AUDIOLOGY JAPAN
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原著
急性低音障害型感音難聴の予後因子の検討
—重症度と長期予後—
蒲谷 嘉代子渡邉 暢浩高橋 眞理子荒木 幸絵村上 信五
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2011 年 54 巻 6 号 p. 665-670

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抄録

急性低音障害型感音難聴は再発, 反復する例や, メニエール病へ移行する例があり, 必ずしも予後良好な疾患ではないという認識が広まってきた。これまでに予後を予測する因子として, 発症年齢, 発症から初診までの期間, 初診時の1000Hzの聴力レベル, 重症度等が検討されているが, 重症度に関しては予後との相関が明らかではないという報告もある。
今回, 当院を受診した急性低音障害型感音難聴症例361例にて, 背景と予後を検討し, 1年以上の長期経過観察例に関しては重症度と予後との関連を詳細に検討した。初診時の重症度は予後との関連が見られないものの, 1ヶ月後の重症度は予後と相関することが判明した。
受診から1ヶ月後までは聴力変動が大きいため, 慎重に経過観察することが必要だと考えられた。

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© 2011 日本聴覚医学会
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