抄録
日本の地方における人口減少が進む中,スマートシティへの取り組みが強化されている.日本政府のスマートシティ構想では,様々なステークホルダー間の連携による「コレクティブインパクト」が重要であるとともに,市民の幸福度向上に重点が置かれる.地域住民等が官民のオープンデータを活用し地域課題を解決する取組が推進されているが,市民参加・合意形成が課題であり, 都市インフラの複雑さやデータへの理解不足が参画の障壁となっている.本研究では,スマートシティ実現における市民参画を促すために,(1) 楽しみながらスマートシティの理解を深めるゲーミフィケーション教材「コレクティブインパクトゲーム」と(2) それに付随するワークショップに加え,(3) 本教育手法を拡大するためのファシリテーター研修を開発し,その有効性を検証した.結果,「年齢に合わせた設計」「学びを深める事後演習」「自分の住むまちを対象にゲームをプレイする」の3つの条件が揃うことで,市民が楽しみながら理解を深められることが示された.また,本ゲームから「コレクティブインパクト」の概念を学ぶことが,スマートシティ実現への質の高いアイデア創出に寄与する可能性が示唆された.さらに,本取り組みを推進するコミュニティの拡大が観察された.