2018 年 7 巻 1 号 p. 9-19
クラスター分析手法のひとつであるReduced K-means法では,多変量データを縮約した部分空間を構成する次元軸と,その次元空間におけるクラスター中心が同時に推定される。本稿では,大規模な社会調査データにこの手法を適用した分析例を示しつつ,K-means法や主成分分析を併用したタンデム・クラスタリングによる結果との比較を行い,その有効性について論じる。また,この手法では,次元数およびクラスター数の設定について選択の余地があるので,最終的にどの解を採用するかを決定するための判断基準が必要となる。その点について,客観的なクラスター評価指標に基づく検討を試みる。