近年,日本機械学会の数有る部門の中で,バイオエンジニアリング部門は研究が活発に行われている部門の一つである。このことと,最近の国民の健康意識に関する関心の高まりと関係ないとは思えない。機械学会員の中でも健康・医療・福祉に関する研究に興味を持つ会員が徐々に増えつつある。著者らも人体のバイオメカニクスに関心があり,人体の健康状態を調べる方法を模索しており,その一方法として筋肉(筋力)のバランスに着目し,興味を持って研究している。バイオメカニクス的に人体の筋肉の状態を調べる方法には筋力を測定する方法,直立した際のバランス状態(重心動揺)等を検査する方法,特定の骨の位置関係を調べる方法等が有る。それらの内,本報告では筋力を測定するための測定装置を試作したので報告する。