抄録
将来展望を含めたメタマテリアル研究開発の現状と応用事例については本小特集で詳しく述べられているから,本稿ではメタマテリアル及びそれを利用したマイクロ波や光デバイス及びアンテナの設計解析に不可欠な電磁界解析法の基本概念とメタマテリアル特有の取扱いを紹介する.計算機に適合した電磁界解析手法の研究分野を総称して計算電磁気学といい,周波数領域ではモーメント法と有限要素法,時間領域ではFDTD法がその中心的役割を果たす.これらの手法を用いれば数値的に正確な結果を得ることはできるが,結局は計算機の能力に頼る方法であるから,問題によっては必ずしも適切ではない.そこで本稿ではメタマテリアル設計に用いられる準解析的方法や近似手法についても簡単に述べる.