AUDIOLOGY JAPAN
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総説
音響性聴覚障害 update
―有毛細胞障害から Cochlear Synaptopathy まで―
水足 邦雄
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2023 年 66 巻 2 号 p. 101-107

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抄録

要旨: 近年世界的に難聴者の増加が大きな社会問題となっており, 世界各国で対応が行われている。本稿では, 音響性聴覚障害の病態に焦点を当てて, 特に急性音響性聴器障害による外有毛細胞障害, および近年注目されている内有毛細胞のシナプス障害である cochlear synaptopathy について概説する。このような蝸牛病態を理解することで, 臨床の現場で患者の訴えをより正確に把握することが可能となり, より適切な対処をすることが出来るようになると著者は考えている。さらに, 聴力が正常であっても聞き取りに問題がある場合は cochlear synaptopathy の病態を理解することで正確な対処の参考になる。また, 近年の研究によって音響性聴器障害の病態と, 他の加齢性難聴の病態が極めて類似していることが明らかとなっている。このことは加齢性難聴の予防に騒音対策が最も重要である事を示唆しているだけでなく, これまでの音響性聴器障害に対して行われてきた研究成果が加齢性難聴に対しても応用可能であることを示している。

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© 2023 日本聴覚医学会
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