木更津工業高等専門学校紀要
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河川湾曲流れにおける水制構造物の影響について
大木 正喜白井 淳治
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2000 年 33 巻 p. 33-37

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抄録

河川は上流部においては河床が洗掘され,中下流域となると河床侵食よりも,河岸侵食が大きくなり蛇行が始まる.また,河川や水路の蛇行により形成された湾曲部では,流れの遷移現象により湾曲部外側では侵食が生じ下流直線部にまでおよぶ.また,内側では堆積が生じて河岸,河床に多大な影響を及ぼす。近年,多自然型の川づくりが行われてきており,河岸ではコンクリート護岸の換わりに,柳枝工や蛇籠等を組み合わせて河川環境にも考慮するようになった。本研究は,河川の周囲の景観を考慮して,水面下に水制構造物を挿入することで,湾曲部を通過する流線に方向変化を生じさせ,湾曲による流れの影響を緩和することを目的に実験を継続している.湾曲部に水制構造物を挿入することにより,流線の方向変化に対し有効に作用することはmodel実験により判明している.また,河川においても1形態であるが水制構造物を挿入することにより,湾曲による流れの影響が緩和されることが実証できた.しかし,形態や粗度の変化に富む河川では,model実験の結果がそのまま作用すると予測できないため,今後,model実験で有効に作用したいくつかの形態について検討するつもりである.本報告は,model実験で行った最小有効長さの水制構造物について検証した結果についてまとめたものである.

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