AUDIOLOGY JAPAN
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顔面痙攣に伴う耳鳴症例の検討
久 和孝森岡 隆人松田 健二中川 尚志君付 隆小宗 静男
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1995 年 38 巻 1 号 p. 44-48

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抄録

顔面痙攣に同期して出現する耳鳴8症例に対して, 非音響性耳小骨筋反射および顔面表情筋の筋電図を同時測定した。全症例で顔面痙攣出現時に筋電図で筋収縮に伴うスパイクが出現するのに一致して, 非音響性耳小骨筋反射検査ではコンプライアンス低下が認められた。コンプライアンス低下の程度は, 平均0.54ccであることが判明した。そのうち6例にmicrovascular decompression (MVD) を施行し, 6例とも手術後耳鳴が消失した。手術時耳鳴の原因となる血管を確認したところ, 前下小脳動脈4例, 後下小脳動脈2例であった。顔面痙攣に伴う耳鳴症例の診断には, 非音響性耳小骨筋反射検査が有用であり, このような耳鳴に対してMVDが有効であることが示唆された。

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