Seibutsu Butsuri
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Young Voice
Tohoku Young Biophysics: Chill, Talk, Connect
Daichi NAKAJIMA
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2025 Volume 65 Issue 4 Pages 230-231

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博士課程は,孤独で険しい.もし東北にいるあなたが「博士課程うまくやっていけるかな」「同じ道を志す友達が欲しいな」と思っているなら,ぜひ東北支部に入ってほしい.仲間がいればきっともっと楽しくなるはず!専門分野が生物物理ではなくても,まだ学部生でも,ウェルカムである.本稿では,東北支部の立ち上げと活動内容,これからの課題について紹介します.

なんか面白いことやろーぜ!

東北支部設立のきっかけは,筆者が第63回生物物理若手の会夏の学校1)に参加したことから始まった.博士進学者はラボ内で自分だけと分かっていたので,同胞を求めて参加した.そこで知り合ったのが,現在東北支部の副支部長として支えていただいている本学薬学研究科中林研究室の横澤公平さんだ.当時,「東北支部無いねえ,作りたいねえ」と話していたことを記憶している.ここからは何も進展せず,のほほーんと夏学は終わる.東北支部が本格的に動き出したのは,一年ほど過ぎた2024年4月だと記憶している.

東北支部ってどんな支部?

東北支部は,「孤独になりがちな院生サークル」を目指している.活動内容は,お互いの研究について議論し,将来を語り,そしてたまに酒を飲み交わすことである.現在,博士10人,修士5人,学部生2名が所属している.分野は生物物理の範疇を超え,工学,理学,薬学,農学など幅広い.まだ出来立てほやほやなので,北海道支部と同じコミュニケーションツールで活動している.

2024年度は,東北支部内での研究交流会を3回ほど,北海道支部との合同定例会,忘年会を開催した.研究交流会では,お互いの研究について紹介し合い,議論する(図1,2).LLPSや赤外分光法,人工細胞やさらにはマクスウェルの悪魔(!?)といった話まで多岐にわたり,白熱した議論で大盛り上がりだった.若手だけの空間で,なんのしがらみもなく興味本能のままに議論できるのが醍醐味である.

図1

第2回研究交流会の様子.青葉山スタートアップガレージを使わせていただいている.

図2

交流会後の集合写真,左上が筆者.

北海道支部との合同定例会では,異分野の融合可能性と将来の展開を探る試みを行った.初回は東北支部長・中島が専門の分子ロボティクスについて話題提供し,後半はどんな人工細胞が欲しいかや自身の研究に人工細胞工学を取り入れるならどうしたいなどのディスカッションを行った.朝の歯磨きを自動でやってくれる人工細胞や,内部でタンパク質を結晶化する人工細胞など,面白いアイディアが色々出た.生物物理は比較的広い学問分野である.そして若手だけの空間を併せて活用することで,自由で独創的なアイディアを紡ぐ場所になれる.また,この活動は学位論文に向けた自身の専門分野に関する幅広い知識の獲得,分野外の人に分かりやすく説明するスキルの獲得などにも有用であると考えており,ぜひ継続していきたい.

東北支部が大切にしていきたいこと

東北支部が大切にしていきたいことが2つある.

1つ目は,ゆるーく楽しく活動することである.東北の生物物理を盛り上げるぞ!セミナーするぞ!共同研究のアイディア出すぞ!と勢い追い込んでしまうと,かえって負担になる.苦しい院生生活の現実逃避に来てほしい.興味のままに研究の話をしてたらいつの間にか良い共同研究のアイディアが出た,みたいな感じが良い.さらに,研究者にとって「どんな研究をしているか」は言わずもがな第一のアイデンティティではあるが,それよりも「どんな人がその研究をしているのか」を大切にしたい.研究だけに閉じない,「人を中心とした繋がり」が研究室の外にある若手の会の価値であると考えている.対面開催に重きを置く理由はここにある.

2つ目に,若手にしかできない活動をやっていきたい.若手の会の活動と言えば,セミナー開催や輪読会,研究交流会が典型的だろう.しかし,既に他の支部や先生方が至る所で開催しているので,わざわざ東北支部が開催する意義は薄いように感じる.それよりも,東北支部は若い組織であるからこそ,固定概念にとらわれない自由な発想で新しい活動を創っていきたい.例えば,子どもから大人まで誰でも参加できる“科学のお祭り”「学都仙台宮城サイエンス・デイ」2)への参加や,生物物理の分野を超え全く他分野の若手を招いて話を聞く会,先述した異分野の融合可能性と将来の展開を探るディスカッションなども楽しそうである.

東北支部のこれから

今年度もゆるーくやりたいことをやっていきたいと思っているのだが,課題も見えてきている.2016年頃にも東北支部の立ち上げがあり3),一度消滅したことを鑑みると,支部の継続にはそれだけの難しさがあるのだろう.孤独になりがちな院生の居場所として東北支部をぜひ残していきたいので,いくつかやらねばと思い始めた.

継続には「みんなでつくる」風土の確立が必要だ.今の東北支部は支部長の中島が引っ張っている支部,言い換えれば「誰か一人が回す」支部になっている.これではきっと継続しない.支部員が自発的に活動し,「やってみたい」を自由に試せるプラットフォームを構築したい.他支部および他の東北地域との繋がりの強化,活動記録の保存,他支部および他の東北地域と敷居の低い定例会の「習慣化」なども必要になっていくのかもしれない.

小さな宿から始めるサイエンス・コミュニケーション

最後に,少し筆者の話をさせていただく.筆者は仙台郊外にあるゲストハウス梅鉢4)のお手伝いをしている.ゲストハウスとは簡単に言えばバックパッカーを対象とした簡易宿である.2段ベッドと共有スペースが特徴で,特に梅鉢は「あなたの旅に人との出逢いが加わる宿」をコンセプトに“人との繋がり”を重視している.世界各国の旅行者を始め,家族連れや工場労働者,スーパーのおばちゃんやIT創業家までありとあらゆる人種が集まる特異的な空間である.

そんな人たちに普段の研究の話をすると,頭が良さそう,難しそうという意見がやはり出てくる.ここを,アカデミアと一般社会を繋ぐ場所として使えないか?特に若手が先導立って好きな研究の話をすることで,より格式低いカジュアルなサイエンス・コミュニケーション空間が作れないかと構想中である.

おわりに

この場を借りて,普段支えてもらっている副支部長の横澤さんと,個性的な支部メンバー,そしていつも支えてくださっている北海道支部の方々に,日頃の感謝とこれからのよろしくを伝えたい.

最後に,東北地方にいらっしゃる仲間が欲しい院生のみなさまへ,ぜひ一緒に学問や将来を語りましょう!気軽に私のメアドや東北支部のXアカウント@TohokuBpwakateまでご連絡ください!

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