AUDIOLOGY JAPAN
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原著
聴覚障害者のピッチ弁別能とメロディ弁別能
田原 敬勝二 博亮久保 愛恵
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2020 年 63 巻 3 号 p. 206-213

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抄録

要旨: 本研究では, ピッチ弁別課題と調性を操作したメロディ弁別課題を聴覚障害者8名に対して実施し, ピッチ弁別能及びメロディ弁別能の観点に加え, 調性感という観点も加味しながら聴覚障害者のメロディ認知について検討を行った。ピッチ弁別課題では健聴者と同程度の成績を示した者 (6名) と, 弁別が難しい者 (2名) に大分され, 聴力レベル及び音楽経験の影響を受けると推察された。ピッチ弁別課題の成績が良好であった6名を対象にメロディ弁別課題を実施した結果, 4名がチャンスレベルに留まり, ピッチ弁別が可能であってもメロディ弁別は難度が高いことが確認された。チャンスレベルを上回った2名に関しては聴力レベルが低く, ピッチ弁別同様に聴力レベルが成績に影響を及ぼすと推察された。しかし, 健聴者同様に調性を感じてメロディを認知していると思われる対象者は 1 名のみであり, 低音域の聴力レベルが影響している可能性が考えられた。

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© 2020 日本聴覚医学会
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