バイオインテグレーション学会誌
Online ISSN : 2186-2923
インプラント体表面粗さのバイオフィルム形成への影響について
杉澤 満山本 酉子荒川 真一
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 5 巻 1 号 p. 85-92

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抄録
本研究は,インプラント体の表面性状の粗さの違いによる細菌の付着状態を確認し,インプラント体の素材によるバイ オフィルム形成および細菌付着量の違いを検討した.17.0mm× 10.0mm × 1.0mm のチタン板にSBA:サンドブラストおよび酸エッチング処理,MS:マシーンドサーフェス,RA1.5:スパッタリングHA 処理およびRA3.0:スパッタリングHA処理(RA1.5 より表面が粗い試料),4 種類の表面処理を施したものを用い,各30 枚ずつ作製し実験を行った.使用菌種はStreptococcus mutans とPorphyromonas gingivalis の2 菌株を用いた.培養条件はS. mutans はBHI 寒天培地および1%ショ糖添加BHI 液体培地を,P.gingivalis はヘミン・メナジオン添加のウマ血液寒天培地および ヘミン・メナジオン添加BHI 液体培地を使用し,37℃嫌気条件下で培養を実施した.得られたデータから,各試料に付着した細菌数(CFU)の平均値を求め,インプラントの素材による細菌付着量について比較・検討を行った.S. mutans に関しては,SBA とMS の差は認められなかったが,SBA と比較してRA1.5 は2.4 倍,RA3.0 では2.9倍の細菌付着量が確認された.P. gingivalis については,有意差は認められなかった. 実験結果においての細菌付着量には,インプラント体の表面性状や表面粗さの違いにより差が出る可能性が示唆された.
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© 2016 一般社団法人バイオインテグレーション学会
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