アジア動向年報
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各国・地域の動向
2022年のモンゴル 腐敗と経済難との戦い
湊 邦生(みなと くにお)
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2023 年 2023 巻 p. 77-98

詳細

2022年のモンゴル

概 況

2022年のモンゴルは,国内では相次ぐ腐敗と国民の抗議活動,国外ではロシアのウクライナ侵攻や中国の「ゼロコロナ」政策の影響という内憂外患に見舞われた。とくに,国営金融機関のモンゴル開発銀行による乱脈融資と,「石炭泥棒」と呼ばれた石炭輸出をめぐる腐敗は,経済・生活難に直面する国民の怒りに火をつけ,首都ウランバートルを中心に各地で抗議デモが行われる事態となった。これに対し,オヨーン=エルデネ政権はデモ参加者への理解を示しつつ,当事者の責任追及を進める姿勢を打ち出して,事態の収拾に取り組んだ。また,開発銀行は外貨建て債券の発行で開発プロジェクトの資金を調達しており,その償還が2023年に控えていた。一時はデフォルトが危ぶまれたが,債権回収を進めたことで資金を確保し,危機を回避することができた。

経済面では新型コロナウイルス感染症の打撃からの回復を一応果たしたものの,経済成長自体は低調であり,前年から続くインフレの抑制も達成できなかった。一方で,タワントルゴイ炭鉱への鉄道路線が開業したことで,今後の石炭の輸出拡大への期待も高まった。またウランバートルへの一極集中が続くなかで,渋滞の緩和や地方への人口移動の促進に向けた動きも見られるようになった。

対外関係ではロシアと西側諸国双方との関係の両立が課題となった。そのため,モンゴルはロシアのウクライナ侵攻に対しては態度を明確にせず,政治・軍事等の交流も維持した。また,2022年は日本との国交樹立50周年記念にあたることから,両国の間では活発な交流が行われた。さらに特筆されるのは8月にグテーレス国連事務総長が来訪したことであり,滞在中に行われた会談等によって,気候変動対策や非核化への取り組みなどについて評価を得ることに成功した。

国内政治

モンゴル開発銀行の乱脈融資表面化

2022年には国営企業をめぐる大規模な腐敗が発覚した。まず表面化したのが,モンゴル開発銀行による乱脈融資と経営不安であった。モンゴル開発銀行は国内の大規模開発プロジェクトを中心に融資を行う国営金融機関として設立されたが,多くの融資の回収が遅滞していた。開発銀行の発表によれば,1月20日時点で債権総額3兆2000億トゥグルグのうち1兆7000億トゥグルグが不良債権に,2000億トゥグルグが回収可能性に疑義のある債権に分類された。

開発銀行は2013年にサムライ債(円建て債券)の発行で300億円の資金を調達し,支払期限が2023年末となっている。もし開発銀行による債権回収が進まず償還が不可能となった場合,モンゴル政府に支払い義務が生じる。ただし与党人民党は政府資金の投入に反対していたため,政府は開発銀行自身による償還を実現させるか,デフォルト(債務不履行)になるかという事態に追い込まれた。

ここに至ってとられた主な方策は,借り手と貸し手双方の責任追及と,債権回収の強化であった。1月には開発銀行が25社を反腐敗庁に告訴し,同庁が捜査に着手することとなった。すると,融資の過程で政治家が影響力を行使した事例や,借り手側が融資を本来の目的以外に流用した事例が次々と発覚した。結果として,反腐敗庁は80人を首都検察庁に送検し,年末までの起訴が決まった。また,国会では監査のための臨時委員会が設置され,不良債権発生の過程や融資の回収状況などについて調査が進められた。加えて,臨時委員会の主催で2023年に事実解明のための公聴会を開催することが決まった。

責任追及と並行して,開発銀行は政府の支援下で不良債権削減や債権回収を進めた。その結果,12月末までに1兆トゥグルグあまりが回収され,債権の総残高は2兆2000億トゥグルグ,うち不良債権は1兆2000億トゥグルグにそれぞれ減少した。これにより,サムライ債の支払いに必要な資金7623億トゥグルグの確保にも成功し,デフォルトの危機は回避された。

他方,腐敗の発覚は,新型コロナウイルス感染症による国境封鎖やロックダウン,経済への打撃などに苦しんできた一般市民の不満に火をつけた。その結果,2022年はウランバートル中心部のスフバータル広場を中心に,腐敗への抗議や生活難を訴えるデモが相次いだ。4月7日には「モンゴルで良く暮らそう」デモが同広場で発生した。デモ参加者は物価上昇への対策要求や,当時国民に対して倹約を求めていたザンダンシャタル国会議長への抗議を行った。デモは地方各地にも広がったほか,韓国在留のモンゴル国民にも同調する動きが生じた。これに対し,政府からはオヨーン=エルデネ首相やニャムバータル法務・内務相がデモ参加者と直接会見を行い,物価上昇や物不足への対策法案策定を確約した。法案は同月中に閣議決定され,国会で可決された。

5月には労働国民党から名称変更した人間党のドルジハンド国会議員が「自ら改革しろ,しないなら解散しろ」と称するデモを行った。デモでは国会改革の訴えとともに,開発銀行問題への関与が疑われた国会議員に対する不逮捕特権の停止要求が出された。しかし不逮捕特権停止は与党の反対により実現しなかった。

「石炭泥棒」問題に国民の怒り爆発

開発銀行問題への対策が進められるなかで,10月にはタワントルゴイ炭鉱の石炭輸出に関する腐敗が明るみに出た。この事件はモンゴルで「石炭泥棒」と称されるようになり,国民の強い怒りを引き起こすこととなった。

事の発端は,炭鉱を管理する国営企業エルデネス・タワントルゴイ(ETT)社が,政府から課されていた外貨収入獲得目標達成が困難となったことであった。政府は同社に対して6カ月間の非常態勢を宣言し,最高経営責任者(CEO)を解任するともに,全権代表を派遣して管理下に置いた。また,反腐敗庁は同社および関連企業の捜査を開始した。その背景には外貨調達問題だけではなく,炭鉱からの石炭が不当に安く販売されているとの批判や,輸出向け石炭が横流しされているとの疑惑があった。タワントルゴイ炭鉱は開発時に中国企業との間でオフテイク契約が締結されており,開発資金を企業側が負担する一方で,ETT社が石炭を供給することが定められていた。ところが,11月に行われた国会本会議で,ETT社の石炭の販売収入が建設プロジェクトへの支出として中国企業側に還流しているとの証言がなされた。天然資源やその利益は国民のものという意識とともに,反中国意識が浸透しているモンゴルでは,これは国民への裏切りに等しかった。

さらに,反腐敗庁が11月16日に行った一斉捜査では,税関への申告なしに中国に送り出された石炭の存在を示す書類が押収された。12月1日にはETT社のガンバト政府全権代表が同社への監査結果を報告した。これによれば,鉱山から搬出された27万トンの石炭が記録されていなかった。加えて,2022年11カ月間の石炭販売量が370万トン,外貨獲得額が3億4150万ドルと報告されたが,このうち石炭販売量230万トン,外貨獲得額2億550万ドルが,11月の実績であった。非常態勢下の1カ月のみで年間の半分以上の石炭販売と外貨獲得が記録されたことは,非常態勢移行前に相当量の石炭が横流しされ,その収入が着服されていたことを示唆するものである。メディアでは横流しの被害額が40兆トゥグルグにのぼるとの報道が相次いだ。政府からはこの金額が誇張であるとの反論がなされたものの,横流しの事実自体を覆すものではなかった。

そして12月4日,スフバータル広場で「石炭泥棒」問題への抗議を訴えるデモが発生した。デモは広場から市内中心部の道路にも拡大したほか,5日には参加者が政府宮殿への突入を試み,警官隊との間で押し合いとなった。その後デモは首都知事による解散命令によりいったん終了したが,翌日に再開し,当事者の氏名公開や責任追及を要求して,スフバータル広場を占拠し続けた。

政府・国会はデモの発生をむしろ利用して,「石炭泥棒」問題の解明を進めるとともに,デモ参加者を含めた国民の支持を求めた。7日にはオヨーン=エルデネ首相がデモ参加者と直接対面し,物を投げられるなどの非難に直面しながら,問題解決への協調を訴えた。13日には反腐敗庁が捜査対象としてバトトルガ元大統領や与野党の現職国会議員5人を含む17人の氏名を公表した。21日には国会で「石炭泥棒」問題に関する公聴会が開催され,ジャブフラン蔵相やダシダワー反腐敗庁長官,ガンバト政府全権代表らが調査の現状について報告した。

12月25日にデモ参加者らがスフバータル広場を離れると宣言したことで,デモは一応収束した形となった。しかし,抗議運動は終了したわけではなく,真相解明が進まなければ再燃する可能性もある。

憲法改正と内閣改造

モンゴルでは2019年の憲法改正以降も,さらなる改正の動きが断続的に続いており,2022年には「重ね着」と言われる国会議員と閣僚の兼任について制限する条文が変更された。変更の対象となったのは,2019年の憲法改正で導入された第39条第1項である。この条文には首相を含む閣僚のうち4人までが国会議員との兼任が可能と定めた部分があるが(『アジア動向年報2020』参照),8月13日に行われた憲法裁判所の審判で,これが民主主義や平等の原則を定めた第1条第2項等に違反するとして,違憲判断が下された。この判断に対して同月に臨時国会が開催され,判断受け入れが可決されたことで,当該部分が削除された。

この変更により国会議員の閣僚就任に制約がなくなるやいなや,与党は「重ね着」閣僚を増加させる内閣改造に着手した。内閣改造は単なる閣僚の交代にとどまらず,新たな省として経済・開発省とデジタル開発・通信省が設置されるとともに,首都ウランバートル市自動車道路渋滞緩和国家委員会と国境再生国家委員会が新たに構成され,両委員長がモンゴル国相として内閣に加わることとなった。結果として,新内閣は16省21人による構成になったが,国境再生国家委員長の人選は先送りにされた。

モンゴルでは「重ね着」について長らく賛否両論が続けられてきた。現在でも,議会制民主主義の強化に「重ね着」が必要とする主張に対し,閣僚・国会議員の権限が過大になるとの批判がある。憲法裁判所の判断に対しても,妥当との見方がある一方,政治家の意向を反映させたものではないかとの疑念も存在する。

加えて,内閣改造が政権の安定をもたらしたとも言い難い。9月にサランゲレル労働・社会保障相は,政府主催のシンポジウムで極貧世帯を「底辺の世帯」と表現したことが国民に対する侮辱と批判され,就任から1カ月も立たずに辞任に追い込まれた。さらに,国境再生国家委員長の人選も進んでおらず,背景には閣僚間の対立があるとも報じられている。新内閣ではアマルバヤスガラン人民党書記長が官房長官を兼任しており,オヨーン=エルデネ首相とともに,政権内の対立の火種を絶ち,安定化を図れるかどうかが問われる。

なお,憲法改正に向けた動きはその後も継続している。8月には人民党をはじめ憲法改正に賛成する政党の間で,エンフバヤル元大統領が意見のとりまとめ役に選ばれた。エンフバヤルがかつて人民党から分派した人民革命党を率いており,小政党の立場に理解を示しやすいというのが理由であったが,人民革命党が人民党に合流したことへの見返りとして役割を得たとの見方もある。また,エンフバヤルは人民革命党党首時代に新たな憲法の制定を提唱していた経緯があり,あくまで憲法改正を求める人々との間で意見が対立することも予想される。

民主党の内部対立解決せず

2020年から続く民主党内の対立は2022年も解決を見なかった。民主党は2020年総選挙の敗北を受けて当時のエルデネ党首が辞任し,トワーン党首代行の下で新党首選びを行っていたが,エルデネはのちに辞任の事実を否定したため,これを認めないトワーンらとの間で党が二分していた(『アジア動向年報2021』参照)。

2022年3月にはエルデネ派が臨時党大会を開催し,エルベグドルジ元大統領やガンボルド元第一副首相ら大物を集め,正統性をアピールした。これに対し,非エルデネ(トワーン)派は同月に党首選を告示し,全国で選挙活動を行った。投票は4月に行われ,バトトルガ元大統領が大差で新党首に選出されたが,最高裁への登録は果たせなかった。また,6月にはエルデネが保持する党首公印の無効化と新たな公印の登録を求める訴えが最高裁によって棄却された。

両派の対立がいっこうに収まらないなかで,一般党員からはいら立ちも見られるようになった。エルデネ派が7月に開催した党大会では,参加者のひとりが壇上に乱入し,エルデネに暴力を振るう場面が見られた。また9月には党の青年組織である民主青年連合がスフバータル広場でデモを挙行し,エルデネが自派寄りの青年組織の立ち上げを企図していることや,バトトルガ元大統領にも党分断の責任があることなどを批判した。さらにデモ参加者らはエルデネ派の党本部に乱入し,党旗を引き下ろしたうえにエルデネと非難の応酬を繰り広げた。

この事態に,党内の和解と再統合を目指す動きがようやく具体化しはじめた。9月にはエルデネ派を事実上離脱したトルガト首都議会議員が非エルデネ派のツォグトゲレル国会議員と会談を行い,党首を新たに選出したうえで最高裁の判断を仰ぐことで合意した。同月末にはエルベグドルジ元大統領やバヤルツォグト元内閣官房長官ら党有力者30人強が集まり,党の団結を呼びかけると,直後の10月1日には対立収拾と和解のための大会を開催することが発表された。同月に非エルデネ派はエルデネ派に対し,和解と協議のための作業部会の設置を提案した。作業部会は12月に党国会議員団によって設置が決定され,26日に初会合が行われた。会合ではエルデネ派と非エルデネ派の双方から計39人が出席し,エルデネやバトトルガ元大統領を含む20人から成る協議会を組織することが決まった。

しかし,エルデネは9月末の会合には出席せず,協議会の組織も否定しており,あくまで自身が党首であるとして,党内融和の動きに加わる気配はない。エルデネ派からはトルガト首都議会議員に加えてウヌルバヤル幹事長やバーサンフー法務顧問らが離脱したものの,ガンバト国会議員らが残っており,依然として勢力を保持している。和解に向けた動きにもかかわらず,エルデネ派対非エルデネ派という民主党内の対立構造は変わっておらず,収拾の道筋は見えない。

経 済

緩慢な経済回復,インフレも進展

2022年の実質国内総生産(GDP)成長率は4.8%となり,前年同期の成長率を上回った(Mongolian Statistical Information Service。以下,2022年の数値は全て予測値)。農牧業部門の成長率が12%と高かったものの,鉱業部門の成長率が-11.9%と足を引っ張る形となった。2022年のGDPは2019年同期の水準に達し,新型コロナウイルス感染症による打撃からは一応回復したといえる。とはいえ,以前のような経済成長を取り戻すにはいまだ至っていない。

一方,前年来のインフレは収まることはなかった。2022年12月の消費者物価指数は前年同月比で13.2%の上昇となり,2年連続の2桁上昇となった。最も指数が上昇したのは衣料品で,2021年12月から1年間の上昇率は18.5%であった。次いで上昇率が高いのは保健医療(17.4%),住居・水・電気・燃料(15.4%)と食料品(15.4%)であった。特に食料品の価格は前年にも上昇しており,新型コロナウイルス感染症による対策が始まった2020年1月を基準とすると,価格水準は1.5倍近くにまで上昇した(図1)。

図1 消費者物価指数月次統計(2020年1月=100)

(出所)Mongolian Statistical Information Service(http://www.1212.mn/).

インフレの要因は国際的なエネルギー価格高騰に加えて,通貨トゥグルグの下落,中国のいわゆる「ゼロコロナ」政策により中国経由の物資の輸入がたびたび停滞したこと,後述のとおりロシアへの経済制裁によって燃料・電力輸入に支障が生じたことが挙げられる。すでに見たとおり,国民の間に広がるインフレや生活難への怒りは放置不可能な状態となっている。

そのため政府も感染対策重視から経済再生に舵を切った。3月に新型コロナウイルス感染症に対する高度警戒態勢を解除し,その後も国境地点での往来や物流への規制を緩和した。12月末で期限終了となる新型コロナウイルス感染症対策関連法も延長しなかった。とはいえ,輸入品確保はモンゴル独自で解決できるものではなく,インフレに対する決定的な解決策は見出せずにいる。

タワントルゴイ炭鉱への鉄道開業

2022年にはモンゴル東部・南部で鉄道建設が進んだ。3月には南部ドルノゴビ県ズーンバヤンからタワントルゴイ炭鉱に至る鉄道が開通,開業した。ズーンバヤンはロシア・モンゴル・中国を結ぶ鉄道幹線から枝分かれした支線の終点であり,これでタワントルゴイ炭鉱と国内の主要鉄道路線とが直結された。さらに9月には同炭鉱から中国との国境地点のガショーンソハイトへの鉄道が開業したことで,中国側の鉄道との連絡が実現し,長らくトラックの隊列輸送に頼ってきた石炭の鉄道輸送が可能となった。長年の懸案であったタワントルゴイ炭鉱への鉄道が開業したことは国内でも大きく報じられた。さらに,3月にはズーンバヤンからハンギ国境地点への鉄道が着工され,11月に開業した。

タワントルゴイ炭鉱への鉄道が開通したことで,同炭鉱から中国国境までの石炭1トン当たりの輸送費が47ドルから12ドルまで低下すると試算されている。また,2000件の雇用創出に加えて,4400万ドルの税収増も見込まれる。今後はモンゴルを東西に横断する鉄道に加え,東部および西部で中国国境地点とロシア国境地点の間を結ぶ鉄道建設が計画されている。

ただし,これらの鉄道はモンゴルの他の鉄道路線と同じ広軌で建設されており,標準軌を採用している中国の鉄道に直通することはできない。軌間の決定に際しては中国への影響や貿易依存がさらに拡大するとの懸念が影響したが,今となっては中国に直接貨車を乗り入れられないという負の側面の方が目立つ形となっている。また,タワントルゴイ=ガショーンソハイト間の鉄道建設計画は10年以上前のバヤル政権下で着手されたにもかかわらず,着工から完成までには多年を要した。そのため,バヤル政権下で鉄道建設計画に関わり,大統領在任時も広軌での鉄道建設に固執したバトトルガ元大統領には批判が集まった。

首都一極集中緩和への取り組み

2022年はオヨーン=エルデネ政権が掲げる包括的な経済再生プログラム「新再生政策」の実質的なスタートの年であった。腐敗への対応などによって政策の実施が後回しになった感はあるが,6つの重点部門のうち都市・地方の再生については,年後半に進展がみられた。

まず,9月には内閣改造によって設置された首都ウランバートル市自動車道渋滞緩和国家委員会の初会合が行われた。会合では渋滞対策のための法案や計画の策定,地方からウランバートルへの人口移動に関する実態調査等を行うことになった。12月に行われた2回目の会議では市内バスの改革について議論が進み,バス専用車線の設置やバス・ラピッド・トランジット事業の推進が決まったほか,車両更新のために中国から新型バス200両あまりを導入することも報告された。

新たな動きとして特筆されるのが,都市から地方への移住促進策である。オヨーン=エルデネ首相は10月に行われた地方への個人・企業の移動支援策立案のための作業部会に出席し,2023年予算で衛星都市建設や地方で勤務する公務員の給与引き上げ,地方に移転する企業の法人税減額といった方針を明らかにしている。また,11月30日に行われた閣議では,首都ウランバートルのうち中心部以外の3地区と地方各県人口の10%ないし20%増加,首都で勤務する公務員の10%の地方移住が目標として定められた。これに伴い,各県には人口誘致のための取り組みを策定して実施することが義務化された。さらに,12月には新ハルホリン市の建設が決定された。これはモンゴル帝国の首都カラコルムの跡地付近に新都市を建設するものであり,大統領宮殿や政府組織の移転も構想されている。

ただし,これらの政策の実現可能性には疑問符が付く。ウランバートルの渋滞対策としては,これまでも地下鉄やライトレール,ロープウェイの建設計画が決定されたが,現時点で実際に建設されたものはない。同様に,ハルホリン建設計画も過去に構想がありながら事実上消滅した経緯があり,かつ必要な資金をどう確保するかが課題となる。また地方の人口増加目標も政府によって一律に課されたものであり,地方各地の実態を反映させたものであるかは疑わしい。

対外関係

ウクライナ戦争へのモンゴルの反応

隣国ロシアによるウクライナ侵攻はモンゴルにも当然影響を与えた。西側諸国による経済制裁のあおりで,モンゴルがロシアに依存する燃料や電力の輸入をはじめとする対ロシア貿易に影響が及ぶだけでなく,ロシア経由でのヨーロッパ諸国からの輸入が困難となった。また,ウランバートルの外国為替市場ではロシアへの持ち込みが目的とみられる買い付けによってドルが不足する事態も起きた。さらに9月にロシア全土で部分的動員が開始されると,ロシア国民の短期滞在ビザを免除しているモンゴルは動員を回避するロシア出国者のルートのひとつとなった。とくに,モンゴル・ロシア間最大の国境地点のアルタンボラグでは,部分的動員開始直後に出国者が殺到し,行列をなす様子が報じられた。

この事態に対して,モンゴルはロシアへの表立った批判を行わず,ロシアとの関係維持に努めた。モンゴルは国連総会で行われたロシア非難の決議採決ですべて棄権しており,西側諸国との首脳会談といった他の外交の機会でも,ロシアへの批判にモンゴル側が賛同することはなかった。また,要人の往来も止まることはなかった。3月にはヨンドン鉱業・重工業相がロシアとベラルーシを訪問し,7月にはラブロフ・ロシア外相がモンゴルに来訪しており,通商・経済関係の強化や,モンゴルの輸入超過となっている貿易関係の均衡化等で合意した。9月には上海協力機構(SCO)首脳会談に合わせたモンゴル・ロシア・中国三者首脳会談が例年どおり実施され,フレルスフ大統領が出席した。3カ国を結ぶ経済回廊建設や,モンゴル国内の鉄道建設に関わる協力で合意がなされた。

両国間の軍事協力も続いた。8月にはモンゴル国内で合同軍事演習「セレンゲ」が行われたのに加えて,モンゴル主催の国際騎馬コンテスト「アラブト」にロシア代表が参加したほか,両国間で「軍事ラリー2022」も開催された。9月にはロシアによる合同軍事演習「ヴォストーク-2022」にモンゴルが参加した。

他方,一般社会の反応は分かれた。3月にはウランバートルで戦争反対のデモが発生し,その後もロシア大使館前などで戦争や軍事演習「セレンゲ」への抗議活動が続いた。ただし,デモは民主党エルデネ派が主体となったものであり,広範な人々を動員したものとは言い難い。加えて,デモに対しては国粋主義団体からの妨害が行われており,5月にはデモ参加者で俳優のソソルバラム氏が妨害者から正体不明の粉末をかけられる事件も発生した。同月にはロシア留学経験者らがウクライナのロシア占領地域に支援物資を送付する動きが報じられている。

モンゴル政府や一部世論がロシアに対して融和的ともいえる態度をとっている理由としては,モンゴルにとってロシアが最も長い外交関係を有するパートナーであることとともに,モンゴルがロシアに燃料や電力を依存していることが挙げられる。さらに,モンゴルにとって念願であったロシア・モンゴル・中国間天然ガスパイプラインの建設が頓挫する事態は避けたいという事情もある。

とはいえ,モンゴルがロシアのウクライナ侵攻を支持しているわけではない。バトツェツェグ外相は戦争開始直後から,あくまで話し合いによる解決を繰り返し主張している。また,3月にはロシア大使館が戦争反対デモ参加者に対して「アメリカのリベラル支配支持者」呼ばわりする警告文を発表した際には,対外関係省が抗議と撤回を要求した。また,4月にはウクライナに対して20万ドルの人道支援実施を決定している。さらに,9月末には外国人登録庁がビザ免除期間を超えて在留しているロシア国民に対して柔軟な対応を行うとともに,希望に基づき在留許可も交付すると発表した。影響力の大きい隣国への配慮を示しつつ,国家としての独自性を維持するという難題にモンゴルは直面している。

日本との国交樹立50周年で往来,行事相次ぐ

2022年は日本とモンゴルが国交を樹立して50周年にあたる。これを記念すべく,文化・芸術・スポーツ等の行事や国際学術会議,要人往来等の人的交流が相次いで行われた。

4月末から5月初頭にかけては林外相が来訪した。バトツェツェグ外相との会談では,2017年から2021年までの戦略的パートナーシップ中期計画がほぼすべて計画どおり実施されたことを評価し,新たな中期計画を策定するなど,戦略的パートナーシップの強化・拡大で両者が合意した。また,オヨーン=エルデネ首相との会談ではチンギス・ハーン国際空港周辺の経済自由地帯および都市建設について意見交換を行った。8月には国軍と自衛隊の間で国連平和維持活動(PKO)での道路建設に向けた合同軍事演習「ザム2022」が行われたのに加えて,林幹雄衆議院日本・モンゴル友好議員連盟会長をはじめとする代表団が来訪し,オヨーン=エルデネ首相やザンダンシャタル国会議長らと会談した。9月にはオヨーン=エルデネ首相が訪日し,安倍元首相の葬儀に参列したほか,岸田首相と会談を行い,日本の航空会社によるモンゴルへの定期便開設や,モンゴル国民の日本への渡航条件緩和などについて協議した。そして,11月末にはフレルスフ大統領も訪日した。岸田首相との会談では戦略的パートナーシップ中期計画が更新され,両国間関係が「平和と繁栄のための特別な戦略的パートナーシップ」に格上げされた。会談後の共同声明では,政治・安全保障,経済協力,人的投資などでの協力方針が発表された。ソドバータル大統領官房長官は記者会見で,大統領訪日の成果として,モンゴルでの技師1000人育成計画や,生徒・教員2万人を対象とした環境問題に関する教育・研修に対し,日本が支援を行うことを明らかにした。

民主化以降のモンゴル・日本の良好な関係を反映し,2022年の対日関係は祝賀ムードのなかで推移した。他方,両国間の経済関係拡大,とりわけモンゴルの対日輸出や日本からの投資拡大については目立った進展は見られず,依然として課題となったままである。

グテーレス国連事務総長の来訪

2022年の対外関係上の成果として政府が強調するのが,8月に行われたグテーレス国連事務総長の来訪である。事務総長は8日から11日までの日程でモンゴルを訪問し,フレルスフ大統領との会談で,大統領が進める10億本植樹計画への支援を表明した。会談後はともに国連平和維持活動記念碑を訪問し,記念植樹を行った。また,オヨーン=エルデネ首相との会談では,モンゴルが進めているエグ川水力発電所建設への支援を表明した。事務総長はザンダンシャタル国会議長とも会談し,非核地位国であるモンゴルへの訪問の意義を強調した。バトツェツェグ外相との会談では非核地位に加えて,モンゴルの気候変動対策についても評価した。事務総長はPKO隊員らとも会見し,活動への謝意を伝えた。

グテーレス国連事務総長の訪問は,モンゴルが行ってきたPKO活動や,10億本植樹計画に代表される気候変動対策,一国非核地位といったモンゴルの国際社会に対する取り組みについて,いわばお墨付きを与えるものとなった。また,エグ川水力発電所は下流に位置するロシアが難色を示していただけに(『アジア動向年報2022』参照),事務総長の支援表明はプロジェクト推進への追い風となるものであった。一方で,事務総長はザンダンシャタル国会議長との会談で,ガンバト国会議員によるウクライナからの避難民支援を評価する発言も行っており,この問題に関してモンゴルにクギを刺すことも忘れなかった。

対中国関係の進展

対中関係では要人の往来や経済協力を中心とする進展が見られた。2月にはオヨーン=エルデネ首相が訪中し,北京冬季五輪開会式に出席するとともに,李克強総理との会談では新再生政策に関する協力や二国間通貨スワップ協定の延長,ロシア・モンゴル・中国天然ガスパイプラインの建設加速で合意した。4月にはバトツェツェグ外相が王毅外相と電話会談を行い,国境地点再開と輸出入の拡大,天津で滞留しているモンゴルへの輸入貨物の早期輸送について協議した。8月には王毅外相が来訪し,フレルスフ大統領やオヨーン=エルデネ首相,バトツェツェグ外相との会談で,中国が支援するエルデネブレン水力発電所の建設の加速で合意したほか,ロシア・モンゴル・中国経済回廊の建設について意見交換がなされた。11月にはフレルスフ大統領が訪中して習近平国家主席と会談を行い,「全面的パートナーシップの新世紀における前進発展に関するモンゴル・中国共同声明」を発表した。他方,モンゴル国内では訪中の具体的な成果として,石炭輸出の拡大,ウランバートルでのスポーツ複合施設と芸術施設の建設や,鉄道アンダーパスの建設に対する中国からの支援の決定とともに,ロシア・モンゴル・中国天然ガスパイプライン建設を中国政府が公式文書に記載したことが報じられた。

2023年の課題

2023年の国内政治で主な焦点となるのは,与党人民党が進める憲法改正と,腐敗問題への対応の2つである。憲法改正については世論調査の実施や討論会の開催等,一般国民が参加する形で議論が進められている。とくに,国会の構成や選挙制度の改革も論点であり,これが翌2024年予定の国会総選挙に間に合うかが課題となる。他方,腐敗問題については開発銀行問題や「石炭泥棒」問題に加えて,年初から鉄道貨物輸送に関する疑獄も報じられており,オヨーン=エルデネ首相ら人民党執行部が自党の政治家を含む当事者に対して厳正に臨めるかが問われる。さらに,民主党の党内融和の成否も注目される。ただエルデネの主張が変わる気配はなく,彼が支持者をつなぎとめられるかどうかが問題となろう。

経済面では新型コロナウイルス感染症の影響からの本格的な回復が課題となる。インフレ抑制も引き続き悩みの種となろう。ただ,2023年1月8日には中国国境が再開されており,往来の自由化による効果が期待される。また,政府は2023年から2025年を観光年と定め,キャンペーンの展開や欧州・オセアニア34カ国の国民に対し短期滞在ビザを一時的に免除するなどの取り組みを行っている。これらによって,観光業の再生や経済立て直しがどこまで実現できるか注目される。

対外関係では対ロシア関係と対西側諸国関係とのバランスが焦点となる。ロシアへの過度の傾斜は国際社会からの孤立を招く一方で,西側諸国寄りの姿勢が目立てばロシアの反発や対抗措置を引き起こしかねない。ただし,戦局の見通しが立てば,とるべき態度は変わってくる。ウクライナでの戦争に終わりが見えないなかで,モンゴルは戦争の展開に対して神経質にならざるを得ないであろう。

(高知大学地域協働学部教授)

重要日誌 モンゴル 2022年
   1月
7日新型コロナウイルスワクチン4回目接種開始。
14日バヤルマンダル鉱物資源・石油庁長官就任。
17日オルトナサン環境・観光相,臨時閣議で解任。
18日バト=エルデネ環境・観光相就任。
18日秋期国会閉会。
20日開発銀行,25社を反腐敗庁に告訴。
25日オヨー・トルゴイ銅鉱地下掘り鉱山開設記念式典挙行。
25日ロシア・モンゴル・中国天然ガスパイプラインフィージビリティ・スタディ確認署名式,ウランバートルで挙行。
28日臨時国会開会(~31日)。
28日モンゴル銀行金融政策委員会,政策金利を6%から6.5%に引き上げ。
28日バトツェツェグ外相,王毅中国外相と電話会談。
31日国会本会議,2022年補正予算可決。
   2月
3日オヨーン=エルデネ首相,訪中(~8日)。北京冬季五輪開会式出席,習近平国家主席らと会談。
18日バトツェツェグ外相,第58回ミュンヘン安全保障会議出席(~20日)。
22日第7回モンゴル・ハンガリー政府間協議開催。
25日第6回モンゴル・ベラルーシ通商・経済・科学技術協力政府間委員会,オンライン開催。
   3月
5日民主党エルデネ派,第13回臨時党大会開催。
7日ヨンドン鉱業・重工業相,ロシア・ベラルーシ訪問(~11日)。
9日駐シカゴ総領事館開設。
11日ズーンバヤン=ハンギ間鉄道着工。
14日新型コロナウイルス感染症による高度警戒態勢解除。
15日春期国会開会。
15日第5回モンゴル・ウズベキスタン外務省間協議会,オンライン開催。
21日モンゴル経済フォーラム事前会合,ウランバートルで開催(~30日)。
24日モンゴル銀行金融政策委員会,政策金利を6.5%から9%に引き上げ。
26日タワントルゴイ=ズーンバヤン間鉄道開業。
28日第4回モンゴル・キルギス政府間協議,ウランバートルで開催(~29日)。
30日ロシア,モンゴルとの国境再開。
31日第2回モンゴル・ポーランド政府間協議会,オンライン開催。
31日第1回モンゴル・カナダ外務省間協議,ウランバートルで開催。
   4月
5日モンゴル・ポーランド外務省間政治協議会,ワルシャワで開催。
6日MIATモンゴル航空,イスタンブール便運航開始。
7日「モンゴルで良く暮らそう」デモ発生。
7日モンゴル経済フォーラム2022,ウランバートルで開催(~8日)。
7日第5回モンゴル・チェコ外務省間協議会,プラハで開催。
8日バトツェツェグ外相,王毅中国外相と電話会談。
19日ノミン文化相,イタリア訪問。
19日第2回モンゴル・ポルトガル政治協議会,オンライン開催。
21日フレルスフ大統領,ボアオ・アジア・フォーラムにオンライン出席。
27日ウラジオストクにモンゴル通商代表所設置。
27日第1回モンゴル・ラトビア外務省間協議会,オンライン開催。
30日労働国民党,臨時党大会開催。党名を「人間党」に変更。
30日林外相来訪。フレルスフ大統領らと会談。
   5月
5日人間党,「自ら改革しろ,しないなら解散しろ」デモ挙行。
9日バト=エルデネ環境・観光相,コートジボワール・アビジャンでの国連砂漠化対処条約第15回締約国会議出席(~20日)。
10日フレルスフ大統領,ドゥダ・ポーランド大統領と電話会談。
19日バト=エルデネ環境・観光相,訪日。山口環境相と会談。
23日バトツェツェグ外相,ダボスでの世界経済フォーラム出席(~25日)。
31日モンゴル・カザフスタン外務省間定例協議,ヌルスルタンで開催。
   6月
2日バトツェツェグ外相,ラブロフ・ロシア外相と電話会談。
3日モンゴル・ウズベキスタン外務省間政治協議会合,タシケントで開催。
4日ラウ・ポーランド外相来訪(~6日)。フレルスフ大統領らと会談。
6日国際軍事演習「ハーン・クエスト2022」開催(~17日)。
10日最高裁,市民参加統一党を政党登録。
13日ヨンドン鉱業・重工業相,カナダ・トロントで開催の国際探索・採鉱企業会合に出席(~15日)。
13日葛西WHO西太平洋事務局長来訪。フレルスフ大統領と会談。
15日オリアスタイ=アルタイ間舗装道建設工事開始。
17日第21回モンゴル・EU協力委員会,ウランバートルで開催。
17日ツォルン・ドイツ連邦軍総監来訪。フレルスフ大統領と会談。
17日モンゴル銀行金融政策委員会,政策金利を9%から10%に引き上げ。
23日第7回北東アジア安全保障問題「ウランバートル対話」国際会議,ウランバートルで開催(~24日)。
27日トソンツェンゲル=オリアスタイ間舗装道供用開始。
   7月
2日チョイバルサン=フート=ビチグト間鉄道着工。
5日ラブロフ・ロシア外相来訪。フレルスフ大統領らと会談。
6日春期国会閉会。
6日オヨーン=エルデネ首相,シンガポール訪問(~9日)。リー首相らと会談。
8日モンゴル・フランス外務省間協議会合,ウランバートルで開催。
8日MIATモンゴル航空,広州便運航開始。
10日国連教育科学文化機関(UNESCO)アズレー事務局長来訪(~14日)。フレルスフ大統領らと会談。
11日全国ナーダム,2年ぶり開催(~13日)。
13日オヨーン=エルデネ首相,日本大使館で故安倍元首相の弔問と記帳。
16日ガショーンソハイト国境地点で自動制御輸送機器による石炭輸出開始。
27日ゴロムト銀行加藤頭取に北極星勲章授与。
29日モンゴル・スペイン外務省間協議開催。
   8月
1日ロシア・モンゴル合同軍事演習「セレンゲ」実施(~15日)。
1日モンゴル国軍・自衛隊合同演習「ザム2022」実施(~20日)。
7日王毅中国外相来訪(~8日)。フレルスフ大統領らと会談。
8日グテーレス国連事務総長来訪(~11日)。フレルスフ大統領らと会談。
12日フシグ谷インフラ建設工事起工式開催。
13日「アラブト」国際騎馬兵コンテスト開催(~18日)。
19日モンゴル・日本国交樹立50周年記念,JICAモンゴル事務所設立25周年記念「モンゴル・日本ビジネスフォーラム」開催。
20日林幹雄衆議院日本・モンゴル友好議員連盟会長ら代表団来訪(~24日)。オヨーン=エルデネ首相らと会談。
22日臨時国会開会(~30日)。
24日クリテンベルグ米国務次官補(東アジア・太平洋担当)来訪。フレルスフ大統領らと会談。
25日国会本会議,憲法改正案可決。
28日朴韓国外相来訪(~30日)。フレルスフ大統領らと会談。
29日内閣改造実施。
30日新閣僚就任式実施。
   9月
1日モンゴル国軍,ロシア東部で開催の合同軍事演習「ヴォストーク-2022」に参加(~7日)。
3日サルームサイ・ラオス外相来訪(~5日)。フレルスフ大統領らと会談。
5日非常事態庁・米インド太平洋軍,「ゴビの狼」合同演習実施(~11日)。
5日シン・インド国防相来訪(~7日)。フレルスフ大統領らと会談。
5日ジュリン・タイ副首相兼商務相来訪(~7日)。バトツェツェグ外相らと会談。
6日オヨーン=エルデネ首相,ウラジオストクでの東方経済フォーラム出席(~8日)。
7日第6回モンゴル・トルコ外務省間政治協議会合,アンカラで開催。
9日タワントルゴイ=ガショーンソハイト間鉄道開業。
10日栗戦書・中国全人代常務委員長来訪(~12日)。フレルスフ大統領らと会談。
13日第18回モンゴル・ベトナム政府間委員会,ウランバートルで開催(~16日)。
14日フレルスフ大統領,ウズベキスタン・サマルカンドでの上海協力機構首脳会議出席(~16日)。会期中にモンゴル・ロシア・中国首脳会談開催。
14日アマルサイハン副首相,オーストラリア訪問(~21日)。ウォン外相と会談。
19日モンゴリアン・マイニング・ウィーク開催(~23日)。
19日フレルスフ大統領,訪米(~24日)。第77回国連総会出席。
20日モンゴル銀行金融政策委員会,政策金利を10%から12%に引き上げ。
21日第5回モンゴル・ベラルーシ外務省間協議会合,ウランバートルで開催。
26日第17回モンゴル・ロシア政府間委員会運輸部会定例会合,モスクワで開催(~27日)。
27日サランゲレル労働・社会保障相辞任。
27日オヨーン=エルデネ首相訪日(~30日)。安倍元首相の葬儀出席,岸田首相らと会談。
29日アルハンガイ県議会,バトジャルガル知事の解任決定。
  10月
3日秋期国会開会。
6日反腐敗庁,バトザンダン元国会議員とバト=エルデネ元道路・運輸開発副大臣を逮捕。
6日学術会議「日本・モンゴル協力50周年」開催。
7日第2回モンゴル・EU政策対話,ブリュッセルで開催。
9日フュレー・カナダ上院議長,来訪(~13日)。フレルスフ大統領らと会談。
12日オヨーン=エルデネ首相,訪独(~16日)。シュタインマイヤー大統領らと会談。
12日アマルサイハン副首相,カザフスタン・アスタナでの第6回アジア相互協力信頼醸成措置会議出席(~13日)。
13日第1回モンゴル・日本外務省間領事級会合,オンライン開催。
13日ザンダンシャタル国会議長,トルコ訪問(~17日)。エルドアン大統領らと会談。
18日サイハンバヤル国防相,訪印(~24日)。シン国防相らと会談。
21日アヨールサイハン国会副議長,労働・社会保障相就任。
24日韓国江原道襄陽空港チャーター便運航開始。チャーター便で団体旅行を行うモンゴル国民の韓国短期滞在ビザ免除。
25日ザンダンシャタル国会議長,訪韓(~30日)。韓首相らと会談。
26日ブアンガン米大使着任。
27日国会本会議,アヨールサイハン労働・社会保障相の国会副議長辞任を承認。
28日国連総会,モンゴル国の国際安全保障および非核地位に関する国連決議採択。
28日第5回モンゴル・日本・アメリカ三者会議,東京で開催。
30日ウランバートル=ダルハン間道路,2車線のみでの暫定供用開始。
  11月
1日オヨーン=エルデネ首相,第21回上海協力機構加盟国政府首脳理事会出席(オンライン)。
2日ガンバータル鉱業・重工業相,シドニーでの国際鉱業資源会議・展示会(IMARC-2022)に出席(~4日)。
3日ガンビャンバ参謀本部長就任。
4日MIATモンゴル航空,香港便再開。
7日高齢者による物価上昇反対,賃金・扶助増額要求デモ,スフバータル広場で発生。
7日フレルスフ大統領,エジプト・シャルム=エル=シェイクでの国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)出席(~8日)。
11日国会本会議,2023年予算案可決。
14日第24回ロシア・モンゴル通商・経済・科学技術政府間委員会,モスクワで開催(~15日)。
18日サイハンバヤル国防相,中国山西省西安訪問(~19日)。魏鳳和国防相と会談。
23日第6回モンゴル・韓国政府間会合,ソウルで開催(~25日)。
25日ズーンバヤン=ハンギ間鉄道開業。
27日フレルスフ大統領,訪中(~28日)。習国家主席らと会談。
29日フレルスフ大統領,訪日(~12月2日)。岸田首相らと会談。
29日駐中国・満洲里モンゴル総領事館開設。
  12月
1日第11次国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)派遣部隊帰国。
1日アンフバヤル対外関係省事務次官,第29回欧州安全保障協力機構(OSCE)閣僚級会議出席(~2日)。
4日スフバータル広場で「石炭泥棒」問題および腐敗への抗議デモ発生(~25日)。
5日サイハンバヤル国防相,ベトナム訪問(~9日)。ミン首相らと会談。
16日政府,バウィルジャン・バヤンウルギー県知事解任。
21日石炭輸出・輸送問題の関係機関による報告・情報聴取総合監査公聴会開催。
29日モンゴル帝国首都ハルホロム(ハルホリン)市再建に関する大統領令署名式挙行。
29日ザミーンウード2=シャルグィン・オボー間鉄道複線化工事完成。
31日新型コロナウイルス感染症対策法,期限終了。

参考資料 モンゴル 2022年
① 国家機構図(2022年12月末現在)

(注)1)国家元首。政党の推薦を受け国民の直接選挙で選出,任期6年。大統領資格は50歳以上,選挙前5年以上継続して国内に居住したモンゴル国籍の者。2)国家最高機関。定員76人。任期4年。議員資格25歳以上。首相以下の閣僚を選出。定例年2回,1回75日以上。3)最高裁長官は最高裁の提案で大統領が任命。検事総長は国家大会議との協議を経て大統領が任命。4)任期4年。5)アイマグ(県),首都の知事は地方議会の提案で首相が任命。ソム(郡),地区などの首長は上部アイマグ,首都知事が任命,任期4年。6)憲法裁判所判事は,大統領と最高裁判所が推薦し,国会が任命。

② 政府・国会要人名簿(2022年12月末現在)

(注)カッコ内は出身組織である。ただしモンゴルでは官・民の間の移動が珍しくないため,ここでは直近の所属先を示している。

主要統計 モンゴル 2022年
1 基礎統計

(注)1)暫定値。2)各年12月時点の対前年同月比。3)モンゴル銀行12月31日公表値。消費者物価指数の基準年は2021年まで2015年基準,2022年より2020年基準。

(出所)Mongolian Statistical Information Service(https://www.1212.mn),モンゴル銀行ウェブサイト(https://www.mongolbank.mn/)。

2 支出別国内総生産(名目価格)

(注)1)暫定値。

(出所)Mongolian Statistical Information Service(https://www.1212.mn).

3 産業別国内総生産(実質:2015年価格)

(注)1)暫定値。

(出所)表2に同じ。

4 家畜頭数

(注)1)暫定値。

(出所)Mongolian Statistical Information Service(https://www.1212.mn),Socio-economic Situation of Mongolia, 2022年12月号,Mongolian Statistical Yearbook, 2021年号。

5 国際収支

(注)IMF国際収支マニュアル第6版に基づく。したがって,金融収支の符号は(-)は資本流入,(+)は資本流出を意味する。1)暫定値。

(出所)モンゴル銀行ウェブサイト(https://www.mongolbank.mn/)。

6 主要国別貿易構成比(2022年)1)

(注)1)暫定値。

(出所)Socio-economic Situation of Mongolia, 2022年12月号。

7 主要輸出品

(注)1)暫定値。

(出所)Mongolian Statistical Information Service(http://www.1212.mn).

8 主要輸入品

(注)1)暫定値。

(出所)表7に同じ。

 
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