繁な価格調整と大きな調整幅が市民の混乱を招いた。当局は1年間にガソリン価格を16回引き上げ,14回引き下げた。1回に3000ドン前後の調整が行われる時もあった。年前半は,価格上昇がアナウンスされると(通常は価格改定前日),ガソリンスタンドに客が殺到するという事態が起こっていたが,10月からは,価格の下落にもかかわらず,ガソリンスタンドに客が殺到する日が続いた。これは,タインホア省のギソン製油所の財政難による稼働率の低下と卸売業者,配送企業の経営状況の悪化により,ガソリンの供給が不安定化したことによるものであった。そのため,休業するガソリンスタンドや,1回の給油量を3万~5万ドン分に制限するガソリンスタンドが数多く現れた。

冷え込む不動産市場と株式市場

2022年初,2021年12月に実施されたホーチミン市トゥーティエム新都市開発の4つのプロットの土地オークションで落札した企業が,落札を取り下げるという事態が発生した。1月10日,落札した4社のうち,タンホアンミングループのゴイサオベトが契約辞退の意思をホーチミン市党委書記ら宛てに伝えた。翌月,もう1社がこれに続き,残り2社は支払い手続きに進むと宣言したものの,支払い期限である7月6日までに支払いを行わなかったため,最終的にホーチミン市税務局はオークションの結果を取り消した。これらの土地の落札価格の総額は,当初の提示価格の7倍を超す37兆3500億ドンとなっていたことから,これらの企業は支払い能力を超える金額で入札したと考えられている。この件を機に,過去数年のベトナムの不動産市場が,経済状況と乖離した危険な膨張を続けてきたという認識が広まった。

2021年末,国家銀行は2022年の貸出残高の伸び率の上限を前年比14%と設定し,リスクの高い不動産市場,証券・債権市場への貸付けに対して厳しい管理を行うと発表した。さらに,不動産企業による相次ぐ違法な社債発行の摘発を受け(「国内政治」の項参照),9月に社債の発行条件を厳格化する政府65号議定が公布されたため,不動産市場は信用収縮に見舞われた。9月以降は,国家銀行の金融引き締めによる住宅ローン金利の上昇が,不動産市場の苦境に追い打ちをかけた。多くの不動産プロジェクトが休止し,社員の大量解雇や活動休止,あるいは倒産に追い込まれる不動産企業が続出した。大手不動産企業の株価も大きく下落した。売上規模業界第2位のノバランドの株価は10月から急落し,年末時点の株価は年初の84%減となる1万4000ドンとなった。

同様の信用収縮の影響で,証券市場では株価が大きく落ち込んだ。年初の段階では,株式市場は明るい見通しを示していた。2022年初の取引となる1月4日からVNインデックスは史上初めて1500ポイントを超え,1月10日には過去最高となる1536.45ポイントまで上昇した。しかし,4月から株価の下落傾向が顕著となり,6月に一旦上昇に転じたものの,その後も下落は止まらず,11月以降は1000ポイントを下回る日が続いた(2022年の最安値は11月16日の873.78ポイント)。年末には1000ポイントを回復したが,VNインデックスは年間で32.7%下落した。この年間下落幅は,クロアチア,ロシア,アメリカ・ナスダックの株式市場に次ぐ,世界で4番目に大きなものであった。

企業をめぐる動き

2022年は企業の経営環境が改善し,新規登録企業数は前年比27.1%増となる14万8500社に上った。新規設立企業には小規模な企業が多く,これらの企業の登録資本金の総額は前年比で1.3%減(1591兆ドン)となったが,登録従業員数は14.9%増となる98万1300人であった。また,経営を再開した企業も5万9800社あった。

一方で,コロナ禍で過去3年間遅れていた国有企業改革が再び動き始めた。3月,首相は,主に業績の悪い国家経済集団と総公司の再編を2025年までに完了する計画を承認する360号決定を公布した。この決定では,国有企業再編により,2025年までに少なくとも248兆ドンの国家財政収入を確保するという目標も掲げられた。さらに,11月には,2022~2025年国有企業改革計画が首相により承認された(1479号決定)。この計画には,農業・農村開発銀行などの大企業を含む19の企業の株式会社化,141企業の国家資本の売却,126企業の国家資本の維持,5企業の合併などによる再編,195企業の1人有限会社としての事業継続などが含まれている。

(坂田)

対外関係

ロシアのウクライナ侵攻をめぐるジレンマ

ロシアのウクライナ侵攻は,ベトナムの全方位外交路線に対する試練となった。国連総会における投票では,ベトナムは一貫してロシア寄りの立場をとってきたが,ウクライナやウクライナを支持する西側諸国などへの配慮もにじませた。

2022年中に国連総会で行われたウクライナ問題に関する5回の決議では,ベトナムもこの問題に対する態度を公式に表明する必要に迫られた。3月2日のロシア非難決議と3月24日のウクライナ人道決議において,ベトナムはいずれも棄権している。4月7日のロシアの人権理事会理事国資格停止決議ではベトナムは反対票を投じており,10月12日のロシアによるウクライナ4州併合無効決議および11月14日のロシアに対する損害賠償要求決議では再び棄権している。

このようなベトナム政府のロシア寄りの投票行動の背後には,実際には少なからず葛藤があったものと思われる。確かにベトナムは,旧ソ連時代を含め,ロシアとの関係が深い国のひとつである。ホー・チ・ミン以来,多くの共産党幹部がソ連で訓練を受けているし,ベトナム戦争中の軍事支援,戦後の経済協力など,ベトナムの現代史はソ連の存在を抜きにしては語ることができない。1980年代まで多くのベトナム人留学生や労働者がソ連に派遣されたこともあって,ロシアに親近感をもつ国民が多いことに加え,現在でもロシアには約8万人のベトナム人が在住している。ロシアは,中国,インド(および2022年からは韓国)とともにベトナムの「全面的戦略的パートナー」のひとつと位置づけられている。

歴史的な結びつきに加え,安全保障上もベトナムはロシアに大きく依存している。ベトナムは現在ではアメリカや日本などから兵器を購入することも可能になっているが,現在のベトナム軍の装備は圧倒的にロシア製である。ストックホルム国際平和研究所によれば,ベトナムは,2015~2019年の5年間では,ロシアからの武器購入額で世界第5位となっていた。また,ベトナムの2000~2019年における武器輸入総額に占めるロシアからの輸入額の割合は84%に達していた。武器以外にも,もうひとつ安全保障上重要な点として,ロシアはベトナムの南シナ海における油田・ガス田開発の重要なパートナーでもある。

他方,ベトナムはウクライナとも縁が深い。ソ連時代のウクライナに留学生や労働者として滞在したベトナム人も少なくなく,ロシアによる今回の侵攻が始まった時点ではウクライナには約7000人のベトナム人が在住していた。ビングループ,サングループというベトナムの2つの主要な民間企業グループの創始者たちは,初めにウクライナで起業して成功を収めている。ベトナムはウクライナと全面的パートナー関係を結んでいる。

ベトナムが抱える矛盾はまた,ベトナム自身の安全保障上の課題とも関わっている。ベトナムは自らも隣接する大国に領域主権を脅かされており,国際法秩序の尊重を国際社会に訴える立場にある。今回,ベトナムがロシアの侵攻を黙認することは南シナ海問題におけるその主張と矛盾しており,悪くすればベトナムの大義に対する国際社会の支持の低下につながりかねない。

このような事情を背景として,ベトナムは,国連総会での投票では一貫してロシア寄りの態度をとりつつ,子細にみるとより微妙な立ち位置を模索しているようにみえる。例えば,3月2日の国連総会決議の投票前に演説を行ったベトナムの国連大使は,自国の歴史を引き合いに出して,国際紛争を武力で解決しようとする時代遅れのパワーポリティクスを批判した。これはむしろ暗にロシア側を批判したものとも受け止められた。

国内世論も割れているようだが,ロシアへの配慮からか,政府は国民がウクライナ側への共感を示すことには神経をとがらせている。3月2日の国連総会での投票の直後には,6つの市民グループの代表がウクライナ大使館を訪れ,ウクライナへの連帯と支持を表明した。その数日後,同じ活動家らがウクライナ大使館のチャリティイベントに参加しようとしたところ,公安に阻止されている。

ウクライナ情勢を軸とした外交活動の展開

ウクライナ情勢をめぐっては,ロシアと西側諸国などとの間でグローバル・サウスの国々を取り込もうとする外交的綱引きが展開されており,ベトナムもそのひとつの舞台となってきた。

3月8日には,EUおよびその加盟国とイギリス,スイス,ノルウェーの駐越大使が連名で駐越EU代表部のウェブサイトに記事を掲載し,ロシアと関係が深いベトナムの事情に理解を示しつつ,ウクライナ支持を呼びかけた。

4月末には岸田首相がハノイを訪問し,ファム・ミン・チン首相と会談した。会談後の共同記者会見で,チン首相はウクライナへの50万ドルの人道支援を表明した。これは金額的には大きくないものの,ベトナム政府が初めて公式にウクライナへの共感を示したジェスチャーとして象徴的な意味をもった。

また,チン首相は,5月半ばに米ASEAN特別首脳会議に出席するため訪米した際に,ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演を行った。そのなかで,チン首相は,「ベトナムは,独立か従属かでは常に独立を選ぶ…交渉か対決かでは交渉を選ぶ。対話か衝突かでは対話を選ぶ。平和か戦争かでは平和を選ぶ…変動や戦略的競争や多くの選択肢があふれるこの世界において,ベトナムは当事者の一方に与するのではなく,国際法の原則と国連憲章に基づき,公平,正義と道理を選ぶ」と述べ,ベトナムはロシア寄りであるという印象の修正に努めた。

しかし,7月初めにはロシアのラブロフ外相がハノイを訪れてグエン・フー・チョン党書記長やチン首相と会談を行い,改めて両国間の密接な関係をアピールした。その後も,7月末にはプーチン大統領がグエン・スアン・フック国家主席と両国の全面的戦略的パートナーシップ構築10周年の祝電を交換し,10月にはクラスノフ検事総長が来訪して両国間の犯罪防止対策分野における協力についてベトナム側と協議し,フック国家主席とも会談を行っている。

チョン党書記長訪中で両国間の緊密な関係を演出

2022年,ベトナムの対中関係には特に大きな懸案が生じることもなく,比較的平穏であった。ただし,南シナ海の領有権をめぐる緊張が低下したわけでは必ずしもない。むしろ,ウクライナにおける事態の展開次第では,中国の実力行使による現状変更の試みを誘発しかねないと懸念する声もきかれた。ベトナムは,不測の事態への警戒を強めると同時に,中国を刺激しないよう細心の注意を払っているものと思われる。

そのようななかで,10月25日,チョン党書記長が同月30日から中国を公式訪問することが発表された。この訪問は両国にとって多くの点において特別なものであった。まず,中国の習近平国家主席にとっては,10月の党大会で総書記3選を果たした後,初めての外国首脳の来訪であった。チョン党書記長にとっても,2021年初頭の党大会で3期目に入って以来,初めての外遊であった。中国側は今回の訪問に際し,中国政府が外国人に授与する最高位の勲章である「友誼勲章」をチョン党書記長に贈った。ベトナム側代表団はチョン党書記長以下,公安相,国防相を含む党政治局員7人,党書記局員3人,その他党中央委員である大臣などを含む,異例の大規模かつハイレベルな代表団であった。代表団の出発時と帰国時には,国家主席と首相がそろって空港で見送りと出迎えを行った。

両首脳の会談後に出された共同声明は13項目に及ぶ長文であった。その内容は,社会主義路線の堅持から国防・公安,経済・社会分野における協力,南シナ海における平和と安定の維持,中国の「一つの中国」政策へのベトナムの支持など多岐にわたる。しかしながら,表面的な友好ムードの高まりに比して,共同声明の内容には両国関係の質的な変化をうかがわせる点は特にみられなかった。

ベトナムが中国に対する警戒心を緩めていないことは,2022年後半に南シナ海のチュオンサ(南沙)諸島における埋め立てを加速していることからも推測される。CSISのアジア海洋透明性イニシアチブ(AMTI)が12月に公表したところによれば,2022年にベトナムは約170ヘクタールの土地を新たに造成し,この10年間の合計は約220ヘクタールとなったという。これは2013~2016年に中国が造成した1300ヘクタールを超える埋立地と比べると規模は小さいが,南シナ海の実効支配強化に向けたベトナムの意志を示すものであるとみられ,今後の同海域における国際関係への影響が注視される。

初の大規模な国際防衛展示会を開催

12月8~10日にかけて,国内初の大規模な国際防衛展示会がハノイで開催された。展示会には,アメリカやロシアを含む30カ国から174の企業が参加した。中国も招かれていたが参加はしなかった。

ベトナムは上述のように武器調達をロシアに大きく依存してきたが,2015年以降はイスラエルやベラルーシなどにも調達先を広げている。これは主に,2014年にロシアがクリミアを併合してウクライナとの関係が悪化して以来,ロシアからウクライナ製の部品を使用した戦艦などを調達することが困難になったためであるとみられる。今後,ベトナムはこのような動きを一層加速する可能性がある。

また,展示会にはベトテルなどのベトナム企業も出展し,ベトナムの国防産業の到達点を示し,防衛装備品を海外へ売り込む機会ともなった。

(石塚)

2023年の課題

2023年には多くの主要な汚職事件の捜査が引き続き行われ,公判手続きが開始することが予見される。党が国民の信頼を回復するためには,それぞれの事件の全容が十分明らかにされ,公正な責任追及が行われる必要がある。2023年1月にはフック国家主席もコロナ絡みの2つの汚職事件の監督責任をとって辞任しているが,辞任ドミノがさらに拡大するのかどうかも注目される。また,2023年は第13期党指導部の任期の中間年であり,年後半には党政治局員・書記局員に対する党中央委員会の信任投票が予定されている。投票の結果は次期党指導部の陣容にも影響することが予想される。

経済面では,第4四半期に減速した経済が再び高成長軌道に戻ることができるかが注目される。年末時点では,海外との人の往来の制限がほぼなくなり,2023年には観光業やサービス業の高い成長が見込める一方で,輸出への依存度が高い工業部門は,世界的な不況の影響をしばらく受けることになるであろう。サムスン電子がスマートフォンの生産を縮小するという噂が何度も流れる一方で,同社は12月に新たな研究開発センターをハノイに設立した。海外からの報道では,アップルが2023年中にベトナムでパソコンとスマートウォッチの委託生産を開始する計画であるとされる。ベトナム経済を牽引してきた電子産業に構造的変化が起こる可能性がある。

国家銀行は,2023年の貸出残高の伸び率の上限を前年比14~15%と,前年とほぼ同程度に抑えた。また,引き続きリスクの高い分野への貸付けの管理を厳格に行う姿勢も示した。不動産や証券・債券市場の厳しい状況は続くであろう。

ウクライナ問題におけるロシア寄りの投票行動や,チョン党書記長の中国訪問とそれに続くミン副首相やフック国家主席など「西側寄り」とみられる幹部の相次ぐ辞任などから,党指導部内で近年みられた対米接近の機運が失われている可能性を指摘する声もある。しかし,ベトナムがアメリカとの関係強化を必要とする客観的な情勢に変化はない。ベトナムは,2023年も,複雑に変化する国際情勢をにらみつつ,慎重に全方位外交を展開していく必要があるだろう。

(石塚:新領域研究センター)(坂田:在ハノイ海外調査員)

重要日誌 ベトナム 2022年
   1月
1日 国際商用便,運航再開。
1日 在ダナン日本国総領事館,開設。
4日 第15期第1回臨時国会(~11日)。
6日 ビンファスト,2022年末以降,ガソリン車製造を行わないと発表。
8日 タントゥアン工業開発(IPC)による株式の違法売却事件で,ホーチミン市党委員会(党委)のタット・タイン・カン元副書記に公的資産管理使用規定違反で拘禁10年。
8日 ラオスのパンカム首相,来訪(~10日)。
8日 2022年の経済・社会発展目標と国家予算を定める政府1号決議。
11日 国家証券委員会,チン・ヴァン・クエットFLCグループ会長名義の口座を凍結。
11日 ジャーナリストでNGO代表のマイ・ファン・ロイに脱税で拘禁4年(8月11日の控訴審判決で3カ月減刑)。
11日 付加価値税(VAT)の引き下げを含む経済支援策を定める政府11号決議。
18日 国家証券委員会,株取引の事前届け出を怠ったとしてクエットFLCグループ会長に15億ドンの罰金。
19日 服役中のジャーナリストのファム・ドアン・チャン,人権擁護活動家のための「マーティン・エナルズ賞」を受賞。
22日 国内線の乗客に対する搭乗前のPCR検査義務付け廃止。
22日 禅僧のティク・ニャット・ハイン(ティク・ナット・ハン)師,死去。96歳。
24日 社会活動家のダン・ディン・バクに脱税で拘禁5年(8月11日の控訴審判決,第1審判決支持)。
28日 外務省領事局のグエン・ティ・フオン・ラン局長と3人の職員,特別帰国便の認可にかかる収賄の容疑で逮捕。
   2月
10日 ミュージシャンのマイ・コイ,「ルーズベルト4つの自由賞」を受賞。
24日 フック国家主席,シンガポール訪問(~26日)。
   3月
8日 アメリカ国務省,2022年の「国際勇気ある女性賞」をファム・ドアン・チャンらに授与することを発表。
14日 シエラレオネのビオ大統領,来訪(~20日)。
15日 外国人観光客の受け入れ再開。
16日 フェイスブッカーのレ・ティ・キム・フィに人民政権転覆罪で拘禁6年。
16日 海外からの入国者の到着後のPCR検査と隔離が不要に。
17日 2021~2025年段階における国有企業,特に経済集団・総公司の再編に関するプログラムを承認する首相360号決定。
20日 マレーシアのイスマイル・サブリ首相,来訪(~22日)。
23日 2022年の残業上限を年間300時間,月間60時間に引き上げる国会常務委員会17号決議。
23日 年末までのガソリン,軽油,潤滑油に対する環境保護税を減免する国会常務委員会18号決議。
23日 ジャーナリストのレ・ヴァン・ズンに反国家宣伝罪で拘禁5年,保護観察5年(8月16日の控訴審判決,第1審判決支持)。
27日 チュンルオン=ミートゥアン高速道路区間正式開通。
29日 クエットFLCグループ会長,証券市場操作容疑で逮捕。
31日 チョン党書記長,ドイツのショルツ首相と電話会談。
   4月
5日 ジャーナリストのグエン・ホアイ・ナムに民主的権利濫用罪で拘禁3年6カ月。
5日 タンホアンミングループのド・アイン・ズン会長,同グループの企業3社が私募債発行による違法な資金調達を行った事件に関し,詐欺・資産横領容疑で逮捕。
13日 2050年を視野に入れた2030年までの国家環境保護戦略を承認する首相450号決定。
14日 外務省のトー・アイン・ズン次官,特別帰国便に関する収賄容疑で逮捕。
15日 チョン党書記長,インドのモディ首相と電話会談。
18日 海上警察のグエン・ヴァン・ソン元司令官ら7人,財産横領容疑で逮捕。
18日 「臨時ベトナム国家政府」から金銭を受け取ったとされる12人に人民政権転覆罪で拘禁3~13年。
26日 クック諸島と国交樹立。190カ国目。
29日 公安省,AICグループのグエン・ティ・タイン・ニャン会長を立件する方針公表。
30日 岸田首相,来訪(~5月1日)。
   5月
4日 党中央委員会第5回総会(~10日)。
5日 フェイスブッカーのチャン・ホアン・フアンに反国家宣伝罪で拘禁8年,保護観察3年。
11日 チン首相,米ASEAN特別首脳会議出席のため,アメリカ訪問(~17日)。
12日 第31回東南アジア競技大会(SEA Games 31),ハノイで開催(~23日)。
15日 フエ国会議長,ラオス訪問(~17日)。
15日 ギリシャのサケラロプル大統領,来訪(~19日)。
15日 海外からの入国者に対する新型コロナウィルス感染症対策としての入国規制をすべて廃止。
19日 医薬品販売会社VNファーマによる偽造癌治療薬輸入事件に関連して,チュオン・クォク・クオン元保健省次官に拘禁4年。
19日 財政省,国家証券委員会のチャン・ヴァン・ズン委員長を解任。
20日 ホーチミン証券取引所,レ・ハイ・チャー社長を解任,チャン・アイン・ダオ副社長を後任に任命。
20日 個人や法人の資金借入れの利子に対する補助を定める政府31号議定。
21日 国内で生産された自動車に対するVATの支払い期限を11月20日まで延長する政府32号議定。
23日 第15期第3回国会(~6月16日)。
28日 法人税,個人所得税,VAT,国有地貸借料の納付期限を延長する政府34号議定。
   6月
2日 2021~2030年の海外投資協力戦略を承認する首相667号決定。
6日 党中央委員会臨時会議(第1回),ハノイ市人民委員会のチュー・ゴク・アイン主席(元科学・技術相)とグエン・タイン・ロン保健相を党から除名。
7日 国会,ロン保健相を罷免。ハノイ市人民評議会,アイン人民委員会主席を罷免。両者,逮捕。
9日 フェイスブッカーのグエン・ズイ・リンに反国家宣伝罪で拘禁5年,保護観察5年。
10日 アメリカ財務省,ベトナムを再び為替操作監視対象国とする報告書を公表。
17日 環境活動家のグイ・ティ・カインに脱税で拘禁2年(11月21日の控訴審判決で3カ月減刑)。
20日 カンボジアのフン・セン首相,ビンフォック省来訪。
24日 カンボジアとの国交55周年記念式典,ハノイで開催。
26日 フエ国会議長,ハンガリー,イギリス歴訪(~30日)。
   7月
1日 労働者の最低賃金,平均6%引き上げ。最低賃金改定は2年半ぶり。
5日 ロシアのラブロフ外務相,来訪(~6日)。
5日 チン首相,韓国のハン・ドクス首相と電話会談。
6日 ガソリン,軽油,潤滑油に対する環境保護税を追加的に減免する国会常務委員会20号決議。
13日 フェイスブッカーのグエン・ドゥク・フンに反国家宣伝罪で拘禁5年半。
14日 ジャーナリスト保護委員会(CPJ),2022年の「国際報道の自由賞」をファム・ドアン・チャンに授与すると発表。
19日 アメリカ国務省,人身取引報告書のブラックリストにベトナムを含む。
22日 化石燃料を用いる自動車・オートバイの生産,輸入を2040年までに停止する計画を承認する首相876号決定。
27日 フック国家主席,ロシアのプーチン大統領と両国間の全面的戦略的パートナーシップ10周年の祝電交換。
29日 アメリカ商務省,ベトナム製の合板の一部に対し200%のアンチダンピング課税。
   8月
12日 ベトナム軍,ロシアが主催する国際軍事競技大会「アーミーゲーム2022」参加(~27日)。
15日 サイバーセキュリティ法の施行細則を定める政府53号議定(10月1日施行)。
17日 チン・バー・フオンとグエン・ティ・タムの控訴審判決,第1審判決支持。
18日 カンボジア・カンダールのカジノから人身取引被害者のベトナム人42人が逃亡。
18日 幹部の管理と幹部候補の任命・推薦の分権に関する党政治局80号規定。
25日 ファム・ドアン・チャンの控訴審判決,第1審判決支持。
30日 ビンズオン省党委のチャン・ヴァン・ナム元書記に公的資産管理使用規定違反で拘禁7年。
30日 ジャーナリストのレ・アイン・フンに民主的権利濫用で拘禁5年。
   9月
2日 受刑者約2500人に特赦。
7日 国家銀行,米ドル売値を300ドン引き上げ,1ドル2万3700ドンに。
8日 懲戒処分を受けた高級幹部に対する職務の割当に関する政治局20号結論通報。
15日 フック国家主席,死刑囚のダン・ヴァン・ヒエンを終身刑に減刑。
16日 社債発行条件を厳格化する政府65号議定。
23日 国家銀行,政策金利を1%引き上げ。
25日 フック国家主席,安倍元首相の国葬出席のため日本訪問(~28日)。
27日 特別帰国便にかかる贈収賄事件で,ファム・ビン・ミン副首相の補佐官グエン・クアン・リン,逮捕。
28日 キューバのマレロ首相,来訪(~10月2日)。
  10月
3日 党中央委員会第6回総会(~9日)。
6日 「臨時ベトナム国家政府」のメンバー2人に人民政権転覆罪で拘禁7年と5年。
8日 ヴァンティンファットグループのチュオン・ミー・ラン会長,詐欺・資産横領容疑で逮捕。
15日 国家銀行,サイゴン商業銀行(SCB)を特別管理下に置くと発表。
16日 シンガポールのヤコブ大統領,来訪(~20日)。
17日 国家銀行,対ドル銀行間為替レートの許容変動幅を±3.0%から±5.0%に拡大。
19日 ドンナイ省における医療設備入札不正事件で,同省党委のチャン・ディン・タイン元書記ら2人,収賄容疑で逮捕。
19日 ホーチミン市党委のカン元副書記に公的資産管理使用規定違反で拘禁6年。
20日 第15期第4回国会(~11月15日)。
21日 グエン・ヴァン・テ交通・運輸相,辞任。
21日 グテーレス国連事務総長,来訪(~22日)。
25日 外務省報道官,韓国に旅行目的で入国したベトナム人約100人が行方不明と発表。
25日 国家銀行,政策金利を1%引き上げ。
25日 ジャーナリストのレ・マイン・ハーに反国家宣伝罪で拘禁8年,保護観察5年。
30日 チョン党書記長,中国訪問(~11月1日)。
31日 デンマークのフレデリック皇太子,来訪(~11月3日)。
  11月
8日 チン首相,カンボジア公式訪問(~9日)。
10日 チン首相,ASEAN首脳会議および関連会合に出席(~13日)。
10日 アメリカ財務省,ベトナムを為替操作監視対象国から除外。
13日 ドイツのショルツ首相,来訪(~14日)。
14日 ニュージーランドのアーダーン首相,来訪(~17日)。
16日 フック国家主席,タイ訪問(~19日)。APEC首脳会議出席。
17日 2030年までの国家工業化,近代化計画と2045年までのビジョンを承認する党中央委員会29号決議。
18日 教師のブイ・ヴァン・トゥアンに反国家宣伝罪で拘禁8年,保護観察5年。
19日 フエ国会議長,カンボジア,フィリピン歴訪(~25日)。
25日 ビンファスト,アメリカ向けに自社ブランドの電気自動車999台を初めて輸出。
29日 2022~2025年の国有企業改革計画を承認する首相1479号決定。
30日 ベトアー事件に関連して,ヴー・ドゥク・ダム副首相の補佐官グエン・ヴァン・チン,逮捕。
30日 フエ国会議長,オーストラリア,ニュージーランド歴訪(~12月6日)。
  12月
2日 アメリカのブリンケン国務長官,信教の自由に関する「特別監視リスト」にベトナムなど4カ国を指定すると発表。
4日 フック国家主席,韓国訪問(~6日)。
5日 韓国との全面的戦略的パートナーシップを宣言。
8日 ベトナム国際防衛展示会開催(~10日)。30カ国174社が参加。
9日 チン首相,ルクセンブルグ,オランダ,ベルギー歴訪(~15日)。14日,ASEAN・欧州連合(EU)首脳会議に出席。
14日 日本を含む支援国グループ,「ベトナムとの『公正なエネルギー移行パートナーシップ』(JETP)立ち上げに関する政治宣言」。
20日 ハノイ市公安局,政策・法律・発展研究院のホアン・ゴク・ザオ院長を脱税容疑で逮捕と発表。
21日 フック国家主席,インドネシア訪問(~23日)。
22日 ヴー・ホン・ナム元駐日大使,ハノイ市人民委員会のチュー・スアン・ズン副主席ら,特別帰国便に関する贈収賄事件で逮捕。
26日 元日本への留学生のグエン・ニュー・フオンに反国家宣伝罪で拘禁5年,保護観察3年。
27日 党政治局,ナム元駐日大使らを党から除名。
29日 アリババ不動産のグエン・タイ・ルエン会長に詐欺・資産横領罪で終身刑。
30日 党中央委員会臨時会議(第2回),ミン副首相の党政治局員・中央委員辞任,ダム副首相の中央委員辞任を承認。

参考資料 ベトナム 2022年
①  国家機構図(2022年12月末現在)
②  ベトナム共産党指導部(2022年12月末現在)

(注)政治局員,書記局員の記載順は,第13回党大会ウェブサイトに基づく。

③  国家機関要人名簿(2022年12月末現在)
③  国家機関要人名簿(2022年12月末現在)(続き)
④  2023年の主な目標と主要指標(第15期第4回国会で2022年11月10日に可決された2023年の経済・社会発展計画に関する国会決議より)
④  2023年の主な目標と主要指標(第15期第4回国会で2022年11月10日に可決された2023年の経済・社会発展計画に関する国会決議より)(続き)

(出所)ベトナム国会ウェブサイト(http://quochoi.vn/)より。

主要統計 ベトナム 2022年
1  基礎統計

(注)1)暫定値。ただし,消費者物価上昇率は前年末比,2021年は確定値。

(出所)統計総局ウェブサイト(www.gso.gov.vn)。

2  支出別国内総生産(名目価格)

(注)1)暫定値。

(出所)表1に同じ。

3  産業別国内総生産(実質:2010年価格)1)

(注)1)基本価格表示。2)暫定値。

(出所)表1に同じ。

4  所有形態別国内総生産(実質:2010年価格)1)

(注)1)基本価格表示。2)暫定値。

(出所)表1に同じ。

5  国・地域別貿易

(注)1)暫定値。2)2019年以前はイギリスを含む値。

(出所)表1に同じ。

6  国際収支

(注)IMF国際収支マニュアル第6版に基づく。ただし,金融収支の符号については(-)は資本流出,(+)は資本流入を意味する。1)9月時点の暫定値。

(出所)ADB, Key Indicators for Asia and the Pacific 2022.

 
© 2023 日本貿易振興機構 アジア経済研究所
feedback
Top