AUDIOLOGY JAPAN
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原著
聴覚障害児における会話時の意図理解に関する検討:社会的知識の使用
野原 信廣田 栄子
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2018 年 61 巻 6 号 p. 538-545

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抄録

要旨: 聴覚障害児45名を対象に, 会話時の他者の意図の理解について, 同年齢の健聴児232名と比較して検討した。3種の課題場面について, 社会的知識を用いて理解を求める条件 (文脈あり条件) と社会的知識がなくても理解可能な条件 (文脈なし条件) を設定し, 書記で回答を求めた。その結果, 聴覚障害児では, 社会的知識の文脈あり条件で, 他児の意図の理解について低下した。とくに対人的な配慮を必要とする条件で課題を示した。課題成績については, 対象児の言語能力 (読書力検査結果) との相関が高く, 平均聴力レベルとの相関は有意ではなかった。社会的知識を用いて他者の意図を理解する能力は, 幼児期後期から学童期に獲得されるが, 簡単な会話に支障がない場合にも, 聴覚障害児の言語発達の課題として, 指導の適用について検討が必要であると考えられた。

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© 2018 日本聴覚医学会
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