2022 年 65 巻 4 号 p. 247-252
要旨: 12例に対し軟骨伝導補聴器の試聴を行なった。 骨導補聴器装用例では音量感不足のため希望しなかった。 審美性や装用感を重視する場合は良い適応と考えられた。 両側慢性耳漏例は補聴器の買い替えの際, 選択肢となるよう情報提供できると良い。 一側性難聴例は外耳道閉鎖の有無に関わらず装用効果を感じやすいが, 装用場面が家以外であることが多く, 自己管理できる年齢での提案がよいと考えられた。 年齢が上がると医療機関へ受診する機会が減る一方で両耳聴が必要な場面は増える。 聴覚保償の情報, 試聴の機会が得られるようにする必要がある。 また, 外耳道閉鎖や慢性耳漏以外に一側重度難聴例において有効な症例を認め, 適応は広くとらえた方が良いと考えられた。