2025 年 3 巻 1 号 p. 67-72
場面緘黙のある子どもの発話や行動は学校場面と家庭場面で大きく異なる。そのため、学校に在籍する場面緘黙の子どもの支援においては学校(担任)と家庭(保護者)の連携協力が不可欠である。一方、場面緘黙支援の専門家との連携協力も必要性は高いものの、我が国においては専門家の要件が不明確である。英国や米国では場面緘黙支援の専門家には行動療法的技法の知識と経験が重視されているが、我が国では重視されている状況ではない。しかし、場面緘黙支援の知識と経験を持つ専門家の連携協力が得られれば、専門的見地からの支援が可能となる。最後に、三者の連携協力の態様を筆者の臨床経験に基づいて図示した。