AUDIOLOGY JAPAN
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原著
内耳奇形小児例の人工内耳 : 長期成績と両耳装用の適応について
諸頭 三郎山崎 朋子玉谷 輪子藤井 直子山崎 博司藤原 敬三内藤 泰
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2020 年 63 巻 6 号 p. 539-547

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抄録

要旨: 2009年から2020年までに当科で人工内耳手術を行い, 3年以上経過観察した, common cavity (CC群) 10名11耳, incomplete partition type I (IP-I群) 13名13耳, type II (IP-II群) 12名12耳の計35名35耳と, 対照群として設定した GJB2 伝子変異による36名36耳の小児例について, 術後の語音聴取成績, 日常の聴覚活用状況を評価する CAP や発話明瞭度を評価する SIR の成績を検討した。

 IP-II 群の成績は対照群と有意差はなく良好であった。IP-I 群13名の成績は, 対照群には及ばないが, 症例間のばらつきは少なく, 聴覚音声でコミュニケーションが可能となる良好な成績が得られていた。CC 群10名のうち, CND を合併しない8名の語音聴取成績は, 8本の電極使用にとどまった 1 名を除き, 60%以上であった。2回目手術を実施した, IP-I 群の CND が合併しなかった2名と IP-II 群6名の単音節聴取成績は, 初回手術の成績と同等で, 内耳奇形例でも両耳人工内耳の効果が確認された。

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© 2020 日本聴覚医学会
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