AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
Print ISSN : 0303-8106
ISSN-L : 0303-8106
エタクリン酸およびフロセマイドによる内耳障害の発生機序に関する組織化学的研究
田村 秀明
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 21 巻 6 号 p. 668-687

詳細
抄録

利尿剤エタクリン酸およびフロセマイド投与時の血管条毛細血管網の走向をベンチジン法を用い, また, ラセン器の生存有毛細胞の電子伝達系におけるnitro blue tetrazolium (nitro-BT) 超生体還元能を観察したところ, 両利尿剤投与直後から血管条毛細血管腔の狭窄ならびに乏血, 外有毛細胞のnitro-BT還元障害および膨化が認められた。これらの所見から, 外有毛細胞の障害は膜ATP aseの一次的障害により起こること, 血管条における細胞間水腫は毛細血管の狭窄および圧迫などに帰因することが示唆される。

著者関連情報
© 日本聴覚医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top