抄録
日本は国土面積の12 倍にもなる約447 万km2 と世界第6 位の広さの排他的経済水域を有し,海洋資源大国となる可能性を持っている.しかし,海中の開拓はこれまで余り進んでおらず,海中でのセンシングや通信についても音波が主流であり,詳細なセンシングや高速な通信が求められている.筆者らは電波利用の最後のフロンティアである海中におけるワイヤレス技術の確立を目指して研究開発を行っている.本稿ではこれら電波を利用した海中ワイヤレス技術について,海中での電波伝搬や通信,海底下センシングについて筆者らの研究成果を解説する.